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足立信也君 そのとおりなんですよ。
だから、もっと分かりやすく言いますと、
所得代替率、現役の人の手取り収入に比べて何%かというのが、デフレで
調整が利かなかったから、
マクロ経済スライドできなかったから上がり過ぎちゃった、これを抑えなきゃいけない。つまり、
給付額、
所得代替率という
給付水準で考えても、下げなきゃいけない。かつ、早く下げて
調整期間を終わらせなきゃいけない。この二点について、
給付額は下がるんですねということは、私は真実だと思います。我々は
年金カット
法案とは一言も言っていないと言いましたが、これは下がっていくんだ、結果として減っていくんだということは間違いないわけです。
調整期間を短くするということです。将来のためにとおっしゃるけれども、形としては下がっていく。
ただ、ここでまた言い方なんですけど、経済成長モデルを描いていますね、今ずっと。これから物価も賃金も、賃金の方が物価より上回って成長していくんだと、
財政検証は全部そうですね。それを描いていると、
年金を受給する方は、経済成長が続いていくんだから現役男子の手取り収入は当然上がっていくだろう、代替率五〇%で
一定にするんだったら
給付額は当然上がっていくだろうと思うじゃないですか。当然ですよね、成長モデルしか出していないんだから。だったら、
年金を受ける側の人間は、
調整期間は長い方がいいんじゃないかと思いますよ。長く掛けた方が現役男子の収入も上がっていく、代替率
一定なんだから
年金の
給付額も上がっていくと、当然そう思いますよ。それが
国民的な感情だと思います。
ただ、
給付額を
調整するには
調整期間を短くした方がいい、早めに
調整期間を終了することが将来世代のためだと。その理由で、将来世代のためなんだという理由で今回賃金スライドを導入するというのは、やっぱり、やっぱりですよ、
財政検証で八つのケースを出したけれども、経済成長はそれほどできないんじゃないか、あるいは実態として実際にできなかったから、だからこういう考え方を導いてきたんだと、それ以外にないと思いますよ、理解の仕方は。
ですから、転ばぬ先のつえという表現もされましたね。私は、でも、
財政検証で成長モデルばかり出したけれども、実態はそうじゃなかった、早く
調整期間終わらせるためには賃金スライドを入れて早く下げていかなきゃということです。これは、実態と合わなかったということは、転ばぬ先のつえではなくて、もう転んだことを認めていることだと思いますよ、この二年間で。今回こういう制度を入れたということは、転んで骨折して、大変だといってこれから傷害
保険に入るようなものですよ。私はそう思っていますよ。
だから、そこを言わないと、今まで
計画していたけれどもそうじゃなかった、これを将来世代のためには今抑制しておかないと駄目なんだとはっきりした理由を言わなくて成長モデルばかり出すから、そうじゃないだろうと。成長すると言っているじゃないか、だったらずっと
調整期間長引いた方が増えてくるんじゃないかと思うのが
国民の心理だと私は思いますよ。
そこで、実際の
運用の話になるんですが、
財政検証は、何度も繰り返しますが、八つのケース全て物価上昇よりも賃金上昇が大きくて、そして、計算上これは、物価上昇があって賃金上昇は大きい、それよりも更に
長期金利は高い、そして
運用利回りはもっと高い、こういう前提になっているわけです、全部。本当ですかという話になりますが、実際はそうなっている。さっき言いましたように、物価の上昇も、何といいますか、やっぱり直近のところは下がっているし、賃金は上昇しない、
長期金利は低い。だったら、あと頼みは
運用利回りしかないじゃないですか。だから、
財政検証したその年に株式の
運用を倍増させたんじゃないですか。そこに頼るしかなくなっているんじゃないですか。実際に成長モデルって出したけれども、物価も賃金も利回りもそういっていない。あとはそれより上回らなきゃいけない
運用利回りをとにかく上げるしかないんだ。だったら、おととしの十月から株式の
運用を倍に増やそう、
リスクもあるけれどもハイリターンを求めよう、そういう考え方で動いたんじゃないですか。
そこで、
GPIFの
高橋理事長にお聞きします。先ほど全体の流れがありましたが、株式の
運用を倍増させたその前後の
運用利回りはどうなっているでしょうか。