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廣瀬参考人 東京電力の
廣瀬でございます。
先生方皆様には、私
どもの
事業に対して日ごろよりさまざま御
指導をいただいておりまして、本当にありがとうございます。この場をかりて御礼を申し上げたいと存じます。
私
どもの
福島の
事故から六年が経過いたしました。本当に長い間、しかも、今もなお多くの
皆様に大変な御不便、御
心配をおかけしておりますこと、改めましておわびを申し上げたいと思います。
私
ども東京電力は、
社員一人一人
全員にわたって、
東京電力が
破綻処理を免れ、存在を許されているのは、
福島の
責任をしっかり果たしていくためだということをしっかり胸に刻みまして、今、
さまざま復興活動、
廃炉活動を努めているところでございます。
本日は、
原子力損害賠償支援それから
廃炉支援機構の
改正法の
審議に当たりまして、私からはまず、私
どものこれまでの
取り組みと、それから今後の
決意ということでお話を申し上げさせていただきたいと思います。
まず、これまでの
廃炉に関する
取り組みでございますけれ
ども、
皆様本当に御
承知のとおり、
事故以来、ちょうど六年前の今ごろから、大変な
さまざまトラブルの連続でございました。本当に、毎日毎日
トラブルの
解決のために場当たり的な
対応を余儀なくされていたというところでございます。御
記憶と思いますが、ネズミにケーブルをかじられて冷却のポンプがとまってしまったり、あるいは、タンクの底から
汚染水が漏れてしまった、あるいは海まで行ってしまったというようなこと、本当にたくさんの
トラブルがございまして、そのたびに
皆さんから大変な御
心配、お叱りを受けてまいったところでございますが、一方、そうした中で、少しずつではありますが、六年の間で、
安定化に向けて
取り組みがなされてきたという面もございます。
特にこの二年ぐらいにわたりましては、
大分進んでまいりました。御
記憶のとおり、四
号機の
使用済み燃料プールから、千五百三十五体も入っていたんですけれ
ども、全部取り出すことができましたし、さらには、
汚染水、これも
皆さんに御
心配をおかけしておりますけれ
ども、多
核種除去装置、いわゆるALPSというもので、とりあえずは全量の
処理が完了しております。また、
海側の岸壁の岸に
海側遮
水壁というのを完成させまして、
地下水経由で
汚染物質が海に流れ出ているのではないかということに対してはそうした
対策をとらせていただきました。
一方で、本当にたくさんの
作業員の
方々に頑張って働いていただいておりますので、
皆さんに対して、少しでも
労働環境をよくしていくということも取り組んできたところでございます。
皆さんも、何度も一Fを御視察いただいておりますので御
承知のことと思いますけれ
ども、
全面マスクを必要とする、あるいは、タイベックを着て作業しなければいけないというような地域は
大分狭くなってきました。また、
事務棟であるとか、あるいは
大型の
休憩所であるとか、あるいは
給食センターであるとか、あるいはコンビニであるとか
シャワールームであるとかといったような
設備も、少しずつではありますが
整備をさせていただいておりまして、御家族も含めて、
福島第一で働くということについて、なるべく御
心配をおかけすることなく、少しでも安心してお仕事をしていただけるような
対策もこのところやってきたところでございます。
一方で、
賠償につきましても、さまざまの
取り組みをこの六
年間やってまいりました。
これもまた
皆さん御
記憶のことと思いますが、ちょうど六年前の今ごろから仮
払いというのを、とにかく、身一つで避難された
方々に少しでもまず当座の
お金をということで仮
払いをスタートして、その年の九月、二〇一一年の九月ごろから、やっと
賠償という形を整えて
賠償のスタートを切ったわけですが、そのときも、これも御
記憶のとおり、
説明書が分厚くて、お年寄りにはこんなものはわかりっこないじゃないか、あるいは、始まったはいいけれ
ども、なかなかなかなか
お金が届かない、遅いというようなことで、
大分お叱りを受けました。
それに対してなかなかうまくはいかなかったんですが、
一つ一つ改善をしまして、その後、いわゆる
精神的損害であるとか
営業損害であるとか
就労損害であるとか、そうした
一つ一つの
損害の
類型化をして、なるべくスピードアップをして、まずはとにかく
賠償金をお届けするということをずっと続けてきたところでございます。
これは、今後もまだまだ
損害は継続しておりますので、
最後のお一人までしっかり
賠償を貫徹するということでやらせていただいております。また、ADRの
和解につきましても、ほぼほぼ全部
和解を今させていただいているところでございます。
また、
さまざま復興のための
活動というのも、これも
皆さん御案内のとおりと思いますけれ
ども、しております。
