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2016-12-09 第192回国会 参議院 環太平洋パートナーシップ協定等に関する特別委員会 第15号 公式Web版

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  1. 環太平洋パートナーシップ協定の締結について (会議録情報)

    平成二十八年十二月九日(金曜日)    午前十時開会     ─────────────    委員異動  十二月八日     辞任         補欠選任      大沼みずほ君     高野光二郎君      柘植 芳文君     平野 達男君      藤木 眞也君     足立 敏之君      石上 俊雄君     杉尾 秀哉君      舟山 康江君     川合 孝典君      宮沢 由佳君     相原久美子君      吉良よし子君     井上 哲士君      武田 良介君     山添  拓君      石井  章君     高木かおり君      山本 太郎君     福島みずほ君      中山 恭子君     中野 正志君  十二月九日     辞任         補欠選任      川合 孝典君     野田 国義君      松沢 成文君     行田 邦子君     ─────────────   出席者は左のとおり。     委員長         林  芳正君     理 事                 石井 準一君                 二之湯武史君                 福岡 資麿君                 三宅 伸吾君                 山田 修路君                 小川 勝也君                 大野 元裕君                 浜田 昌良君                 紙  智子君     委 員                 足立 敏之君                 古賀友一郎君                 佐藤  啓君                 佐藤 正久君                 進藤金日子君                 高野光二郎君                 高橋 克法君                 滝波 宏文君                 中西  哲君                 中西 祐介君                 平野 達男君                 堀井  巌君                 舞立 昇治君                 松川 るい君                 山田 俊男君                 吉川ゆうみ君                 渡邉 美樹君                 相原久美子君                 江崎  孝君                 杉尾 秀哉君                 田名部匡代君                 徳永 エリ君                 野田 国義君                 浜口  誠君                 河野 義博君                佐々木さやか君                 平木 大作君                 三浦 信祐君                 井上 哲士君                 山添  拓君                 儀間 光男君                 高木かおり君                 福島みずほ君                 行田 邦子君                 中野 正志君    国務大臣        内閣総理大臣   安倍 晋三君        財務大臣     麻生 太郎君        外務大臣     岸田 文雄君        農林水産大臣   山本 有二君        国務大臣     石原 伸晃君    事務局側        常任委員会専門        員        藤田 昌三君        常任委員会専門        員        宇佐美正行君        常任委員会専門        員        大川 昭隆君    政府参考人        内閣官房内閣審        議官       澁谷 和久君        内閣大臣官房        審議官      大塚 幸寛君        内閣食品安全        委員会事務局長  川島 俊郎君        消費者庁次長   川口 康裕君        外務省経済局長  山野内勘二君        厚生労働省医薬        ・生活衛生局生        活衛生食品安        全部長      北島 智子君        農林水産大臣官        房総括審議官   水田 正和君        農林水産省消費        ・安全局長    今城 健晴君        農林水産省食料        産業局長     井上 宏司君     ─────────────   本日の会議に付した案件環太平洋パートナーシップ協定締結について  承認を求めるの件(第百九十回国会内閣提出、  第百九十二回国会衆議院送付) ○環太平洋パートナーシップ協定締結に伴う関  係法律整備に関する法律案(第百九十回国会  内閣提出、第百九十二回国会衆議院送付)     ─────────────
  2. 委員長(林芳正君)(林芳正)

    委員長林芳正君) ただいまから環太平洋パートナーシップ協定等に関する特別委員会開会いたします。  委員異動について御報告いたします。  昨日、中山恭子君、大沼みずほ君、柘植芳文君、吉良よし子君、武田良介君、山本太郎君、石井章君、宮沢由佳君、舟山康江君、石上俊雄君及び藤木眞也君委員辞任され、その補欠として中野正志君高野光二郎君、平野達男君、井上哲士君、山添拓君、福島みずほ君、高木かおり君、相原久美子君、川合孝典君、杉尾秀哉君及び足立敏之君が選任されました。  また、本日、松沢成文君及び川合孝典君が委員辞任され、その補欠として行田邦子君及び野田国義君が選任されました。     ─────────────
  3. 委員長(林芳正君)(林芳正)

    委員長林芳正君) 環太平洋パートナーシップ協定締結について承認を求めるの件及び環太平洋パートナーシップ協定締結に伴う関係法律整備に関する法律案の両案件を一括して議題といたします。  この際、岸田外務大臣から発言を求められておりますので、これを許します。岸田外務大臣
  4. 国務大臣(岸田文雄君)(岸田文雄)

    国務大臣岸田文雄君) これまで度々政府側から、また私自身も、TPP協定発効要件について、原署名国GDPの八五%以上かつ六か国以上の締結が必要である旨説明しておりましたが、唯一、十一月二十四日の本委員会における蓮舫委員との質疑においては、私は、GDPの八五%以上あるいは六か国以上の締結が必要と答弁しておりました。このあるいはは、かつの誤りでありました。この場をお借りして訂正させていただきたいと存じます。
  5. 委員長(林芳正君)(林芳正)

    委員長林芳正君) これより質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。
  6. 平野達男君(平野達男)

    平野達男君 自民党の平野達男でございます。  締めくくり総括ということでございまして、時間も限られておりますので、早速質疑に入りたいと思います。  TPPは全体としては日本経済にプラス、これは間違いのないことだと思います。ただ、二十一分野の中で関税引下げの対象になるもの、特に農産物につきましては、生産者消費者の方々に不安があるのも事実です。ただ、今回のTPP発効したといって急激に食品輸入が増えるかというがごとき議論をされているということについては、私はちょっと違うのではないかというふうに思っています。今日は、この一点に絞ってしばらく議論をさせていただきたいと思います。  まず、米につきましては、御案内のとおり、国家貿易維持、それから枠外税率、これは三百四十一円ですね、これも維持でありまして、ミニマムアクセス米枠外として最大で約八万トンのSBS米を設定するということでありますが、これは委員会でも何回でも議論になりましたけれども、このSBS米については不調になる可能性もあると。不調になっても追加の輸入はないということでありまして、米全体に対する、生産に対する影響というのは私もほとんどないと思っています。  それから、麦につきましては、これはWTOの枠を上手に利用しましたね。これ、今のWTOの枠というのは、国内産の麦を優先させてその残り部分カレントアクセスとして、五百四十万トンぐらいでしたか、その枠を設定して輸入するという、そういう仕組みなんです。今回はその輸入の枠内でTPP参加国にちょっと優位な場所を、位置を与えるということですから、総量輸入の枠は変わりませんけれどもその構成が変わるということで、繰り返しになりますけど、この考え方が守られている限りにおいては国内産の麦に影響は出ません。  ただ、問題は、問題といえば、麦に関して言えば、マークアップは、これを九年ぐらい掛けて今のマークアップ分を、事実上の関税ですね、これ四五%まで削減しますから価格は下落しますと思います。ただし、価格下落は悪いことではありません。これは消費者にとってはメリットですから、消費者余剰としての、消費者に還元されるということでありまして。繰り返しましたように、このカレントアクセスWTOの枠内が守られている限りにおいては国内産に対する影響はないということです。  砂糖については、糖価調整制度、これ守られていますから、基本的に麦と同じような考え方であります。ただ、これも価格影響が出ますから、この価格影響対策はしなくちゃならないということだと思います。  あと、少量でありますけれども、大豆でありますとか小豆でありますとか、そういったものについても基本的には国内産影響は、国内産を先に優先してその残り輸入するという仕組みになりますから、余り影響は出てこないということだと思います。  それから、果物については、リンゴ、ミカン、これは国内下での差別化ができていますから、これから関税が下がったとしても国内産が私は負けるということはまずないのではないかなと思っています。  で、畜産です。畜産は、牛肉はかつて関税が七〇%ぐらいありました。これが今三八・五%まで下がって、これを十六年間で九%まで下げるということになりましたけれども、この間、国内産の七〇%から三八・五%になるときに、国内産牛肉生産量というのは少なくとも過去十年間を見ますとほとんど変わっていません。BSEがありましたから牛肉生産量がどんと落ちましたけれども、落ちた分は外国産の輸入量が減るということで調整されてきたんです。むしろ、二、三年前までは国内産牛肉生産量は増えていました。ただ、ここに来てちょっと減っていますね。このことは後でちょっとお話をさせていただきたいと思います。  それから、豚肉につきましては、差額関税制度の骨格は守りまして、例の分岐点価格維持、これも、五百二十四円でしたか、これも守りました。ですから、当面の間、これは影響は出ないと思います。詳しい話はちょっとここ省きます。  それから、鶏に至っては国内産生産数は増えています。関税は元々高くないです。下げたとしても、輸入国のブラジルが入っていませんから、これはほとんど影響がないだろうということでありまして、国内産全体に対しての影響の、輸入という枠については余り心配する必要が私はないんだろうと思っています。  ただ、価格は下がります。下がった分だけ、特に麦なんかそうですし、砂糖もそうなんですけれども、今の麦の制度は、生産価格の差、生産価格販売価格差額を埋めるという制度になっています。販売価格が更に下がって、なお下がるということは、その埋めなくちゃならない価格差が広がることになります。  それからもう一つマークアップが四五%減ってしまいますから、この財源も減ってしまうという意味において財政負担はちょっと増えます。増えますが、政府の試算によると、TPPの効果は十七兆とか十六兆とか言っています。この数字が正しいかどうか、私はよく分かりませんが、仮にその一〇%が国税に入るということであれば一・六兆ぐらいの税収が増えるということでありますから、優にその枠内に入る財源にもなるということであります。  ちなみに、一般論でありますけれども、日本農産物、特に土地利用型農業については内外価格差があるということが大きな問題であって、これを外国との競争から守るためにはどうするかというと、二つの手段があると。  一つは高関税を掛けるということですね。高関税を掛けて、一つが今、米がいい例ですが、高関税を掛けてそれを壁にして外国産のものが入ってこないようにすると。ただし、そうやりますと、国内産農産物価格が高くなります。それは、生産費の見合った販売価格が設定されないと生産維持されませんから、それを消費者がお金を、農産物を買うときにその価格で買うことでその農業を守っているということになります。  もう一つ関税を下げるということになります。関税を下げる、あるいは撤廃するということになると、国内販売価格国際価格に近づくはずです。そうしますと、生産価格販売価格の中に逆転現象が起きますから、その差額を埋めるのが不足払い若しくは直接支払ということで、世界潮流というのはどちらかというと後半の潮流で来ていて、これだと、関税を下げますから若干農産物は入ってきますけれども、国内農業は守られるということでありまして、その流れの中で今回のTPP交渉がされてきているということは御承知のとおりであります。  それでは、何でこんなにTPP農産物というのが大きな騒ぎになったんだろうかなというふうに思うんですが、実は米については毎年毎年八万トンずつ消費が減っています。かつて一千万トンあったのが今八百万トンで、国内消費について言えば、消費というか、主食用については七百四十万トンぐらいになるんですかね。まだ減ります。これをどうするかということに対する不安があるかと思います。  それから、牛肉に関しては、今度は全く別な問題が起きていまして、子牛価格については物すごい今高いですね。一頭当たり百万の価格も出てきてしまいました。さらに、牛肉価格も最高値を更新しようとしています。これはなぜかといいますと、生産者が減っているからです。先ほどちょっと言いましたけれども、牛肉生産量はここ来てちょっと減り始めています。圧倒的にこんなに高くても後継者が出ないという、生産者不足なんですね。これはTPP関係のない構造問題だと思います。  そして、人口減少に伴うマーケット縮小、それから担い手の縮小。こういう状況の中で、TPPどうなるか分かりませんけれども、国内農業構造改革、団体問題も含めてなんですけれども、これは待ったなしだと思いますけれども、山本大臣の御認識をちょっと伺っておきたいと思います。
  7. 国務大臣(山本有二君)(山本有二)

