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2016-11-21 第192回国会 衆議院 決算行政監視委員会第二分科会 第1号
公式Web版
会議録情報
0
本
分科会
は
平成
二十八年十一月十七日(木曜日)
委員会
において、設置することに決した。 十一月十八日 本
分科員
は
委員長
の
指名
で、次のとおり選任された。
神田
憲次
君
木村
太郎
君 河野
太郎
君
新谷
正義
君
村上誠一郎
君
山際
大
志郎
君
石関
貴史
君
西村智奈美
君
石田
祝稔
君
中村喜四郎
君 十一月十八日
石関貴史
君が
委員長
の
指名
で、
主査
に選任された。
平成
二十八年十一月二十一日(月曜日) 午後一時
開議
出席分科員
主査
石関
貴史
君
神田
憲次
君
木村
太郎
君
新谷
正義
君
村上誠一郎
君
山際
大
志郎
君
武正
公一
君 長妻 昭君
濱村
進君
中村喜四郎
君
兼務
大平
喜信
君
兼務
吉田
豊史
君 …………………………………
財務大臣
麻生
太郎
君
総務大臣
高市 早苗君
文部科学大臣
松野 博一君
防衛大臣
稲田 朋美君
財務
副
大臣
大塚
拓君
外務大臣政務官
武井 俊輔君
会計検査院事務総局事務総長官房審議官
山下
修弘君
会計検査院事務総局事務総長官房審議官
吉田
裕治君
会計検査院事務総局事務総長官房審議官
堀川 義一君
会計検査院事務総局
第四
局長
寺沢 剛君
会計検査院事務総局
第五
局長
斎藤信一郎
君
政府参考人
(
総務省自治税務局長
) 林崎 理君
政府参考人
(
文部科学省
生涯
学習政策局長
) 有松 育子君
政府参考人
(
文部科学省初等中等教育局長
) 藤原 誠君
政府参考人
(
文部科学省研究振興局長
) 小松 弥生君
政府参考人
(
文部科学省研究開発局長
) 田中 正朗君
政府参考人
(
防衛省防衛政策局次長
) 岡 真臣君
政府参考人
(
防衛省地方協力局長
) 深山
延暁
君
政府参考人
(
株式会社日本政策金融公庫代表取締役総裁
)
細川
興一君
政府参考人
(
株式会社国際協力銀行代表取締役
副
総裁
) 前田 匡史君
総務委員会専門員
佐々木勝実
君
財務金融委員会専門員
駒田 秀樹君
文部科学委員会専門員
行平 克也君
安全保障委員会専門員
林山 泰彦君
決算行政監視委員会専門員
塚原 誠一君 ――
―――――――――――
分科員
の異動 十一月二十一日
辞任
補欠選任
西村智奈美
君
武正
公一
君
石田
祝稔
君
中川
康洋
君 同日
辞任
補欠選任
武正
公一
君 長妻 昭君
中川
康洋
君
角田
秀穂
君 同日
辞任
補欠選任
長妻 昭君
西村智奈美
君
角田
秀穂
君
濱村
進君 同日
辞任
補欠選任
濱村
進君
吉田
宣弘
君 同日
辞任
補欠選任
吉田
宣弘
君
石田
祝稔
君 同日 第一
分科員大平喜信
君及び第三
分科員吉田豊史
君が本
分科兼務
となった。 ――
―――――――――――
本日の
会議
に付した案件
平成
二十四
年度
一般会計歳入歳出決算
平成
二十四
年度
特別会計歳入歳出決算
平成
二十四
年度
国税収納金整理資金受払計算書
平成
二十四
年度
政府関係機関決算書
平成
二十四
年度
国有財産増減
及び現在額総
計算書
平成
二十四
年度
国有財産無償貸付状況
総
計算書
平成
二十五
年度
一般会計歳入歳出決算
平成
二十五
年度
特別会計歳入歳出決算
平成
二十五
年度
国税収納金整理資金受払計算書
平成
二十五
年度
政府関係機関決算書
平成
二十五
年度
国有財産増減
及び現在額総
計算書
平成
二十五
年度
国有財産無償貸付状況
総
計算書
(
総務省
、
財務省所管
、
株式会社日本政策金融公庫
、
株式会社国際協力銀行
、
文部科学省
及び
防衛省所管
) ――――◇―――――
石関貴史
1
○
石関主査
これより
決算行政監視委員会
第二
分科会
を開会いたします。 私が本
分科会
の
主査
を務めることになりました
石関貴史
でございます。どうぞよろしくお願いいたします。 本
分科会
は、
総務省所管
、
財務省所管
、
株式会社日本政策金融公庫
、
株式会社国際協力銀行
、
文部科学省所管
及び
防衛省所管
について
審査
を行います。 なお、各
省庁
の
審査
に当たっては、その冒頭に
決算概要説明
、
会計検査院
の
検査概要説明
及び
会計検査院
の
指摘
に基づき講じた
措置
についての
説明
を聴取することといたします。
平成
二十四
年度
決算外
二件及び
平成
二十五
年度
決算外
二件中、
総務省所管
、
財務省所管
、
株式会社日本政策金融公庫
、
株式会社国際協力銀行
、
文部科学省所管
及び
防衛省所管
について
審査
を行います。 これより
財務省所管
、
株式会社日本政策金融公庫
及び
株式会社国際協力銀行
について
審査
を行います。 まず、
概要説明
を聴取いたします。
麻生財務大臣
。
麻生太郎
2
○
麻生国務大臣
平成
二十四
年度
及び
平成
二十五
年度
財務省所管
の
決算
について、その
概要
を御
説明
申し上げます。 最初に、
平成
二十四
年度
財務省所管
の
決算
について御
説明
申し上げます。 まず、
一般会計歳入歳出決算
について申し上げさせていただきます。
財務省主管
の
一般会計歳入決算
につきましては、
収納済み歳入額
は百六兆二千三百五十八億円余であります。これを
歳入予算額
と比較いたしますと、六兆九千二百四十一億円余の
増加
となっております。
収納済み
の
歳入額
のうち、
租税額
は四十三兆九千三百十四億円余となっております。
財務省所管
の
一般会計歳出決算
につきましては、
歳出予算
現額二十四兆四千百七十二億円余に対し、
支出済み歳出額
は二十三兆六千九十五億円余、翌
年度繰越額
は三十五億円余であります。
不用額
は八千四十一億円余となっております。
支出済み歳出額
のうち、
国債費
は二十兆二百十一億円余となっております。 次に、
特別会計歳入歳出決算
について申し上げます。
国債整理基金特別会計
におきまして、
収納済み歳入額
は二百十四兆六千八十四億円余、
支出済み歳出額
は百九十二兆一千五百九十二億円余であります。 このほか、
地震
再
保険等
の各
特別会計
の
歳入歳出決算
につきましては、
決算書
によって御了承願いたいと存じます。 以上が、
平成
二十四
年度
財務省所管
の
決算
の
概要
であります。 続きまして、
平成
二十五
年度
財務省所管
の
決算
について御
説明
申し上げさせていただきます。 まず、
一般会計歳入歳出決算
について申し上げます。
財務省主管
の
一般会計歳入決算
につきましては、
収納済み歳入額
は百四兆二千四百四十億円余であります。これを
歳入予算額
と比較いたしますと、七兆四千四百二十七億円余の
増加
となっております。
収納済み歳入額
のうち、
租税等
は四十六兆九千五百二十九億円余となっております。
財務省所管
の
一般会計歳出決算
につきましては、
歳出予算
現額二十五兆五千百二十六億円余に対し、
支出済み歳出額
は二十四兆六千八百三十億円余、翌
年度繰越額
は四十三億円余であります。
不用額
は八千二百五十二億円余となっております。
支出済み歳出額
のうち、
国債費
は二十兆四千四百八十八億円余となっております。 次に、
特別会計歳入歳出決算
について申し上げます。
国債整理基金特別会計
におきまして、
収納済み歳入額
は二百二十五兆九十九億円余、
支出済み歳出額
は百九十八兆六千二百二十九億円余であります。 このほか、
地震
再
保険等
の各
特別会計
の
歳入歳出決算
につきましては、
決算書等
によって御了承願いたいと存じます。 以上が、
平成
二十五
年度
財務省所管
の
決算
の
概要
であります。 よろしく御
審議
のほどお願い申し上げます。
石関貴史
3
○
石関主査
次に、
会計検査院
の
検査概要説明
を聴取いたします。
会計検査院山下審議官
。
山下修弘
4
○
山下会計検査院当局者
平成
二十四
年度
財務省
の
決算
につきまして
検査
いたしました結果の
概要
を御
説明
いたします。
検査報告
に掲記いたしましたものは、
不当事項
一件、
意見
を表示しまたは
処置
を要求した
事項
一件及び本院の
指摘
に基づき
当局
において
改善
の
処置
を講じた
事項
二件であります。 まず、
不当事項
について御
説明
いたします。 これは、
租税
の
徴収
に当たり、
徴収額
に不足があったものであります。 次に、
意見
を表示しまたは
処置
を要求した
事項
について御
説明
いたします。 これは、
債務
に関する
計算書
に計上される
国庫債務負担行為
に係る
債務額
に関するものであります。
検査
いたしましたところ、
債務
に関する
計算書
における
国庫債務負担行為
に係る
年度
末の
債務額
について、
官庁会計システム
への必要な情報の
入力漏れ
などにより、同
計算書
において
誤謬
が発生していた
事態
及びそれを防ぐための
取り組み
が十分に行われていなかった
事態
が見受けられました。 したがいまして、
財務省
において、
債務
に関する
計算書
の
計数
の
正確性
が確保されるよう、各
府省
の本
府省
において、その所管する各官署に係る
債務額
の
一覧表
を一括して出力できるようにするとともに、
支出負担行為担当官
が分任官の
一覧表
も出力できるような方策について検討し、その結果等に基づき、
債務
の
計数
の
確認体制
を充実させるなどするよう
是正改善
の
処置
を要求いたしたものであります。 次に、本院の
指摘
に基づき
当局
において
改善
の
処置
を講じた
事項
について御
説明
いたします。 その一は、
普通財産
の
貸付料債権
に係る長期の
収納未済事案
について、
進行管理体制
の構築を図るなどすることにより、
収納未済事案
の解消に向けた
取り組み
が適切に行われるよう
改善
させたものであります。 その二は、
日本酒造組合中央会
における
単式蒸留焼酎製造業
に対する
近代化等支援事業
について、
製造業者
からの
助成金
の
受給申請
に対する
審査
を十分に行うなど
事業執行体制
を整備するよう同
中央会
に対して指導したり、設置された
蒸留廃液処理設備
の
稼働状況等
を
確認
する
体制
を整備したりすることなどにより、
事業効果
が十分に発現するよう
改善
させたものであります。 なお、以上のほか、
平成
二十二
年度
決算検査報告
に掲記いたしました
社会保険診療報酬
の
所得計算
の
特例
に係る
租税特別措置
について
意見
を表示した
事項
、
平成
二十三
年度
決算検査報告
に掲記いたしました
輸入事後調査
によって非違が判明した場合における
修正申告等
または
更正等
による税額の確定について
処置
を要求した
事項
並びに
租税特別措置
の
適用状況等
、
歳出予算
における
繰り越し
、
沖縄振興開発金融公庫
による
省エネルギー
の
促進
に係る
貸し付け
及び
株式会社日本政策金融公庫
による
省エネルギー
の
促進
に係る
貸し付け
について、それらの
意見
を表示した
事項
並びに
販売用貨幣
の
販売価格
について
改善
の
処置
を要求し、及び
意見
を表示した
事項
につきまして、それらの結果を掲記いたしました。 続きまして、
平成
二十五
年度
財務省
の
決算
につきまして
検査
いたしました結果の
概要
を御
説明
いたします。
検査報告
に掲記いたしましたものは、
不当事項
二件、
意見
を表示しまたは
処置
を要求した
事項
三件及び本院の
指摘
に基づき
当局
において
改善
の
処置
を講じた
事項
三件であります。 まず、
不当事項
について御
説明
いたします。
検査報告番号
二〇号は、
租税
の
徴収
に当たり、
徴収額
に
過不足
があったものであります。同二一号は、
国有港湾施設有償貸付契約
において、
貸付料
の算定を誤ったため、
契約額
が低額となっていたものであります。 次に、
意見
を表示しまたは
処置
を要求した
事項
について御
説明
いたします。 その一は、
特定調達
に係るガスの
契約事務
の
実施
に関して
是正改善
の
処置
を要求いたしたもの、その二は、
株式会社日本政策金融公庫
が
中小企業事業
で行う
証券化支援業務
の
実施
に関して
意見
を表示いたしたもの、その三は、
国有財産台帳等
における
報告漏れ
及び
誤謬訂正
に関して
意見
を表示いたしたものであります。 次に、本院の
指摘
に基づき
当局
において
改善
の
処置
を講じた
事項
について御
説明
いたします。 その一は、
消費税
の
申告審理等
に関するもの、その二は、
国有資産等所在市町村交付金
の
対象
となる
貸付財産
に関するもの、その三は、廃止決定された
合同宿舎
の
退去期限日
の設定に関するものであり、これら三件について
指摘
したところ、それぞれ
改善
の
処置
がとられたものであります。 以上をもって
概要
の
説明
を終わります。
石関貴史
5
○
石関主査
次に、
会計検査院斎藤
第五
局長
。
斎藤信一郎
6
○
斎藤会計検査院当局者
平成
