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石関委員 日米とこれだけ緊密な同盟関係だ、大事だ、当然のことだと思います。でありますから、当然、事前協議をして、
我が国の立場もしっかりと
米国にも申し上げる。そして、できる限り、最大限
国民に、現状がどうなのか、これからどうなるのかということを御説明いただく。当然のことだと思いますが、しっかりとこれをお願いしたいというふうに思います。
議論を移したいと思います。次は、
安倍総理が行われてきた、いわゆる地球儀を俯瞰する外交とODAの予算、また国内の子育てですとか若者
支援、社会保障といった問題に関する予算についてお尋ねしたいと思います。
まず、
安倍総理は、第二次政権発足以降、地球儀を俯瞰する外交と称して極めて積極的に外交を重ねて、それぞれの国とさまざまの
支援などを約束してきています。海外
支援というそもそもの理念があります。南北問題を解決するということから発しての海外
支援。また、海外投資によって直接利得を得る大企業というのもあります。そして、これまでには、直接にこういったものによって何の得もしないで、国内でどちらかというと生活に苦しさを感じている多くの方々、こういう
国民の皆さんもいらっしゃいます。
ですから、それぞれの立場によってこの外交についての評価はさまざまだというふうに思います。ただ、少なくとも
安倍総理の外交姿勢というものはこういうものなんだということについては、非常にこの姿勢は
国民には浸透していると思います。
私自身、自分の反省を込めて申し上げますが、よいも悪いも外交について言えば、何をどうするんだとわかりやすい
考え方、姿勢を打ち出していないことが、私が所属する民進党の存在というものを望洋としたものにしてしまっている。私が所属している政党のことですから、反省を込めて申し上げたいと思います。
例えば、民進党が言っている共生とか、こういう言葉については、みんなで仲よくやっていこうよという
考えですから、これを否定する人はまずいないと思いますが、何がどう共生するのかとか、どうやって実現するんだ、その筋道まではっきりと政党が示さなければ、とても
国民が、よし、この政党に任せようということにはならないんだと思います。このことをはっきりさせていく。
もちろん、何かを打ち出せば必ず批判というものがありますが、それを乗り越えて、信じる一定の価値に従ってこういうものを打ち出していくのが、我が党民進党に今必要とされている喫緊の課題だというふうに思います。
それはそれとして、そういう立場もある、
総理が行ってきた外交のスタンスもある、こういうことを踏まえてお尋ねいたします。
パネルをごらんいただきたいと思います。ここ最近の海外へのODA、
開発援助が載っています。赤とその下のブルー、これを総合したものがいわゆるODA、海外への
開発援助です。ブルーの部分というのは借款ですね。お金を外国に貸すという部分が内数でブルーになっています。ただ、下の借款の部分、大体六千億ぐらいから倍増しています。ここの部分については、財政投融資、財投債というものが元手になっていて、これは国債です。
ただ、倍増しているのは非常におもしろいことで興味深い。この期間を見ると
平成二十年以降倍増しているんですが、これについては、いわば財投債という国債、借金をして、その借金を外国に貸している、これが今の
日本の借款の現状だということは我々は注目する必要があると思います。この部分、借金で外国に借金させる部分が倍増しているということです。
そして、これまで、
安倍政権だけではありませんが、過去にこういった、お金を貸して結局返ってこなかった、棒引きして返さなくていいですよと免除した部分というのは約一兆一千三百億円、こういう額になっているということも我々は承知をしておかなければいけないと思います。
第二次
安倍政権以降だけで見ると、いわゆる地球儀を俯瞰する外交が始まってから、
日本で借金をして外国にお金を貸す、この借款については大体七兆円、こういう額になっています。これが多いのか少ないのか。
先ほど、社会保障全般で見ると二十数兆という数字が出ていましたが、これに比べればそれほどの額でもないかもしれませんが、ただ、同じように、このパネルに載せたように、今本当に
国民、国内で必要とされている予算、例えば若者
支援とか子ども・子育て
支援といった予算がここにも出ています。
一番わかりやすいのは、今後になりますが、給付奨学金二百二十億円というのがやっとこれから使われていくことになりました。ただ、反対に、無利子の奨学金、これまで使われてきた大学に行く方に無利子で奨学金を出しましょうというのは、緑の数字になりますので非常に少ない。残念ながら、こういうことが行われてきて今度は給付型でやりましょうということになりましたが、給付型についてもこれしかないというのが現状であります。
あれもこれも予算は必要な時代ですから、どっちがどう、外国にお金を貸すのが全然悪いんだ、こういう話をしているわけでは全くありません。ただ、これが現状ということだと思います。今お話ししたように、外国へ援助することも必要、ただ、国内で本当に切実な皆さんがふえているということも今の現状と認識いただきたいと思います。
ここ数年、雑誌の見出しを見ると、貧困老人とか下流老人とか格差とか、こういう文字が躍っていないことはまずないと思います。制度を維持するためであっても、実際に年金というのはカットされています。医療費の自己負担というのも増加傾向にあることは
国民が肌で感じています。
このパネルにあるとおり、奨学金についても、各家庭の所得が実質的に減って、奨学金をもらってやっと大学を卒業しても、その返済で社会人生活を地獄のような環境でスタートしなければならない、こういう若者も確実にふえています。
総理も御承知だと思います。
日本は先進国の中で
経済規模に比べればまだまだ海外への援助は少ないと批判されてきましたが、ただ、これは理屈ではわかりますけれども、国内の現状もこれありということだと思います。外国にそんなにお金を使うんだったら私の暮らしをもう少し何とかしてほしいという、切実であり同時に素朴でもある声というのが確かに大きくなっていて、私も地元でこういう声を多く耳にするようになってまいりました。
年金では暮らしていけないから、しようがない、生活
保護になった。保育園が足りない。真面目に勉強したいけれども、奨学金という名の借金を背負って生きていくのは無理です。家庭の事情でしっかりとした食事がとれない子供たちのための子供食堂、こういったものも私の選挙区、地元でも次々に立ち上がっている。これが現状です。
繰り返し申し上げますが、海外
支援が悪いと言っているわけではありません。ただ、同時に、予算の制約がますます狭まる中で、国際貢献と国内の貧困、福祉、子育て、若者
支援とのバランスというのは大事だと思いますし、特にそのことを丁寧に
国民に説明していく必要があるというふうに思います。国内で、生活のために、勉強のために今すぐ予算が必要だという方は確実にふえています。
安倍総理、このバランスについて、海外それから国内の切実な問題、こういったものへの予算の今後のありようについて、
総理のお
考えを伺いたいと思います。