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更田参考人 規制当局に対する
信頼ですが、これは、
福島第一
原子力発電所事故において、
規制当局に対する
信頼は地に落ちたと考えています。それが十分なレベルまで回復できたとは考えておりません。私たちはまだまだ途上にいるのであって、決して十分、十二分と考えられるレベルに達したと思うのではなくて、常に高みを目指して
努力を続けたいと思います。
できたこととできていないことですが、できている、これも完全というわけではなくて、ただし、そこそこできているかなということについて申し上げると、
透明性の
確保というのは十分な
努力を払ってまいりましたし、かなりのレベルでできていると考えております。
それから、安全上の問題だというのを特定したときに、経済性であるとかないしは
事業者の都合を鑑みてためらうというような、そういった
姿勢は捨て去ることができたと考えています。声を上げるということに関して
規制委員会はちゅうちょしないという
姿勢を持つことができていると思っています。
それから、三つ目は迅速さですけれども、従来の
規制のシステムにおいては、安全上の問題で改善すべき点があると特定されていても、その仕組みづくりに一年、二年、三年を費やして、なかなか実行に移されないという側面がありました。安全に関しては、できるところからすぐやるという
姿勢はとれていると思っています。
一方、できていないことですが、できていないことに関しては、まず
一つには、これはどうしてもできないわけですけれども、実績であります。まだいまだに動いている発電所であるとか施設というのは限られておりますし、
規制当局に対する
信頼というのは
基本的には実績を通じてのみ得られるものと思っていますので、実績という点では、当然のことながら、まだ足りません。
それから、
先ほども少し申し上げましたが、
人材の
育成であるとか、それから、
規制当局、私たちの
規制委員会は、あくまで
審査に当たる者、検査に当たる者がみずからの科学的、
技術的知見や経験に基づいて
規制に当たるわけですけれども、肩書で語るとかそのときのポストで語るというような、どうしても政府
組織として避けられないような体質というのは私たちの
仕事には似合わないところがあって、やはり、個々人が個々人の名において
技術的知識に基づいて発信をしていくというのは、これは
委員のレベルだけではなくて、
規制庁の隅から隅まで、そういったみずからの知識と
理解において名乗って
規制を行うという
姿勢、これはまだまだこれからだというふうに考えております。