    国務大臣山本有二君) おっしゃるように、日本農業構造改革は待ったなしでございます。特に、農業の転換を図って、求める目的は農業者所得向上、これを目指さなければなりません。その中で、農地の問題、あるいは御指摘のお米の問題、さらに団体の問題、あるいは中山間の営農の問題等々、我々にとりまして過酷な課題が山積しております。このTPP特別委員会でも、総合的なTPP関連政策大綱に基づく体質強化と経営安定、御議論をいただきました。しかし、まだまだそれでも足りない部分が多くあろうと思っております。  そんな中で、我々は、農業競争力強化プログラムというものを合意させていただきました。これによりますと、生産資材価格引下げ農産物流通加工構造改革生乳流通改革収入保険制度、これからの日本農業についてかなり競争力が付くであろう施策を明示いただきました。  我々にとりまして、農業者が自由に経営展開できる環境を整備するとともに、農業者の努力では解決できない構造的な問題を解決することによりまして、成長産業化を図り、所得向上が実現できるようにしていきたいと思っております。本プログラム施策の実現に全力を挙げ、先生御指摘国際競争力強化やあるいは効率的な流通加工構造、そういった強い農業を実現してまいる所存でございます。よろしくお願いいたします。
  8. 平野達男君(平野達男)

    平野達男君 TPP発効がどうなるかというのはちょっと不透明な状況でありますけれども、この交渉をまとめるのに、日本が入って大体五年、六年ぐらいでしょうか、相当長い時間と本当に人的資源を掛けてやっとまとまりました。  私は、ここに入っているものについては、この委員会の中で幾つかの問題も指摘されました。例えば課税の問題とかそれから食品の安全の問題等々、これは、しかし、実はTPPの問題にかかわらず、これからの国際貿易の中で避けて通れない問題だろうと思います。そういう問題はあるんですけれども、冒頭言いましたように、TPPは、これは本当に満足のいく内容ではなかったかというふうに思っています。  これを発効させるというのが私は一番いいと思いますけれども、仮にそうでなかったとしても、今回のTPP考え方それから基本的枠組み、こういったことは、環太平洋地域だけではなくて、これから世界にやっぱり広めていくということも大事ではないかなというふうに思っています。  そのことに対しての総理認識をお伺いしたいというふうに思います。
  9. 内閣総理大臣(安倍晋三君)(安倍晋三)

    内閣総理大臣安倍晋三君) もうまさにそれは委員が御指摘になったとおりでありまして、たとえこの発効が不透明になったとしても、まさにTPPにおける成果であるルール、そしてフェアで公正な経済圏をつくっていくという戦略的、経済的な意義を世界に対して発信していくことは大いに意味のあることだと、このように思います。
  10. 平野達男君(平野達男)

    平野達男君 二〇一一年の三月十一日の十五時から、これは、私が当時内閣府の副大臣のときに、TPPタスクフォースを立ち上げたときの第一回の会議でした。冒頭の一分、私が開会の挨拶をしたときにもう揺れに揺れていましたから、今日はやめようといって、それでその会合の第一回タスクフォース、二十一分野ごとタスクフォース終わりました。そこから私はTPPの仕事と離れることになったんですが、このTPP、いろんな思いありますけれども、何とかこれを発効させなくちゃならないと思いますし、そのためにも今参議院は堂々と承認することを強く訴えまして、私の問題を終わらせていただきたいというふうに思います。
  11. 大野元裕君(大野元裕)

    ○大野元裕君 民進党・新緑風会の大野元裕でございます。  会派を代表して、締め総的な質疑に臨むに当たり、まずは会派考え方を述べさせていただきたいと思っております。  本協定については問題が多く、国民理解も得られていない中、次期米国大統領TPP離脱表明等もあり、本来であれば、協定法案共に取り下げ、一旦立ち止まってアメリカの説得をする等、政府責任を果たしてから国会に諮るべきと考えています。しかしながら、政府がかかる責任を放棄したまま、参議院審議も三十日を迎え、自動成立の日を残念ながら迎えることになりました。  遺憾ではありますが、協定については会派としての意思をしっかりと示させていただくつもりながら、関連法案については、国民理解最大限に得るために、少なくとも本国会の会期末までは審議を継続するべきであると考えてまいりました。それにもかかわらず委員長判断で採決まで行う意向と聞いており、再三再四にわたり数の力による暴挙が行われるとなれば、遺憾を通り越してあきれ返るばかりでございます。このことを最初に表明をし、質問に移らさせていただきます。  本日の締め総的な質疑をさせていただくに当たり、本委員会議事録、改めて読み返させていただきました。その中で、与野党を問わず多くの議員が取り上げておられたのがトランプ次期大統領によるTPP離脱表明についてでありました。アメリカという原署名国の中で最大経済規模を有する国が協定から離脱すれば、微妙なバランスが崩れる、あるいは総理のお言葉によれば意味がなくなる、こういった議論理解はできます。しかし、その一方で、この委員会室に座っている中でただ一人、総理だけがトランプ氏と自由貿易についても議論をした方で、トランプ氏の考え方を踏まえてTPPへの対応の可否を判断できる唯一存在だと私は思っています。  そんな中で、アメリカ離脱をし、総理言葉どおりTPP意味がないものになる、あるいは発効すらしないということになれば、この国会でのTPP協定承認のための審議は無意味なものになる、あるいは国税に基づく資源も浪費される。そもそも、どこぞの党が掲げられたTPP断固反対というスローガンも意味がないことになります。多くの委員から一旦立ち止まって考えるべきとの指摘がありながら、総括審議を迎えるに当たってもなおこのような議論をしなければならないということは、国会としては情けない姿であります。  改めて、TPP協定が無意味なものになる場合の総理の御責任TPP協定発効の見通しについてのトランプ氏の対応判断できる唯一存在としての総理の御責任を問わせていただきます。なお、自由貿易重要性署名国としての責任といった議論は、今TPP批准議論を行わなければならない理由にはならないことを踏まえて御答弁を賜りたいと思います。
  12. 内閣総理大臣(安倍晋三君)(安倍晋三)

    内閣総理大臣安倍晋三君) もとより、国政全般に対する判断についての責任は、私に、総理大臣たる私にあるのは当然のことでございます。  そして、TPPについてトランプ次期大統領発言があったにもかかわらず、なぜ十一か国が立ち止まって国内手続をやめるということにならないのか。そういう国は一か国もないわけであります。それは、まさにこのTPPが持つ価値、戦略的そして経済的な価値について、しっかりとそれぞれの国が国会においても承認を得て、国会意思も含めた国家意思として示していくことこそが今求められている。アメリカの政権が移行期にあり、そして保護主義が台頭している中において、フェアでそして自由な貿易圏、しっかりとしたルールを定めていく、高い水準の求められるルールを高めていくことの必要性について認識しているからであろうと、このように思うわけであります。  立ち止まって考えることはリスクがないように聞こえるわけでありますが、現実にはTPP可能性を失わさせていくものであり、私はむしろそれは無責任であろうと、こう考える次第でございます。
  13. 大野元裕君(大野元裕)

    ○大野元裕君 全くもって、原署名国の一か国として、この国内手続を今まさに進めなければその可能性が失われるといった議論については、くみできません。  その意味で、総理、実はこの参議院では、既にお気付きになったと思いますけれども、そのような状況にもかかわらず、我々は、大臣の不用意な発言の追及などではなく、しっかりと中身のある議論を行ってまいりました。山本大臣への質問も優しかったと私は思います。それにもかかわらず、今のような御答弁では納得のしようがありません。  トランプ氏が一月にTPP撤退大統領として表明することが明らかになった。そして、そんな中で、不思議なことに、与党も予算編成大綱まとめられたようですが、TPPの文字はもはやありません。総理に付き合うことはおやめになられたようです。もはやこのような総理の御答弁はどうも道化師の寂しい独り舞台にすぎないようにしか見えません。その独り舞台に付き合わされているこの国会審議意味は、問い直しても見えてこないというのが現状だと思っています。  総理は、アメリカ抜きTPP意味がない、かつ、米国が脱退すれば現実TPP発効は難しくなるとのお考えをお持ちのようですが、トランプ氏がそのとおりTPPから脱退を宣言する際には、国民に対する責任からも、一つ目は、TPP政策大綱は取り下げ、その時点で未執行の予算は返納させ、あるいはTPPを見据えて組み上げた農業体質強化等施策は真に必要なものについてゼロから見直すべきと考えますが、総理の御所見を伺います。
  14. 内閣総理大臣(安倍晋三君)(安倍晋三)

    内閣総理大臣安倍晋三君) 参議院における当委員会、大野委員も含めた皆様の真摯な緻密な御議論に対しましては、敬意を表するところでございます。  昨年十一月、TPPの効果を真に我が国の経済再生、地方創生に直結させるとともに、TPP影響に関する国民の不安を払拭するため、総合的なTPP関連政策大綱を決定しました。これまで、政策大綱を踏まえ、海外展開を行おうとする中小企業等への支援や我が国の農林水産業の体質強化が待ったなしの状況の中で、農林水産分野において緊急に実施していくべき体質強化策などの各種施策を実施してきたところであります。  これらはTPP協定発効を見据え、これに備えることをきっかけとはしておりますが、いずれもTPPにかかわらず我が国にとって必要な政策であり、執行を停止することは想定していないところであります。
  15. 大野元裕君(大野元裕)

    ○大野元裕君 TPPをきっかけとして中小企業等を支援する、そのTPP発効しない。あるいは、TPPを踏まえ、若しくは前提として、例えば、これまでも閣僚の皆様がおっしゃっておられました、価格下落時の収入補填緊急対策費、緊急対策費ですよね、経営所得安定対策の中の収入減少影響緩和対策、何のために収入が減少するんでしょうか、経営所得安定対策の中の収入減少影響の緩和対策、加工施設再編等の緊急対策事業、畜産クラスターを後押しする草地の整備事業、転作助成などの短期的、中期的TPP対策費を積む必要、懸命に答弁されてこられました。これらは全てTPPが前提ではなかったんでしょうか。あれは何のための答弁だったんでしょうか。  他方で、皆様のお手元にも配っておりますけれども、この予算額、多額であります。しかしながら、その一方で、一・九兆円規模の税収減が予測をされ、赤字国債の発行を余儀なくされるとの見方も出ています。これまで自民党政権が膨らませてきた借金を更に膨らませる赤字国債に安易に頼るよりも、本当に必要な対策はやればいいんだと思いますよ。これからの農業を強くしなければならないと思います。  しかし、TPPを前提にして積んだものを私は見直す勇気も必要だろうと思います。これを役所ではしばしば焼け太りというんでしょうか。役所をコントロールすることができないで納税者に対していかに強弁をしても、我々は政治家として、義務を果たしていただいている納税者の皆様に対して、一円でも無為に使うようなことは許してはならないと思います。  改めて総理にお伺いをさせていただきますが、少なくとも基金化されたようなもの、これは返納させるべきではないんでしょうか。いかがでしょうか。
  16. 内閣総理大臣(安倍晋三君)(安倍晋三)

    内閣総理大臣安倍晋三君) 今御質問の中において、税収について、一・九兆円、一・九兆円ほど税収の見込みよりも下がるのではないかという御指摘がございましたが、これは党首討論の際にも申し上げたところでございますが、大宗は為替の結果でございます。大切なことは、累積債務のGDP比でございますが、これは着実に、まさにこれが一番大切なんですが、着実に安倍政権になってこれは縮小しているということは一応申し上げておきたいと思います。  そして、御質問の件でございますが、そうした基金も併せまして、基本的には、先ほど申し上げましたように、我が国農業あるいは中小企業の生産性を上げていく、体質の強化を図っていくために必要なものでございまして、また、TPPのみならずRCEPの交渉も進んでいくでしょうし、日EUのEPAについて大枠の合意を目指して今交渉をしているわけであります。また、このRCEPの先にはFTAAPがあるわけであります。  いずれにせよ、そういう事態に備えていくことが、なるべく早く、なるべく早く備えていくことが大切であろうと、このように思う次第でございます。
  17. 大野元裕君(大野元裕)

