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高木副
大臣 温かいお言葉、ありがとうございます。
私も、経産副
大臣に就任してから二年半の間に、福島に二百二十日以上入らさせていただいております。その中で、第一
原発そのものにも二、三カ月に一度は中に入りながら、この廃炉・汚染水の進捗を確認してまいりました。
そういった中で、この福島第一
原発の廃炉・汚染水対策というのは四十年かかると言われておりますけれども、私も、スコットランドのハンターストンという、廃炉をしている
原発を見に行ったときに、イギリスでは八十年かけて廃炉すると。そこから考えますと、かなり野心的な廃炉の取り組みだと考えておりますが、これは世界で前例のない困難な取り組みでございますので、中長期ロードマップに基づいて、迅速さのみを追い求めるのではなくて、リスクの低減を最重視した考えのもとで、安全かつ着実に進めていかなければいけないと考えています。
リスクは現在
三つございまして、
一つ目のリスクは、使用済みの核燃料がプールに存在している。
二つ目のリスクは、いわゆる溶け落ちた燃料デブリ。これは、圧力容器内の中、またはそれを飛び出して、格納容器内の中でしっかりと隔離されている。
三つ目のリスクが汚染水でございます。
この
一つ目の使用済み核燃料は、もう既に四号機ではプールから全て取り出して、キャスクの中に隔離をしている。三号機においても、建屋の瓦れきを取り除きまして、その後、今現在は、取り出すための機器の設置に入っております。そういった
状況がまず使用済み核燃料。
デブリについても、これは今、
高木美智代委員からもお話がありましたように、二号機にロボットを投入しました。
実は、二年前に既に一号機にロボットを投入しまして、過酷な
原発の事故というのは、皆様も御存じのようにチェルノブイリとそしてまたスリーマイルがございますが、チェルノブイリの場合には、原子炉本体が爆破してしまいましたので、石棺状態になっている。一方、スリーマイルは、デブリを取り出しましたけれども、これは、ロボットを初めて投入したのは、六年半かかりました。一方で、福島の場合には、あれだけの過酷な事故、瓦れきもある中で、四年半でまず第一号のロボットを投入している。そういった
部分では、世界と比肩しても、かなり進捗しているというふうに考えても結構だと思います。
その上で、二号機の
調査をさせていただきまして、途中でとまりましたけれども、初めてこの格納容器内の
状況というのがわかりましたので、今後、それを分析しながら、さらに次のロボットを開発してまいりますし、今月中には一号機に、これは蛇型、サソリ型というロボットがございますが、一号機は蛇型で前回入れて、今度はワカサギ釣り型といいまして、そこから今度は糸のようにカメラを垂らして水中を見る、こういう形をとって、順次、この
現状をはっきりと把握をしながら廃炉に向けて取り組んでまいりたいと思います。
一方、汚染水対策、
三つ目のリスクでございますが、これは、サブドレーン、地下水バイパスということでくみ上げてまいりますし、海側の遮水壁はもう既にできておりますので、港湾内にはこの汚染水は流れ込んでおりません。
一方で、凍土壁でございますけれども、昨年の十月に海側は完璧に凍結をいたしました。そのことによりまして、この凍土壁の海側の
部分でございますが、日量四百トンだったくみ上げ量が約百二、三十トン、三分の一まで減っているという、遮水効果が明らかに出ているという
状況でございます。
現在、山側の凍土壁をつくっているんですが、九七%凍結が済んでおりまして、残る
部分を
原子力規制
委員会の認可をいただいた上で凍結を始めますので、そこを最後、規制
委員会の方と調整をしている。こういう形で、最終的には早期に凍結をしてまいりたいと思います。
こういった
状況下の中で、やはりしっかりと安全にこの作業を進めていくということで、国が前面に立って取り組んでまいりたいと考えております。