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畑野委員 金田大臣からもお話がございました。
これまでヘイトデモを繰り返してきた排外主義的
団体が
法案成立に挑戦するかのように告知した六月五日の川崎市川崎区での日本の浄化デモに対して、ヘイトスピーチ解消法の
趣旨を踏まえて、川崎市が公園使用
許可を認めず、横浜地裁川崎支部が、人格権の侵害として、在日コリアンの集住地区、川崎区桜本に向かうヘイトデモを禁ずる仮処分決定を行いました。それでも、排外主義的
団体は、川崎市内で場所を変えて、次は中原区で強行しようとしていたところ、多くの市民が抗議する中で、ヘイトデモは中止になりました。
警察は、デモを
許可はしましたが、抗議に集まった市民に対して排除することはありませんでしたし、
法務省も、「ヘイトスピーチ、許さない。」と広告宣伝車も用いてヘイトデモ現場周辺で啓発活動を行いました。
きょうのお手元の
資料、これは、その当日、六月五日に
法務省が出された大型街頭ビジョン、JR川崎駅、そして、川崎市平和館前の広告宣伝車ということでございます。費用の
関係で一日だけだったということでありますけれども、そういう取り組みもしていただいたんです。
私も、ヘイトデモ告知日が法
施行直後だったということで、法の
趣旨を伝えてヘイトデモを何とかとめさせたいと、川崎警察署、中原警察署にも申し入れに伺いました。当日も、現地に行きまして、ヘイトデモ中止の呼びかけを市民の
皆さんと一緒に行いました。ヘイトスピーチ解消法が成立して、それが根拠となって、司法、行政、
地方自治体が動いたわけです。
ヘイトデモ中止直後には、参議院
法務委員会で参考人として勇気を持って被害の実情を訴え、共生社会実現の先頭に立ってこられた在日三世の崔江以子さんが、十一月、一月のヘイトデモで受けた絶望がきょう
皆さんと一緒に希望で上書きされましたと報告されました。ヘイトデモ主催者に連絡先を記した手紙を手渡したと述べて、対話をもって和解の地平に立って、ヘイトスピーチをとめていただきたいと呼びかけたことに本当に私は涙が出る
思いでした。
本法は大きな一歩ですが、終着点ではありません。ヘイトスピーチを根絶するために、一層
国会でも力を尽くす必要があります。
お配りしている
資料の
二枚目をごらんください。
そうやって勇気を持って訴えておられる崔江以子さんに対して、ユーチューブやツイッターなどインターネットでの被害が後を絶たず、けさの検索数では、ヤフーで五十四万三千件、動画は一万四千四百件にも上っております。
ごらんいただきますと、顔写真入りで、「嫌なら即刻出てけ」、
名前を書いて、「「私たちは、朝鮮人が一人残らず出て行くまで、じわじわと真綿で首を絞めてやる」と言われている!わかってるじゃないか」、こういう卑劣な書き込みが行われております。それだけではありません。崔さんの子供さんにも被害が及んでいるわけです。
卑劣な書き込みは、インターネットを通じて今世界じゅうに発信されるわけですから、どんなに傷つき被害を受けているのか、そのことを思うと私も胸が苦しくなります。
伺いたいんですけれども、きょう崔江以子さんも傍聴に来られております。法が
施行され、ヘイトデモも中止になり、希望を持ったのもつかの間、また被害に遭ってどん底に突き落とされる、こういう事態に対して、どう対処していくんですか。このようなことを放置していいわけがないではありませんか。いかがですか。
〔古川(禎)
委員長代理退席、
委員長着席〕