○木下
委員 ああ、来ていないのか。ごめんなさい。では、次、今度聞きますけれども。
こういう
状況の中で
考えていくと、本当にこれは精緻化するのは相当難しいと私は思うんですね。やはりどうにかしていかなきゃいけない。ただ、計画は出していかなきゃいけないし、お金もどれぐらいかかるかを精緻に見積もっていく、この間も出ていましたけれども、精緻なものかというと、精緻なものではないんですよね。
あともう一つ、ちょっと私が気になるところがありまして、今、
田中委員長もおっしゃられていたところなんですけれども、一つ、ちょっとなかったところがあると思っているんです。
何かというと、どういうふうになれば
廃炉が安定的にできたと思いますかというところで、ちょっとかいつまんでお話をいただいたんですけれども、私が思っているのは、デブリを取り出して、それでどうするのかというところが見えないんですね。飛散するのを何とか抑えようとか、どうにか抑えよう、これは、確かに
技術面ではそういうふうなことをしっかり
考えていかなきゃいけない。だから、範疇としてはそこまでだと思うんですけれども、これは
田中委員長に聞く話じゃないと思うんですけれども、あえてここで言わせていただきますけれども、では、その取り出したものを
技術的に安定的にしっかりと保存、保管ができる状態にして、今度はそれをどこへ持っていくかということなんですね。これが全く今
議論されていないというふうに私は思っておりまして、これを決めるのは誰かということなんです。
これは当然、規制庁ではないというふうに私は思っていて、これは、政治家、
政府であり、ここにいる国
会議員の皆さんが
議論をしていくべきところであって、逆に言うと、見えないところが多いんだけれども、何とかして
工程表をつくっていって、そこの
目標を定めて、
技術的な
観点については何とか手繰り寄せていこう、こういう
努力は見えている。しかし、それで取り出されたものをどこへ持っていって、どういうふうにして保管していくのかということについては、これが
議論されていないというのは、これは政治家として、早期にこういうふうな話をもっと
議論していく場をつくっていくべきなのではないかなと私は思いまして、きょうちょっとそういう話をさせていただきました。
もう一つなんですけれども、これも規制庁にお話を聞くような話じゃないんですけれども、これも、
経済産業省資源エネルギー庁が出している資料なんですけれども、「
廃炉の大切な話」、これはほかの
委員会でもいろいろ話したんですけれども、非常にいろいろなことが書いてあるんです。詳しく書いてあって、これからあの地域に帰還されるような方々がしっかりと内容をわかって、今どういう状態になっているかということを
理解するためには非常にいい資料だなと思ったんですけれども、これはデブリと同じような問題で、一つおもしろい、おもしろいと言ったらだめですね、一つちょっと興味をそそられるところがありました。
何かというと、汚染水への
対策、
取り組みというのがあって、そこには、
方針として「汚染源に水を近づけない」「汚染水を漏らさない」それから「汚染源を取り除く」と書いてあるんです。
「汚染源を取り除く」というところでは、汚染水の中に、多
核種除去装置等を使ってセシウムそれからストロンチウム、こういうものを除去するということはやられている、最後に残っているのは、トリチウム以外の除去がされたというふうな状態になっている、こう書いてあるんです。「これまでの
対策の効果」として、建屋への地下水流入量が非常に減ってきている、安心できる状態までどれぐらいかというところはあれですが減ってきている、それから、周辺海域の放射性物質の濃度は二〇一一年三月から比べて極めて低くなっているという感じのことが書いてある。
これはすごく、絵で見てわかるようにしていて、非常に
参考になる資料なんですけれども、ただ、一つだけ私はちょっと気になるところがある。
これは何かというと、トリチウムが残っているというところが書いてあるんですけれども、トリチウムというところでちょっと小さく書いてあるんです、「トリチウムとは?」と。「タンクに貯蔵された水に含まれたトリチウムは、自然界にも存在し、私たちの飲む水道水にも、私たちの体内にも存在します。」と。「こうした水の取扱いについては、現在、
技術的
観点のみならず、社会的
観点も含めて、総合的な検討を丁寧に進めています。」と書いてある。絵が描いてあって、水道水には一リッター
当たり一ベクレルのトリチウムが含まれている、人体にはリッター
当たり数十ベクレルのトリチウムが含まれているというふうに書いてあるんです。
これはわざわざ聞く話じゃないのでもう私が話してしまいますけれども、
経済産業省に聞いたんですね、では、今の出てきている汚染水で、今現在で一リッター
当たりどれぐらいのベクレルのトリチウムが含まれているかと聞いたら、何と三十万ベクレルだと言うんです。でも、三十万ベクレルとここに一切書いていないんです。ここで書いてあるのは、水道水一リッター
当たり一ベクレル、人体には数十ベクレルです、私たちの体内にも存在していますとしか書いていないんです。書けよと。
こういうことを見過ごしてはならないと私は思っていて、ここをやはり、こういうことをちゃんとやっていかなければ
廃炉は本当に進まないんじゃないかな、これは体質をそのままあらわしているんじゃないかなと。いろいろ言いわけされていました。
地元の方々といろいろと協議しながら、こういう表現にしていったと。
これは、せっかくなので、最後、こういうこと、コメントを聞くような話ではないんだと思うんですけれども、来ていただいて、座っていただいているんです。こういう体質を直していかなければ、これから先、
原子力発電の未来、それから、こういった
廃炉に対しての地域の安心、本当の安心ですね、安心、安全と言われる
部分というのは本当に確保されないと思うんですけれども、これは、
委員長、どう思われますか。