    ○大野元裕君 なるべく早く備えて農業体質強化を図ることについて、私はノーとは言っていません。緊急対策費や、あるいはTPPを契機としてこれから行うための中小企業、これはやはり名目としてもおかしいじゃないですか。是非このことは指摘させていただいて、納得する前にちょっと時間もないので次の質問に移らさせていただきますけれども。  TPP関連諸法案の多くは、TPP協定日本国について発効する日が発効日となっています。ところが、唯一、特定農林水産物等の名称の保護に関する法律、いわゆるGI法改正案のみが公布後二か月を超えない範囲で政令が定める日を発効日としています。  農水大臣に伺います。  我が国がこれまで締結しているマルチ及びバイのいずれの条約や協定にも、GI制度に基づく相互保護主義の取決めを含んでいるものは存在しません。そして、一月に米国が脱退してTPPが事実上発効しなくなれば、GIリストの交換を行うべき国は出てきません。つまり、二月頃にGI法を施行したとしても相手がいない、どんな条件で行うかも見えません。  かつて、横畠法制局長官は、立法事実がないということは立法の必要性がないということでございますので、立法において立法事実が必要であるということは当然であると思いますと答弁をされています。つまり、法律を作るためには立法事実が必要になります。  TPP協定発効が前提となっている、立法事実となっているこのGI法の改正について、この協定発効を、総理発効現実の問題として難しくなってきていると御答弁されました。そんな中で、立法事実なきこのGI法の改正、立法が成立してしまう。  農水大臣、そのような法律を制定するということについて所管大臣としてどのような意味をお持ちでしょうか。
  18. 国務大臣(山本有二君)(山本有二)

    国務大臣山本有二君) いや、立法事実は私は存在するというように思っております。  まず、この協定において、二国間の個別の国際協定によってGIを保護する場合の事前異議申立て手続が定められたということを踏まえて、TPP整備法案において地理的表示の改正を行うということとしていることは御存じのとおりでございます。  また、GI保護の手続ルールにおいて、TPP協定の大筋合意の日以降、すなわち、今後、我が国が締結するGIの保護に関する全ての国際協定に適用されるということになっておりますし、また、この国際協定には我が国がTPP非参加国と締結する国際協定が含まれることというのが特別に規定をされております。  このため、今後、我が国が締結するGIの保護を含む国際協定におきまして、TPP協定上のルールとの整合性を確保するために、地理的表示法の改正についてはTPP発効を待たず改正法を速やかに施行するということとしたところでございますが、この地理的表示の保護に関する制度を有する国は、TPP参加のうちでは六か国でございますけれども、百か国を世界はもう数えるようになりました。これらの国と国際協定によってGIの相互保護をすることによりまして、我が国のGI産品のブランド化が促進、推進されますし、現実にGIを取ったものが各市場で従来の売上げよりも相当の販売価格の増加を見ているわけでございます。そんな意味で、輸出促進につながるというメリットがございます。  このようにTPPとの整合性を図りつつ、また、TPP発効しなくとも、その発効しないということと関係なしに、我が国のGI制度を輸出促進につなげていくという意味におきましては、私は十分この立法事実があるというように思っております。
  19. 大野元裕君(大野元裕)

    ○大野元裕君 大臣、お読みになっている中身を御理解されていますか。TPP協定を契機として二国間協定を特別に定める、TPP協定発効以降は全ての、これ全てTPP協定が前提じゃないですか。  だとしたら、教えてください、たった今で、GIリストを交換する国、どこにありますか。
  20. 国務大臣(山本有二君)(山本有二)

    国務大臣山本有二君) これは、GIリストは、既に世界各国、百か国、そしてそれぞれの国が、日本は二十四でございますけれども、日本以上にGIの保護をしております。  また、現実に二十四のGIを保有している皆様方がそれぞれの国に相互保護を求めるときに、申請手続を個別になさっておられます。その意味におきまして、この法律が成立することによって、相互主義でございますから、国同士が締結すれば個々の申請が必要なくなるという大きなメリットがございます。  そんな意味で、私は早くこの法律を成立させる必要があるというように思っております。
  21. 大野元裕君(大野元裕)

    ○大野元裕君 大きなことを言いましたよ、今、国同士が締結すれば。締結すればなんです。今はないんです。締結する相手がいないんです。もちろん、向こうに制度がある国もあります。しかしながら、大臣、御存じですよね、大平三原則。つまり、なぜ国会協定承認を求めるか。それは、その中身を示して法律事項が変わるからなんです。先にどんな協定の中身かも分からないで法律事項だけ定めたら、国会意味なんかないじゃないですか。だからこそ申し上げているんです。  TPP協定が契機として、TPP協定を前提として、発効以降は全部、大臣TPP協定が前提なんです。だとしたら、TPP協定発効の日がもちろん法律の施行日なら、これは当然つじつまが合いますよ。しかしながら、TPP協定発効するのが現実的に難しくなったと総理が認めている中でこれだけ先に行ってしまったら、空っぽの法律が、何の立法事実もなしに、そしてそれ以降の法律が、仮に協定が結ばれても、国会には諮らないということになるんじゃないですか。  私は、農水大臣、改めて申し上げますが、立法事実が必要とおっしゃった横畠長官のお言葉、もしもそれを真摯に受け止めるのであれば、大臣、この法律は立法事実がない法律として認められないと思いますが、いかがですか。
  22. 国務大臣(山本有二君)(山本有二)

    国務大臣山本有二君) まず、GI法で既に相互保護に達したところもございまして、例えばチリ、酒類のみ、お酒のみ、これで相互保護をしておりますし、メキシコ、これも酒類のみ保護を相互でこれは取決めを交わしているわけでございまして、こうした意味におきましては、徐々にこの協定締結が進んでいくだろう、相互保護が進んでいくだろうと。それを一日も早くすることによって一日も早い日本産品が外国でブランド化できるというように思っているところでございます。
  23. 大野元裕君(大野元裕)

    ○大野元裕君 だとすれば、この協定と一緒に関連法案を出したとおり、チリについてもメキシコについても同時に出してください。どうぞ。
  24. 国務大臣(山本有二君)(山本有二)

    国務大臣山本有二君) チリあるいはメキシコ、これは改定交渉で相互保護を行う予定でございます。また、相互保護を現実にこれは手続をしているところでございまして、早急にそれをお示ししたいというように思います。
  25. 大野元裕君(大野元裕)

    ○大野元裕君 法律事項の変更があるときには我が国会に対して承認を求めることは当然の話です。今の予定で、我が国会承認もしていないものを前提として、こんな法律議論できないじゃないですか。大臣、おかしいです、それは。そんな予定のものであれば、将来、EUとも、RCEPだって、みんなありますよ。そんな答弁では納得できません。もう一度お願いします。
  26. 国務大臣(山本有二君)(山本有二)

    国務大臣山本有二君) 我が国の産品のブランド価値を高めるということは間違いなくございます。そして、GIの海外での保護が重要であるということも委員御存じのとおりでございます。  国際協定によるGIの相互保護に向けた交渉を進めるということは、我々にとりまして何より重要なことでございます。将来TPP発効した際に、GI保護の手続ルールについて……(発言する者あり)はい。  国際協定は国際協定でもって、言わば条約でございますから、国会が批准していく、また、国会にお諮りをするということは間違いないわけでございまして、その手続を、整々とこれを、手続を進めていくということはお約束をさせていただくところでございます。(発言する者あり)
  27. 委員長(林芳正君)(林芳正)

    委員長林芳正君) 速記を止めてください。    〔速記中止〕
  28. 委員長(林芳正君)(林芳正)

    委員長林芳正君) 速記を起こしてください。
  29. 国務大臣(山本有二君)(山本有二)

    国務大臣山本有二君) もう一回整理して申し上げますと、TPP発効をまず断念はしていないという、そういう前提でございます。  そして、このTPP協定合意の中身の中で、批准をし発効を目指すこの段階で、GIの保護の相互主義がこの国際協定の中に、非TPP参加国でもこれが適用になるという意味において、このTPP合意が実に初めて、特にイレギュラーな形でこの合意内容が示されているということで、今までと違うそうしたルールに基づくものであるという理解の下に、ただし、委員指摘のような国際協定における問題につきましては、必ず国会にお諮りするというルールに変わりはありません。
  30. 大野元裕君(大野元裕)

    ○大野元裕君 分かりません。  協定が前提であること、それは分かりました。GI自体はすばらしい話だと私は思っています。しかしながら、立法事実が必要だという中で、これだけは、これだけは、総理も、先ほど申し上げたとおり、TPP発効現実的に難しくなって困難になってきていると答弁がある中で、二月でということは一月とか二月でしょう、そのときにはこの法律だけ施行されてしまう。立法事実なき法律だけができてしまう。  これはおかしいし、国会との関係でもおかしいし、それから、これまでの政府の、法制局長官が述べたとおり、立場とも全く違うので、これについては、大臣、そごがあるんじゃないんですかと、ここまで丁寧に申し上げているので、是非もう一度整理して御答弁ください。
  31. 国務大臣(山本有二君)(山本有二)

    国務大臣山本有二君) このGI相互主義につきましては、国会における批准という、そういう行為に対して重きを成した、極めてイレギュラーな国際協定でございます。したがいまして、国会の批准の後に交わされますGI国際協定については、これが、GIの相互主義が、これが取り決められていくという、特に発効前の、発効前の効果をわざわざ規定したところでございまして、その意味において国会軽視ではないというように思っております。
  32. 大野元裕君(大野元裕)

    ○大野元裕君 立法事実がない法律を作るのは安倍政権の得意技で、安保法制についても三つの立法事実は全てひっくり返させていただきましたけれども、それがいまだに漂流をしているというのが現状でありますが。  これ、大臣、そうすると、私が言っているのは期日の問題なんです。中身の話でもないし制度の話でもないんです。だとすると、これ、TPP協定発効することを前提とされるのであれば、期日について再検討されたらいかがですか。
  33. 国務大臣(山本有二君)(山本有二)

    国務大臣山本有二君) 今、このTPP発効が前提でございますし、これを断念したということの理解をしているわけではありません。あくまで発効することを前提に私どもはこの手続を進めたいと、こう思っております。
  34. 大野元裕君(大野元裕)

    ○大野元裕君 期日を再検討されたらいかがですか。
  35. 国務大臣(山本有二君)(山本有二)

    国務大臣山本有二君) このTPPの批准の重み、かつ合意の内容、これは、国内農産物あるいは加工品の輸出についてはかなりの私は力を得るいい法律であるというように思っておりますので、これにつきましては、この内容について、今までのこの立て付けについて……
  36. 委員長(林芳正君)(林芳正)

    委員長林芳正君) 簡潔にまとめてください。
  37. 国務大臣(山本有二君)(山本有二)

    国務大臣山本有二君) 私は、そごがないし、そして国会軽視ではないというように思っております。(発言する者あり)
  38. 委員長(林芳正君)(林芳正)

    委員長林芳正君) 速記を止めてください。    〔速記中止〕
  39. 委員長(林芳正君)(林芳正)

    委員長林芳正君) 速記を起こしてください。
  40. 国務大臣(山本有二君)(山本有二)

    国務大臣山本有二君) TPPの第十八の三十六条等に書いてありますとおり、TPPの共通ルールTPP発効前にも適用されるというのが原則でございまして、この発効前に、発効前に、このGIにつきましての表示のルールにつきましては、第十八条の三六、これに明記をしているところでございまして、この意味において私どもは、これを示しながら、この法律の発効、これはTPP発効前でも適用され、国際的にこれが、国際協定におけるGI保護の共通ルール、これが適用できるというメリットが大いにあるというように考えているところでございます。
  41. 大野元裕君(大野元裕)