二十四
年度
株式会社日本政策金融公庫
の
決算
につきまして
検査
いたしました結果の
概要
を御
説明
いたします。
検査報告
に掲記いたしましたものは、
意見
を表示しまたは
処置
を要求した
事項
一件であります。 これは、
移転登記業務
に係る
委託契約
の
契約方式
に関するものであります。
検査
いたしましたところ、
移転登記業務
に係る
委託契約
について、
抵当権
の
抹消登記等
を行うために
債務者
が任意に選定した
司法書士
と同一の
司法書士
を相手方として個々に
随意契約
により締結している
事態
が見受けられました。 したがいまして、同
公庫
において、
移転登記業務
に係る
委託契約
について、
公正性
、
透明性
及び
競争性
を確保するよう、
原則
として、
契約
の
対象
をまとめて
一般競争契約
とするよう
是正改善
の
処置
を要求いたしたものでございます。 なお、本件につきましては、同
公庫
において、本
院指摘
の趣旨に沿い、二十五
年度
から、
移転登記業務
に係る
委託契約
をまとめて
一般競争契約
により締結する
処置
をとっております。 続きまして、
平成
二十五
年度
株式会社日本政策金融公庫
の
決算
につきまして
検査
いたしました結果の
概要
を御
説明
いたします。
検査報告
に掲記いたしましたものは、
意見
を表示しまたは
処置
を要求した
事項
一件であります。 これは、
東日本大震災復興特別貸し付け
における
低利貸し付け
の
実施
に関するものであります。
検査
いたしましたところ、
株式会社日本政策金融公庫
において、借り受け者が
低利適用限度額
を超えて
貸し付け
を受けていないかについて、
実効性
のある
確認
を行うような仕組みとなっていないなどしていて、
低利適用限度額
を超えて
低利貸し付け
が行われている
事態
が見受けられました。 したがいまして、同
公庫
において、
低利適用限度額
を超えて
低利貸し付け
が行われている
貸し付け
について、
差額利息
のうち、まだ徴求していないものを徴求するよう適宜の
処置
を要求するとともに、同
公庫
と他の
融資機関
との間で、
低利貸し付け
の
貸付金元高
の
合計金額
を把握するための
協力体制
がとられるよう、他の
融資機関
との間で
協定等
を締結し、内規において、この
協定等
に基づくなどして、他の
融資機関
や同
公庫
の他の
事業
から
貸付金元高
に係る証憑の提供を受けるなどの
低利適用限度額
の
確認
を行い、その内容を記録するなどのための具体的な方法を
財務省
及び中小企業庁と協議した上で定めて、各支店に周知するよう
是正改善
の
処置
を要求いたしたものであります。 続きまして、
平成
二十四
年度
株式会社国際協力銀行
の
決算
につきまして
検査
いたしました結果、特に違法または不当と認めた
事項
はございません。 続きまして、
平成
二十五
年度
株式会社国際協力銀行
の
決算
につきまして
検査
いたしました結果、特に違法または不当と認めた
事項
はございません。
石関貴史
7
○
石関主査
ただいまの
会計検査院
の
指摘
に基づき講じた
措置
について
説明
を聴取いたします。
麻生財務大臣
。
麻生太郎
8
○
麻生国務大臣
平成
二十四
年度
及び
平成
二十五
年度
に関し、ただいま
会計検査院
から御
指摘
のありました
事項
につきまして、
財務省
のとった
措置
について御
説明
をさせていただきます。
会計検査院
の
検査
の結果、
不当事項
として、税務署における
租税
の
徴収
に当たり、
徴収額
に
過不足
があったこと等の御
指摘
を受けましたことは、まことに遺憾であります。これらにつきましては、
徴収
決定等適切な
措置
を講ずる等の
対応
をいたしておりますが、今後一層
事務等
の
改善
に努めたく存じます。
石関貴史
9
○
石関主査
次に、
細川株式会社日本政策金融公庫代表取締役総裁
。
細川興一
10
○
細川政府参考人
ただいま
会計検査院
から御
指摘
のありました
事項
につきまして、御
説明
申し上げます。
平成
二十四
年度
の
移転登記業務
に係る
委託契約
及び
平成
二十五
年度
の
東日本大震災復興特別貸し付け
における
低利貸し付け
につきまして、
処置要求事項
として御
指摘
を受けましたことは、遺憾であります。 それぞれにつき、既に
改善
のための
措置
を講じておりますが、今後とも適正な運用に努めてまいる所存であります。
石関貴史
11
○
石関主査
この際、お諮りいたします。 お手元に配付いたしております
決算概要説明等
のうち、ただいま
説明
を聴取した部分を除き、詳細な
説明
は、これを省略し、本日の
会議録
に掲載いたしたいと存じますが、御
異議
ありませんか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
石関貴史
12
○
石関主査
御
異議
なしと認めます。よって、そのように決しました。 ――
―――――――――――
石関貴史
13
○
石関主査
以上をもちまして
財務省所管
、
株式会社日本政策金融公庫
及び
株式会社国際協力銀行
についての
説明
は終わりました。 ――
―――――――――――
石関貴史
14
○
石関主査
これより
質疑
に入ります。
質疑
の申し出がありますので、これを許します。
神田憲次
君。
神田憲次
15
○
神田分科員
自由民主党の
神田憲次
でございます。 本日は、
質疑
時間を頂戴いたしまして、まことにありがとうございます。
主査
の
石関先生
初め我が党の
山際先生
、そして理事の
先生方
に心から感謝申し上げます。 さて、本日は、
災害関連
の
税制
について伺いたいと考えております。 よく
我が国
は
災害大国
であると申しますが、実際この二十年間を振り返ってみますと、
阪神
・
淡路
の
大震災
、それから
新潟中越地震
、
東日本大震災
、そして今回の熊本の
地震
といった大
規模災害
のほか、
水害
でしたら昨年の
利根川流域
の洪水や本年の
北海道大規模水害
、それから
台風
、
地すべり等
、たくさんの
被害
が発生しておるわけでございます。
災害
は忘れたころにやってくるとよく申しますが、
我が国
に限って言えば、忘れる前にやってきているというのが
実情
でございまして、忘れることもできませんし、忘れさせてももらえないといったものではないでしょうか。国民の多くの
方々
も、心のどこかに
地震
や大
規模災害
への恐れを日々抱いてお暮らしになっているのではないかと思います。 私みずからは
愛知
県出身の議員ですが、
愛知
県では何といっても、もう五十年間にわたって
南海トラフ地震
が叫ばれ、毎年、来るぞ来るぞと言われて
地元自治体
は
防災訓練
に励んでおる、こういうのが
実情
でございます。事前の
防災活動
ですが、恐ろしい
災害
が起こってしまったときに国として
被災者
や
被災法人
に対してどうすべきなのか、本日は特に
税制
に焦点を絞って御
質問
をさせていただきます。
災害
が発生した際には
被災者
や
被災法人
に対する
税制
上の
対応
をしっかりと行って
生活再建
や
復旧復興
を支えていくことが重要と考えておりますが、こうした
観点
から
質問
をさせていただきたいと存じます。 まず、
現行
の
災害関連
の
税制
についてですが、どのような
体制
がとられているのかを
質問
させていただきたいと存じます。
現行
の
税制
においては、
災害減免法
、
国税通則法
あるいは
所得税法
、
法人税法
といった各
税法
において
災害発生
時の
対応
が
規定
されておるわけでございます。例えば、
災害
が広範な
地域
にわたる場合には、
災害通達
という形で、
国税庁長官
が
地域
と期日を指定して、
申告
や納付の
期限
を延長できる
規定
がございます。また、
住宅
や
家財
などに損害を受けたときは、
雑損控除
、これも
繰り越し
でできるというような形で、ないしは
所得税
の
減免
を行う等の
規定
があります。 こうした
災害関連
の
税制
の中で
代表
的なものである
災害減免法
については、いつ、どのような
目的
で設けられたのかをお伺いしたいと存じます。
大塚拓
16
○
大塚
副
大臣
神田先生
は、税の
専門家
であるのと同時に、
南海トラフ
の
リスク
を住民の
方々
が
大変気
にされている
地域
からの
代表
として国会に来られているという
観点
で、税の
観点
からそうした
リスク
に備えようということで、大変大事な御
質問
を承っているというふうに考えております。 御
指摘
の
災害減免法
、これは
正式名称
は
災害被害者
に対する
租税
の
減免
、
徴収猶予等
に関する
法律
という
法律
でございますけれども、この
災害減免法
は、昭和二十二年の十二月に、当時全く同じ名前の
法律
があったわけですが、これを全文改正して創設されたものというふうに承っております。 これは、震災、風
水害
、落雷、火災などの
被災者
の納付すべき
国税
を軽減、
免除
すること等を
目的
としておりまして、具体的には、
住宅
、
家財
に大きな
被害
が生じた場合の
所得税
の
減免
、
相続財産
が被災した場合の
相続税
の
免除
、酒税、
たばこ税等
を課せられたものが
災害
によって亡失した場合の
還付等
の
措置
が
規定
されているものでございます。
神田憲次
17
○
神田分科員
御答弁、まことにありがとうございました。
窮民救済
は
我が国
の有史以来の
テーマ
でありまして、古くは日本書紀の
聖徳太子伝
に推古天皇七年の
別府地方地震
において
調庸
を免ず、すなわち税金を取らないことにしたという記述があるほど、古くからの重要な
政治テーマ
でした。 峻険な山岳を抱え、変化に富む気候を持つ
我が国
では、
災害
の
種類
も、
地震
、
津波
、
台風
、
水害
、
地すべり等
、多岐にわたるわけでございます。歴史をひもとけば、
災害
の
種類
や
実情
に応じて時の政権がその都度税の減額や
免除
を行ってきたことがわかるのですが、
現行
の
税制
においては、
災害一般
に適用される特別な
規定
がある一方、
阪神
・
淡路大震災
や
東日本大震災
の際には特別な
立法
を行い、追加的な
税制
上の
対応
を手当てしております。 現在こうした
対応
を行っている背景、理由についてお伺いできますでしょうか。
大塚拓
18
○
大塚
副
大臣
阪神
・
淡路大震災
や
東日本大震災
の際には、通常の
災害
と異なって、
地域経済
や
生活
の拠点が根こそぎ、広範な、甚大な
被害
を受けたということがございました。その
復旧復興
に向けて、
現行法
で
規定
されている一般的な
措置
では必ずしも十分な
対応
ができないのではないかという認識のもとで、
被災地
や
復旧復興
を担当する
関係省庁
の
意見
を踏まえて、
特別立法
によって追加的な
対応
を
実施
してきたところでございます。 このように、これまでの
災害
への
税制
上の
対応
の検討に当たっては、
災害
の
種類
や
規模
、
被害状況等
を踏まえ、その都度、
被災地
の声も聞きながらきめ細かく
対応
するという方針で、
当局
としても臨んできているところでございます。
神田憲次
19
○
神田分科員
ありがとうございます。 それでは、これから
一つ具体例
を挙げて、
災害税制
に関する
政府
のお考えをお伺いしたいと存じます。
阪神
・
淡路大震災
及び
東日本大震災
の際には、
住宅ローン減税
に関連して幾つかの
特例
が設けられました。このうち、
住宅ローン減税
の
居住要件
の緩和に係る
特例
について、
住宅ローン減税
の
居住要件そのもの
の
意義
及びその
特例
の
意義
についてお伺いをしたいと思います。
大塚拓
20
○
大塚
副
大臣
住宅ローン控除
は、そもそも、持ち家の取得の
促進等
を
目的
とした制度であるわけでございますけれども、
原則
、
納税者
が
住宅ローン控除
の
対象
となる
住宅
に現に居住しているということが
適用要件
とされているところでございます。 他方で、
阪神
・
淡路大震災
及び
東日本大震災
においては、広範にわたって
地域経済
が甚大な
被害
を受けるとともに、多くの
住宅
が滅失、損壊し、
生活基盤
が失われるといった
状況
の中で、早期の
復旧復興
、
被災者
の
生活
の
再建
を後押しするために、居住できなくなった場合でも、
住宅ローン控除
の
残存期間
について継続して
控除
を受けられることとしたものでございます。
神田憲次
21
○
神田分科員
ありがとうございます。
住宅ローン
の
減税
の
特例
を例に出しましたが、
地震
にせよ
津波
にせよ、恐ろしい経験をした後に、住んでいた家までもがなくなって途方に暮れる
状況
の中で、
住宅ローン
だけが残って、さらには
住宅ローン減税
も受けられなくなるというような
状況
は余りにも酷でございます。その意味においては、
阪神
・
淡路大震災
及び
東日本大震災
の際の
対応
には絶対に必要なものだと考えております。 他方、防災の
観点
や財源の部分を勘案しましても、
災害
による
