○柿沼
会計検査院当局者
平成二十六年度
総務省の
決算につきまして
検査いたしました結果の
概要を御
説明いたします。
検査報告に掲記いたしましたものは、
不当事項十件、意見を表示しまたは
処置を要求した
事項三件及び本院の
指摘に基づき
当局において
改善の
処置を講じた
事項三件であります。
まず、
不当事項について御
説明いたします。
検査報告番号二号は、教育分野における最先端ICT利活用に関する
調査研究の委託
契約において、委託先が実際に負担した額に基づかない時間単価を適用して人件費を算定していたため、委託費の支払い額が過大となっていたものであります。
同三号から一一号までの九件は、補助事業の
実施及び経理が不当と認められるものであります。
このうち三号から五号までの三件は地域活性化・経済危機対策臨時交付金が交付の対象とならない事業に交付されていたなどのもの、六号は地域活性化・公共投資臨時交付金が交付の対象とならない事業に交付されていたもの、七号は地域
情報通信基盤整備推進交付金等の交付対象事業費の積算を誤ったため、事業費が過大となっていたもの、八号及び九号の二件は地域の元気臨時交付金で行った河川整備事業において護床ブロック工の施工が設計と相違していたなどのもの、一〇号は
情報通信技術地域人材育成・活用事業交付金により整備したICT関連システムの一部が利用されておらず、補助の目的を達していなかったもの、一一号は
情報通信利用環境整備推進交付金事業の交付対象事業費が過大に精算されるなどしていたものであります。
次に、意見を表示しまたは
処置を要求した
事項について御
説明いたします。
その一は、地域力の創造等に関するモデル事業の
実施に係る
契約に関するものであります。
検査いたしましたところ、
総務省において、モデル事業の
実施団体に対する経費の支払いは要綱で示した支払い上限額の範囲で精算払いにより
総務省と
契約した請負業者から支払うとしていた一方、当該
契約の
契約形態を確定
契約としていたため、支払い額が支払い上限額を下回る場合に、その差額を請負業者との間で精算していない事態が見受けられました。
したがいまして、
総務省において、モデル事業の
実施に係る
契約において、
実施団体に対する支払い額が支払い上限額を下回った場合にはその差額を精算するなど支払い
業務のあり方を見直すよう是正
改善の
処置を要求いたしたものであります。
その二は、震災復興特別交付税の交付額の精算等に関するものであります。
検査いたしましたところ、震災復興特別交付税の額の算定において、見込み額を用いた算定額により交付された震災復興特別交付税について適切に精算が行われていなかったりするなどしていて、震災復興特別交付税が過大に交付されている事態や交付基礎額が要調整額に比べて少額であるなどのため短期間で要調整額を解消することが困難となっている事態が見受けられました。
したがいまして、
総務省において、各府省に対して、確認表に記載する補助事業等に係る地方負担額等の記載方法や記載誤りの例について周知徹底したり、都道府県及び市町村が実績額へ反映を行ったことなどを確認するための点検項目欄を算定資料の様式に設けたり、都道府県及び市町村に対して、事業完了時に実績額を把握し、見込み額との差額を精算することの必要性や適切な精算等を行うための留意点について周知徹底したりするよう是正
改善の
処置を要求するとともに、解消することが困難となっている要調整額について、当該要調整額を解消するための方策を早期に検討するよう意見を表示いたしたものであります。
その三は、消防救急デジタル無線施設の整備事業に係る補助対象事業費に関するものであります。
検査いたしましたところ、三十三市町村における消防救急デジタル無線施設の共用施設等に係る補助対象事業費の算定において、市町村が負担すべき通常の消防救急
業務に使用する活動波部分の経費を除外することなく整備に係る経費の全額を補助対象事業費としている事態が見受けられました。
したがいまして、消防庁において、消防救急デジタル無線施設のうち共用施設等に係る補助対象事業費の算定に関する具体的な取り扱いを定めるよう意見を表示いたしたものであります。
次に、本院の
指摘に基づき
当局において
改善の
処置を講じた
事項について御
説明いたします。
その一は、地域活性化・緊急安心実現総合対策交付金等による交付金事業の
実施状況を踏まえて、今後、同種の交付金による事業を
実施する際には、交付の趣旨に沿うよう地方債の償還等に交付金を充当しない取り扱いとすることを明確にしたり、事業