    ○大野元裕君 質疑の時間が終了しましたのでこれでまとめますが。  改めて、立法事実なき法律がここで成立することになります。TPP協定については、三十日を迎えたことから、今日、先ほど申し上げたとおり、我々は対応を求めますが、しかしこの法律については余りにもおかしい。だからこそ、法律だけは切り離してしっかり議論することが必要だし、このままでは国会を愚弄し法秩序を乱すという、一番最初に総理がおっしゃった、総理の御責任でありますので、そこはしっかりと御確認をいただき、私の質問とさせていただきます。
  42. 浜田昌良君(浜田昌良)

    ○浜田昌良君 公明党の浜田昌良でございます。  十一月十一日に当特別委員会がスタートいたしまして、昨日までに六十一時間超の審議をしてまいりました。衆議院では四十七時間弱でございますので、時間的にも大幅に審議をしてまいりましたし、内容的にも与野党を通じて充実した審議がしてこられたと思っております。  ただし、その審議の、議論のポイントは衆議院と参議院で大きく変わりました。それは十一月八日のアメリカ大統領選挙、これによりましてトランプ氏が当選されまして、このTPPどうなるのかというのが参議院でも大きな議論となりました。  そこで、この審議を締めくくるに当たりまして、トランプ次期米大統領が十一月二十一日、大統領就任初日にTPP離脱意思を通告すると発表がありながらも、我が国が率先してTPP承認国内法成立を図る意義、特に日本が今後進めようとしているRCEP、FTAAPに対する意義を改めて安倍総理にお聞きしたいと思います。
  43. 内閣総理大臣(安倍晋三君)(安倍晋三)

    内閣総理大臣安倍晋三君) この今回のTPPについては、まさにこの十二か国において世界GDPの四割を占める自由でフェア経済圏をつくっていこうということでありまして、それは単に関税だけではなくて、ルールをしっかりと作っていく。ルールを作っていくことによって、一部の大企業だけではなくて、中小企業も安心して海外に出ていくことができるということになるわけでありまして、一部の大企業を有利にするだけではなくて、また、もちろん他にも、例えば労働条件やあるいはまた環境といったことについてもしっかりと規定があるわけでありまして、女性の活躍を推進をしている、あるいは国有企業の競争条件に対する規律をしっかりと示していく等々、新しい言わばルールがしっかりと書き込まれているわけでございます。  そこで、この十二か国中、トランプ次期大統領のあの発言があったとしても、まだ十一か国どこも国内手続を立ち止まってやめようというところはないわけであります。それは、私たちが作り上げたこのルールこそが世界が目指すべきルールであるということをしっかりと国の意思として示していくことは極めて重要だろうと。それは、その後のRCEP、そしてFTAAPにも強い影響を与えていくことになるわけでありますし、また、今移行期米国に対しても大きな影響を与えていくことになると、こう信じるからであります。  また、日本がこのTPP並みのレベルの高いルールをいつでも締結する用意があるということを示していく、国の意思を示していく。これはほかの国々もそう考えて今手続を進めているわけでありますが、そこにこそやはり意義があるんだろうと、このように考えているところでございます。
  44. 浜田昌良君(浜田昌良)

    ○浜田昌良君 今、総理から答弁ございました。今回のTPPは、単に物品の関税率下げるだけではなくて、ルールを決めていくと。中小企業への支援、またそれへの参加、労働、環境、女性の参加、そして国有企業の競争条件、こういうルール世界の標準にしていくという大きな意義、私はあるんだと思っています。  次に、農水大臣にお聞きしたいと思います。今ほども幾つか質問がありまして、もう一度お聞きしたいと思います。  国内関連法十一本のうち、地理的表示法のみTPP発効を待たずに早期施行する意義を改めて整理して答弁いただきたいと思います。
  45. 国務大臣(山本有二君)(山本有二)

    国務大臣山本有二君) これは、TPPの合意の中に明確に書かれております。第十八・三十一条及び第十八・三十二条の中に、TPP発効前にもこれが、国際協定によるルールが適用になると、わざわざ異例中の異例の合意文が記されております。そういう中におけるこの趣旨というのは、GIというものに対する価値を国際的にもうほとんど全ての国が認め合ってきたという共通認識の国際合意が底流にあるのではないかと。  そして、日本もこれに、この地理的表示の保護を推進することによって、実際に他国で日本のブランド的な農産物が徐々に大きな成果を上げ、販売力を発揮してきたという事実。こうしたことによって、早くこの国際的なGIの相互保護をすることによりまして、例えば一般名称のラッキョウというのが使われないように、あるいは和牛というのが使われないように、あるいは、混同している様々な物品の中で、日本のいい商品だというそういうことを明らかにするために一日でも早くこれを世界に広げたいと、そういう趣旨がこのTPPルールの中にわざわざ書き込まれたということは大きな成果ではないかと、そういうように思います。  ですから、批准ということをもって国会手続を済ませて、その上で、国際協定ルールの中で我々はこのGIを一日でも早く世界に広げていく、また世界日本に広げていくということが大事だということの趣旨で、その発効を待たずにやるわけでございます。
  46. 浜田昌良君(浜田昌良)

    ○浜田昌良君 今、農水大臣から答弁ございました。このGI、地理的表示については、TPP協定上も異例な協定の書き方になっているわけですね。十八・三十一条、三十二条で、協定発効前にもこれを実施していくということもあって、この法施行を前にしている。そういう意味では、この地理的表示法は、TPP国内法という性格とともに、これからのRCEPやFTAAPを含め、また日EUを含め、そういう経済連携協定制度的インフラという趣旨もあるということから、法施行を公布後二か月後にしているということは意義がある、合理性もあると、私は理解をしております。  そういう意味では、今回の参議院審議でも幾つかこういう制度的インフラ、協定自体が問題ではないんだけれども、今後いろんな輸入商品が、輸入農産物食品が増えてくるということになると、既存のこの制度についてもう少ししっかりやってほしいということが与野党を通じていろんな意見が述べられたわけでございます。  そこで、安倍総理にお聞きしたいと思うんですけれども、実は、参考人からこんな意見があったんですね。その方は、いわゆる遺伝子組換え食品、添加物、今までそのメーカーにおられたと。日本の審査体制って本当に貧弱だという御意見だったんですよ。  この方、三十三年前のある雑誌に載せられていたらしいんですけれども、日本食品化学課は十一名しかいないと、FDAは三百五十名もいる、カナダは百五十名もいる、確かにこれ三十三年前。これ最近どうなっているかというと、そんなに厚労省の定員は増えていません。消費者庁に二名ぐらい増えただけだということで、一方、FDAはもう九千六百人になっていると。確かに、審査体制は、確かに向こうは職員であると、日本の場合は審議会方式なんで職員が少ないという差はあるんですが、やはり不安だという声が示されました。  これだけじゃありません。遺伝子組換えの表示の問題、これについても、新しい技術が出てきたんで、いわゆるみそだけじゃなくて、しょうゆや油にも拡大してほしいという話もありますし、さらには原産地表示についても生鮮食料品だけじゃなくて加工品にも広げてほしい、こういう消費者の声が、TPPそれ自体とは関係はないんですが、これを契機として声が高まっています。  さらに、一つ混乱があったのがいわゆる予防原則という問題で、日本政府は予防原則という言葉は使っていません。これはいわゆる衛生植物検疫の暫定的な採用ということなんですが、これについては、石原大臣も何回も答弁いただきましたように、協定上はあくまでもWTO・SPSの権利をそのまま引き継いでいると、併せて暫定的という表現まで入れているとありながらも、そういう意味では、大臣答弁は非常に答弁そのとおりなんですが、役所が答弁すると、またこれ、役所は嫌いなんですね、このいわゆる予防原則というのを。だから、非常に固い答弁なんですよ、さも科学的知見がなければ答弁しないみたいになっている。結果として少し混乱があった感じがします。  こういうものについても、本当に必要な場合は、我が国の権利として認められているわけですから、これについても発動する用意があるということを明確にすることが、消費者の方々への、このTPP始め、RCEP始め、いろんな経済連携協定を受け入れていく制度的インフラとして重要と思いますが、こういう分野に取り組む総理の決意を改めてお聞きしたいと思います。
  47. 内閣総理大臣(安倍晋三君)(安倍晋三)

    内閣総理大臣安倍晋三君) 今、浜田委員から我が国の食品の安全に対する基本的な考え方について御説明もいただいた、またあるいは、どういう方向を進んでいくべきかということについてもお示しをいただいたと思います。  消費者の健康を守るために、国産品であれ輸入品であれ、安全性が確保されたものでなければ流通は許されない、これが基本原則でありまして、食品行政上の大原則であり、今後もこの原則は当然堅持をしていく、これは、TPP発効されようがされまいが、これは変わらないということでございます。食品中の残留農薬などの安全基準の設定や遺伝子組換え食品や添加物の安全性確認などについては、今後とも最新の科学的知見を踏まえながら必要な対応を行っていかなければならない、行ってまいります。  そしてまた、全国の港や空港の検疫所における輸入食品の検査では、今後の食品輸入の増加も踏まえて、輸入食品の検査が着実に実施できるよう体制の確保を図ってまいります。人数が少ないのではないかという御指摘がございました。加えて、必要があればちゅうちょなく衛生植物検疫措置の暫定的な採用又は維持を行う考えであります。  さらに、加工食品の原料原産地表示や遺伝子組換え食品の表示などについてでありますが、今までは、例えば豆腐等については、表示、これは検出が可能である、しかし、搾ったもの、しょうゆなどはこれは難しいという。豆腐はできて、しょうゆはなぜできないんだということについてはお答えをさせていただいてきたところでございますが、しかし、そうした表示は食品を選択する際の重要な判断材料であり、消費者の安全にもつながるものと考えておりまして、引き続き食品表示制度消費者にとって食品を自主的かつ合理的な選択に資する制度となるように努めてまいりたいと、このように思います。  今後とも、消費者庁の総合調整の下、厚生労働省など関係府省庁が連携して、このような制度的インフラの充実に努めながら国民の食の安全に万全を期していく考えでございます。
  48. 浜田昌良君(浜田昌良)

    ○浜田昌良君 多分答弁は役人が書いたんで、一番重要なところのいわゆる衛生植物検疫措置の暫定的な採用、維持のところがちょっと答弁がなかったんですが、これについては石原大臣が以前答弁されていますので、権利として認められていますから、どうしてもこれは非常に保護的な対応をしますので、そこら辺については、もし追加がありましたら。
  49. 内閣総理大臣(安倍晋三君)(安倍晋三)

    内閣総理大臣安倍晋三君) いや、先ほど私答弁をさせていただいていたんですが、短かったのでちょっと御記憶が残らなかったかもしれませんが、加えて、必要があればちゅうちょなく、これ結構強く言った私つもりだったんですが、加えて、必要があればちゅうちょなく衛生植物検疫措置の暫定的な採用又は維持を行う考えであるということは先ほども申し上げたわけでありますが、まあ二行だったものでございますが、しかし、ちゅうちょなくということを、これは総理大臣としての発言でございますので、誠実な答弁と受け止めていただきたいと、このように思います。
  50. 浜田昌良君(浜田昌良)

    ○浜田昌良君 ありがとうございました。  もう時間がないので、図表を一枚配らせていただきました。これは何かというと、元世界銀行のアナリストのブランコ・ミラノビッチさんの著作にあります、横軸が世界所得分布を、いわゆる最貧層を五、最富裕層を一〇〇、縦軸が、一九八八年、いわゆるベルリンの壁崩壊から二〇〇八年、いわゆるリーマン・ショックまでの二十年間、所得が何%増えたかというのを並べてみると、象の形、鼻を上げている象の形に見えるのでエレファントカーブと言われています。  Aという地点、五十分位のところ、これはいわゆる中国とかタイとかインドネシアとかベトナムという国々の層が一番所得が増えていて、その次に増えているのがCというところ、一%の最富裕層。しかし、Bというところ、これ、先進国のいわゆる中流層であったり中低層のところがほとんどこの二十年間、実質的に所得が増えていないと。これが現在の保護主義的ないろんな蔓延の元凶だと思っているんですね。  そういう意味では、いろんな経済連携協定するときに、こういう分野の経済的な分配を強めるということを、もう時間ありませんので質問しませんが、是非、安倍総理に強くお願いさせていただきまして、私の質問を終えさせていただきます。
  51. 井上哲士君(井上哲士)