被害
の回復、これを全て国や地方自治体が担うというわけにもいきませんので、自助による
災害
への備えということを整えていくことも重要な課題であると考えております。 こうしたことを踏まえまして、今後の
災害関連
の
税制
上の
対応
を検討するに当たっては、
災害
の性質上、
現行
の
災害減免法
のように
災害一般
に適用すべきものと、それから一定の
災害
が発生した際に適用すべきものとがあるのではないかと考えておるんですが、御見解はいかがでありましょうか。また、このように
災害
によって
対応
を変えることとした場合には、両者を分ける基準があるのか否か、あわせてお伺いしたいと存じます。
大塚拓
22
○
大塚
副
大臣
御
指摘
のように、自助という
観点
ももちろん重要になってくるわけでございますけれども、
災害関連
の
税制
上の
対応
は、公平性や必要性の
観点
から精査しつつ、まさに自助による
災害
への備えを
税制
としていかに補完するかという
観点
に立って検討を進める必要があるというふうに考えております。 こうした
観点
からは、御
指摘
のように、
災害減免法
などのように、
災害
の
種類
や
規模
などにかかわらず、
災害
被害
があった場合にすべからく適用すべきものと、一定の
災害
が生じた場合に適用すべきものがあるのではないかということについて、委員と認識は同じでございまして、他方、特定の基準で
災害
を差別化するということもなかなか困難が伴うものだろうというふうにも思ってございます。 今後の
災害関連
の
税制
上の
対応
を検討するに当たっては、そうした中でも、例えば、一定の
災害
が生じた場合に、
被害
の
規模
に応じて国や地方公共団体が被災世帯に支援金を給付する枠組みである
被災者
生活再建
支援法というのがございますけれども、こうした既存の制度との整合性なども勘案しながら検討していくということが必要なのではないかというふうに考えております。
神田憲次
23
○
神田分科員
副
大臣
、御答弁ありがとうございます。 次に、少々運用面に踏み込んだお話も伺ってしまうのですが、先ほど申し上げたように、
災害発生
時の
対応
は、
災害減免法
、それから
国税通則法
及び
所得税
や法人税などの各法で
規定
されておるわけです。 こうした
対応
の中で、まず、
災害減免法
において、
家財
や
住宅
に大きな
被害
があった
被災者
については、所得金額に応じて
所得税
が
減免
されるということになっております。他方で、
所得税法
においては、
災害
損失を
雑損控除
として所得から
控除
して、さらには、引き切れなかった場合の繰越
控除
ができるものとされておるかと思います。この両者の運用については、
被災者
みずからが選択適用できるものということになっております。 このように、選択適用を認めること、これは、ある程度所得を得ている
被災者
については
雑損控除
を選択した方がより大きな
所得税
の
減免
効果を得られ、結果として
災害減免法
の
規定
が余り使われないということが起きるのではないかと思われますし、実務の世界ではそのように勧められていると仄聞しておるんです。 こうした
観点
から、恣意的な選択が発生したり、
災害減免法
の法の趣旨を損ねることも考えられ、それぞれの制度が整合的になるよう一つの法体系の中で
規定
することも一案ではないかと考えますが、いかがお考えでしょうか。
災害減免法
で
所得税
の
減免
の
規定
を設ける一方で、
所得税法
で同じ趣旨の
雑損控除
という異なる
規定
が設けられた背景、理由について、お伺いをしたいと存じます。
大塚拓
24
○
大塚
副
大臣
雑損控除
というのは、そもそも、委員もよく御存じのとおりだと思いますけれども、
災害
のみならず、盗難ですとか横領といったやむを得ない事由による損失の発生に伴う税負担能力の減少というのを考慮したものでございますので、損失額を正確に算定した上で所得金額から
控除
する、こういう仕組みになっているわけでございます。 一方で、
災害減免法
というのは、平時ではない
状況
ということを前提に組んだ制度でございまして、損害額が
住宅
、
家財
の二分の一以上である場合にその年の税額について
減免
を受けることができるという簡便な制度になっております。これは、
災害
によって正確な損失額を算定することがなかなか難しい、こういう
状況
になった場合でも
被災者
の負担を簡便な方法によって軽減することができるようにしようということで設けられている制度でございます。 このように、
税制
の
原則
的な取り扱いの中で
災害
損失に配慮する
雑損控除
の仕組みと、こうした
対応
ができない
被災者
に配慮した
災害減免法
の仕組みを設けることによって、その時々で
納税者
の方が置かれている環境はさまざまでございますので、そうした環境にも
対応
して、通常は想定し得ないような大きな
災害
が起きた方、
被災者
にも
対応
ができるようにしようということでございますので、両方ともおのおのの
目的
があって存在している制度ということだろうというふうに思っております。
神田憲次
25
○
神田分科員
副
大臣
、ありがとうございます。 話を
住宅ローン減税
の要件緩和の点に戻します。
住宅ローン減税
の
居住要件
の緩和のように、
阪神
・
淡路大震災
及び
東日本大震災
の際に手当てをいたしました
税制
上の
対応
の中には、
災害一般
にも適用すべきものもあるのではないかと考えます。
災害
の都度
特別立法
によってどのような
対応
を行うのかを検討するということでは、被災された方や
被災法人
も不安に思われるでしょうし、タイムリーに
対応
できるのかといった点がどうしても懸念として拭えない部分でございます。 一つ、
阪神
大震災
の例なんですが、
阪神
・
淡路大震災
の
被災者
等に係る
国税
関係
法律
の臨時
特例
に関する
法律
というのが、震災発生から三十四日後の同年二月二十日に施行しておるわけです。 一方で、
東日本大震災
の際には、
東日本大震災
の
被災者
等に係る
国税
関係
法律
の臨時
特例
に関する
法律
が同年四月二十七日に施行しておるわけですが、震災発生から四十七日の期間を要しております。その後、二重ローン解消のために、
東日本大震災
事業
者再生支援機構法案が同年十一月二十一日に成立しておりまして、法案の根幹をなす機構の調整や、さらには各政党間の調整もありますから、震災発生から二百五十五日という長期かかっての成立となっておるわけです。
被災者
の二重ローンの回避につきましては、
阪神
・
淡路大震災
の際には救済はありませんでしたので、その時々の
状況
で追加的な
対応
を行うのか否かを決めている今の
状況
では、必ずしも公平な
対応
とは言えないんじゃないかと思うわけです。 東京の数寄屋橋の交差点にひっそりとたたずむブロンズ像があるかと存じます。そこには不意の
地震
に不断の用意と刻まれておりまして、関東
大震災
十周年の戒めとして市民の募金によって建立されたもので、作者は、長崎原爆の平和祈念像をおつくりになった北村西望さんの作品だそうです。
災害
ですから常に切れ目なく備えよ、先人の教えはそう伝えているように感じるわけであります。 また、
阪神
・
淡路大震災
では、御自身も
被災者
でありながら、三千七百有余の遺体の検視をなさって、大
規模災害
による建物倒壊の世界で初めての人的
被害
データの論文をお書きになった、監察医の西村明儒先生が以下のようにおっしゃっております。応急
対応
でたくさんの人が救えると思うのは間違いである、ほとんどの人は何をやっても無理、だから事前の
対応
しかないのであるというふうにおっしゃっています。 ことしは、熊本、大分の
地震
もありました。被災された方や
被災法人
への
対応
も検討する必要があるかと存じます。
災害税制
には、先ほど申し上げた、被災された方、
被災法人
の救済の側面もあると思います。今後の
災害
への備えとして、より公平的で、かつ予見可能性のある仕組みづくりとして、
阪神
・
淡路大震災
や
東日本大震災
の際の
対応
を精査して、
特別立法
によって
対応
するのではなくて、いわば恒久的な
対応
とすることを検討すべきものと考えておるわけなんですが、この点についてはぜひとも前向きな御答弁をお願いしたいと存じます。
麻生太郎
26
○
麻生国務大臣
これは、
神田先生
、今まで副
大臣
との間にいろいろ御議論をいただいたところでありますけれども、
災害
を受けられた
方々
に対して、
現行
の
税法
上からも、
申告
などの
期限
の延長とか、
所得税
や法人税につきましてはいわゆる発生した損失についての税額が減額できるというような手当てはされております。その上で、
阪神
・
淡路
とか今回の熊本、その前の東北等々、
災害
の
規模
とか
災害
の
状況
などを踏まえて、
被災地
の声等々、いろいろなものを勘案しながらきめ細かく
対応
していくとの考え方で、特別な
立法
というのをこれまで行ってきたんだと思っております。 他方、今、
神田先生
の御
指摘
にありましたように、国民に
税制
においても万が一の備えがあるのだと安心してもらうということと同時に、
災害
が生じた場合には適時に
対応
できるようにするなどの
観点
から、特別な
立法
というものが別になくてもきちんと
対応
できるように、適用できるように、あらゆる
現行
税制
を超える何らかの手当てをしておくことも検討すべきではないかという御
意見
は前からあるところなので、これはよく認識をいたしております。こうした点につきまして、私ども
財務省
としても同じ問題を持っているところであります。 これまで
災害
ごとに特別な
立法
で
対応
してきた
税法
上の
対応
につきまして、これは常設化するのがふさわしいのではないかということを言っておられるんだと思いますけれども、ことし、年末の
税制
改正がありますので、それに向かって検討いたします。
神田憲次
27
○
神田分科員
大臣
、大変前向きな御
対応
、御答弁、ありがとうございました。 ちょっと早いんですが、本日は、御多忙のところ、
麻生
大臣
、
大塚
副
大臣
に足をお運びいただきまして、大変ありがとうございました。 自民党では本日から税調の平場がスタートいたしますので、先ほど来の御答弁いただいた内容も私なりに十分考えまして、これから税調の場で発言をしてまいりたいと思います。 本日は、まことにありがとうございました。
石関貴史
28
○
石関主査
これにて
神田憲次
君の
質疑
は終了いたしました。 以上をもちまして
財務省所管
、
株式会社日本政策金融公庫
及び
株式会社国際協力銀行
についての
質疑
は終了いたしました。 ――
―――――――――――
石関貴史
29
○
石関主査
これより
文部科学省所管
について
審査
を行います。 まず、
概要説明
を聴取いたします。松野
文部科学大臣
。
松野博一
30
○松野国務
大臣
平成
二十四
年度
文部科学省所管
決算
の
概要説明
をさせていただきます。
平成
二十四
年度
文部科学省
主管の
一般会計歳入決算
並びに
文部科学省所管
の
一般会計歳出決算
及び
特別会計歳入歳出決算
の
概要
を御
説明
申し上げます。 まず、
文部科学省
主管の一般会計の歳入
決算
につきましては、
歳入予算額
二百八十一億六千五百九十九万円余に対しまして、
収納済み歳入額
は三百四十四億九千六十二万円余であり、差し引き六十三億二千四百六十二万円余の
増加
となっております。 次に、
文部科学省所管
の一般会計の歳出
決算
につきましては、
歳出予算
額六兆三千三百六十八億九千四百十四万円余、前
年度
からの繰越額五千二百四十三億五千五百七十一万円余、予備費使用額八百五十七億九千二百九十八万円余、予算決定後移しかえ増額五十七億二千二百七十万円余を合わせた
歳出予算
現額六兆九千五百二十七億六千五百五十五万円余に対しまして、
支出済み歳出額
は五兆九千七百七十三億一千四万円余であり、その差額は九千七百五十四億五千五百五十一万円余となっております。 このうち、翌
年度
へ
繰り越し
た額は八千四百五十四億三千九百九十七万円余で、
不用額
は一千三百億一千五百五十三万円余となっております。 次に、
文部科学省所管
のエネルギー対策
特別会計
電源開発
促進
勘定の
歳入歳出決算
につきましては、
収納済み歳入額
一千三百二十三億二千四百五十九万円余に対しまして、
支出済み歳出額
は一千二百億七千四十二万円余であり、その差額は百二十二億五千四百十六万円余となっております。 このうち、翌
年度
へ
繰り越し
た額は十四億八千四百二十一万円余で、
平成
二十五
年度
予算に歳入計上した剰余金は五十一億六千九百二十四万円余であり、これらを除いた純剰余金は五十六億七十万円余となっております。 次に、
文部科学省所管
の
東日本大震災
復興
特別会計
の歳入
決算
につきましては、
収納済み歳入額
三億九千五百三十九万円余となっております。 次に、
文部科学省所管
の
東日本大震災
復興
特別会計
の歳出
決算
につきましては、
歳出予算
額二千七百九十九億五千七十三万円余、予備費使用額五百八十六億八千六百四十九万円余を合わせた
