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小澤政府参考人 お答えいたします。
我が国は、高レベル放射性廃棄物の量の減少、放射能レベルの低減、そして資源の有効利用などの
観点から、エネルギー基本計画で閣議決定しましたとおり、自治体や国際社会の理解を得つつ、核燃料サイクルを推進することを基本的
方針としております。
核燃料サイクルにつきましては、先ほど
先生の方からも御
指摘ございましたが、
原子力発電所で利用した使用済み燃料を再処理して、回収したウランやプルトニウムを核燃料に加工して通常の
原子炉で利用する、これはいわゆるプルサーマルというものでございますが、それを行う軽水炉サイクル、それから、高速炉で利用する高速炉サイクルというものがございます。
軽水炉サイクルにつきましては、その中のプルサーマルにつきまして、昨年八月に再稼働した伊方
原子力発電所三号機においてMOX燃料を使用するなど、これまでに五基の
原発においてプルサーマルの実績がございまして、プルサーマルの
取り組みにつきましては
一定の進展が見られているというように
認識をしております。
また、国内で使用済み燃料の再処理やMOX燃料の加工を行います青森県六ケ所村にございます再処理工場、MOX燃料加工工場につきましては、これまで竣工はたびたび延期をされてきましたが、現在、
原子力規制委員会によって、新
規制基準への適合
審査が行われております。
今、
審査が三年ほど続いておりますけれ
ども、これは最終的なことにつきましては予断を持ってお答えすることはできませんが、
審査につきましては、私
どもとしては、大詰めを迎えてきているのではないかというように
認識をしております。
一方で、高速炉につきましては、核燃料サイクルによって期待される高レベル放射性廃棄物の減容化、有害度低減、資源の有効利用の効果をより高めるものでございます。
昨年末の
原子力関係閣僚
会議で決定しました高速炉開発の
方針においても、これまでに我が国で蓄積をいたしました技術的知見によって、実証炉の開発作業に着手することは十分に可能であるということなどを確認しておりまして、引き続き高速炉の開発に取り組んでいく
方針でございます。
それから、
先生御
指摘のございました「もんじゅ」の件でございますけれ
ども、「もんじゅ」につきましては、プロジェクトの技術的な
内容、これに直接の問題があったわけではなく、保全の
実施体制あるいは人材育成、関係者の
責任関係などのマネジメント、こういったものにさまざまな問題がございました。
このため、昨年末に廃止というような
方針ということになりましたが、こうした「もんじゅ」で得られた教訓を真摯に踏まえた上で、引き続き高速炉の開発に取り組んでいく
方針でございます。
こうした高速炉の開発も含めまして、我が国においては核燃料サイクルを引き続き推進していく
方針ということでございます。
以上でございます。