    井上哲士君 日本共産党の井上哲士です。  両案について、徹底審議の上、廃案をするよう主張してまいりました。議論すればするほど問題点が明らかになり、審議は全く尽くされておりません。条約については、衆議院の議決後三十日に当たる今夜零時で成立をするという下で意思表示が行われますが、一方、関連法案には自然成立はないわけでありますから、両案を一体で採決をすることには反対であります。  そこで、アメリカトランプ氏が次期大統領に当選をして、事態は大きく変わりました。就任初日で離脱表明をした。TPP承認発効の見通しはなくなりました。その下で、この条約の承認をなぜ国会が行わなければならないのか。我々は会期延長せずに廃案を求めましたけれども、総理は繰り返し、政府としての意思とともに、国会意思を明らかにすることが重要だと強調をされました。そして、会期延長までしてごり押しをされようとしている。しかし、国民意思から離れた国会意思などというものはあり得ないんです。  国民意思はどうなのか。産経とFNNが共同の世論調査を三か月連続してやっております。TPP承認案と関連法案の今国会成立について、臨時国会前の九月は、賛成五〇・三、反対三三・〇でした。審議が始まった十月には、賛成が減って四七・七、反対は四〇・一に増えました。そして、トランプ氏当選、衆議院強行後の十一月、賛成は三八・八、反対は四八・五になりました。つまり、審議をすればするほど反対が増え、トランプ氏が当選をして発効の見込みがなくなったという下で逆転をし、一〇ポイント、今国会での承認反対が増えたということなんですね。他の調査でも、徹底審議が圧倒的多数ですよ。これこそが国民意思なんです。  総理の、成長戦略の旗印で掲げてきたTPPの旗を下ろしたくないと、そういう思惑のために、国民意思と懸け離れた国会意思なるものを示すことは、私は民主主義に反すると思いますけれども、総理、いかがでしょうか。
  52. 内閣総理大臣(安倍晋三君)(安倍晋三)

    内閣総理大臣安倍晋三君) 世界自由貿易については、基本的に一貫してまさに米国がリーダーとしての役割を果たしてきたんだろうと、このように思います。牽引役としての役割を果たしてきた。それが今、米国に代わって、日本がこの先頭に立つことが求められているという、この大きな変化に戸惑いを感じておられる方々も確かにおられるんだろうと、こう思います。しかし、米国が政権移行期にあり、保護主義の懸念と動揺が広がる中において、自由貿易の下で経済成長を遂げてきた我が国が自由で公正な貿易・投資ルールを牽引すべきときが私は来たんだろうと、こう思います。その歴史的な使命を果たしていかなければならないという大きな決意の下に今御審議をいただいているわけであります。  これは、実際にペルーにおいても日本はどうするんだということを随分聞かれました。我々は、しっかりと今こそ私たちがくじけることなくフェアで公正なこのルールに基づく新しい経済圏をつくっていこう、それはそのとおりだなということで他の国々も一緒に今国内手続を進めている、あるいは既に終えている国もあるわけであります。  その使命を果たしていく中において、これはまた同時に、大企業だけではなくて中小企業や農業者やあるいは中小企業で働く人々にも利益が及ぶ、共にこれは利益を分かち合っていくということをしっかりとこれからも粘り強く丁寧に説明をさせていきたいと思うわけでありますが、日本におきましては、格差を拡大させないという日本の経済政策のこの価値世界にも示していきたいと、こう思っている次第でございます。
  53. 井上哲士君(井上哲士)

    井上哲士君 私は国民意思と違うじゃないかということを申し上げましたけれども、全く答えがありませんでした。変化への戸惑いということで国民のこの声を切り捨てる、本当にひどい話だと思うんですね。  共同通信の十一月の世論調査でも、今国会にこだわらず慎重に審議すべきと成立させる必要はない、合計八三%なんです。この間、TPPとか年金カット、カジノ、次々と衆議院で強行採決をしてきました。いずれも国民意思に反することをやっている。今の答弁を聞いておりましても、およそ国民意思、これに興味がない、こういう姿勢が明らかになっております。更にこの暴挙を続けるつもりなのかと、これが問われているんですよ。  そして、今、欧米でも日本でも、グローバル資本主義の暴走、世界中を最大利潤を求めて動き回る多国籍企業や国際金融資本の横暴の下で格差や貧困が拡大をしている、これに反対する幅広い市民運動が起きております。この間、私は、国際条約がこうした横暴を進めるものになっているんではないかと、こういう質問を本会議でも行いました。総理は、そういう認識はない、むしろ各国の再配分機能の問題だと、こういう答弁でありました。  しかし、今グローバル資本主義で問題になっているのは、分配をするその以前のもうけの問題なんですね、もうけ方の問題なんです。多国籍企業が世界中を動き回って自分たちの利益を最大化することで世界的な賃金の低下や雇用の喪失が起きている。そして、法人税引下げ競争やタックスヘイブンによる税金逃れ、投機マネーなど、これでより利益が多国籍企業や富裕層に集中している。  総理、分配前のもうけの問題なんだ、多国籍企業や富裕層が最大利益を上げる結果になっていると、こういう認識はあるでしょうか。
  54. 内閣総理大臣(安倍晋三君)(安倍晋三)

    内閣総理大臣安倍晋三君) まさにこのグローバル化の中において、言わば、先ほども浜田委員から指標が示されたわけでありますが、このグローバル化の中において多国籍企業等あるいは一部の人々に富が集中するという傾向が強まってきたというのは事実でございますが、我が国においては、再配分後のジニ係数についてはこれはほとんど横ばいが続いているわけでございますし、相対的貧困率についても、統計を取って十五年間、初めてこれは改善をしているわけでございます。  つまり、日本考え方、このやり方、私たちが進めている政策、また一億総活躍社会の実現というこの考え方については、G7あるいはG20で我々は紹介した、多くの国々もこういう考え方の下に立つべきであると、包摂的なこれは成長を目指していかなければならないということを強く申し上げ、基本的な考え方については受け入れられているのではないかと、このように考えております。
  55. 井上哲士君(井上哲士)

    井上哲士君 これまた全然お答えになっていないんです。私は、そういう分配の問題ではなくて、言わば、それぞれの国でもうけが落ちる前に、その前の多国籍企業のもうけ方の問題がある、そのことの認識を問うたわけでありますが、その点でもまたお答えがありませんでした。  繰り返し述べてきましたけれども、今問われているのは、自由貿易保護主義かと、こういう旧来型の議論ではありません。私たちも、貿易の振興は大切であり、資本主義の中でグローバル化は避けられないと考えております。  しかし、自由貿易、新自由主義一辺倒の政策の下では、余りにも一部の多国籍企業だけ利益が偏って各国で格差が拡大する、そうなればもう貿易自体も発展をしていかない、こういう事態ではないかと。もっと公正な国際経済環境をつくってグローバル化の方向を変えていく。つまり、各国の主権を守りながら、雇用とか賃金、社会保障、農業、食料自給率、食の安全、人権、環境などのルールをしっかり貿易や投資のルールの中に入れ込んでいく、作っていくと。こうやってこそ次の貿易の発展もあると考えますけれども、総理認識どうでしょうか。
  56. 内閣総理大臣(安倍晋三君)(安倍晋三)

    内閣総理大臣安倍晋三君) まさにTPPにおいては、今までそういう指摘もされてきた、一部の多国籍企業に利益が集中しているのではないか、そんな指摘がなされてきました。しかし、このTPPにおいては、まさにこの一部の多国籍企業、大企業だけではなくて、この十二か国で一つの統一ルールを作っていく。そのルールの中には、知的財産の保護もあれば労働や環境の規制もあれば、国有企業の競争条件の規制、規律などもあるわけであります。それがないときには、やっぱり中小企業においては、出ていけば、せっかく自分が作ったこの知財についても力と力のせめぎ合いの中でこれは奪われてしまうのではないかという不安もあるわけでありますし、また、中小企業や小規模事業者にとって、一国一国に出ていく上において煩雑なこれは手続等々も経なければいけない。  しかし、それが一つルールの中で、そういう人たちもこれは海外に出ていって利益を得ることが可能、またそこで働く人々にも利益が出るということになるわけでありまして、そういう意味におきましては、TPPについては、まさにそうした様々な懸念にも対応していくこの新しいルールを作ったということであります。そのルールとともに、国内においても、しっかりとこの取引条件を改善をしていくということについても我々はしっかりと進めているわけでありまして、利益がしっかりと均てんするように更に努力を重ねていきたいと、このように思っております。
  57. 井上哲士君(井上哲士)

    井上哲士君 知的所有権の話も最初言われましたけれども、これも、大手のいろんなコンテンツのところの利益中心になっているという指摘委員会であったわけであります。  今、例えばヨーロッパでは市民社会の中から貿易のルール見直す声が広がって、EUと米国間のTTIP反対の運動が広がる。そういう中で、EUの中でも様々な見直しの議論や提案が行われております。その中心がISDSでありまして、欧州委員会自身がこの改善を提案をしてパブリックコンサルテーションが行われております。主な内容は、透明性の確保、審理と全ての文書の公開の保障をする規定を盛り込むこと、仲裁人の行動規範など仲裁人の倫理的行動に関する要件を入れること、TTIPに上訴のメカニズムを確認すること、こういうことを提案をして、そしてコンサルテーションやっています。十五万の回答が寄せられているんですね。  こういうISDSをめぐるEUでの議論やこの取組についてはどう受け止めていらっしゃるでしょうか。
  58. 国務大臣(岸田文雄君)(岸田文雄)

    国務大臣岸田文雄君) TTIPにおきましては、物品等の市場アクセスのほか、健康、安全、労働、環境保護に関するルールなどについて両者の議論があると承知しておりますが、その中でISDSについては、まず、第三者間の交渉であるため評価は差し控えたいと思いますが、このEU内部にもISDSをめぐって様々な議論があり、例えば二〇一五年九月にはEU側から常設投資裁判所を米側に提案したということを承知をしております。引き続き注視をしていきたいと考えます。
  59. 井上哲士君(井上哲士)

    井上哲士君 このコンサルテーション、公開諮問には十五万の回答で、多くは、強固な司法制度があるEUやアメリカではもうそもそもこういうISDS必要ないと、また、改善では不十分だというものでありました。しかし、やはり市民社会の声に応えてこういう議論をしていること自身が私は重要だと思うんですね。こういう形で、やはり今のこの貿易・投資のルールの在り方、国民の暮らしを守る方向でやるということが必要だと思うんです。  アメリカは今後、TPPの再交渉や有利な二国間協議を求めてくることは間違いないわけでありまして、そんなときにTPPにしがみつくならば、結局これが最低ラインになって一層の譲歩を迫られることになる。それはないんだとおっしゃいましたけれども、この間の日本の貿易交渉は譲歩の積み重ねだったわけでありまして、全く説得力もありません。  大体、TPP反対、うそつかない、ぶれないというポスターを貼って国民にうそをついて、国会決議案をごまかして、国会審議では黒塗り資料でまともな情報開示もせず、審議ではすり替えの答弁、挙げ句の果てには、トランプ氏の当選で発効の見通しがなくてもあくまでもしがみつくと、とことん国民不在ですよ。もうやめようじゃありませんか、こういうことは。  今やるべきことは、TPPの批准ではなくて、市民のための公正な貿易ルールの確立だ、そのことを申し上げまして、質問を終わります。
  60. 儀間光男君(儀間光男)

