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本村(伸)
委員 大変無責任な
答弁だというふうに思います。強く抗議をしたいというふうに思います。
実際に逃げている方は建設業でふえているわけでございます。そして、法務省、厚生労働省といっても、入管でも人が足りない、そして労働基準監督署も人が足りない、そういう中で、なかなか現場を押さえることができないという中で、
国交省が協力しなければこの現状を改善することができないというものでございます。
愛労連の
皆さんのところに駆け込んできたケースでは、昨年二月、
東京から逃げてきた建設関係で働いていたフィリピンの技能実習生の方は、手取りが月額二万四千円でした。未回収分として、安全帯、
作業服、道具代など三万二千円、これは借金になっております。これでは逃げ出すのも当然だというふうに思います。
建設業は、雨の日は仕事がないなど、ほかの産業の働き方とは違う特殊性がございます。
建設業の外国人技能実習生の方のお話をお伺いしますと、建設現場までの移動の時間は時給に入らない、現場で仕事をした時間のみカウントされる、午前三十分、午後三十分の休憩やお昼の休憩六十分、合計二時間は労働時間に入らない、最低賃金に近いような時給で働いておられます。暮らしていけないのは当然だというふうに思います。
外国人技能実習生の方は、兼業、ほかに仕事をするということはできない仕組みでございます。
ことし二月に相談のあった鹿児島県のフィリピン人の技能実習生の建設業の方は、出勤日数は十七日で、基本給が六万九千四百円。鹿児島県で最低賃金六百九十四円で計算をいたしますと、一日六時間労働ということになりますけれども、実際はそうなのか。一日四千八十二円ということになります。鹿児島県の最新の設計労務単価を見てみますと、例えば、普通
作業員で一万五千七百円になっております。
日本の
国交省、農水省の直轄の工事の十六万人のサンプルから設計労務単価というものは算出されておりますけれども、三・八倍の乖離がある。
日本人が従事する場合の報酬と同等額以上ということで外国人技能実習生の待遇はなっているのに、なぜこういう生活できない賃金がまかり通っているのかという問題がございます。
もう
一つ、埼玉の建設関係のとびをしていた中国人技能実習生の方ですけれども、建設現場で落ちていたスチールパイプでけがをしました。病院では、会社は労災と言わずに、逆に、仕事に来なければ首と言われたそうです。結局、首にされて、帰国をさせられてしまった。言葉が十分ではなく、会社で殴られたこともあるそうです。この会社では、残業代が支払われず、家賃なども契約書と違う内容がありまして、昨年も一人逃げております。
宮城県の気仙沼から名古屋に逃げてきたベトナム人技能実習生の方は、職種は、ベトナムでは溶接だったのに、
日本に来たら鉄筋工になっておりました。結局、だまされていたわけでございます。受け入れ団体は広島県、実習企業本社は鳥取県、就業場所は宮城県の気仙沼だったそうです。時給は七百五十円、七時間半、日給五千円から六千円。同一の会社が送り出し機関とそして受け入れ組合もやっておりました。寮は仙台の郊外で、一時間半かけて気仙沼の現場に行く。その移動の時間も無給だということでございます。
広島の入管の職員が宮城県の気仙沼まで行くことはできません。こういう
状況、先ほども申し上げましたように、入管の職員も足りない、労働基準監督署の労働基準監督官も足りないという中で、なかなか
把握すら難しい現実がございます。
国交省は、外国人技能実習生の問題は入管の問題だ、法務省の問題だ、厚生労働省の問題だというふうに言いますけれども、そう言っていては、建設業における先ほど来言っている失踪が相次いでいる問題を解決できないからこそ、国交
大臣にこうやってしっかりと取り組んでほしいということで
実態をお伝えしているわけでございます。
国交省としても、建設業で働く人の問題として、外国人技能実習生の問題……