避難所であるとか、あるいは、市町村の役場が仮に事務所を設置されていらっしゃいますけれ
ども、そこに職員を派遣して少しでも
お手伝いをする、あるいは、一時立ち入りというのをずっとやってまいりましたが、そこで、
皆さんが集まっていらっしゃるところでスクリーニングをやる、
モニタリングをやるというようなことをやらせていただいています。
また、東京から
社員がかわるがわる、二泊三日、三泊四日ぐらいで現地に入りまして、冬であれば雪おろしをしたり、夏であれば草刈りをしたり、あるいは御自宅の片づけをするというような、汗をかくような
活動をずっと続けてまいりました。
これらは延べで三十三万人日に達しました。
東電の
社員は大体今は三万三千人ぐらいですので、一人当たり十日平均で来ているということになります。一回で二、三泊していきますので、平均的にも、ほとんど
全員の
社員が最低二回ぐらいはそうした
活動に参加しているということで、今もなお、これは続けていきたいというふうに思っています。
また、
除染についても、
モニタリング等々、これは、
電力各社さんの御
支援もいただきながらやらせていただいておりますし、また、
放射性物質の取り扱いについては
電力会社として多少の
知見がございますので、国や、環境省さんやあるいは各自治体さんが行っていらっしゃる
除染活動についても、
工事監理の
支援であるとか、そうしたことで少しでも
お手伝いをさせていただいております。これにも二十二万人日の
社員が、これは当然のことですけれ
ども、参加をさせていただいております。
こうしたことをやってきましたけれ
ども、まだまだ
福島の
状況は、
廃炉も含めましてまだ道半ばというところでございますので、これからしっかりやってまいらなければいけません。これから、デ
ブリの
取り出しであるとか、そうした本当に前人未到のところに入ってまいりますので、しっかり
体制を立てて、人を教育して、
全国それから全
世界からの
知見もいただきながら、しっかりやってまいりたいと思います。
それに当たっては、作業安全の
確保をしっかり行い、さらに、
被曝線量をできるだけ抑えていくといったような
対策で今後の長い道のりを進めてまいりたいというふうに思っています。
さて、昨年の秋に、いわゆる
通称東電委員会から、今後のそうした
費用の全体の見積もりというのが提示されました。御存じのとおり、二十一・五兆円という
数字であります。
その
役割として、
東京電力は十六兆円をしっかり
確保していくようにという御提言でございますけれ
ども、これは大変大きな
数字ですが、幸い、今一遍に全部の
お金が必要ということでございません。これから長きにわたってやっていくための総額の
資金ということで御提示をいただきました。
例えば、十六兆円を三十で割れば一
年間五千億ということで、まずは、しっかりこの
年間五千億をどうやって
確保していくか、そのためにどうした
取り組みをしていかなければいけないかということを今懸命に
検討して
プランを立てているところでございます。
当然、中心は、まずは
コストダウンをしっかりしていかなければいけませんので、あらゆる部門で
コストダウンを進め、
効率化を進め、しっかりとした収益を出し、
年間五千億という、非常に大きい金額ではございますけれ
ども、それを
確保していきたいというふうに思っています。
また、やはり柏崎の再
稼働というのも、しっかり毎年五千億を計上していくためには非常に大きな
役割を果たすというふうに思っておりますので、当然、再
稼働に当たっては、
審査をいただき、さらには地元の
皆さんの御了解をいただいた上での話ですけれ
ども、これもしっかりやっていかなければいけないというふうに
考えているところでございます。
またさらには、今後、他社さんとの再編や統合ということでさらに強力な
事業体にし、そして海外にも出ていくというようなことも、当然、今
検討させていただいているところでございます。
いずれにいたしましても、今回の御
審議いただいております
原子力損害賠償・
廃炉等支援機構法の
改正案につきましては、
巨額かつ
長期にわたる
廃炉費用の
支出に備えて、
廃炉の
実施や
支出に対する国や
機構の適切な
管理監督の
もとで、毎年
一定額を
積み立てることによって
廃炉に必要な
資金をしっかり
確保し、今後の
廃炉の
実施をより確実なものにしていくというふうに、そういう
法案の
改正だと
理解をしております。私
ども東京電力といたしましても、重要な
法案の
改正であるというふうに
考えております。
いずれにいたしましても当社としては、
事故の当事者として、しっかり今後も
社員の気持ちを切らさぬように、
グループ全員が一丸となって
改革に
取り組み、
長期にわたる
廃炉作業を初め、さまざまな
福島の
責任を果たしてまいりたいというふうに
考えておるところでございます。
私からは以上とさせていただきます。ありがとうございました。(
拍手)