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宮崎(岳)
委員 そういうこともあると思うんですけれども、実質的には、そういうことが少数例になってしまっている、そこが問題だというふうに私たちは主張しているわけです。
大臣が言われたように、確かにふるさとが大切だ、あるいは被災地を助けたい、そういう
思いで出す、あるいは市町村の側も、自分の
地域について知ってもらいたい、そういうことで返礼品を出すということもあります。最初はそういうものが大半だったと思うんですよ、制度の開始当初は。でも、どんどん意義が薄れていって、今ではそのような、当初想定されたものは少数派になってしまった、そこが問題じゃないかというふうに言っているんです。
実際は、A町で金券を出したら、それを使うのはどこの人が多いですか。それは、隣のB市とかC村の人なんですよ。そういう方々がふるさと納税をして、隣の市の金券をもらって使う。あるいは、都会の人がそれを転売する。転売禁止と言っていますが、強制力は今のところどこの条例にもないと思うんですね。たまたま、あんた違うじゃないかと店の人が気づくというようなこともないとは言えませんが、しかし、商売ですからなかなか、あなた、この券不正じゃないですかとお店の人が言うということもやりにくいでしょうし、身元確認をするということも基本的にはないんだろうというふうに
思います。
返礼品をどうやって転売するか、どうやるのが効率的かというのを解説するサイトというのがたくさんあるんです。あるサイトからちょっと引用してみます。「ヤフオク売却で
最大半額を現金で回収可能。」「ふるさと感謝券のヤフオク相場は約七割。つまり最終還元率は七割×七割でおよそ半分。寄付金額に対して半額が現金で回収できます。」引用終わり。
回収ですよ、回収という
言葉。つまり、払っている
税金を現金で回収する、こういうニュアンスで使っているんです。
別のサイトを引用します。「「寄附還元率」でお得な商品券・金券を選ぶ」「ふるさと納税で知られる還元率には通常、
自治体から貰った返礼品の金額を寄附金額で割った「寄附還元率」が用いられます。これは、「寄附金額に対して
自治体からの返礼品はいくらぐらいの価値があるのか」を測る指標です。」「商品券・金券の「現金還元率」で転売益を予測」「転売をして現金化すると寄附金額に対しいくらになるのか。その指標をまとめたのが「現金還元率」です。」引用を終わります。
つまり、寄附還元率と現金還元率という二つの指標を用いて、通常は寄附還元率が使われるけれども、転売する場合は現金還元率云々というような解説までやっている。
このサイトに、コンサートのチケットをもらってどうなるか、返礼品としてコンサートのチケットをもらいました、お礼の品還元率は五〇%、これをヤフオクで転売すると、ヤフオク相場利率は一六〇%、つまり、半額のものをもらうんだけれども、実はそれが三倍以上の値段でヤフオクで転売できるので、一六〇%で売れますから、ヤフオク落札実績は十一回、結果、現金還元率は八〇%、こういうことがリスト化されて載っているわけです。
自治体同士の食い合い、共食いになっているんです。やらなきゃやられるんです。ゼロはないんですよ。やらなきゃやられるから、やられる前にやる、隣の
自治体にやられたら大変なことになる、だからうちがやる、さらに過激なことをやる。チキンゲームになっております。
地方紙でいろいろ載っておりますので、どんな記事が載っているかというのを最後に紹介したいと
思います。
七月八日、信濃毎日新聞、長野県内十一市町村赤字。八月四日、中国新聞、広島県内三億円の赤字。八月四日、北海道新聞、苫小牧、ふるさと納税赤字、札幌、千歳、石狩、室蘭、伊達、函館、北斗は赤字。八月十四日、栃木の下野新聞、九市町村赤字。八月十八日、佐賀新聞、佐賀、鳥栖市が赤字に。八月二十二日、徳島新聞、本日この場にも徳島出身の議員さんもいらっしゃいますけれども、県と市町村を合わせて寄附額は全国最下位にとどまっている、一五年に失った
税収額は三億一千百三十万円に上り、県全体で見ると収支は赤字の状態、現状のまま県民の貴重な
税金が県外に流出するのを座視するわけにはいかない。九月六日、福島民友、会津若松市、三百八十九万円赤字。九月八日、同じく、ふるさと納税で赤字、郡山市。九月十八日、青森の東奥日報、ふるさと納税、
自治体に打撃。
こういう
状況になっているということをもう一度考えて、仕組みの全ては、二千円以外が控除されるという仕組み、そして返礼品を幾ら出してもいいという仕組み、この二つの仕組みが合わさるとこういうことになってしまうということですし、
大臣通知は強制力がないんですから、強制力がないとすれば、法律を変えるなり仕組みを変えるなり、何か別のことを考えないといけないのではないでしょうか。
私は、ふるさと納税という発想はもちろん正しい発想だと
思いますけれども、ただ物を配れば
自治体の財政が豊かになるというのは、これは
自治体の自主性、独創性を奪うことにもなる。
それから、返礼品で地元の農産品を選んで送っている、喜ばれている、こういう理解だと思うんですけれども、これも、実は、
地方創生やまちづくりに携わっている人から
批判もあるんです。
つまり、
地方を応援しようと思って通信販売とかサイトを運営して
地方のものを売っていて、売れ行きもついて、固定客もついて、そういう
状況で展開をしていた。ある日突然その生産元から、ふるさと納税の返礼品に選ばれたので、もうおたくとの取引はやめます、うちの何とかも有名になりましたから。その業者さんが一生懸命宣伝をして育ててきた、そういうものですよ。それで、今、返礼品になるからやめます、そこだと全額買い取ってくれるし、条件も悪くないし。
しかし、この制度がとまったときにそういう産品はどうなるのかなと、私はちょっと不安ですね。
ですから、最後に、
大臣、一言だけ。
この制度、私も
大臣のおっしゃることはわかります。いいこともわかる、
地方が喜んでいることもわかる。私の地元も、地元
選挙区内にも、ふるさと納税で
税収がプラスになって喜んでいるところもあるんですよ。だから、私だってこんな
質問はしたくないんですよ。したくないの。だって、うちの村に対しておまえは何をするんだ、こういう話になりますよ。しかし、日本全国のためによくないから聞いている。
大臣、もう一言だけ、
政治家としてきちんとした
答弁をお願いします。