実施後の
検証に係る取り扱い及び消費税に係る取り扱いを定めたりすることなどにより、交付金事業が適切に
実施されるよう
改善させたものであります。
その二は、電波監視システムを非常時に運用するための電力を供給する無停電電源装置等の設置等について、設置
基準を明確に定めるなどし、合同庁舎等に設置された自家発電設備からの電力の供給体制を考慮して適切に
実施されるよう
改善させたものであります。
その三は、インターネット上からの通信が可能なサーバー上で利用していたサポート期間が終了しているソフトウエアの更新等を
実施するとともに、ポリシー等を改定することなどによりサポート期間が終了しているソフトウエアを利用しないよう
改善させたものであります。
なお、以上のほか、
平成二十三年度
決算検査報告に掲記いたしました独立行政法人郵便貯金・簡易生命保険管理機構における利益の処分について意見を表示した
事項並びに
平成二十五年度
決算検査報告に掲記いたしました重要物品の帳簿価格の改定、
特定調達に係るガスの
契約事務の
実施及び防災
情報通信基盤整備事業等の
実施について、それらの
処置を要求した
事項並びに無線システム普及支援事業費等補助金により
実施しているケーブルテレビ幹線対策事業について意見を表示した
事項につきまして、それらの結果を掲記いたしました。
続きまして、
平成二十七年度
総務省の
決算につきまして
検査いたしました結果の
概要を御
説明いたします。
検査報告に掲記いたしましたものは、
不当事項十一件及び意見を表示しまたは
処置を要求した
事項一件であります。
まず、
不当事項について御
説明いたします。
検査報告番号五号は、サーバー上で稼働するソフトウエアが提供する機能をパーソナルコンピューターで利用するための権利について、その必要性の検討が十分でなかったため、必要のない
調達を
実施していたものであります。
同六号から一五号までの十件は、補助事業の
実施及び経理が不当と認められるものであります。
このうち六号及び七号の二件は地域経済循環創造事業交付金が過大に交付されていたもの、八号は地域の元気臨時交付金が交付の対象とならない事業に交付されていたもの、九号は社会保障・税番号制度システム整備費補助金が過大に交付されていたもの、一〇号から一二号までの三件は
情報通信技術地域人材育成・活用事業交付金により
実施した事業の交付対象事業費に交付の対象とならない経費を含めていたなどのもの、一三号は地域公共ネットワーク等強じん化事業費補助金により
実施した事業の補助対象事業費に補助の対象とならない経費を含めていたもの、一四号は電波遮へい対策事業費等補助金により
実施した事業に係る補助対象事業費の積算及び補助率の適用を誤ったため、補助金が過大に交付されていたもの、一五号は緊急消防援助隊設備整備費補助金により
実施した事業の補助対象事業費が過大に精算されていたものであります。
次に、意見を表示しまたは
処置を要求した
事項について御
説明いたします。
これは、国有提供施設等所在市町村助成交付金の交付額算定のための報告に関するものであります。
検査いたしましたところ、都県において、提供国有財産に異動があるかを正確に把握しないまま、未提供国有財産及び返還国有財産を算定対象国有財産に含めて
報告書等が作成されているのに、
総務省において、これらの報告をもとに市町村助成交付金の交付額を算定している事態が見受けられました。
したがいまして、
総務省において、都道府県に対して、
報告書等に未提供国有財産及び返還国有財産を計上しないこととする取り扱いを明示するとともに、新規提供国有財産及び返還国有財産について防衛省通知に記載されている
情報を用いて的確に把握して
報告書等を作成することを周知するよう
改善の
処置を要求いたしたものであります。
なお、以上のほか、
平成二十三年度
決算検査報告に掲記いたしました独立行政法人郵便貯金・簡易生命保険管理機構における利益の処分について意見を表示した
事項並びに
平成二十六年度
決算検査報告に掲記いたしました地域力の創造等に関するモデル事業の
実施に係る
契約について
処置を要求した
事項、震災復興特別交付税の交付額の精算等について
処置を要求し、及び意見を表示した
事項並びに消防救急デジタル無線施設の整備事業に係る補助対象事業費について意見を表示した
事項につきまして、それらの結果を掲記いたしました。
以上をもって
概要の
説明を終わります。