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石川博崇君 公明党の
石川博崇でございます。
本日は、
質問の機会をいただきまして、
委員長始め同僚議員の皆様に感謝を申し上げたいと思います。
まずは、先日、
福島沖で発生いたしました
地震、津波の被害に見舞われた皆様に心よりお見舞いを申し上げます。
本日も
地震がございました。また、各地朝から雪に見舞われております。
政府には、
状況に応じてあらゆる災害に迅速に、また機敏に対応していただくよう、冒頭お願いを申し上げたいというふうに思います。
総理におかれましては、
米国における
トランプ次期大統領との
会談、また
ペルーにおける
APEC首脳会議、アルゼンチン訪問を終えて御帰国直後の
集中審議となりました。大変に御苦労さまでございます。
国家百年の計とも言われる
TPP、
環太平洋パートナーシップ協定、成長著しい
アジア太平洋地域において自由で公平な取引を促進し、そしてその成長と需要を取り込むことが、資源に乏しい我が国であり、また人口減少社会に突入した我が国にとって極めて重要であることはもちろんのこと、自由、民主主義の価値を標榜し、
世界最大の
経済大国として
世界経済をリードしてきている
米国にとっても、さらには東アジア環
太平洋地域全体にとっても大きな
利益に資するものとなると確信をしているところでございます。
そして、人、物、金の流れが加速度的に促進をされることによって、我が国そして環
太平洋地域の平和と安定といった安全保障の
観点からも極めて重要な
協定でございます。それだけに、先日、まだ
就任前の公式的な立場ではない時点での
発言ではありますが、
トランプ次期
米国大統領が来年
就任当日に離脱を通告するとの表明をされたこと、個人的には極めて残念と申し上げたいというふうに思いますし、多くの国民の皆様もそう感じられたのではないかというふうに思っているところでございます。
しかし、
総理また閣僚の皆様、冷静に
考えてみると、
アメリカがこうした
保護主義的な動きをするのは何も決して新しい動きではございません。
アメリカ国内にはそうした世論が常に大きな声としてあるという事実も我々は認識をしなければならないんだというふうに思っております。
ある
意味歴史上
アメリカは、例えば十九世紀初頭、ジェームズ・モンロー第五代
大統領が、ヨーロッパ大陸には干渉しないというモンロー宣言、いわゆるモンロー主義を行われたわけですが、その後も、ウッドロー・ウィルソン
大統領の提唱により設立された国際連盟であるにもかかわらず、最終的に加盟をしなかったという事実もございます。こうした歴史を教訓としなければならないと思います。
第二次大戦後におきましても
世界の自由主義
経済をリードしてきた
アメリカではありますが、一方で、例えばロナルド・レーガン第四十代
大統領の下で、対日貿易赤字の解消を求めて円安ドル高是正を求めたプラザ合意が合意されました。また、一九八九年からはジョージ・ブッシュ第四十一代
大統領の下で、
日米貿易摩擦を解消する目的で、当時ガットというマルチの枠組みはありましたが、それを活用するのではなく、
日米の二国間でいわゆる構造協議を行うことになり、
日本の商慣行やあるいは
国内の土地税制まで様々な要求が突き付けられてきた
日米構造協議、これは記憶に新しいところでございます。
こうした
保護主義的と言える、また
アメリカ・ファーストとも言える
外交政策をこれまでも
アメリカは度々打ち出してきたわけでございますが、そうした
米国と我が国は、時には水面下で激しい
外交交渉を行い、また時にはしたたかな取引もしながら
日米同盟を堅持し、そして我が国の
国益を確保してきた歴史を有しております。現在、
世界各地で
外交現場の最前線にいる
外交官の諸官には、そうした諸先輩の血と汗と涙で乗り越えてきた歴史を是非いま一度思い起こしていただいて、今こそ奮起していただきたいと切に念願する次第でございます。
客観的には確かに厳しい
状況になってきている
TPPでありますが、この
協定の早期成立が我が国の
国益にかなうことには全く変わりはございません。したがって、その断固たる主体的な我が国の
姿勢を責任ある国家として国際社会に示していくことが何よりも求められていると思いますし、私ども立法府といたしましても、その早期批准に向けて全力を尽くすべきと
考えております。また、そうした
姿勢を示すことが、その他の
RCEPや
FTAAP、日EU・EPA、日中韓FTAなど他の
経済連携協定をこの
TPPを土台にして推進をしていくことにつながると
考えております。
政府におかれましては、来年の一月の
トランプ大統領就任までまだ時間がございますので、国際社会としっかり連携しながら、この
TPPは
アメリカの
国益に必ずやかなうんだということを、
米国各層への働きかけも強めていただきたいと思う次第でございます。
まずは
総理から、今私が申し上げたことに対する御所見、あるいは
トランプ次期大統領の離脱表明と言っていいかと思いますが、それに対する率直な御感想、また今後
政府としてどのような取組をしていくのか、御所見をいただきたいと思います。