歳出予算
現額三千三百八十六億三千七百二十二万円余に対しまして、
支出済み歳出額
は一千三百五十三億三千三百五十二万円余であり、その差額は二千三十三億三百七十万円余となっております。 このうち、翌
年度
へ
繰り越し
た額は千九百四十一億七千九百六十五万円余で、
不用額
は、九十一億二千四百五万円余となっております。 続きまして、
平成
二十五
年度
文部科学省
主管の
一般会計歳入決算
並びに
文部科学省所管
の
一般会計歳出決算
及び
特別会計歳入歳出決算
の
概要
を御
説明
申し上げます。 まず、
文部科学省
主管の一般会計の歳入
決算
につきましては、
歳入予算額
三百十一億三百三十万円余に対しまして、
収納済み歳入額
は三百三十五億四千八百四十万円余であり、差し引き二十四億四千五百十万円余の
増加
となっております。 次に、
文部科学省所管
の一般会計の歳出
決算
につきましては、
歳出予算
額五兆六千七百二十二億七万円余、前
年度
からの繰越額八千四百五十四億三千九百九十七万円余、予算決定後移しかえ増額四億三千四百十二万円余を合わせた
歳出予算
現額六兆五千百八十億七千四百十七万円余に対しまして、
支出済み歳出額
は六兆二百二十三億八千二百七十九万円余であり、その差額は四千九百五十六億九千百三十八万円余となっております。 このうち、翌
年度
へ
繰り越し
た額は四千二百六十八億五千十四万円余で、
不用額
は六百八十八億四千百二十三万円余となっております。 次に、
文部科学省所管
のエネルギー対策
特別会計
電源開発
促進
勘定の
歳入歳出決算
につきましては、
収納済み歳入額
一千二百十億三千八百十万円余に対しまして、
支出済み歳出額
は一千百四十四億三千七百三十二万円余であり、その差額は六十六億七十八万円余となっております。 このうち、
平成
二十六
年度
予算に歳入計上した剰余金は五十六億七十万円余であり、これを除いた純剰余金は十億七万円余となっております。 次に、
文部科学省所管
の
東日本大震災
復興
特別会計
の歳入
決算
につきましては、
収納済み歳入額
二十八億六千四百六十七万円余となっております。 次に、
文部科学省所管
の
東日本大震災
復興
特別会計
の歳出
決算
につきましては、
歳出予算
額二千四百八十七億六千五百二十五万円余、前
年度
からの繰越額千九百四十一億七千九百六十五万円余、予算決定後移しかえ増額十二億五千三百四十七万円余を合わせた
歳出予算
現額四千四百四十一億九千八百三十八万円余に対しまして、
支出済み歳出額
は二千七百三十億七千八十二万円余であり、その差額は千七百十一億二千七百五十六万円余となっております。 このうち、翌
年度
へ
繰り越し
た額は千二百六十七億八千三百四十四万円余で、
不用額
は、四百四十三億四千四百十一万円余となっております。 以上、
平成
二十四
年度
及び二十五
年度
の
文部科学省所管
の一般会計及び
特別会計
の
決算
につきまして、その
概要
を
説明
させていただきました。 何とぞ御
審議
のほどお願いを申し上げます。
石関貴史
31
○
石関主査
次に、
会計検査院
の
検査概要説明
を聴取いたします。
会計検査院
寺沢第四
局長
。
寺沢剛
32
○寺沢
会計検査院
当局
者
平成
二十四
年度
文部科学省
の
決算
につきまして
検査
いたしました結果の
概要
を御
説明
いたします。 まず、
不当事項
でございますが、科学技術試験研究委託
事業
に係る委託費の経理が不当と認められるもの、補助
事業
の
実施
及び経理が不当と認められるものなど計二十四件につきまして
検査報告
に掲記しております。 次に、
意見
を表示しまたは
処置
を要求した
事項
でございますが、義務教育費国庫負担金の交付額の算定に関するもの、文化芸術振興費補助金による映画製作支援
事業
における収入の納付に関するものなど計六件につきまして
検査報告
に掲記しております。 次に、本院の
指摘
に基づき
当局
において
改善
の
処置
を講じた
事項
でございますが、日本私立学校振興・共済
事業
団に対する特定健康診査及び特定保健指導に係る補助金の交付額の算定方法に関するものにつきまして
検査報告
に掲記しております。 続きまして、
平成
二十五
年度
文部科学省
の
決算
につきまして
検査
いたしました結果の
概要
を御
説明
いたします。 まず、
不当事項
でございますが、スポーツ振興委託
事業
において、
事業
を
契約
の締結前に
実施
させ、
契約
決裁の日付からさかのぼった日付を
契約
締結日とした
契約
書を作成するなど不適正な会計経理を行っていたもの、環境放射能水準調査の委託において、委託業務の
実施
に要した費用の額から履行遅滞金による収入金に相当する額を
控除
していなかったため、委託費の支払い額が過大となっていたものなど計三十三件につきまして
検査報告
に掲記しております。 次に、
意見
を表示しまたは
処置
を要求した
事項
でございますが、義務教育費国庫負担金の交付額の算定に関するもの、私立学校施設における耐震補強
事業
の補助
対象
経費の取り扱いに関するものなど計四件につきまして
検査報告
に掲記しております。 以上、簡単でございますが
説明
を終わります。
石関貴史
33
○
石関主査
ただいまの
会計検査院
の
指摘
に基づき講じた
措置
について
説明
を聴取いたします。松野
文部科学大臣
。
松野博一
34
○松野国務
大臣
平成
二十四
年度
及び二十五
年度
予算の執行に当たりましては、予算の効率的な使用と経理事務の厳正な処理に努力したところでありますが、
平成
二十四
年度
及び二十五
年度
決算検査報告
において
会計検査院
から御
指摘
を受けましたことは、まことに遺憾に存じます。 御
指摘
を受けました
事項
につきましては、適切な
措置
を講ずるとともに、今後、この種の事例の発生を未然に防止するため、より一層指導監督の徹底を図ったところであります。
石関貴史
35
○
石関主査
この際、お諮りいたします。 お手元に配付いたしております
決算概要説明等
のうち、ただいま
説明
を聴取した部分を除き、詳細な
説明
は、これを省略し、本日の
会議録
に掲載いたしたいと存じますが、御
異議
ありませんか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
石関貴史
36
○
石関主査
御
異議
なしと認めます。よって、そのように決しました。 ――
―――――――――――
石関貴史
37
○
石関主査
以上をもちまして
文部科学省所管
についての
説明
は終わりました。 ――
―――――――――――
石関貴史
38
○
石関主査
これより
質疑
に入ります。
質疑
の申し出がありますので、これを許します。
武正
公一
君。
武正公一
39
○
武正
分科員
民進党の
武正
公一
です。 文科省についての
決算行政監視委員会
、
質疑
を行わせていただきます。 まず、
大臣
、御就任おめでとうございます。大学奨学金、貸与型から給付型への転換など、積極的な発言をされている
大臣
に御期待を申し上げたいと存じます。 それで、まず、お手元の資料にございますが、高等学校等支援
事業
補助金について
質疑
をさせていただきます。 一ページの資料、予算額が計上されておりますが、海外の日本人高校生への支援については、
平成
二十七
年度
で六十一名が
対象
ということでございまして、ごらんのような七校、日本法人設立の高等部、高等学校、そしてまた上海日本人学校、これも高等部が唯一存在するということで、千百六十五名のうち、所得制限によっては、割合からいきますと五%、六十一名ということでございます。 ただ、二ページ以降に外務省が行った調査結果を載せてございますが、高校生相当年齢、十六歳―十八歳といたしましたが、四万二千人海外にいるというのが在留邦人の調査結果でありますので、四万二千人のうち六十一名ということでありますと、余りに少ないということになろうかと思います。 国内では六割、七割、八割というような受給率、所得制限の中でということでありますので、これはいかがなものかというふうに思い、外務
委員会
でも、あるいはまたそれぞれの
委員会
でも取り上げ、これにかかわるのは外務省、文科省を中心としたところですので、義家副
大臣
にも外務
委員会
にお見えいただいて、外務省が実態を把握すればというようなことで、過日、倫選特では政務官から、そうはいってもなかなか難しいんだ、所得の把握が難しいんだというようなお話もいただいたわけであります。 文科
大臣
、改めて、高校授業料無償化から所得制限を入れて高校支援金、私は今非常に効果を上げているのではないかというふうに思っておりまして、それに加えて大学奨学金ということも、給付型を取り入れようとされておりますので、海外在留高校生相当年齢者も
対象
に加えるべしと考えますが、御所見を伺いたいと思います。
松野博一
40
○松野国務
大臣
お答えをいたします。 海外に留学している高校生については、日本国内に住所を有し、日本の高等学校等に在籍し、授業料を払っており、所得等の要件を満たす場合に高等学校等就学支援金で支援を行っております。 また、
平成
二十六
年度
より、高等学校等就学支援金と同等の支援を、
文部科学大臣
が認定する在外教育施設の高等部に在籍する日本人高校生に
実施
していることは、委員から今、例示、御
指摘
をいただいたとおりであります。 授業料の支援の
対象
を
文部科学大臣
が認定する在外教育施設以外に広げるということでございますけれども、
対象
生徒の特定、把握をどのように行っていくか、
対象
となる学校の課程の
状況
についてどのような方法で
確認
をするのかなど、多くの問題点があり、十分慎重に検討する必要があるため、現時点では困難ではないかと考えております。
武正公一
41
○
武正
分科員
外務省も在外公館を通じて、これは国別でいえば、高校生相当年齢が五十名以上いる国について当たりました結果がお手元のような
概要
になっております。五十名未満についても引き続き調査を求めております。 倫選特でも
指摘
をいたしましたが、海外における日本人の投票環境の
改善
、これは後ほど触れさせていただきます主権者教育、海外で十八歳、十九歳の投票率、これが大変少なかったのがこの参議院選挙でございます。〇・二%でしょうかね、こういう投票率だったものですから、やはり、海外に在留する日本人、あるいは、特に十八歳、十九歳、そして十八歳が特に重なります高校生相当年齢四万二千人への
対応
は、国内にいようと海外にいようと同じ日本人、しかも、主権者教育の
対象
、そして十八歳年齢引き下げ、こういった大改革のもと、果たして今のような御答弁でよいのかどうかというふうに考えるんです。 そこで、きょうは
会計検査院
から先ほど
決算
の
指摘
があったわけでありますが、最近出ました
会計検査院
の
指摘
では、この高等学校支援金について、海外で勤務をされている方の所得の把握ができていないために過重に高校生へ支援金を支払っているという
指摘
があり、
会計検査院
からは、「高校等の生徒の保護者等が国内に在住している場合と国外に在住している場合で就学支援金の支給が可能な限り公平に行われるよう、都道府県及び学校設置者の事務負担に配慮した上で、国外在住保護者の収入の把握方法やその収入を考慮した受給資格の認定等の方法を検討すること」という
指摘
がされております。 これは、過重に支払っていた場合もそうですが、一方、国外に在住している場合で、子供たちがそれによって過少に、あるいは何も支払われていない場合も、逆に読みかえれば
指摘
の
対象
と私は把握をしておりますが、改めて、この「認定等の方法を検討すること」という
指摘
を文科
大臣
としてどのように受けとめておられますでしょうか。
松野博一
42
○松野国務
大臣
高等学校等就学支援金において、保護者が海外に在住する場合の受給資格の認定等については、在住先の
税制
や為替の影響をどう考慮するかといった課題がありますが、
会計検査院
の
意見
も踏まえ、保護者の収入を考慮した認定法について、今後、専門的な
観点
も交えて検討してまいりたいと考えております。 就学支援金制度の
対象
となる生徒は、日本の高等学校等に在籍していることから、
対象
となる生徒の特定、把握や、在籍する学校の課程の
状況
について把握することが可能でありますが、一方、授業料の支援の
対象
を海外に在留している日本人の高校生相当年齢者全体に広げるということについては、先ほども申し上げましたとおり、
対象
生徒の特定、把握の問題、
対象
となる学校の課程
状況
の
確認
の方法等でまだ多くの課題があると考えておりまして、十分慎重に検討する必要があると考えております。
武正公一
43
○
武正
分科員
ただ、先ほども触れましたように、前段については検討するというふうに言っておられて、そして、この
指摘
をもう一度読みますと、「高校等の生徒の保護者等が国内に在住している場合と国外に在住している場合で就学支援金の支給が可能な限り公平に行われるよう、」と。もちろん過重に支払ったことを今回
会計検査院
は
指摘
