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河野義博君 ワンストップサービス、非常に重要だと思います。従来、ワンストップサービスをやりますというところがたくさんあってワンストップになっていなかったという側面があったんですが、今回、省庁縦割りを廃して、みんなで集まって真の
意味でワンストップやりましょうと、大変喜ばしいことだと思います。是非農業
分野も入っていただいて一緒にやれたらいいんじゃないかなというふうに思っております。
話がちょっと変わりますけれども、共通のルールを作って公正に
自由貿易を促進する
TPP協定、一方で、そのルールに従わない国が出てきた場合の措置もしっかり規定をされております。投資受入れ国が投資協定義務違反によって投資家に実損を与えた場合、投資家と投資家受入れ国との紛争解決手段、いわゆるISDS手続が定められています。この手続も、しっかりと
国会で国の主権を脅かすようなISDS手続は
認めないと決めた上で、その姿勢を貫いていただいて、いい落としどころに持っていっていただいた、しっかり
交渉して結論付けていただいたと私は評価しております。
そもそも
我が国が置かれた
状況を振り返っておきたいんですが、二〇一五年末の
我が国の、
日本が
海外に直接投資をやっている残高というのは百五十二兆円です。それに対して、
海外から受け入れている直接投資の残高というのは二十四兆円です。圧倒的な投資超過国でありまして、六倍の投資をやっているわけですね。受入れに対して六倍投資をしています。
海外にたくさんのリスクマネーを張っている国が
我が国日本でありますというのが前提条件であります。
ISDSの手続は、投資受入れ国が
TPP協定に違反して投資家に損害を与えた場合、当然紛争になります。紛争を解決する手段として、投資受入れ国の司法手続によって解決するのか、若しくは第三者機関、国際仲裁に訴えるのか、これは選択することができるわけであります。企業対国家ですから、全然パワー
バランスが違うと。その中で、投資した国の司直に委ねるのか、若しくは、それが不安だったならば国際機関に委ねることができますよということでありまして、
日本企業からすればこれは必要な制度でありまして、
我が国にとって、圧倒的なリスクマネーの張り手ですから、マネー出している方ですから、
我が国にとって非常に有効な手段であるはずのISDSなんです。
私は、前職時代、
海外インフラへの投資を行ってまいりました。当然、事業自体のリスクも見ます。また、建設リスクも見ます。資金調達リスクも見ます。でも、
一つ大きなリスクは、カントリーリスクもしっかり見るわけです。制度変更をころころやらないか、いきなり革命が起きて収容されたりはしないか、そういったリスクも見込んで、なおかつリターンがあるから当然投資するわけでありまして、その制度変更リスクも織り込み済みではいるんですけれども、もし万が一何か起こったらこの国際機関に委ねて係争することができるというのは投資家にとっては非常に有り難い制度なわけであります。
実際に、
日本がこれまで
締結した数多くの
経済連携協定、投資協定の中はほぼ全て入っていまして、フィリピンとオーストラリア以外の協定には全て含まれていたわけです。今回、新たにオーストラリア、
TPP加盟国がこのISDS条項に
合意したというのは、非常に価値のある、
意味のある点でありまして、これも
日本政府はよくやっていただいたんだろうと私は思っております。
一方、
国会の中では、世論もそうですが、外国の企業が
我が国の制度や規制を理由にこの手続で訴えをどんどんやってくるんじゃないかというような懸念がまだまだあるわけであります、実際はそんなことないんですけれども。
政府は、こうした不安も
一つ一つ丁寧に
説明していただいて、そういうことはないんですよ、ISDSは必要な制度なんですということを改めて確認をしておきたいんですけれども、岸田
大臣、まず
TPP協定にISDS手続が規定された意義、そして
我が国のメリットに関して改めて御確認をいただければと思います。