○島田
委員 ありがとうございます。
今の
答弁にもありましたとおり、実際にアメリカ人の発音を聞くと、iにアクセントがあって、ティラソンというのが音的にも正しいと思われますし、何々ソンというのは、英語の由来としては誰々の息子ということでありますけれども、非常に類型化できる名前でありまして、きのうから私は一晩考えたんですけれども、何々ソンという名前で、最初の母音以外にアクセントが来る名前というのは実はないんじゃないかなというふうに
思います。
有名なところでいえば、トーマス・ジェファーソンとか、最近、巨人の選手でアンダーソンとかありますけれども、実際はジェファソンですし、アンダソンというふうに発音するべきだと
思います。
こういった、もうなじんじゃった名前は仕方ないと
思いますけれども、特に、ティラソンという名前は、これからもこの
委員会でも多く登場する名前だと
思いますので、ぜひ
外務委員の皆様にはティラソンで統一していただきたいなと
思いますし、
日本語で、例えば、ティラソン、ティラーソンで、長音が入るか入らないかの話ですけれども、これはアメリカというか英語圏の人にティラーソンと言っても通じませんので。例えば、新聞を読んで、ティラーソンが新聞に書いてあるから正しいんじゃないかというふうに言う方もいらっしゃるかと
思いますが、いや、
外務省がティラソンというふうに使っている、
外務委員がティラソンというふうに使っているからティラソンが正しいんですというふうに、根拠をつくっていただきたいというふうに思っております。
次に、ACSAの話ではありますけれども、その前に、ちょっと外堀の方から入っていきたいなというふうに思っております。
今、トランプ関連本、書店に行きますとたくさん並んでおりますけれども、この
国会、
委員会の場で一冊の本を取り上げてどうこう審議するのはちょっとどうかと思うんですけれども、その中でも非常に大事な本がありますので、きょうは、紹介がてら、お話をさせていただきたいというふうに思っております。
トランプ政権で、先ほどのティラソンもありますし、G20でマヌーチン財務長官の報道等もありましたけれども、なかなか実は報道に余り上がってこないキーパーソンでピーター・ナバロという、今回、トランプ大統領が国家通商
会議という新しい機関をつくりまして、それのディレクター、いわゆる
委員長に任命された方でありますけれども、この方、大統領の選挙戦中はいわゆる政策顧問という立場であられて、本を出されていました。
それがこの「米中もし戦わば」という、
日本語のタイトルは戦うという言葉が出てきてちょっとおどろおどろしい、いわゆる中国脅威論をエスカレーションさせるようなタイトルになっていますけれども、英語のタイトルで「クラウチングタイガー」、クラウチング、陸上競技なんかでクラウチングスタートという言葉を使うと
思いますけれども、まさに身をかがめて今か今かとスタートの瞬間を待っているような虎というのが原題でありまして、これが、ピーター・ナバロが考える、いわゆる政権の中枢の中にいる人間が考える中国のイメージなんだろうというふうに思っております。
これをちょっと何冊か持ってきましたけれども、最初はトランプ政策顧問というタイトルで出していたんですけれども、最近のものは、国家通商
会議議長、大統領補佐官みずからが執筆、
防衛省現役組が今読んでいる本という宣伝文句で出ている本ではありますけれども、まさに、それ以外のトランプ関連書籍は、いわゆる学者であったり評論家であったり、部外者があくまでも推測で書いているものでありますし、それに対して実行力がないわけですけれども、このピーター・ナバロ
委員長が書いているものは、政権中枢にいる人間として、その考えに基づいた、実行力を持っている点から考えても、非常にこの本というものは資料価値が高いというか、今アメリカが例えば中国なり
日本なりに対してどういうふうに考えているのかというのが直接わかるものというふうに思っております。
この本の中で
日本についてもたくさん言及されているわけですが、一応、尖閣問題というくくりで一章丸々書かれておりまして、次のような問題提起がされております。
「問題
日本は今後、日米
安全保障条約についてどんな判断を下し、中国にどう対処するかを選べ。」という問題がありまして、三つ選択肢が提示されております。
一つ目が、「弱体化した、もしくは決断力に欠けるアメリカはもう
日本を守ってくれないと判断し、自前の核兵器を開発して独自路線を模索する—「
日本核武装」シナリオ」。二つ目が、前提は一緒です、「弱体化した、もしくは決断力に欠けるアメリカはもう
日本を守ってくれないと判断し、中国の覇権を受け入れて中国主導のアジア経済圏の一員となる」、これは「「中国に乗り換える」シナリオ」。三つ目、最後の選択肢が、「アメリカは今後も
条約の義務を守り、
日本に核の傘を
提供し続けると信じ、通常戦力及び
ミサイル防衛能力を増強しつつ、アメリカやその他の同盟諸国との経済的結びつきを強化する」、いわゆる「「ぶれない同盟国」シナリオ」。この三つのシナリオがピーター・ナバロから提示されている。
これらの選択肢のうち、最初の核武装論だったり、また中国の覇権を受け入れるというのは現実的ではないと
思いますし、結論として、ナバロ
委員長は、アジアの恒久平和を築くためにはアジア
地域に対するアメリカの熱意と決意の度合いが重要であるというふうに述べられております。
三つ目のいわゆるぶれない同盟国シナリオということでありますけれども、このぶれない同盟国シナリオについて、
大臣から見解をお伺いしたいと
思います。