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下地委員 先ほども申し上げましたが、
総理がおっしゃるように、裁判結果には従わなければいけない。三権分立ですから、最高裁の判決が出たらそうなると思います。
ただ、私が先ほど申し上げた、最高裁の判決の、裁判をやる根拠になっているものが、この過程の中で、大きく混乱をしながらこの裁判につながっているという、こういうふうな過程があるんだということを
認識すると、なかなか難しい。裁判で勝ったからといって、すぐに行けるような
状況ではないということは申し上げさせていただきたい。
それと、もう一個パネルを見ていただきますと、今、裁判の結果が出て、翁長さんがそれに従わないというようになると、次、県の対抗策というのは何かというと、もうこの三つしかないんですね。
サンゴ礁の移植を十分にやるというのは仲井真さんが決めたことなんですけれども、これをやる。しかし、防衛省が誠実にやったとしても反対するわけだから、七割やっても、三割しかやらないとか言って、これはもう、対抗措置としてやろうということが簡単にできる、最後は裁判になるというようなことがサンゴの移植の問題でも出てくる。
そして、
沖縄県が条例をつくりまして、この条例によると、当該の埋め立てに使う八割が県外からの砂、砂利になってくるんです、これについて県が条例によって中止の勧告ができるという制度をやってきますから、これで翁長さんはまた国に対して対抗措置をしてくる、こういうふうなことにもなってくる。
そしてまた、三番目には、工事の設計
変更。一回ごとに
沖縄県の埋立承認が必要になってきますから、岩国でも八回ありましたから、これは十三回ぐらいあると言われていますけれども。これをまた一回ごとにやっていくというふうになると、これはなかなか、この最高裁の結果が出ましたということで、では、翁長さんが
ノーだと言ったら、対抗措置はこれがありますよとなると、辺野古はなかなか前に進まないという現実があるというのが私の見方なんです。
私は、ここで
総理に新しい提案をさせていただきたいんです。
もう一度、私が今考えている提案なんですけれども、シュワブを陸上で、翁長さんは埋め立ては嫌だとおっしゃるから、しかし、シュワブの陸上をしっかりと確保して使う。それで、馬毛島を今、私はずっと、この前も鹿児島に行ってきましたけれども、馬毛島を
日米共同の訓練地として使っていく。
そして、今、今までの私たちの
考え方をもう一回がらっと変えて、どこに普天間を移すのかということが争点だったけれども、あのころ、橋本・モンデール
会談のころは八万回飛んでいましたよ。今はもう、
総理がハリアーを移したり、空中給輸機を移したりと、岩国に移しましたので、二万四千回です。私の見方だと、いろいろな方々と相談すると、シュワブの陸上案とか馬毛島を活用すると五千回ぐらいにまでなるので、
世界一危険な飛行場としての普天間の位置づけというのはもうなくなってくるんじゃないかと私は思うんです。
だから、ここは
沖縄の人に決めてもらったらいいんじゃないかと思うんですね。普天間をそのまましばらくの間残して使うことをやるのか、それとも埋め立てを拒否するのか。埋め立てを拒否するんだったら普天間を使わせてくれ、埋め立てをやるというなら普天間をなくそうじゃないかと。ここは、もう今のままでは、翁長さんにどっちかを選択してもらう。もう本当に、あなた、辺野古が嫌だというんだったら、
安全保障上は普天間をこれ以上使う以外道がないよ、それは認めますねというようなことを言いながら、今回は
安全保障上の落としどころをつくって、これをやっていく。
この前、
アメリカに行って話をしましても、海兵隊の方々に聞いていても、普天間の二千八百メートルの滑走路は魅力ですよ。これはもうなかなかつくれない、
沖縄では。
私は、もう一個パネルがありますけれども、これを見ていただきたいんです。私も一応、
防災担当大臣をしたときがあるんですよ、過去に。那覇空港は海抜一メートル。嘉手納基地というのは海抜十五メートルから十六メートル。そして、シュワブができても海抜一メートル。普天間だけ六十五メートル以上あるんですよ。
沖縄は、五メートル以上の津波が来たら全部孤立しますよ。だから、どんなにしても、私は、普天間はそのまま残した方がいいと思うんです。使わなくても普天間は、国連とか防災基地という観点からしても残した方がいい。
総理、ちょっと頭を、ひっくり返って、
物事を変えて、もう、辺野古を埋め立てなければ
安全保障が守れないというんじゃなくて、普天間を使いながらどうやってこれから新しい対応をしていくかということも、ぜひ、私は、最高裁の判決やこれからの県の対応なんかを見ていたら、そろそろ国が考える時期に来ているんじゃないかなというふうに思うんですけれども、
総理のお考えを聞かせてください。