していますが、海外で学ぶ日本人高校生は、国外に保護者が滞在していることを理由に、所得が把握できないからと、過少に、あるいは実際支払われていない。ただ、日本法人については多分、日本法人の学校だから所得の把握が可能だということで六十一名には支給をしているということからいえば、この
会計検査院
の
指摘
からいうと、後段の方は難しいというふうに言ってしまうと、前段の検討するということとそごが生じるのではないかと思いますが、いかがでしょうか。
松野博一
44
○松野国務
大臣
繰り返しになりますけれども、就学支援金制度の
対象
は、今の現状においては国内の日本の高等学校に在籍をしていることというのが条件になっておりますから、保護者が海外にいらっしゃって所得の把握が正確かどうかという点に関しては、これらの御
指摘
を受けて、検討していかなければいけないと思います。 一方で、海外に高校相当の年齢者が在住する場合はどうかという御
質問
でありますけれども、
対象
生徒の特定、把握、学校課程の
状況
の把握については今申し上げました。あわせて、これは代理受領の問題等もあり、現状においては、海外に在住されている高校生相当年齢の皆様に対してこれを支給していくということに関しては、なかなか困難ではないかと考えております。
武正公一
45
○
武正
分科員
再度伺いますが、この表を見ていただくように、私の母校である慶応のニューヨーク学院とか、早稲田のシンガポール校あるいは立教の英国学院とか、こういったところの日本人高校生は
対象
だけれども、それ以外は
対象
でないということは、先ほどの御
説明
からいうと、やはりいかがなんでしょうか。海外の日本人高校生で、この生徒たちだけはいいけれども、それ以外はと。 それはなかなか難しいという理由はわかりますが、やはり何らかの検討もこの分野についても、外務省もこうやって調べてくれていますので、私もまだまだ外務省に求めていきたいと思いますし、先ほど言ったように十八歳選挙権もこれまた絡んでまいります。また、やはり海外の日本人に対するサポート
体制
というのは、この高等学校支援金それから主権者教育、いろいろな分野が出てくると思うんですよ。ですから、先ほどの
会計検査院
の
指摘
も、逆に読めば、やはりこれを考慮するということを言っておられますので、他
省庁
との連携を深めて、前向きに何か御検討を少しでもいただければと思うんです。再度伺いたいと思います。
松野博一
46
○松野国務
大臣
今、
武正
委員から御
指摘
をいただきました、
文部科学大臣
が認定する在外教育施設に対しては支給がというお話でありますが、これはもう御案内のことでありますけれども、高等学校等の就学支援金が支給をされているということではなくて、同等の補助金がそれらの学校に在住する生徒には出されているというのが事実関係であります。 海外にいる学生に対して、国内の学生と扱いが違うのはという御
指摘
であります。 ただ、これは繰り返しになりますが、現状の方法論として、さまざまな条件の把握は、代理受領等々がなかなか難しいということもございますので、現状においては慎重に検討することとなるということでございます。
武正公一
47
○
武正
分科員
高等学校等支援
事業
補助金、そして先ほど言った国内の高校生、高等学校等就学支援金ということで、名称は違いますが趣旨は同じということでありますので、
会計検査院
の
指摘
も検討するという中で、この所得の把握ということに努められる中で、ぜひ御検討を進めていただきたいとお願い申し上げたいと思います。 次に、スクールカウンセラー等活用
事業
に話を移りたいというふうに思います。 お手元に、スクールカウンセラー等活用
事業
実施
要領、また、さいたま市の募集要項がございますが、これについて伺いたいと思います。 まず、
大臣
には、スクールカウンセラー制度についてどのように御所見があるか伺いたいということと、私が
改善
の余地ありというふうに考えておりますのは、やはりいじめの認知件数、発生率の推移あるいは不登校児童生徒数の推移がこの三年、四年、右肩上がりでふえているという
状況
があるからでございます。また、きょう義家副
大臣
は横浜市の方に行っておられるように、大変残念な
状況
が横浜市で発生をしたということもありまして、問題発生で
対応
するこれまでのスクールカウンセラー制度がございますが、やはり問題を未然に防ぐというような
対応
が必要ではないかという
観点
から、御所見を伺いたいと思います。
松野博一
48
○松野国務
大臣
武正
委員御
指摘
のとおり、学校現場が複雑化、困難化している中において、心理学の
専門家
、高度な見識を有するスクールカウンセラーの存在というのはますます重要さを帯びていると考えておりますし、今後、
文部科学省
としても、さらなる拡充を図ってまいりたいと考えております。 昨年の十二月に、
文部科学省
で教育相談等に関する調査研究協力者
会議
を設置いたしました。その中でスクールカウンセラーの今後のあり方について議論をしておりますが、スクールカウンセラー職務につきましては、児童生徒及び保護者に対する相談
対応
援助、学級や学校集団に対する援助、教職員、組織に対するコンサルテーション、児童生徒への理解、児童生徒の心の教育といったものが挙げられております。 あわせて、委員から御
指摘
がありました、現状今起こっている問題以外に、これからさまざま起こり得る問題に対しての
対応
も含めて、スクールカウンセラーの職務の内容として捉えてはどうかということに関しては、まさしくその御
指摘
どおりだというふうに考えておりまして、スクールカウンセラーの専門的な知見を使いながら、今子供たちが置かれている
状況
をしっかりと把握しながら、事前にその予防に努めるということは重要な
観点
であると考えております。
武正公一
49
○
武正
分科員
前向きな御答弁をいただきまして、ありがとうございます。 そこで、このスクールカウンセラー等活用
事業
実施
要領なんですが、文科省さんのには、発達段階におけるガイダンスカウンセラー、あるいは、どちらかというと問題が起こってから対処する臨床心理士の皆さんの
対応
よりも、問題を未然に防ぐといった
観点
からのガイダンスカウンセリングが
実施
要領には入っておりません。 一方、さいたま市のスクールカウンセラー募集要項を見ていただきますと、例えば職務内容の(四)教職員と協働して発達課題に関する予防的活動に関すること、あるいは前文の三行目にも、発達課題に関して高度に専門的な知識・経験を有する、そして応募資格の(四)にはスクールカウンセリング推進協議会認定に係るガイダンスカウンセラーと明記がされております。 先ほど
大臣
が触れられた学校における教育相談等に関する調査研究協力者
会議
、これが今報告書をまとめておりまして、児童生徒の教育相談の充実について、学校の教育力を高める組織的な教育相談
体制
づくりということで、その十三ページにはこのような記載があります。 スクールカウンセラーに必要な資格としては、心理の国家資格である公認心理師が挙げられるが、これまでスクールカウンセラーとして担ってきた臨床心理士等の実績を踏まえるとともに、不登校や問題行動等の未然防止や集団に対する
取り組み
を主な職務とするガイダンスカウンセラーの実績等を踏まえた上で、ふさわしい資格を判断すべきであるという
指摘
があるんです。 この文科省の
実施
要領に、ガイダンスカウンセラーということで、問題が起きてからではなく問題を未然に防止すると。アメリカでは、発達心理学ということで、子供の職業教育あるいは進路指導、アメリカではよく、三カ月ぐらい夏休みがありますから、ボランティアで夏休みにどんな活動をするのか、そういったところも指導するようなこともあって、将来の進路をアドバイス、カウンセリングすることで、それがいじめとか何かに行かないように未然防止、ですから、
対象
は全校生徒ですよね。片や、いじめの問題が起きてからの
対象
はやはりその生徒とあるいは生徒周辺ということになりますので、ちょっと心理学のアプローチが違うわけです。 こういったことで、まだまだ右肩上がりのいじめの発生あるいは不登校の発生を抑えることができるんじゃないかと思うんですが、このガイダンスカウンセラーを募集要項に入れていくことについての御所見を伺いたいと思います。
松野博一
50
○松野国務
大臣
現在のスクールカウンセラー等活用
事業
実施
要領におけるスクールカウンセラーの選考項目は、臨床心理士、精神科医、大学教授等となっておりまして、御
指摘
のガイダンスカウンセラーの資格のみを持つ方はスクールカウンセラーに準ずる者として位置づけられております。 一方、昨年公認心理師法が成立をし、現在、その施行に向けて、心理職の国家資格となる公認心理師の養成カリキュラム等が検討されている
状況
であります。 十二月に設置された教育相談等に関する調査研究協力者
会議
においての内容は、御
説明
をいただいたとおりでありますが、
文部科学省
としては、同
会議
において今後取りまとめられる最終報告及び公認心理師の養成カリキュラム等の検討
状況
を踏まえまして、今後のスクールカウンセラーに求められる職務を担うにふさわしい資格を検討していきたいと考えております。
武正公一
51
○
武正
分科員
先ほどの後段をちょっと読みますと、今、公認心理師のことを言われたんですが、公認心理師は、現時点においてその養成カリキュラムが決定していないことから、今後、国においてそのカリキュラムの内容を踏まえて検討する必要があるということで、時間差があるということと、公認心理師は、医療、保健、教育、福祉、司法、警察、非常に汎用性があるものですから、もしスクールカウンセリングということで公認心理師を
対象
にしたとしても、やはりこういったガイダンスカウンセリングといったことは、重ねて、この応募要領、
実施
要領に必要だということだと思います。 加えて、今、準ずる者の御
指摘
がございましたが、
平成
二十三年に
文部科学省
の通知を発出して、それまで臨床心理士あるいはまた精神科医などに限られた
対象
を、準ずる者ということを通知で
文部科学省
から発出しまして、学校の実態に合わせて見直すようにという文書を出したわけです。その文書に応じて、先ほど触れたさいたま市がこのように変えたり、準ずる者というかガイダンスカウンセラーの採用を大体十四名ぐらい、それから埼玉県も十名ぐらい採用しております。 全体のスクールカウンセラーの中で準ずる者の割合は大体一六%と聞いておりますが、ただ、問題は、待遇が違うんですね。臨床心理士、精神科医などの待遇とこの準ずる者の待遇を調べると、それこそ報酬が半分あるいは三分の一、こういった実態があるんですよ。埼玉県とさいたま市は、準ずる者でも臨床心理士でも同じ待遇なんです。同じ報酬を出しているんです。ですから、まずはそこを同じにしていく必要があるというふうに思いますし、ぜひ文科省さんにおかれましては、実態を調査していただきたいと思うんですね、準ずる者と臨床心理士の皆さんとどう違うのか。これはいかがでしょうか。
藤原誠
52
○藤原
政府参考人
お答え申し上げます。 スクールカウンセラー及びスクールカウンセラーに準ずる者につきましての待遇についてのお尋ねでございます。 現在、
文部科学省
といたしましては、まず、スクールカウンセラーの総数をふやすということで、毎年概算要求で予算を
増加
して、人数をふやしているという経緯がございます。しかしながら、問題点といたしましては、勤務形態が非常勤ということで、予算についても非常勤の形態で計上されているということから、その単価がまずそんなに高くないという
状況
がございます。 その意味で、現在
文部科学省
として、概算要求中ではございますが、スクールカウンセラーについて常勤化が図れないかということで、その調査研究の経費をまずは求めたいと考えております。これは、実態として常勤になれば、子供たちの相談にも応じやすくなるということのほかに、委員御
指摘
のとおり、処遇の
改善
も一つ図られるかなということで考えている次第でございまして、そういった調査研究をまずはした上で、今後の
対応
を検討していきたいと考えております。
武正公一
53
○
武正
分科員
私も、これまで国会では、政務三役のみにお答えいただいて、控えていただくのはいいというふうにしてきたので、ちょっと遺憾であります。御答弁を
大臣
に求めておりますので、よろしくお願いしたいと思います。 ガイダンスカウンセラーということでこの要領を変えていかないと、実態がやはり
改善
されないのではないかということを改めて申し上げたいというふうに思います。 それでは、さらに
質問
を移らせていただきます。 六ページ、「教職員定数の増員及び配置基準の見直しについて」ということで、これまで、学校ごとの学級数をもとに算定しております義務標準法に基づく教職員定数の算定方法ですが、上位を見ていただくと、私の埼玉県あるいは
大臣
の千葉県など、どうしても都市部は教員一人当たりの生徒数、児童数が多いといったことになっております。 教職員定数算定基準の見直しは、児童生徒数を基礎とする基準の追加によって、教職員の増員による子供と向き合う時間の拡充、確かな学力の育成及び一人一人の個性を尊重したきめ細かな教育の
実施
が可能と思いますが、これについて
大臣
の御所見を伺いたいと思います。
松野博一
54
○松野国務
大臣
委員御
指摘
