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吉川(元)
委員 最初から言っておりますけれども、別段こんなものをつくる必要は私はないと思います。十分、中間、期末のテストで
基礎学力の定着度合いというのは各
学校、各
先生方が把握をしているわけです。だから、例えば今小中
学校で行われております全国一斉学力テスト、これは、目的としては、全国的な児童生徒の学力や
学習状況を把握、分析し、
教育施策の
成果と課題を検証し、その
改善を図るというのが今小中
学校で行われているテストの目的。実際には、この目的からはかなり今逸脱をして、都道府県単位あるいは
学校単位で非常に点を上げるための競争みたいなものが発生をしておりますし、特に悉皆にした結果としてなっている。
ただ、小中
学校義務制のときの学力テストの目的というのは、あくまで
教育をする、どうやって、今
子供たちがどこでぶつかっているのか、どこに課題があるのかというのを把握するためのものであったわけです。それをフィードバックしながら、教え方も含めて、あるいは教材の選び方も含めて、
研究をして
改善していこう、これは理解はできます。ただ、高等
学校の場合の今の
お話を聞いていると、目的はそうではない。
基礎学力の定着を見るんだということになると、これはちょっと、やはり小中
学校の学力テスト以上に何か中身が不明な、目的が不明なものになっているんじゃないかというふうに私は思います。
この問題に関しては、最後に
大臣に一点だけお聞きしたいと思います。
今も言いましたとおり、小中
学校、目的からはかなり今逸脱をしていますし、もう悉皆は必要ないのではないか、あくまで、前のように、希望する
学校が参加をするということで私は十分ではないかというふうに思いますが、今回の高等
学校基礎学力テスト、一斉テストではありませんし、公表の仕方も小中とは異なりますが、結局最後は正規の
教育の一環というふうになっていって、最後は、
基礎学力の定着度合いの把握ではなくて、テストでいい成績を上げることが目的化していくのではないかというふうにも危惧をしております。
この点に関連してお聞きしますけれども、高等
学校基礎学力テストのテスト結果の副次的利用で、大学入試試験や就職等への利用については、二〇一九年から二〇二二年までは試行実施期として見送るものの、その後のあり方は別途必要な措置を講ずるということがこの最終報告の中で書かれております。もし仮にそういうふうに受験あるいは就職について利用するということになりますと、そもそも
基礎学力の定着度合いをはかるということとは全く変わってきて、高校一年から受検できる学力テストの結果が大学受験や就職に活用される。これはもう、そうなりますと、受験戦争の低年齢化を促すことにつながるのではないか。そうなれば、教員や生徒に過大な負担を強いることになります。また、これは公表しないということでありますけれども、不必要な
学校の序列化を招くことにもつながりかねず、任意のはずの学力テストがやがて、これは私も今ほどもずっと
指摘しましたが、必須になることも予想されます。
このような懸念は果たして考慮されてきたのか、その点について
大臣に尋ねます。