    ○儀間光男君 日本維新の会の儀間でございます。  今日は、いわゆる十一月十日から本院に来たTPP審議も今日でいよいよ三十日目を迎えて、今日仕上げていくわけでございますが、その間の感想を一つ申し上げさせていただきたいと思いますが、実に真摯で真面目で、そして深みのある議論がずっと繰り返されてきたと思います。そういう意味では、さすが参議院だなという思いがいたしました。各党のプロパガンダも使うことなく、委員会が止まることもなく、実に仕上がってきたというふうに思って、大変勉強になった委員会だったと思います。  一方では、寂しい思いもあります。これは制度の問題ですけれど、憲法条項ではございますけれど、衆議院側から参議院に送られて、予算や条約等については三十日条項があるわけです。待てば海路の何とやらで、三十日待てばこれは自然成立するんだという制度があるわけでありまして、ここは非常に寂しいんですが、ただ、憲法条項でありますから、法律は遵守しなければなりません。  ところが、こういうことをいま少し国会法の中でも検討されて、三十日たてばの条項はそのままにしておいても、先議の在り方でもって意味のあるもっと有意義な参議院審議ができるのではないか。しかも、途中、トランプ発言があったりいたしまして、漂流しかねている心の中で、何とか歴史を振り返りながら踏みとどまって審議を参加させていただきました。  同時に、このことは、これからのTPP、多国間貿易の重要さを認識したからでありますが、目標を失ったというか、一瞬ではありましたが、これでそのまま、にわかにこの審議を進め賛成していいものだろうかというような猜疑も実は持ったところであります。その後は何となくやっているような感じもしなかったわけでもないんですが、寂しい思いと自虐的な思いでさいなまされました。  ということは、行政改革、財政改革を言うこの私ども国会が、失礼を顧みず言うならば、この間、もしやひょっとすると不毛の論議をしてきたのではないのかなと、私的にですね、そういう思いがいたしまして、意義はたくさんあったと思うんでありますが、果たして審議の方法としてよかったものだろうか、参議院存在感からするといかがなものだったろうかというような思いがしてなりませんでした。  さて、そんな思いをしながら、締め総括の質疑をさせていただきます。  いろんなことを言ってきましたから、確認の意味でひとつやっていきたいんでありますが、畜産大国、農業大国であるアメリカやオーストラリア、TPPがあろうがなかろうが、こういう国々は肉の輸出を国家戦略の商品として使っています。したがって、こういう国々との競争をしていかなければなりませんが、国内の量販店を回ってみますというと、外国牛肉が相当入っております。しかも、肥育ホルモンを投与した牛肉が流通をしていないかと、こう思ったんですが、残念なことに、実際には肥育ホルモンを投与した牛肉が出回っており、しかも販売されており、私どもの食卓にも恐らくのっていると、こう思うんであります。  この辺に少し矛盾を感じて、これから確認の意味で聞きたいんですが、畜産物の輸入に関しては肥育ホルモン使用の有無に制限が存在しないので、日本国内で肥育する牛には肥育ホルモンは使っていない、しかし輸入牛肉については、肉については、今申し上げたように肥育ホルモンが使用されて輸入されておりまして、ここに何とも言い難い矛盾というかジレンマというか、そういうものを感ずるんですね。  なぜかというと、外国産の肉には肥育ホルモンが投与されていても日本の市場で出回ることを制限しておりませんが、これ、いろいろレクチャー受けましたが、理由があるようでございます。していませんが、肥育ホルモンを使わせていない日本国内産の肉、これと、生産工程の中で当然変わってまいりまして、飼料の与え方、量も変わってきますから、果たしてそういうものと同等にというか、そういうものをおいておって、日本国内産がハンディを背負った感じで流通させてよいものかどうかというふうに矛盾を感じてならないんですね。  なぜ国内産において肥育ホルモン剤が使用されていないのか、確認の意味も含めて、いま一度、政府参考人、お答えいただけたら有り難いと思います。
  61. 政府参考人(今城健晴君)(今城健晴)

    政府参考人(今城健晴君) お答えいたします。  肥育ホルモンにつきましては、動物用医薬品でございますので、我が国では医薬品医療機器等法に基づく承認を受けたものでなければ使用は認められておりません。現在、我が国では承認を受けた肥育ホルモンがございませんので、使われていないということでございます。  その経緯でございますが、かつて二品目の肥育ホルモン剤、これ天然型でございますけれども、承認されておりました。昭和三十四年と三十八年ですが、これらについては平成十一年に自主的に事業者の方から承認を返上したということで、承認されたものが現在ないと。この理由につきましては、仄聞するところによると、この肥育ホルモンを使うと赤身が多くなるということで、我が国の消費者の嗜好とも合わないということでございますので返上されたというふうに経緯を伺っております。  以上でございます。
  62. 儀間光男君(儀間光男)

    ○儀間光男君 そういう理由ではありますが、いわゆる我が国の製薬会社が検査に合格するような肥育ホルモンを製造してくるならば、許可があるなら使っていいと、こういうことになるというふうに理解していいですね。  なぜそれが、我が国の製薬会社は肥育ホルモン、畜産用の肥育ホルモンを作って供給しないんだろうか。
  63. 政府参考人(今城健晴君)(今城健晴)

    政府参考人(今城健晴君) お答えいたします。  先ほど申し上げましたとおり、この肥育ホルモンを使用することによって、サシが、脂肪交雑が入りにくいということが効果として現れますので、それが我が国の消費者の嗜好に合わない、したがって生産業者の方はそれを使わないという事情があったので、その承認を返上したという経緯であったと聞いております。
  64. 儀間光男君(儀間光男)

    ○儀間光男君 TPPを迎えて、我が国の市場だけじゃなしに諸外国のでっかい市場へ行くわけですから、我が国の嗜好のみならず、TPP外国へ行って、アメリカへ行って、オーストラリアへ行って、ニュージーランドへ行って、その他のアジアの国々へ行って、その国々が好むようなものにしたらいいじゃないですか。例えば、アメリカだって肥育ホルモンを使いながら流通させてもうかっているわけで、商売が成り立っているわけですから、そういうことをやはり促進していくべきだと思っております。  時間がありませんから、次、総理に少し食の安全について伺わせていただきたいんですが。  総理はよく瑞穂の国をという表現をお使いになります。我が国の食の安全は何かというと、日本で作られる和洋食問わず、まず保健衛生面で非常に安全で安心であると同時に、それを全ての国々が認めておって、同時に、味覚はもとより、我が国の食品、食べ物は見た目も美しく実に芸術的であるという評価が高いんですね。食べるのがもったいないぐらいだという観光客さえおるのでありますが、そこに安全性を徹底していかなければ、例えば多国間、TPPじゃなしに、二国間貿易でもいろんな国々と、いろんな民族の国々と、文化が違う、食文化の違う国々と安全面、衛生面でいろいろきちっと確保していかなければならないわけでありますが、TPP問わず二国間の間でどのような完全に安全を確保するようなルールをお作りになろうとしているか、総理、ひとつ意思を示していただきたいと思います。
  65. 内閣総理大臣(安倍晋三君)(安倍晋三)

    内閣総理大臣安倍晋三君) 国内産であろうと、例えば二国間の協定による輸入であろうと、あるいは多国間の協定による輸入であろうと、安全性が確保されなければ流通は許されません。これは食品行政上の大原則であり、この原則は堅持していきます。食品中の残留農薬や食品添加物などの安全基準の設定や遺伝子組換え食品の安全性確認などについては、今後とも最新の科学的知見に基づいて必要な対応を行っていく考えであります。  さらには、食品の表示があります。これは、安全性が確認されなければ流通されませんが、しかしこういう遺伝子組換え食品は嫌だなと思う人もおられるわけであります。それはまさにこの表示によって消費者が選ぶことができるようになるわけでありますが、食品を選択する際の重要なこれ判断材料であり、消費者の安心につながるものと考えておりますので、引き続き食品表示制度消費者にとって食品を自主的かつ合理的な選択に資する制度となるように努めてまいりたいと思います。  今後とも、我が国の食の安全、安心を第一に考えて、制度やその運用を不断に見直し、万全を期していく考えでございます。
  66. 儀間光男君(儀間光男)

    ○儀間光男君 時間でした。ありがとうございました。
  67. 行田邦子君(行田邦子)

    行田邦子君 無所属クラブ、行田邦子です。よろしくお願いいたします。  今日こうして締めくくり総括質疑を迎えております。今朝も私は地元の駅前での国政報告、駅頭活動をしてから国会に来たんですけれども、そこでも言われました。国会でまだTPP議論なんかしているのと言われてしまったんですが、そんな御意見もある中ではありますけれども、私は、今国会においてTPP国会での承認を得る、国内手続を完了するということはこれは一つ意義があるというふうに思っております。  日本は、TPP参加国の中ではアメリカを除けばGDP第一位の国ですし、また交渉参加以来、日本はその交渉においても主導的な役割を果たしてきたと思っております。そうした立場にある日本が内外に対して自由貿易、そしてまたTPPについての意思を示すということは私はこれは意義のあることだと、このように思っております。  さて、TPPと同じ時期に交渉開始を決定した日EU・EPA、日本とEUとの経済連携協定について総理に伺いたいと思います。  政府としては年内の大筋合意を目指しているということでありますけれども、年内というと、クリスマス前とするとあと二週間しかないわけでありますけれども、この日EU・EPAの交渉状況、進捗状況について、また大筋合意のめどについてお聞かせいただけたらと思います。
  68. 内閣総理大臣(安倍晋三君)(安倍晋三)

    内閣総理大臣安倍晋三君) この日EUのEPAについては、大枠についての合意について、何とかこれを、今それを目標に鋭意交渉中で、EU側と交渉中であります。  交渉の現状についてはこの場でお話しすることは適切ではないと思いますが、政府としては、TPP同様、攻めるべきは攻め、守るべきは守り、国益の観点から最善の結果を追求していく方針に変わりはありません。関係省庁で緊密に連携して交渉に取り組むために、先月、主要閣僚会議の開催を閣議決定したところでありますが、今後とも政府一丸となって、本年中の大枠合意の実現を目指して精力的に交渉を進めていく考えでございます。
  69. 行田邦子君(行田邦子)

    行田邦子君 本年中の大枠合意を目指しているということでありますけれども、日本とEUとGDPを合わせると大体世界の三割弱、二八%ぐらいでしょうかということで、この経済規模からいっても、やはり私は、世界中がこの日EU・EPAの行方、注目をしていると思いますし、アメリカも見ていると思っております。  そういう意味においては、この一つの節目である年内の大枠合意というのはこれは非常に重要だと思いますけれども、ただ、年内にどうしても合意をしなければということで譲ってはいけないものを譲ってしまうというようなことがないように、是非焦らず慌てずに急いでいただきたいと、このように申し上げておきたいと思います。  それで、もう一問伺いたいんですけれども、この委員会におきましても農業対策ということを随分議論がなされましたけれども、林業について総理に伺いたいと思っております。  林業、合板とそれから製材については、林業関係者にとっても想定よりか良い交渉結果を得られたということで逆にちょっと安心してしまっているんではないかと思うんですけれども、私は、これを機にしっかりと林業の産業としての強化策も強化していくべきではないかと思いますけれども、総理、いかがでしょうか。
  70. 内閣総理大臣(安倍晋三君)(安倍晋三)

    内閣総理大臣安倍晋三君) 確かに、この林業については、交渉の結果、割といい成果を得たのではないかと思います。現在でも一〇%以下という比較的低い関税についても即時撤廃を回避をしまして、十六年目で撤廃をし、そしてまたセーフガード措置も獲得することができたわけでありまして、TPP合意における影響は限定的と見込まれますが、しかし長期的には国産材価格の下落も懸念されます。  このため、合板、製材の国際競争力強化する観点から、総合的TPP関連政策大綱に基づいて、安定的な原木供給を可能にする間伐や路網整備の推進、そして高性能な大規模加工施設の整備による製材、合板製造の高効率化など、生産コストの削減を実現するための対策に取り組むこととしておりまして、今回の補正予算にも必要な予算を計上したところであります。  引き続き林業の体質強化、これはもう待ったなしであろうと思います。政策をしっかりと講じていきたいと、TPP下においても成長産業とするように努力をしていきたいと思います。
  71. 行田邦子君(行田邦子)