のとおり、教職員定数の算定根拠になる義務標準法では、学校における教育活動の基礎である学級を単位として算定する場合が多くなっております。 このため、比較的大
規模
校が多い
地域
において学級
規模
が大きくなって、その結果、教員一人当たりの児童生徒数が相対的に多くなるという傾向がございます。
文部科学省
としては、学校全体の指導
体制
を充実するため、
平成
二十九
年度
概算要求において、障害のある児童生徒への通級による指導や、日本語に課題のある児童生徒への指導にかかわる教員の定数について、
対象
児童生徒数に応じて基礎定数化することを初め、計三千六十人の定数
改善
を要求しております。 今後とも、学校現場を支援し、子供たちの教育環境を
改善
充実していくために、教職員定数の確保、充実に取り組んでまいりたいと考えております。
武正公一
55
○
武正
分科員
最後の
質問
を伺いたいと思います。 参議院選挙における主権者教育の検証についてでございます。 先ほども触れましたように、十八歳、十九歳の投票率。今回、全体で五四%。一方、十八歳、十九歳は四七%。十八歳、十九歳の全数調査でございます。十八歳は五一%、ただ、十九歳が四二%ということで、十八歳が高かったのは、やはり高等学校における主権者教育が功を奏したのかなというふうに思います。 これはまだ
総務省
も調査中ということでありまして、文科省さんも調査をされているようですが、学校基本調査のような調査ではなく、学校に任意で調査をしているということなんですが、もう参議院選挙から四カ月を経過しておりますし、先ほど触れたように、海外の十八歳、十九歳は何と投票率が〇・二%といったこともあって、場合によっては解散・総選挙ということを与党幹事長あるいは官房長官などが触れているだけに、やはり早くこの十八歳、十九歳、とりわけ主権者教育の調査が必要ではないかと思うんです。 文科省としての
取り組み
、より積極的に進めていただきたいと思うんですが、御所見を伺いたいと思います。
松野博一
56
○松野国務
大臣
七月における参議院選挙で十八歳、十九歳の投票率が他の世代に比べて高かったというのは、委員御
指摘
のとおり、高校における主権者教育の
実施
、大学における期日前投票所の設置等の施策が功を奏したものではないかと思います。若い世代の政治に対する意識が高まったということも大きな要因であったと考えております。
文部科学省
といたしましては、高校生を
対象
として
実施
した主権者教育
実施
状況
調査の結果、また、委員からも御例示いただきました、
総務省
において選挙管理
委員会
を
対象
として行っている主権者教育に関する調査の結果を踏まえて、今後も、
総務省
と連携しつつ、主権者教育の推進について力を入れてまいりたいと考えております。
武正公一
57
○
武正
分科員
一番高い東京都が五七%、最下位の高知県が三〇%ということで、約三〇%近い差があります。この分析もあわせて、やはり学校に話を聞いていかないと、今、
総務省
は選管からの調査ですから、やはり文科省さんがより主体的に調査を行っていただくということが肝要でございますので、お
取り組み
をお願いして、
質問
にかえさせていただきます。 ありがとうございました。
石関貴史
58
○
石関主査
これにて
武正
公一
君の
質疑
は終了いたしました。 ――
―――――――――――
石関貴史
59
○
石関主査
これより
総務省所管
について
審査
を行います。 まず、
概要説明
を聴取いたします。高市
総務大臣
。
高市早苗
60
○高市国務
大臣
平成
二十四
年度
及び
平成
二十五
年度
総務省所管
の
決算
について、その
概要
を御
説明
申し上げます。 最初に、
平成
二十四
年度
総務省所管
の
決算
について御
説明
申し上げます。 まず、
一般会計歳入歳出決算
について申し上げます。
総務省
主管一般会計の歳入につきましては、
歳入予算額
一千五十六億一千百四十八万円余に対し、
収納済み歳入額
は一千三百四十七億五千七百三十万円余であり、差し引き二百九十一億四千五百八十二万円余の
増加
となっております。 次に、
総務省所管
一般会計の歳出につきましては、
歳出予算
現額十八兆四百十二億五千五百六十二万円余に対し、
支出済み歳出額
は十七兆八千六百八億三千七百三十一万円余、翌
年度繰越額
は一千四百五十七億六千四百五十一万円余であり、
不用額
は三百四十六億五千三百七十九万円余となっております。 次に、
総務省所管
の交付税及び譲与税配付金
特別会計
の
決算
について申し上げます。 この
特別会計
には、交付税及び譲与税配付金勘定と交通安全対策特別交付金勘定を設けております。 まず、交付税及び譲与税配付金勘定につきましては、
収納済み歳入額
は五十五兆六千四百六十六億二百九十四万円余、
支出済み歳出額
は五十四兆二千五百九十四億三千八百七十二万円余であります。 次に、交通安全対策特別交付金勘定につきましては、
収納済み歳入額
は七百三十三億八千八百九万円余、
支出済み歳出額
は六百八十三億四千六百八十七万円余であります。 続きまして、
平成
二十五
年度
総務省所管
の
決算
について、その
概要
を御
説明
申し上げます。 まず、
一般会計歳入歳出決算
について申し上げます。
総務省
主管一般会計の歳入につきましては、
歳入予算額
八百十九億二千八百四十万円余に対し、
収納済み歳入額
は九百三億六千二百三十三万円余であり、差し引き八十四億三千三百九十三万円余の
増加
となっております。 次に、
総務省所管
一般会計の歳出につきましては、
歳出予算
現額十九兆九千六百十七億九千三百八十万円余に対し、
支出済み歳出額
は十九兆八千八百四十四億二千九百七十二万円余、翌
年度繰越額
は四百七十六億四千四百三十三万円余であり、
不用額
は二百九十七億一千九百七十四万円余となっております。 次に、
総務省所管
の交付税及び譲与税配付金
特別会計
の
決算
について申し上げます。 まず、交付税及び譲与税配付金勘定につきましては、
収納済み歳入額
は五十六兆六百十二億六千六百九十一万円余、
支出済み歳出額
は五十三兆七千四百九十二億四千九十七万円余であります。 次に、交通安全対策特別交付金勘定につきましては、
収納済み歳入額
は六百九十九億五千七百十六万円余、
支出済み歳出額
は六百五十二億六千八百三十七万円余であります。 以上が、
平成
二十四
年度
及び
平成
二十五
年度
総務省所管
の一般会計及び
特別会計
の
決算
の
概要
であります。 何とぞよろしく御
審議
のほどお願い申し上げます。
石関貴史
61
○
石関主査
次に、
会計検査院
の
検査概要説明
を聴取いたします。
会計検査院山下審議官
。
山下修弘
62
○
山下会計検査院当局者
平成
二十四
年度
総務省
の
決算
につきまして
検査
いたしました結果の
概要
を御
説明
いたします。
検査報告
に掲記いたしましたものは、
不当事項
十六件、
意見
を表示しまたは
処置
を要求した
事項
三件及び本院の
指摘
に基づき
当局
において
改善
の
処置
を講じた
事項
一件であります。 まず、
不当事項
について御
説明
いたします。
検査報告番号
五号から一〇号までの六件は、補助
事業
の
実施
及び経理が不当と認められるものであります。 このうち五号は
地域
活性化・経済危機対策臨時交付金が過大に交付されていたもの、六号は住民
生活
に光をそそぐ交付金が交付の
対象
とならない
事業
に交付されていたもの、七号及び八号の二件は
地域
情報通信基盤整備推進交付金等の交付
対象
事業
費が過大に精算されていたなどのもの、九号は
地域
情報通信技術利活用推進交付金
事業
の
実施
に当たり、デジタル案内板の整備費が過大になっていたもの、一〇号は情報通信技術
地域
人材育成・活用
事業
交付金
事業
の
事業
費を過大に精算していたものであります。 同一一号から二〇号までの十件は、特別交付税の額の算定に当たり、算定の
対象
とならない経費を含めていたなどのため、特別交付税が過大に交付されていたものであります。 次に、
意見
を表示しまたは
処置
を要求した
事項
について御
説明
いたします。 その一は、特別交付税の額の算定における過疎債ソフト経費の
確認
等に関して
是正改善
の
処置
を要求いたしたもの、その二は、震災復興特別交付税の額の算定における一般単独
災害
復旧経費の
確認
等に関して
是正改善
の
処置
を要求いたしたもの、その三は、地上テレビジョン放送のデジタル化に伴い発生した空き周波数帯の利用に関して
意見
を表示いたしたものであります。 次に、本院の
指摘
に基づき
当局
において
改善
の
処置
を講じた
事項
について御
説明
いたします。 これは、携帯電話等エリア整備
事業
の
実施
に関するものであり、これについて
指摘
したところ、
改善
の
処置
がとられたものであります。 続きまして、
平成
二十五
年度
総務省
の
決算
につきまして
検査
いたしました結果の
概要
を御
説明
いたします。
検査報告
に掲記いたしましたものは、
不当事項
十件、
意見
を表示しまたは
処置
を要求した
事項
四件及び本院の
指摘
に基づき
当局
において
改善
の
処置
を講じた
事項
一件であります。 まず、
不当事項
について御
説明
いたします。
検査報告番号
四号から一三号までの十件は、補助
事業
の
実施
及び経理が不当と認められるものであります。 このうち四号及び五号の二件は
地域
活性化・経済危機対策臨時交付金等で改修等を行った施設が利活用されておらず、補助の
目的
を達していなかったなどのもの、六号から八号までの三件は
地域
情報通信基盤整備推進交付金等の交付
対象
事業
費が過大に精算されていたなどのもの、九号及び一〇号の二件は
地域
活性化・
生活
対策臨時交付金の
対象
としていた
事業
を
実施
していなかったなどのもの、一一号は情報通信利用
促進
支援
事業
費補助金等により造成した基金の使用が適切でなかったもの、一二号は情報通信技術
地域
人材育成・活用
事業
交付金
事業
の交付
対象
事業
費に交付の
対象
とならない経費を含めていたもの、一三号は沖縄特別振興対策
事業
費補助金により造成した基金を補助の
目的
外に使用していたものであります。 次に、
意見
を表示しまたは
処置
を要求した
事項
について御
説明
いたします。 その一は、重要物品の帳簿価格の改定に関して適宜の
処置
を要求し、及び
是正改善
の
処置
を要求いたしたもの、その二は、
特定調達
に係るガスの
契約事務
の
実施
に関して
是正改善
の
処置
を要求いたしたもの、その三は、無線システム普及支援
事業
費等補助金により
実施
しているケーブルテレビ幹線対策
事業
に関して
意見
を表示いたしたもの、その四は、防災情報通信基盤整備
事業
等の
実施
に関して
改善
の
処置
を要求いたしたものであります。 次に、本院の
指摘
に基づき
当局
において
改善
の
処置
を講じた
事項
について御
説明
いたします。 これは、普通交付税の恩給費に係る基準財政需要額に関するものであり、これについて
指摘
したところ、
改善
の
処置
がとられたものであります。 以上をもって
概要
の
説明
を終わります。
石関貴史
63
○
石関主査
ただいまの
会計検査院
の
指摘
に基づき講じた
措置
について
説明
を聴取いたします。高市
総務大臣
。
高市早苗
64
○高市国務
大臣
ただいま
会計検査院
から御
指摘
のありました
事項
につきまして、
総務省
のとった
措置
について御
説明
申し上げます。 最初に、
平成
二十四
年度
に御
指摘
のありました
事項
について御
説明
申し上げます。 所管
事業
に係る予算につきましては、その適切な執行を図るよう常に心がけているところではございますが、
会計検査院
の
検査
の結果、
地域
活性化・経済危機対策臨時交付金が過大に交付されていたもの等の御
指摘
を受けましたことは、まことに遺憾に存じます。 これらにつきましては、既に地方自治体等から補助金を返還させるなどの是正
措置
を講じたところであります。 続きまして、
平成
二十五
年度
に御
指摘
のありました
事項
について御
説明
申し上げます。
会計検査院
の
検査
の結果、
地域
情報通信基盤整備推進交付金が過大に交付されていたもの等の御
指摘
を受けましたことは、まことに遺憾に存じます。 これらにつきましては、既に地方自治体等から補助金を返還させるなどの是正
措置
を講じたところであります。 以上が、
平成
二十四
年度
及び
平成
二十五
年度
決算
に関する
会計検査院
の
指摘
について講じた
措置
の
概要
であります。 内容を真摯に受けとめ、今後なお一層事務の
改善
を求めるとともに、厳正な態度で事務の執行に努める所存でございます。
石関貴史
65
○
石関主査
この際、お諮りいたします。 お手元に配付いたしております
決算概要説明等
のうち、ただいま
説明
を聴取した部分を除き、詳細な
説明
は、これを省略し、本日の
会議録
に掲載いたしたいと存じますが、御
異議
ありませんか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
