○安藤
委員 自由民主党の安藤裕でございます。
発言の機会をいただきまして、ありがとうございます。
きょうもいろいろな
意見が出ておりましたけれども、少し残念に思いますのは、他党他
会派の批判の
議論が少し一部で始まってしまいまして、本日の議題である
地方自治についての話が少し拡散をしたように思います。他党他
会派の批判も、これも必要な部分があるとは思いますけれども、ぜひきょうの議題に沿った話で
議論を進めていただきたいと思いますし、
国民の皆様方もこれを期待しているんだろうと私は思います。
その上で、きょうの
地方自治についてお話をさせていただきたいと思いますけれども、まず、道州制についてのお話がございました。
これは一部でかなり
議論が進んでおりますけれども、しかし一方で思いますのは、今の
東京一極集中あるいは
地方の
人口減少が今の
地方自治の
制度が原因なのかということについては必ずしも明らかでないということでございます。これが必ずしも明らかでない中で、道州制がいいということにならないと思いますし、これは冷静に
議論していく必要があるんだろうと思います。
その上で申し上げたいのは、やはり
財源の問題が出てくると思います。
財源のあるところには集まり、
財源のないところはやはり厳しい
状況になる。そして、
財政を
運営していくためには課税の自主権というものも考えなくてはいけないのではないかということになってくると思いますが、行政コストを賄うためには、税源とそれから債券、借金ですね、国債ないし
地方債というものを発行して
財源を調達するということになってくると思いますけれども、中央銀行を持たない
地方自治体において、これはなかなか、債券を発行するというのも限界があると思います。そしてまた、課税権を行使するにおいても、やはり
地方の経済の実力の中で課税というものに相当制限があるだろうというふうに思います。そういう
意味では、この
財源の問題からしても、道州制を導入してこれが解決していくということにはなかなかならないのではないかというふうに思います。
それから、
条例の上書き権ということについてもお話がございました。
条例を自主的に決められるということは、これは大事なことだと思いますけれども、しかし一方で、
法律の上書きができる、それ以上のことができるということになると、やはり国の秩序というもの、秩序という面からいうと、これは相当疑問が出てくるだろうというふうに思っております。
それから、一番危惧をするのは、今都市間競争ということがかなり言われております。もし仮に
日本で道州制を導入すると、道州間の競争ということに走っていってしまうのではないか、そうすると、
日本の国の一体感というものが損なわれていくのではないかということも危惧をしておりますし、やはりこの道州制という問題は少し慎重に考えていく必要があるのではないかというふうに思っております。
それから、合区
制度のこともございました。
やはり私
たち国会議員は
地域の代表として仕事をさせていただいております。先ほど来話が出ておりますとおり、
人口の少ないところからは少ない人数でということになると、やはりなかなか
地方の声が中央に届かない。これは参議院に限らず、衆議院も今度は区割りの変更の法案が出てきますけれども、衆議院も同様のことが起きてくるんだろうと思います。
地方の再生のためには、やはり
地域代表の
国会議員がある程度の数が確保できるような、そういった
体制は間違いなく必要であろうというふうに思います。
それから
最後に、
住民投票等をもっと義務化したらどうか、活用したらどうかという
意見がありました。
住民投票というのは、これは先ほど
辻元委員も少しおっしゃっておられましたけれども、
投票というのは、やはり
地域間の、その
住民間の分断を招くおそれがあります。より重大な問題であればあるほど、
住民投票にかけていいものかどうかというのは慎重に考えなくてはいけません。
それから、キャンペーンのうまい方に
投票が偏るという結論が出てくるということもあると思います。これは、本質的な
議論ではなくて、キャンペーンのうまい方に
投票が偏って、そっちが勝つということになって、これが本当にその
地域のためになるのかということについては、これも慎重に考えなくてはならない。直接
民主主義が、常に正しい、あるべき結果を招くとは、という答えになるとは限りませんので、そのことについてはやはり慎重に考える必要があると思います。
そして
最後に、外国人
参政権。
地方参政権については、外国人も例えば
住民投票には参加ができるというふうな
条例を決めているところもありますけれども、私自身は、やはり
地方においても外国人には
参政権を認めるべきではない、このことも
憲法に入れるべきではないかという
意見を持っております。
以上でございます。