    行田邦子君 財政支援だけではなくて、また森林組合の在り方とかあるいは流通の在り方とか、そういった制度的なことについてもしっかりと対策を講じていただきたいと思っております。  国土の七割を占める森林、貴重な資源でありますので、これを機にしっかりと政府におきましても林業の産業強化行っていただきますことをお願いを申し上げて、質問を終わります。  ありがとうございました。
  72. 福島みずほ君(福島みずほ)

    福島みずほ君 社民党の福島みずほです。  TPPは様々な国民生活のテーマに関わります。この委員会でも質問し続けてきましたが、まだまだたくさんのことを私たちは議論しなければならないというふうに思っております。  今日は、水の問題についてお聞きをいたします。  二〇一三年四月十九日、アメリカのシンクタンク、CSISで、当時、麻生財務大臣は、水道を全て民営化すべきだと発言をされています。そのとおりでしょうか。これは問題があると思いますが、いかがでしょうか。
  73. 国務大臣(麻生太郎君)(麻生太郎)

    国務大臣(麻生太郎君) 四月の十九日、いわゆる戦略国際問題研究所においての講演後で、質問に対しての際の私の答えを指しておられるんですが、よく読んでいただけた方がいいと思いますが、あれ日本語にもちゃんと直っていると思いますので。アベノミクスの第三の矢の検討状況ということの例示を一事として、水道の民営化を含め、公設民営、そういったものも一つ考え方、アイデアとして上がってきつつありますと発言をしております。  当時、政府部内で水道事業の民営化の議論がなされていることを米国の有識者に対して示した、例示として紹介したものであって、私自身の見解を述べていないということは、あれお読みになればよく御理解いただけると存じますが。
  74. 福島みずほ君(福島みずほ)

    福島みずほ君 このときの発言なんですが、この水道は全て国営若しくは市営、町営でできていて、こういったものは全て民営化しますと発言をされています。この発言は極めて問題ではないでしょうか。  水は命の本当にたまものです。まさに民営化というものをやれば、結局そこにお金を払おうとすれば水道料金が跳ね上がる可能性がある。また、震災のときに、食べ物よりも何よりも水が大事だという話を聞きました。東日本大震災でもそうですし、それから熊本大震災のときには、東北の自治体の水道労働者の皆さんたちが御恩返しだといって熊本にはせ参じました。岩手から重機を、あんなに遠いのにわざわざ持っていったわけです。どれだけみんなが今、水が必要だ、そのために全国から駆け付ける、そのことが本当に起きたわけです。水道事業に関する技術の継承や人をちゃんと育成していくこと、これが大変重要です。  ところで、このTPPについて、もし入ると、どういう問題があるでしょうか。TPP協定においては、公共サービスである上下水道事業も第十章、越境サービス貿易分野の適用となります。日本政府は、附属書、投資・サービスに関する留保の中の二千八百六十五ページにおいて上水道サービスを挙げ、「当該投資が国の安全を損ない、公の秩序の維持を妨げ、又は公衆の安全の保護に支障を来すことになる事態を引き起こすおそれがあるかどうかという観点から実施する。」としております。結局、そんなに公衆衛生上問題がないとなれば、外資系が幾らでも入ってこれるという問題になります。  これは極めて問題ではないか。水の安全、保てるんでしょうか。公共サービスとしての水は維持されるべきではないか。いかがでしょうか。
  75. 国務大臣(石原伸晃君)(石原伸晃)

    国務大臣(石原伸晃君) TPP協定の中には、水道供給などの公的事業を民間企業に実施させる、外国の民間企業に実施させるというような規定は実は入っておりません。  そして、我が国でございますけれども、既に水道事業への民間参入に当たって、内外格差を設けない、すなわち外資を排除するというようなことはございません。ですから、TPP協定にも何ら求められておりませんし、TPP協定がまだ発効していない今の段階におきましても外資を排除しておりませんので、そのことによって外資が更に入ってくるということにはつながらないと認識をしているところでございます。
  76. 福島みずほ君(福島みずほ)

    福島みずほ君 今の答弁のとおり、日本では既に、例えばヴェオリアなどのフランスが、水道事業が民間委託という形で自治体に入ったりしております。今の段階でも外資が入っている。だとすると、TPPに入ることによってより外資が入るんじゃないか。これには断固反対です。民営化にも反対です。全国でやはり水道事業を公共サービスとしてしっかり維持すべきだということをやっていかなければならない。  総理、この水道事業を公共サービスとしてやるべきだ、いかがでしょうか。
  77. 内閣総理大臣(安倍晋三君)(安倍晋三)

    内閣総理大臣安倍晋三君) 先ほど福島委員が、災害の際には言わば水道事業はこれは公営であるから全国から集まってきて、復旧頑張った。確かに頑張っていただきましたが、民営化されている、民営事業である、民間会社であるガスにおいても電気においても、さきの熊本地震の際にもまさにこれは不眠不休で頑張っていただいて、全国からも応援を得ながら大変早い復旧をしていただいたわけでございますから、これは水道事業だけではないということは申し上げておきたいと。言わば民営化、一般の企業の皆さんにも大変な御努力をいただいているということは申し上げておきたいと、このように思います。  水道は近年、施設の老朽化や人口減少に伴う料金収入の減少に直面をしており、事業の基盤強化が喫緊の課題となっています。こうした中で効率的に水道施設を整備、管理するため、業務委託など多様な形態での民間との連携が求められています。その場合であっても、水道事業の主体である市町村が最終的な責任を負うことに何ら変わりありません。  なお、TPP協定によって水道事業の民営化や外資の参入が進むことはありません。  今後とも、安全な水の安定供給が維持されるよう適切に対応してまいりたいと思います。
  78. 福島みずほ君(福島みずほ)

    福島みずほ君 時間ですので終わりますが、水道事業が外資系によって乗っ取られることが起こり得るということを申し上げたいと思います。  終わります。
  79. 中野正志君(中野正志)

    中野正志君 日本のこころの中野正志でございます。  安倍総理安倍総理はこのTPP特別委員会において、今日もそうでありますけれども、大変に熱心に、また懇切丁寧に答弁をされてこられました。この法案が仕上がれば、アメリカの事情がどうあれ、日本の国家としての意思表明をされる、また、国民を代表する私たち、衆議院、参議院、両院の議会の意思表明をされると、こういうことになるわけであります。  安倍総理日本が中心となって、アメリカは今ああいう形、表明されましたけれども、ほかの国々とまさに一心同体でアメリカの翻意を促すべく全力をもってこれから頑張っていくのでなければならない、そう思っております。安倍総理に対しては、TPPの守護神だという各国からの声、期待が寄せられておるわけでありますから、是非、この審議最後の御決意を総理にお示しをいただきたい。  なおかつ、TPPのみならず、今後の日本の通商また貿易拡大のために、先ほども議論はありましたけれども、どう取り組んでいかれるのか、それもお伺いをいたしておきたい、展望をお示しをいただきたいと思います。  取りあえず、二問お願いします。
  80. 内閣総理大臣(安倍晋三君)(安倍晋三)

    内閣総理大臣安倍晋三君) 先ほども申し上げたんですが、基本的にはこれまで世界自由貿易米国が牽引役となってきたわけであります。しかし、残念ながら、今、米国の政権が移行期にある中において、自由民主主義体制としては第二位の経済力を持つ日本こそがこの牽引役を果たさなければならないと私は考えております。  TPP交渉において結実した、関税だけではなくて、新しい時代にあるべきルールにおいて、フェアで自由な、公正なこのルールをしっかりと世界に国の意思として示していく必要があります。これは日本のみだけではなくて、他の、日本も含めて十一か国、皆同じ思いであります。であるからこそ、米国がああいう状況であるにもかかわらず、国内手続をちゅうちょしたり、立ち止まったり、やめたところは一か国もないわけでございます。こういう中においてしっかりと国の意思を示す、この参議院、良識ある参院の意思を示していただくことは大変大きな意味があると、このように思います。  また、通商を拡大をしていくということは、今後、その意味におきましても、この新たなルール、あるべきモデルとなるルールTPPで示しました。これは、今後、RCEP、そして日中韓FTA、そして将来のFTAAPにも大きな影響を与えていくことになるんだろうと、こう思いますし、日EUのEPAも含めて精力的に交渉を進めていきたいと、こう思う次第でございます。  日本の人口が減少していく、先ほども米の消費が残念ながら減少しているという話がありました。人口が減少しているんですから、これはやむを得ない。このままでは農業の未来を守り切ることはできないわけでありますから、であるからこそ、人口が増えていく、消費が増えていく、そして収入が上がっていくこのアジア太平洋地域の成長をしっかりと取り込んでいくことこそ農業の未来にもつながっていくんだろうと、このように思います。
  81. 中野正志君(中野正志)

    中野正志君 国会議論では、いまだ不安と懸念を示される向きもあります。消費者対策を含んで、国内の各種産業、やっぱり目配り、気配りをされることは大事だと思います。  総理、簡単で結構ですから、御見解お示しください。
  82. 内閣総理大臣(安倍晋三君)(安倍晋三)

    内閣総理大臣安倍晋三君) 国内対策については、このTPP発効することにおいて心配をしておられる方々がたくさんいらっしゃるんだろうと思います。特に農業関係者はそうであろうと思います。だからこそ総合的なTPP関連政策大綱を決定をいたしまして、これを踏まえて、海外展開を行おうとする中小企業やあるいは我が国の農林水産業の体質強化のためにしっかりと対策を行っていきたいと思います。
  83. 中野正志君(中野正志)

    中野正志君 国民の皆様に申し上げますが、このTPP法案、関連法案、四つの政党が賛成であります。無所属会派、大多数が賛成であります。もちろん、強行採決もありません。この重みを国民の皆様に是非御理解をいただきたい。  以上で質問を終わります。
  84. 委員長(林芳正君)(林芳正)

    委員長林芳正君) 他に御発言もないようですから、両案件に対する質疑は終局したものと認めます。  内閣総理大臣は御退席いただいて結構です。  これより両案件について討論に入ります。  御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
  85. 野田国義君(野田国義)

    野田国義君 私は、民進党・新緑風会を代表して、TPP協定及び関係法律整備法案について、反対の立場から討論をさせていただきます。  自民党は選挙の際、うそつかない、TPP断固反対、ぶれないといって、ポスターを大量に貼りました。民進党は、輸出と投資の拡大により国富を増やし、輸出・投資関連企業だけでなく、我が国の生活者、消費者に恵みをもたらす観点から、高いレベルの経済連携を積極的に進めるべきとの立場です。  周知のとおり、TPP協定発効自体が極めて難しい状況に陥ったことは重要であります。トランプ次期米国大統領は、明年一月二十日の就任直後にTPP協定から離脱する旨を表明をいたしております。このような状況の下、安倍総理は、TPP協定発効が難しくなったことを認めながらも、我が国が率先して批准することでその意義を発信していく旨を繰り返すばかりで、なぜ国会で貴重な時間を使って審査を進めるのかといった国民の疑問の声が上がっております。  特に、守らなければならない分野である農林水産業への影響は深刻であります。政府の試算は大変甘いものと言わざるを得ません。安い農産物輸入の増加が予想されながら、いまだなお国内生産量維持されるなど、非現実的な仮定ばかりではないですか。  また、食の安全において、政府国内で流通しているものは安全などとしていますが、現状では輸入食品の検査率は一割未満であり、人手が全く足りていないという現状です。さらに、添加物、遺伝子組換え、肥育ホルモンなど、輸入食品に対する我が国の安全基準が諸外国と比べ決して高いものではないことが次々と明らかになりました。  このような状況で、国民の食卓、健康、そして国の姿はどうなってしまうのでしょうか。国民の健康をグローバル企業の利益のために犠牲にすることは断じて認められません。  議案が衆議院から送付されて今日で三十日となります。医療保険制度、薬価、労働、ISDS条項、共済、著作権等も含め徹底した審議を行ってまいりましたが、政府答弁国民の不安を払拭できたとは到底言えません。  強い者だけが生き残る社会をつくるのではなく、生活者、納税者、消費者、働く者の立場に立った政策を進めるべきであることを述べ、反対討論を終わります。  よろしくお願いいたします。
  86. 三浦信祐君(三浦信祐)

