○平野
委員 丁寧なる決意を述べていただきまして、ありがとうございます。
では、本論に入りたいと
思います。
余り私はこういうことは好きではありませんが、少し気になる点がありますので、これはほっておくわけにいかない、こういうことで、少し御
質問をしたいと
思います。
その大きな視点はどういうことかというと、構造
改革特区における
学校設置会社による
学校設置事業、この問題に私は少し
テーマを絞って
質問をさせていただきたいと思っています。特に、構造
改革特区においての特例措置として、
平成十五年に創設された部分であります。
先生方は
皆さん御案内だと思っておりますが、地方自治体が、
地域の特性を生かした
教育などの特別なニーズに応ずるため、株式会社によることが効果的と認めて、
内閣総理
大臣に申請し、特区に認定された場合、特区区域内に限り、設置基準に従って、所管庁、
大学は文科
大臣、高校は認定自治体の長による認可を経て、株式会社による
学校設置を認めるもの、これはもう全て御案内のとおりだと私は思っております。
それに伴いまして、
現状、今どういう状態になっているかということでありますが、これまでに、三十六校でき上がって、設置されているわけです。小
学校、中
学校、大部分は高等
学校でありますが、高等
学校二十六校のうち、通信制
学校が二十五校設置されました。時間を経て、これらのうちに
学校法人立となった
学校が十校ございます。廃校した
大学が一校ある。現在、株式会社立
学校として存続しているものは二十五校あるわけであります。
この特区に伴う株式会社立の
学校というのは、本当に私は、文科省の職員からすれば、
大臣もそうかもしれませんが、やはり
学校法人で、本来、収益性を求めていく株式会社がやるべきことではない。
教育の普遍性、利潤を追求するところではない。こういう視点からいくと、私、個人的には、極めて好ましくない
学校だと
思います。
しかし、これだけ社会が大きく変革をしていく中で、多様な社会をこれから構成していく、また構成している、そういう中で、特徴ある
教育をしていくという
一つの
考え方にも私は理解は示したいと
思います。
しかし、特区というのは、先ほど申し述べましたような
考え方のもとに認可、設置されるわけですが、あくまでも特例事項として認知されるわけであります。したがって、その特例が本当に、本来の趣旨に沿った
学校運営をされているかということがしっかりシステムの上においてチェックがされ、
責任監督庁がしっかりとやれる、このことを十分踏まえて認可をしていくのが本来だと私は思っています。
そういう中で、本院でも一部取り上げられたというふうに私は記憶していますが、ウィッツ青山学園という
学校がございます。特に就学
支援金の不正受給、こういうことで捜査が入ったということで、とりわけいろいろな問題が出てきたわけであります。バスツアーで遊園地に行き、数学や社会などの単位を認定するとか、サポート校が、就学
支援金を得る目的で、授業を受ける意欲もない低所得者を集めて。
こういう事案が出てくるというのは、私は、先ほど申し述べましたような崇高な理念と、特別に許可をする、こういう概念からいくと極めて逸脱をしている行為だと思えてなりません。したがって、きょう改めて、少しこの点について触れてみたいと思うんです。
当該のウィッツ青山学園高校及び基礎自治体、これは三重県の伊賀市でございます。議員の
先生方でその選挙区でおられると大変恐縮なことでございますが、あえて、
教育、子供のためにということで私は申し上げたいと
思います。
この半年間、文科省、いろいろ手だては打っているように聞いています。しかし、手だてを打つ前に、認可するときになぜそういうチェックができていないのか、このことの方が大事であります。行政が後追いで追っていくということよりも、認可するときに十分な備えをして、本当にすばらしい特徴ある結果が出るならば、私はよしとしていくんですけれ
ども、例外的に認めていくということは何が起こるかわからない、こういうことですから、そこはしっかり押さえてもらわなければならないと思うんです。
したがって、私は、今回起こした問題というのは、特に就学
支援金の
制度自身を悪用している、この点がやはり大きな問題だと
思います。
もう
一つは、広域通信制高等
学校の
教育内容の質が本当に確保されているのか。また、特区を使った株式会社である。こういうことで、なぜ伊賀市にこういう
制度設計が、この
地域の基礎自治体の伊賀だからこそでき得る
教育内容になった特区の株式会社でないのか、このことが非常に疑問に思えてなりません。
これは氷山の一角なんだろうと私は思っています。したがって、
委員長、文科省は、
指導はしているとかいうことを言っておるけれ
ども、なかなか、直接うまくやれないんだろうというふうに私は
思います。
したがって、この
文科委員会がしっかりとこのことについてチェックをする、こういう視点から、ウィッツ青山学園の経営者並びに特区を申請した伊賀市長、伊賀市の
責任者を参考人として呼んで、ぜひ一度、この株式会社立のあり方について、いいものはいいとやはり認めていかなきゃいけませんし、この問題というのはやはり絶対に看過できない問題だと思うので、ぜひ参考人としてお呼びをいただきたいと
思いますが、いかがでしょうか。