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木下委員 ありがとうございます。
お話しされているときに後ろでも言われていたんです、役所はオープンじゃなきゃいけないんだよと。私も、オープンじゃなきゃいけないとは思います。ただ、そのかわり、どういう形でオープンにするかだと思っているんですよ。
今回、施錠したことによって何が起こるかということをちょっといろいろ考えると、普通ではやはり情報はとりにくくなるのかもしれません、特に新聞記者の方なんかは。だから、新聞には物すごく書いてありますよね。まるで
世耕大臣が物すごいひどいことをしたというような感じで書かれている。
例えば、ここを見ると、報道
機関でつくる記者クラブ、
経済産業記者会は、情報公開の後退につながると。(発言する者あり)そう、もういっぱい言われます。この話になったら、本当にいろいろなところからいろいろ言われる。
でも、私はこれを見ていて思うんです。情報公開の後退につながるって、鍵をかけただけで情報公開の後退につながるというのは、今までどうやって情報をとっていたんだろうと。そういうふうに言ったら、またそれを自己防護するように、まるで新聞社だとか記者は情報をかすめ取るかのような、警戒するような発言があったんだとか言って、またこれをやってくるんですよ。
でも、考えてみてください。だって、そんなのは普通なんですよ、鍵をかけてやるのは。もう今は、
皆さんは電車に乗られないから余りわからないかもしれないけれども、この周辺でも、
皆さんIDカードみたいなものをかけられていますよね。大手町とかあの辺に行くとみんなかけています。あれでぴっとやらないと入れない。
例えば、私なんかは、最初のうちはよかったんです。最初のうちは、
会社に入ったときはそうじゃなかったのが、あるときからそういうふうになって、これは一番困るんですよね、朝ぎりぎりに行って、あの鍵を忘れると入れないんですよ。手続している間に遅刻しちゃうとか、そういう話があったりする。でも、
皆さん多分そういうこともわからないとは思うので、ちょっとこういうところで話したんです。
一番おもしろかったのが何かというと、役所はオープンだけれども
会社がオープンじゃなくなっていった、それがおもしろいんです。
私の
会社は消防庁の隣にあったんです。当時は、消防庁の隣に法務省の入国管理局もありました。それで、私どもの
会社がその近くにあったんですけれども、昔は誰でも入れたんです。誰でも入れる。昼前になると食堂に草履を履いたおっちゃんみたいな人がいるんですよ、腕まくりして、ネクタイを何かこの辺にかけたりとかして。終わったら、つまようじをくわえて帰っていくんですよ。
そんな人がぶわっとあふれていまして、私ども、貿易が主だったので、外国の人たちもいっぱい来る。そんな中でそういう人たちが来られるといけないということで、それだけの問題ではないんですけれども、前にガードマンをしっかり立たせて、入る人を、どういう
目的で入られるのかということをちゃんと書くようになった。
その人たちは、当然どこの人たちとは言いにくいですけれども、やはり役所の人たちなんです。役所の人たちがみんなそうやって私の
会社の食堂に御飯を食べに来る。
それで、いろいろ問題になりまして、そうなると、今度は普通の
会社の人たちも、執務するところの横に打ち合わせ机がだあっとあるんです、打ち合わせ机に朝から晩までずうっと座っている
中小企業のおっちゃんとかがいるんですよ。それで、お茶を出して、事務員の人からお茶をもらって、ずうっとだべって、来る人来る人としゃべる。でも、それをよしとしていたんです、昔は。なぜかというと、そういうところから商売が生まれてきて、いいものを買ってもらったり商売のネタができてくる。そのためにスペースを公開していたんです。
それがなくなった途端に、東京にある本社はあれだったんですけれども、大阪にあった部署は、それをやった途端に売り上げががくっと下がりました。結局、前にガードマンがいるから入ってこれない。小さい商売が主ですから、繊維だとかああいうのが下火になるようなそういうときだったんですけれども、そういうふうになってしまった。これはよしあしはあるけれども、これから先の世の中はそうやっていかなきゃいけないよねというところで、商売の形態も変わりながらもやっていった。
もう
一つ、これは応援するためなので、別に
質問をこれ以上する気はないんですけれども、私は大阪の中之島にあった
会社に勤めていたんですよ。地震があって建て直しまして、建て直したことを機にしっかりセキュリティーをできるようにした。セキュリティーをできるようにして、なかなか入るのが入りづらくなっていって、よその部署に入るのも入りづらいという状態でちょっと困っていたんです。
そうしたらあるときに、ガードマンがうろうろしているんですよ。夕方になって、三時ぐらいだったかな、うろうろしていて、いきなりヘリコプターがぶわっと来て、消防車とかもいっぱい来まして、何があったんだろうと思ったら、隣の隣の隣は大阪市役所なんです。市役所の周りに救急車だとか消防車だとかがぶわっといる。何だ何だと思っていたら、五時半になったらいきなり館内放送がかかりまして、このビルの中に時限発火装置を
設置したという脅迫電話がかかったのですぐに出てくれと。五時半まで待って出させるってどういう
会社なんだろうと私は思ったんですけれども。それで、出て、結局何も見つからずに大丈夫だった。
結局どういうことだったかというと、本当は私どもの
会社のビルに爆弾というのか時限発火装置の通告があったんですけれども、結局、セキュリティーが厳しいから行けなくて、一番セキュリティーがない、誰でも入れるオープンな大阪市役所のトイレに置いて帰って、それが燃えたということがあったんです。
だから……