    ○三浦信祐君 公明党の三浦信祐です。  私は、自由民主党、公明党を代表して、環太平洋パートナーシップ協定締結について承認を求めるの件及び環太平洋パートナーシップ協定締結に伴う関係法律整備に関する法律案について、賛成の立場から討論いたします。  人口減少に直面する日本にあって、持続可能な経済成長のためにアジア太平洋地域の需要を取り込むことは必要不可欠です。環太平洋パートナーシップ協定、いわゆるTPP協定は、世界GDPの四割を占める巨大な自由貿易圏をつくり、日本の中長期的な成長基盤を構築しようとするものです。  TPP協定の下では、日本以外の十一か国において工業製品の九九・九%の品目で関税が撤廃され、我が国企業による輸出拡大が促進をされます。さらに、通関手続の迅速化、電子商取引の自由化と模倣品対策、知財保護のルール強化により海外展開のリスク軽減が図られ、大企業のみならず中小企業にビジネス機会がもたらされます。  TPP協定は、GDPを二・六%押し上げ、十三・六兆円の経済効果を生み出すと政府が試算し、我が国に多大なメリットがあります。国会審議で再三取り上げられた我が国の関税撤廃において、農林水産物では重要五品目を中心とした四百五十九品目の関税を残し、TPP協定参加国で最大の一九%の例外を確保、加えて、国家貿易制度、セーフガード措置も勝ち取っております。この交渉結果は、守るべきものを守ったと評価できるのではないでしょうか。  消費者は、関税撤廃で輸入品をより安く購入でき、商品の選択肢が増えます。さらに、国民皆保険制度や食の安全に関する従来の制度変更を求められる規定は一切ないことも国会審議を通して明確です。関係法案では、地理的表示の保護の推進は日本の農林水産物の輸出拡大を後押しすると期待されます。農業振興策も大いに盛り込まれており、牛・豚マルキンの法制化で経営の安定に万全の対策を講ずるとの答弁が得られているなど、TPP協定締結する上での基本政策を十分に盛り込んでいます。国内法の同時可決が重要です。  世界保護主義の懸念と動揺が広がっている中、自由主義経済第二位の日本TPP協定国会承認し、自由貿易を後退させないと主体的に明確な意思世界に示すことは、外交や貿易に対する日本の姿勢を改めて明確にし、信頼感を高めることにつながります。その基礎に立って、米国を含む関係国にTPP協定の意義を訴え続けることが必要です。  このことを強く訴え、私の賛成討論といたします。
  87. 紙智子君(紙智子)

    ○紙智子君 私は、日本共産党を代表し、環太平洋パートナーシップ協定及び関連法案について反対の討論を行います。  まず、安倍内閣TPPを最優先課題として、アメリカ離脱を明言した下で、慎重審議を求める国民世論を無視して強引に成立を図ろうとしていることに強く抗議します。  我が党が反対する最大の理由は、TPPが多国籍企業のもうけを最大化するためのルール作りだからです。今、世界中で、多国籍企業の横暴によって雇用が失われ、貧富の格差が広がる。食の安全が脅かされ、農業が崩壊する。経済主権と国民主権が侵害され、安倍内閣の言う自由貿易に対する各国民の疑問や反対の声が広がっています。ヨーロッパなどの動きを見ても、今求められているのは、多国籍企業のためのルールではなく、国民の暮らしを守るためのルール作りではないでしょうか。  TPPが各分野に与える被害も甚大です。  第一は、日本農業に壊滅的な影響を与えるものだからです。米、麦、牛肉・豚肉、乳製品、甘味資源など農産物の重要五項目は、除外を求めるどころか三割もが関税撤廃。TPPの原則は関税撤廃ですから、後戻りはできません。多くの農業者は、国会決議違反に怒り、影響試算も信用していません。なぜなら、自民党農政に翻弄されてきたからです。農業生産に打撃を与え、地域の共同を窮地に追い込むことは容認できません。  第二に、国民の命と健康、暮らしを脅かし、地域経済に深刻な打撃を与えるからです。TPPは二十二の小委員会をつくり、利害関係者が制度の変更に介入できる仕組みがつくられます。TPP委員会は、食の安全、安心、医療制度と薬価、保険、金融、政府調達など非関税措置の撤廃を進める司令塔になるものです。日本制度を形骸化させてはなりません。TPP協定発効が不可能でも、アメリカと合意した九分野の非関税措置は生き続けることが明らかになりました。二国間交渉を求めるアメリカの足場になり、更なる圧力が掛かることは明らかです。  第三に、ISDS条項で国の主権が脅かされるからです。仲裁人は多国籍企業で働く弁護士が多く、判決は強制力を伴います。国民の命より外国企業の利益が優先される危険性があります。  多国籍企業のもうけのために食料主権も経済主権も犠牲にするTPP協定批准に断固反対の意思表明し、討論とします。
  88. 高木かおり君(高木かおり)

    高木かおり君 日本維新の会の高木かおりです。  私は、我が党を代表して、ただいま議題となりました環太平洋パートナーシップ協定締結について承認を求めるの件及び環太平洋パートナーシップ協定締結に伴う関係法律整備に関する法律案につきまして、賛成の立場から討論をいたします。  TPPに関する議案が衆議院本会議を通過してから、ちょうど一か月となります。この間、本院では審議拒否もなく、充実した慎重な質疑が行われたものと認識しております。二〇一〇年十月に我が国が交渉参加検討を表明してから、六年以上が経過しました。自由貿易の枠組みを守り、発展させるために関係各国政府や各国議会が積み重ねてきた努力を無にしてはならないと考えます。  TPPは、WTO世界貿易機関の下での多角的貿易交渉が停滞する中、世界中で進んだ地域経済連携協定一つであります。二十一世紀にふさわしい形でアジア太平洋地域での自由貿易を発展させる重要な協定であり、アメリカ大統領選の結果だけでこの協定への態度を変えるべきではありません。世界中が内向きとなり、自由貿易体制に懐疑的な声が強まっている今こそ、我が国がTPPに賛成の姿勢を明確にし、今後の世界経済の成長に向けて責任ある態度を示すべきであります。  アメリカ大統領選の結果を見てやるべきことは、TPPに反対して農業を従来どおりの補助金政策で守ることではなく、むしろ農業分野での改革の加速であります。アメリカの次期政権は、日本農産物市場に一層の改革と開放を求めてくる可能性もあります。今後、農業国際競争力を付けるために、企業の農地所有や農協への独占禁止法の適用等、一層の競争促進を図るべきであります。  TPPは、これまで国内市場を中心に活動していた中小企業や農家にとっても極めてメリットの大きいものです。TPP協定の第二十四章は、特に中小企業について言及しております。そこには、各締約国が小委員会を設置して、中小企業が本協定による商業上の機会を利用することを支援する方法を特定することと規定されており、中小企業への配慮も十分に行われた協定となっております。  我が党は、TPP協定に一貫して賛成してきた唯一の政党であります。今もその立場に変わりはありません。今後も、自由貿易原則を守り、国内の既得権を打破する改革を続けていくことをお約束して、賛成討論といたします  御清聴ありがとうございました。
  89. 福島みずほ君(福島みずほ)

    福島みずほ君 社民党の福島みずほです。  希望の会(自由・社民)を代表し、環太平洋パートナーシップ協定締結承認並びに環太平洋パートナーシップ協定締結に伴う関係法律整備に関する法律案に対し、反対の立場から討論を行います。  まず第一に、トランプ米国次期大統領TPPからの離脱を明言する中、我が国において膨大なお金と時間を掛けて国会審議をする意味がどこにあるでしょうか。TPPをめぐる安倍内閣の外交戦略は完全に失敗をしました。安倍政権は発効する可能性ゼロのTPPを無理やり成立させようとしています。醍醐聰参考人はこの委員会の中で、このTPP協定を成立させることは無意味であるだけでなく、危険であると話をされました。このTPP協定が今後、例えば二国間協議をやる中で最低ラインとなって縛っていくからです。TPP協定承認をすることは、成立させることは無意味であるだけでなく、誠に危険である。その愚を、この参議院は手を貸すべきではありません。  第二に、このTPP協定は何でしょうか、誰のためのものでしょうか。安倍総理自由貿易と言います。しかし、自由貿易ではありません。新自由主義貿易、強欲資本主義のための自由でしかありません。大企業の大企業による大企業のための協定、グローバル企業のグローバル企業によるグローバル企業のための協定です。  それを象徴的に示しているものがISDS条項です。企業が、自分たちの投資が害されるとして、将来損害が起きる可能性があるとして、一方的に相手国を訴えることができます。NGOも組合も人々も政府も、別にこれは自分たちの投資が害されるということではないわけですから、大企業にだけこの武器を、牙を与えるもので、こんなものを認めさせてはなりません。  日本の富を、日本人の生活を売り渡してはなりません。これは日本アメリカといった構図ではありません。アメリカでも、組合、NGO、多くの人々が反対をしています。日本でも、農業従事者、そして多くの働く人たち、そしてNGO、たくさんの人々が反対をしています。なぜか。生活を守りたいからです。  この委員会の中でも、農業がまず自給率が下がったり打撃を受けることがかなり明らかになりました。TPPに入って、瑞穂の国は守れません、瑞穂の国は守れないんです。TPPに入って瑞穂の国を壊してはなりません。  そして、この委員会の中でも、食べ物の安全や、そして公共調達、医薬品、薬価が上がるんではないか、国民皆保険制度や、そして今日、水のことを挙げましたけれども、たくさんのことが、日本が戦後曲がりなりにも築き上げたことが壊滅的な打撃、壊されるんではないか、しかもそれがグローバル企業によってということがかなり明らかにされ、また参考人からも、薬価が上がるんではないかということが端的にあるように問題がされました。国民の生活を奪ってはなりません。  そして第三に、民主主義を破壊するものです。TPPが、法律やそして条例を超えて訴えることができる、議論することができる、これは日本の民主主義にとってまさに危機だと考えます。保守の矜持というものがあるでしょう。日本人の生活を政治家たちは、議員は守っていこうではありませんか。  このTPP協定に関して断固反対、社民党は今後も全力を挙げてTPPに反対していく、希望の会は反対していくことを申し上げ、反対討論を終わります。
  90. 委員長(林芳正君)(林芳正)

    委員長林芳正君) 他に御意見もないようですから、討論は終局したものと認めます。  これより採決に入ります。  まず、環太平洋パートナーシップ協定締結について承認を求めるの件について採決を行います。  本件を承認することに賛成の方の起立を願います。    〔賛成者起立〕
  91. 委員長(林芳正君)(林芳正)

    委員長林芳正君) 多数と認めます。よって、本件は多数をもって承認すべきものと決定いたしました。  次に、環太平洋パートナーシップ協定締結に伴う関係法律整備に関する法律案について採決を行います。  本案に賛成の方の起立を願います。    〔賛成者起立〕
  92. 委員長(林芳正君)(林芳正)

    委員長林芳正君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  なお、両案件の審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  93. 委員長(林芳正君)(林芳正)

    委員長林芳正君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  本日はこれにて散会いたします。    午前十一時五十九分散会