石関貴史
66
○
石関主査
御
異議
なしと認めます。よって、そのように決しました。 ――
―――――――――――
石関貴史
67
○
石関主査
以上をもちまして
総務省所管
についての
説明
は終わりました。 ――
―――――――――――
石関貴史
68
○
石関主査
これより
質疑
に入ります。
質疑
の申し出がありますので、これを許します。
濱村
進君。
濱村進
69
○
濱村
分科員
公明党の
濱村
進でございます。 きょうは、
決算行政監視委員会
の第二
分科会
ということで、
質問
の機会をいただきました。 まずは、高市
大臣
が所管なされておられる総務の分野については、地方税収というものが非常に大事なポイントを担っておられるというふうに思うわけでございます。この地方税収、地方にどのように権限を託して、その上でどのようなことをするべきなのか、こうしたことをしっかりと議論していくというのは非常に大事なんですが、やはりこの大もとになるということで、税収においてどのような
措置
をとるべきか、これはしっかりと議論をしていかなければいけないというふうに思っている次第でございます。 その上で、きょうから与党においても税調が始まるわけでございますけれども、そうしたところを踏まえて、自動車取得税そしてまた車体課税についてきょうは議論をさせていただきたいというふうに思っている次第でございます。 まず、自動車取得税についてでございますが、自動車取得税の中でエコカー
減税
というものがなされております。こうした制度、
平成
二十一
年度
からずっと制度が導入されているわけでございますけれども、これは、エコカー、つまり環境性能、燃費性能にすぐれた自動車を普及させていこう、そうした
観点
であろうかというふうに思うわけでございますが、この制度を導入して、さまざま
目的
として果たしたかったことがおありかというふうに思います。 まず、このエコカー
減税
導入の趣旨について
確認
をさせていただきたいと思います。
高市早苗
70
○高市国務
大臣
エコカー
減税
は、自動車取得税の
特例
として、まさに今、
濱村
委員がおっしゃっていただきましたとおり、環境性能にすぐれた自動車の普及を図り、低炭素社会の実現を目指すということとともに、
平成
二十年に起きましたリーマン・ショック等に起因する景気の後退への
対応
ということを
目的
として、
平成
二十一
年度
税制
改正において導入されたものでございます。
特例
導入後、ハイブリッド自動車の台数が二倍以上に
増加
し、ガソリン車の平均燃費値が年六%以上向上するなど、エコカー
減税
の導入によりまして、自動車メーカーの技術開発が促され、新型車の燃費値が向上するとともに、次世代自動車や環境性能にすぐれた自動車の普及が急速に進展したと評価できると考えております。
濱村進
71
○
濱村
分科員
今、
大臣
から非常に大事なポイントをおっしゃっていただきました。リーマン・ショックがあった後に、自動車メーカーの新車の売り上げが落ち込むのではないか、そうしたことがあると日本の経済に非常に大きな影響があるということも踏まえて、しっかりとこのタイミングで環境にいい自動車として販売を
促進
していこうということでございました。これは非常に大事なポイントであろうかと思っておりますし、そしてまた、その結果得られた成果も今
大臣
から御披露いただきました。 そして、次世代の自動車についてもどんどん普及がなされているという
状況
を私も認識しておるわけでございますが、これはリーマン・ショックのすぐ後の段階では極めて自然な話であろうかと思いますが、その後、二度ほど延長をされておられるわけでございます。当初は二十一
年度
から二十三
年度
ということでございましたが、二十四年から二十六年も一度目の延長がございました。その後、現在、二十七年から八年という二カ年にわたっての延長がなされているわけでございます。 今も延長されているわけでございますけれども、この延長の意味合いについて、その趣旨を
確認
させていただきたいと思います。
林崎理
72
○林崎
政府参考人
お答え申し上げます。 今委員から御
指摘
があったとおり、
平成
二十一
年度
のエコカー
減税
導入以来、
平成
二十四
年度
に三年間、二十七
年度
に二年間の延長を行っているところでございまして、これは、より環境性能にすぐれた自動車の普及を
促進
することにより低炭素社会の実現等を引き続き図るため延長したものでございます。
濱村進
73
○
濱村
分科員
低炭素社会の実現をしっかりと進めていくということでありました。 そうした意味でいうと、今なされている
措置
は二十八
年度
末で切れるというわけでございますが、二十九
年度
以降延長するのかどうか、
確認
したいと思います。
林崎理
74
○林崎
政府参考人
お答え申し上げます。 先週、十一月十八日に可決、成立いたしました地方
税法
等改正法によりまして、
消費税
率一〇%への引き上げ時期変更ということになりました。これに合わせまして自動車取得税の廃止も二年半延期されたところでございますので、今後のエコカー
減税
のあり方につきましては、
平成
二十九
年度
税制
改正のプロセスにおいて議論されることになると考えております。
濱村進
75
○
濱村
分科員
今、
平成
二十九
年度
税制
改正のプロセスの中で議論をするということでございましたので、与党としてはしっかりと議論をしていかなければいけないなというふうに思うわけですが、当然、
消費税
増税が二年半延期となったわけでございますので、これはしっかりと延長するべきじゃないかと個人的には考えているわけでございます。 さらにちょっとここで
確認
したいわけですが、エコカー
減税
をするということは、すなわち、地方団体にとっては、
減税
しているわけでございますので、減収になるというわけでございます。そうはいっても、その減収になった部分の財源については何か明示的に代替財源が確保されているかというと、決してそういうわけではございません。 そういう前提のもとでなされている制度であるわけでございますけれども、燃費基準の見直しを行ったりすると、実は、この二度ほどの延長のときも、燃費基準というのは二十七
年度
基準であったり三十二
年度
基準であったり、ずっと基準自体は更新をしていって、さらに燃費性能がすぐれているものに変えていこうというような
措置
をとってきたわけでございます。当然、基準を見直すことによって前
年度
より税収がふえたり減ったりすることになろうかと思いますが、これまでであれば、恐らく税収は残念ながら減っていっているんじゃないかというふうに思ったりするわけです。減
税制
度となるわけでございますので、地方公共団体にとっては減収となるわけでございますが、このあたりの影響について、現状についてお伺いをしたいと思います。 〔
主査
退席、
山際
主査
代理着席〕
林崎理
76
○林崎
政府参考人
お答え申し上げます。 自動車取得税の税収、それとエコカー
減税
の関係でございますけれども、技術開発によりまして燃費値が年々
改善
していきますと、税収は御
指摘
のとおり減収ということになりますし、また、延長の際に、より技術開発の
促進
を目指して基準を切り上げるといったようなことを行いますと、それにより税収が増収となるというものでございます。
濱村進
77
○
濱村
分科員
これは本当に基準が大事であろうかというふうに思うわけでございます。 その上でお伺いしたいのは、今現状の
状況
についてですが、今、
平成
三十二
年度
基準というものがあって、それについて何%達成とかということで基準が設けられているわけでございますが、こうしたエコカー
減税
の
対象
になっている自動車というのは全体の比率としてどれぐらいになるのか、御
確認
をさせていただきます。
林崎理
78
○林崎
政府参考人
お答え申し上げます。
平成
二十七
年度
の新車販売のうち、約八四%がエコカー
減税
の
対象
となっているところでございます。
濱村進
79
○
濱村
分科員
八四%、非常に高い割合であろうかというふうに思うわけでございます。 これは恐らく自動車メーカーの努力というものが非常に大きく貢献しているわけでありまして、私は、この努力、しっかりと評価するべきであろうかというふうに思っておりますし、その上でしっかりと低炭素社会の実現についても寄与しているということでは非常に評価できる制度であろうかというふうに思っておりますが、今、八四%もの高い割合で
対象
がふえているわけでございますので、次、もし仮に延長がなされるのであるならば、燃費基準についてはしっかりと見直しをしていくべきではないかというふうに思うわけでございます。その上で政策効果をしっかり発揮していく、このようなことが必要であろうかと思いますが、いかがでございましょうか。
林崎理
80
○林崎
政府参考人
お答え申し上げます。
平成
二十九
年度
以降のエコカー
減税
のあり方ということでございますけれども、先ほども申し上げたとおり、これからの
税制
改正プロセスにおいて議論されることになるものと考えておりますが、延長するといった場合におきましては、やはり、先ほど来お話がありますエコカー
減税
、この制度の趣旨に鑑みますれば、より環境性能にすぐれた自動車の普及
促進
を図る
観点
から、基準を一定程度切り上げることによって
対象
車を重点化するといったことが基本になるものと考えているところでございます。
濱村進
81
○
濱村
分科員
延長する場合にはという条件つきというか、当然、二十八
年度
末で切れる予定でございますので、そのあたりも含めてしっかりと議論をしていかなければいけないわけでございますが、あくまでやはり
目的
といたしましては、低炭素社会の実現に対してどのように貢献できるのかというところでございますので、これをさらに
促進
して加速していくためにはどのような燃費基準が適当であるのか、しっかりと議論をしていくべきであろうかというふうに思うわけでございます。 エコカー
減税
という制度については、実は、新車に対しては効果を発現するわけでございますけれども、新車は当然、売った後は中古車になって乗られるわけでございます。その後、車検を繰り返して長く乗っていくというのを基本的に消費者が行うわけでございますが、実はこうした新車販売のマーケットと同等ぐらいの市場
規模
で広がっているのがアフターマーケットと言われるところでございまして、中古車販売もそうですが、自動車の整備、そしてまた消耗品、そうした部品のサプライチェーンについてもアフターマーケットと呼ばれるわけでございます。同等ぐらいの
規模
がございますので、しっかりとこのあたりも考慮した上で、ここにおいてもしっかりと低炭素社会を実現しなければいけない、私はこのように考えているわけでございます。 自動車取得税というのは新車購入時にかかるわけでございます。その後、毎年毎年、自動車税、あるいは軽自動車であれば軽自動車税というものが課されるわけでございますが、自動車税についても実はグリーン化
特例
という制度がございます。グリーン化
特例
、実は二つあるわけでございますが、特に新車の後すぐに、まだ二年目、三年目というような
状況
のときは軽課をなされるというようなことでございます。 この軽課の制度について、その趣旨、そして制度について詳しく教えていただけますか。
林崎理
82
○林崎
政府参考人
お答え申し上げます。 今御
指摘
のありました、いわゆる車体の保有に係る税ということで自動車税、軽自動車税があるわけでございますけれども、その中で、グリーン化
特例
、これは御
指摘
のとおり、低炭素社会の実現、それから
地域
における環境対策のためにより燃費性能等のすぐれた自動車の普及を
促進
するという
観点
から、
平成
十三
年度
の
税制
改正において導入されたものでございます。
濱村進
83
○
濱村
分科員
十三
年度
から導入されているわけでございます。十三
年度
から軽課をなされる制度が入っているわけでございますが、一方で、二十六
年度
に創設された、重課をなされる制度がございます。これについてもその趣旨を御
確認
させていただきたいと思います。
林崎理
84
○林崎
政府参考人
お答え申し上げます。 重課についてのお尋ねでございますけれども、
平成
二十五
年度
の与党
税制
改正大綱、それから同じく
平成
二十五
年度
に
総務省
の地方財政
審議
会に設置をされました検討会報告書がございまして、車体課税のグリーン化機能の強化に関する提言がなされてきたところでございます。 その中で、軽自動車につきまして、登録自動車と比べますと総排気量などは小さいとはいいましても、環境に対しまして一定の負荷を与えるものであるということ、また、軽自動車税においても経過年数による重課について導入を検討すべきことなどが
指摘
をされたところでございます。 このような
観点
から、その翌年になりますけれども、翌
平成
二十六
年度
の
税制
改正におきまして、登録自動車と同様に、軽自動車に対しましても経年車に対する重課が導入されたところでございます。
濱村進
85
○
濱村
分科員
経年車に対する重課は、初
年度
登録から十三年たったらというわけでございます。 先ほどエコカー
減税
