○太田(和)
委員 民進党の太田和美でございます。
本日は、ミレニアム開発
目標、MDGsの後継であります持続可能な開発
目標、いわゆるSDGsの
環境分野に関する
我が国の
現状と
課題等について
質問させていただきたいと思います。
二〇一五年の九月に、国連サミットにおきまして、全会一致で、持続可能な開発のための二〇三〇アジェンダが採択され、各国はゴールに向けての行動を開始しています。SDGsは、誰も取り残さない
社会の実現を目指し、
経済、
社会、
環境をめぐる広範囲
課題に統合的に取り組むとして、二〇三〇年を期限とする包括的な十七の
目標、十七のゴールを設定しております。
前身のMDGsの大きく異なるところは、MDGsは開発途上国の
目標であったところ、SDGsは先進国を含む全ての国が
対象となっている点であります。SDGsは、全ての国が交渉に参加し、かつ、全ての国はコンセンサスに参加する形で決定された画期的なものであります。つまり、SDGsは、途上国だけではなく先進国の直面する
課題も取り入れ、世界が抱える
課題を解決していくための
目標であります。
しかし、SDGsの十七のゴールには、百六十九ものターゲットがあります。そして、実施することは容易ではありません。全世界的に取り組んでいく必要があり、
我が国にとっての
課題は、国内の実施と言えます。
課題の国内対応でありますけれ
ども、アジェンダが採択されてから半年以上経過した昨年の五月に、
政府、官邸におきましてSDGs推進本部が設けられました。そして、十二月にSDGs実施指針が決定されました。十七ゴール中、十二ゴールが
環境分野と関連しており、
大臣も十二月二十二日の記者会見におきまして、SDGsの指針には
環境省の施策が多く盛り込まれており、
環境省としても実施に取り組んでまいりたいというふうに御
決意を表明しております。
指針をまとめるのに一年半かかってしまったわけでありますけれ
ども、諸外国はどうかといいますと、採択後すぐに動き出していました。
我が国はややおくれをとっているのかなというふうに思われますけれ
ども、ことしの七月には、持続可能な開発に関するハイレベル政治フォーラムが国連で開催されますので、そこで
我が国も、SDGsの
取り組みについて国際評価を受ける予定になっているわけであります。
さて、これまでの評価がどうであったかと申し上げますと、ドイツのベルテルスマン財団というのがありまして、二〇一六年の七月時点における百四十二カ国のSDGsの達成ランキングというのを発表しています。首位はスウェーデン、二位はデンマーク、三位はノルウェーと北欧諸国が上位にランクされました。しかし、日本は、百四十二カ国中の十八位でありました。全体ではやや上位にランクされたわけですけれ
ども、OECD加盟三十四カ国の中では、中位の十七位でありました。
この全体の評価ランキングは悪いとは言えないんですけれ
ども、問題なのは、達成にほど遠いというふうに評価が悪いものが、十七ゴール中七ゴールもありました。その評価の悪い七ゴールのうち、半分以上の四ゴールが
環境関連
分野であったということです。具体的には、クリーン
エネルギー、気候変動の
対策、そして、豊かな海、豊かな陸、生物多様性の四ゴールです。
確かに、評価がなされた時点では、
我が国はパリ条約にまだ批准していませんでした。その後、慌ててパリ条約は批准したと思うんですけれ
ども、このことも原因で、気候変動への対応が達成にほど遠いというふうにされたと思います。
また、豊かな陸、生物多様性についても、先日の質疑の際にも申し上げましたけれ
ども、名古屋議定書から七年弱が経過しているにもかかわらず、その時点では国内整備が進んでいなかったこともあり、動植物保全に後ろ向きというふうに評価されたのだというふうに思います。
そこで
大臣に、この評価についての御認識と御感想をお聞かせいただきたいと思います。また、このクリーン
エネルギーについてはどのような理由で達成にほど遠いというふうにされてしまったのか、今後どういった
対策を行っていくのか、お尋ねをさせていただきたいと思います。