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仁比聡平君
日本共産党の
仁比聡平でございます。
今日は、
提案者の
皆さんがこの
法案をしきりに
理念法というふうに繰り返しておっしゃいますので、この
法案の中でキーワードになっています
部落差別の
解消に関する
施策に関係して、ちょっと
質問の通告の順番と変わりますけれ
ども、現在も西
日本を中心に全国各地に残っている
同和対策事業の特別扱い、この問題についてこの
法案がどう考えるのか、お尋ねをまずしたいと思うんですけれ
ども。
先ほど
有田議員から福岡の
お話が少しありました。私、福岡の北九州市の出身で、この福岡県下、旧
同和地区が数多くございます。
そうした中で、この
同和対策の特別事業が、二〇〇二年三月に国の事業は完全に終了したにもかかわらず、自治体において、特別扱いが
個人給付も含めて今も続いているという自治体が幾つもあるんですね。詳しく御紹介をするのはまたの
機会にしたいと
思いますし、紹介するだけではなくきっぱりたださなければならない、特別扱いはなくしていかなきゃいけない、つまり、垣根は、これはなくしていくというのが私
たちが
部落問題を
解決する道だと思うんですよね。
ところが、福岡県の、最近合併がありましたので旧と言った方がいいんでしょうが、旧筑紫郡という
地域があります。この市町には
同和対策の特別事業がたくさん残っております。
ある市では、
個人給付を含めて
同和対策事業費が四億五千七百三十六万という規模。中身は、老人福祉費、これは介護サービスの助成金、老人医療費を助成する、あるいは旧
同和地域の隣保館費、児童センター費、あるいは解放保育園などと言われる保育所の費用、それから住宅管理費などなど、こうした大きな金額があるわけですね。
名目は、あるいは事業名は少々違っても、
個人給付の仕組みとかテーマというのは多くのところで共通するわけですが、また別の市では、短期一日
人間ドック事業、あるいは固定資産・都市計画税の減免、中、高、大学、専修学校の入学支度金、高校、大学、専修学校の進学奨励金、五歳未満児医療費の扶助事業、それから自動車の技能取得訓練費、これはいわゆる免許を取りに行くというこの費用の
個人的給付なんですが、あるいは保育料の減免などがありまして、これ、最近の年で一億九千七百二十五万円、およそ二億円、そんなに大きな町ではないんですけれ
ども、そういう規模で特別扱いが
存在するわけです。
これ、どうしてこうなっているかと。これ遡りますと、昭和四十年代、私が、六〇年代後半から
確認・糾弾路線で解同が極めて暴力的に
行政への圧力を加え続けたという時期があります。せんだって御紹介した八鹿高校事件というのは、直接
行政ということではなく学校ですが、あれも、県あるいは
教育委員会全部巻き込んで、圧力を掛ける中での起こった事件なんですよね。この市町のところでは、一九七九年の六月に一通、そして十二月にもう一通、その自治体の首長
たちと
部落解放同盟筑紫
地区協議会との間で
確認書というのが交わされ、言わばこれに基づいてずっとこの
同和の特別扱いが続いてきたわけですね。
そこで、
発議者にお伺いをしたいんですけれ
ども、この今度の
法案というのは、これは成立すれば地方自治体がその
地域の実情に応じて
施策を講ずるように努める、あるいはその
施策に資するものとして、
皆さん、そうやって
地域を特定するんじゃないというふうにこの間おっしゃっているんですけれ
ども、何にせよ、全国規模だとか、あるいは、
衆議院段階でしたか、エリアごとにというので、例えば九州なら九州という
地域の実情に見合って
実態調査をするというふうにおっしゃっているでしょう。こういうもので
実態が
調査をされる、そうしたら、それを引き続き
部落差別が極めて深刻な
状況にあるというふうに受け止めての特定
運動団体が、今度は、この
部落差別解消法というのがあるではないか、ここで国、自治体はそうした
施策を行うと書いてあるではないか、この
差別の、つまり我々が
差別と認定するこの事態を
解決をするためにこういう
個人給付だってすべきではないか、あるいは、
皆さんがやらないとおっしゃっているんですけど、
地域改善事業のような、そうした事業もやれと言われたときに、何しろ現にやっているわけですから、特別対策として、今やっている特別対策を拡充せよとか、あるいはもうやめるなと、これからずっとこれやれと、そういう足掛かり、
根拠に使われてしまうじゃないか、それは当然の懸念だと思うんですが、しかも、法文を見る限り、それを排除する、そんな条項はどこにもありません。これは
発議者、どう考えているんですか。