の話を私はさせていただきましたが、エコカー
減税
というのは、燃費の値について基準を設けて、それに対してどのような
税制
優遇をするか、それによって低炭素社会を実現していくというものでございました。 一方で、経年車に対する重課については、どちらかというと、年数がたったら自動的にということでございますので、燃費性能がどうであろうが年数がたっていたらそうなりますよ、今はそのような制度になっているというわけでございます。 もちろん、買いかえを
促進
して新車が売れればメーカーは燃費
改善
に対する研究に対しても投資できるということで、これはある一定効果が見込めるのであろうかというふうにも思うわけではございますが、やはり大事なポイントは、地方の
方々
に目を向けますとどうあるべきかということなんだろうと思います。 その上で、私も活動エリアが兵庫県でございますけれども、兵庫県は広うございまして、山間部に行けば、軽自動車に乗っておられる
方々
、
地域
の足なんかでいうと公共交通がないところはたくさんあるわけでございます、そうしたところで長いこと大事に車を乗っておられる、そしてそういう
方々
は大体軽自動車を大事に乗っておられるというようなこともございます。そういう意味でいうと、非常に大事なところではありますけれども、経年車に対する重課はもう少し何とかならないものかというふうに思っておるわけでございます。 ここでちょっと一点
確認
しておきたいのが、軽自動車税の
平成
二十八
年度
地方財政計画計上額というものは二千四百四十二億円と想定しておられます。その中で経年車に対する重課によってどれぐらいの金額が見込まれているのか、
確認
したいと思います。
林崎理
86
○林崎
政府参考人
お答え申し上げます。 ただいま御
指摘
がありました軽自動車税に係ります
平成
二十八
年度
地方財政計画計上額二千四百四十二億円のうち、経年車重課につきましては百十六億円と見込んでいるところでございます。
濱村進
87
○
濱村
分科員
今、経年車重課による効果は百十六億円と。実は、軽自動車税全体で二千四百四十二億円でございますので、そこまで大きくない額なんじゃないかなと私なんかは思うわけですね。さらに申し上げますと、自動車税、普通の四輪とかでございますけれども、こうしたところは一兆五千二百四十八億円ということで、これも二十八
年度
の見込みでありますが、一兆のものと、軽自動車は二千四百四十二億円、そしてさらに、その中でも重課によっての効果は百十六億円ということでございました。これはしっかりと
確認
できたので、大事なポイントであろうかと思いますが、私、先ほども申し上げたんですけれども、軽自動車は
地域
の足でございます。 少し、ちょっとだけ大きなお話をいたしますと、今、英国におきましても、ブレグジットということで、ロンドンシティーかいわいの
方々
は、割と都心部でEUに残留すべきだという
意見
が強かった。一方で、地方の
方々
においては、残念ながら、EUにいる意味なんかなかなか見受けられないということで、EUからの離脱を望む声が多かったということで、EU離脱の方が国民投票で多くなってしまったという結果が出ました。 そしてまた、アメリカ大統領選挙におきましても、恐らく東海岸と西海岸というアメリカ合衆国の中で都心部だと言われるようなところにおいては、割とクリントン候補への支持が多かったのであろう。一方で、現状に不満を持っておられるような
方々
が合衆国の中ほどにおられて、そうした
地域
はことごとくトランプ候補が勝って選挙人を獲得した。 こうしたいわば都市部対地方部という対立が全世界的にも起こっているんじゃないかというふうに感じている次第でございます。 日本は幸い、
政府
の力強い主導によって、そしてまた高市
大臣
も強く進めておられるわけでございますが、地方をどのように活性化していくのか、地方創生の
取り組み
が、まだまだこれからも必要であろうかと思いますが、今はまだなされていて、対立がそこまで深まってはいない、先鋭化はしていないというふうに感じるわけでございますが、私は、これをしっかりと、やわらかく対立を解きほぐしていかなければいけないというふうに感じているものでございます。 そうした
観点
から、先ほど申し上げた経年車に対する重課の制度、これは財源
規模
としてもそこまで大きくはないんじゃないかと私は思っております。これを廃止しても税収として余り問題ないんじゃなかろうかというふうに思うわけでございますが、どのようにお考えでしょうか。 〔
山際
主査
代理退席、
主査
着席〕
林崎理
88
○林崎
政府参考人
お答え申し上げます。 軽自動車につきまして、地方において公共交通機関が不十分な
地域
におきまして、
生活
の足として大変重要な役割を果たしている、御
指摘
のとおりだと思います。 他方で、先ほども申し上げましたけれども、軽自動車であっても、環境に対して一定の負荷を与えるものであるという認識のもとで、車体課税のグリーン化機能の強化の一環として経年車重課が
実施
されたという経緯がございます。地方税収として見たときに、
規模
についてのお話がございましたけれども、その税収
規模
といった点ももちろんでございますけれども、今申し上げたような制度の趣旨ということもございますので、御提案につきまして慎重に検討する必要があるというふうに考えているところでございます。
濱村進
89
○
濱村
分科員
今、慎重にというお話がございました。よくわかります。それはもちろん、税収の
規模
だけじゃなくて、政策の趣旨が非常に大事であるということも私も重々承知をしているわけでございます。 そこで、やはり私、この
質問
の冒頭申し上げましたのは、エコカー
減税
の燃費基準、いわば都市部における新車買いかえができ得る資力、財力のあるような
方々
、こうした
方々
によってしっかりと燃費基準がいいものに買いかえていただき、そしてその上で低炭素社会の実現というものを行っていただきつつ、もう一方で、経年車に対する重課、これを、一%でも二%でもよろしゅうございますので、今、実は二〇%重課なされているわけでございます。実はこれは軽自動車をお持ちの
方々
は一万八百円毎年毎年お支払いなされるというわけでございますが、二〇%重課されますと一万二千九百円ということになってございます。ですので、こうしたところ、今二〇%になっているここのところを一%でも二%でも和らげることは、地方におられる
方々
あるいは軽自動車をお持ちの
方々
に対する気持ちに対しては非常に効果があるんじゃなかろうかというふうに思うわけでございます。 少しでもいい、エコカー
減税
の
対象
に見合う率に、少しでもこの重課を引き下げていただけないものかと思いますが、いかがでございましょうか。
林崎理
90
○林崎
政府参考人
お答え申し上げます。 グリーン化につきましては、先ほど御
説明
申し上げたとおりの中で今の制度があるわけでございます。 税収という
観点
で見て、確かにエコカー
減税
の方は、先ほどお話がございましたけれども、こちらの基準切りかえといったようなことをことしやるということになりますれば、恐らくことしよりは来年以降一旦税収はふえるということになろうかと思いますが、これにつきましても、その後の環境性能のすぐれた自動車の販売
状況
などがどうなっていくかといったような点もなかなか見通せないといったことがございます。 こういった点にも留意が必要な中で、また御議論いただくべきものかなというふうに考えているところでございます。
濱村進
91
○
濱村
分科員
質問
はこれで終えますが、引き続き与党といたしましても税調の中で議論をしてまいりたい、このように思うところでございますので、高市
大臣
にもぜひお力をおかりできればというふうに思う次第でございます。 以上をもちまして
質問
を終わります。ありがとうございました。
石関貴史
92
○
石関主査
これにて
濱村
進君の
質疑
は終了いたしました。 以上をもちまして
総務省所管
についての
質疑
は終了いたしました。 ――
―――――――――――
石関貴史
93
○
石関主査
これより
防衛省所管
について
審査
を行います。 まず、
概要説明
を聴取いたします。稲田
防衛大臣
。
稲田朋美
94
○稲田国務
大臣
平成
二十四
年度
における防衛省主管の
一般会計歳入決算
及び
防衛省所管
の
一般会計歳出決算
並びに
東日本大震災
復興
特別会計歳入歳出決算
につきまして、その
概要
を御
説明
いたします。 まず、防衛省主管一般会計の歳入につきまして御
説明
申し上げます。
収納済み歳入額
は千百二十七億八千四百万円余となっております。 次に、
防衛省所管
一般会計の歳出につきまして御
説明
申し上げます。
歳出予算
現額は五兆七百二十六億三千七百万円余でありまして、
支出済み歳出額
は四兆七千六百八十七億千五百万円余、翌
年度
へ
繰り越し
た額は千七百五十一億二千九百万円余でありまして、差し引き
不用額
は千二百八十七億九千百万円余であります。 次に、
防衛省所管
東日本大震災
復興
特別会計
の歳入につきまして御
説明
申し上げます。
収納済み歳入額
は三千六百万円余となっております。 次に、
防衛省所管
東日本大震災
復興
特別会計
の歳出につきまして御
説明
申し上げます。
歳出予算
現額は千三十五億六千七百万円余でありまして、
支出済み歳出額
は八百三十五億二千三百万円余、翌
年度
へ
繰り越し
た額は百七十二億千六百万円余でありまして、差し引き
不用額
は二十八億二千七百万円余であります。 続きまして、
平成
二十五
年度
における防衛省主管の
一般会計歳入決算
及び
防衛省所管
の
一般会計歳出決算
並びに
東日本大震災
復興
特別会計歳入歳出決算
につきまして、その
概要
を御
説明
いたします。 まず、防衛省主管一般会計の歳入につきまして御
説明
申し上げます。
収納済み歳入額
は七百七十六億二千九百万円余となっております。 次に、
防衛省所管
一般会計の歳出につきまして御
説明
申し上げます。
歳出予算
現額は五兆四百五十八億千百万円余でありまして、
支出済み歳出額
は四兆九千七百八十四億二千八百万円余、翌
年度
へ
繰り越し
た額は千七百五十八億六千二百万円余でありまして、差し引き
不用額
は七百十五億二千万円余であります。 次に、
防衛省所管
東日本大震災
復興
特別会計
の歳入につきまして御
説明
申し上げます。
収納済み歳入額
は一億四千万円余となっております。 次に、
防衛省所管
東日本大震災
復興
特別会計
の歳出につきまして御
説明
申し上げます。
歳出予算
現額は千四百二十七億九千四百万円余でありまして、
支出済み歳出額
は千三百十四億八千七百万円余、翌
年度
へ
繰り越し
た額は八十五億六千九百万円余でありまして、差し引き
不用額
は二十七億三千八百万円余であります。 なお、主な
事項
につきましては、お手元に配付してある資料のとおりでありますが、委員各位のお許しを得まして御
説明
を省略させていただきたいと存じます。 よろしく御
審議
くださいますようお願い申し上げます。 以上です。
石関貴史
95
○
石関主査
稲田
大臣
。
稲田朋美
96
○稲田国務
大臣
一点補足させていただきます。
防衛省所管
一般会計の歳出につきまして御
説明
申し上げます。
支出済み歳出額
は四兆七千九百八十四億二千八百万円余でございます。
石関貴史
97
○
石関主査
次に、
会計検査院
の
検査概要説明
を聴取いたします。
会計検査院
吉田
審議
官。
吉田裕治
98
○
吉田
会計検査院
当局
者
平成
二十四
年度
防衛省の
決算
につきまして
検査
いたしました結果の
概要
を御
説明
いたします。
検査報告
に掲記いたしましたものは、
意見
を表示しまたは
処置
を要求した
事項
七件及び本院の
指摘
に基づき
当局
において
改善
の
処置
を講じた
事項
六件であります。 まず、
意見
を表示しまたは
処置
を要求した
事項
について御
説明
いたします。 その一は、違約金の賦課を定めた資料の信頼性確保に関する特約条項の取り扱いに関して適宜の
処置
を要求し、及び
是正改善
の
処置
を要求いたしたもの、その二は、潜水艦用ディーゼル機関に使用される連接棒大端部軸受けの製造請負
契約
等が適切に履行されていなかった
事態
に係る
処置
に関して適宜の
処置
を要求し、及び
是正改善
の
処置
を要求いたしたもの、その三は、火薬庫保有会社に保管させている防衛火工品の管理に関して適宜の
処置
を要求し、及び
是正改善
の
処置
を要求いたしたもの、その四は、第三者行為により療養の給付等を受けた場合における診療委託費に係る債権管理等に関して
是正改善
の
処置
を要求いたしたもの、その五は、米国に派遣された防衛省職員が行う前渡資金に係る会計
事務等
に関して
是正改善
の
処置
を要求し、及び
改善
の
処置
を要求いたしたもの、その六は、有償援助による役務の調達に係る受領
検査
の
実施
等に関して
改善
の
処置
を要求いたしたもの、その七は、予備自衛官手当の支給に関して
改善
の
処置
を要求いたしたものであります。 次に、本院の
指摘
に基づき
当局
において
改善
の
処置
を講じた
事項
について御
説明
いたします。 その一は、改修した魚雷の性能向上に伴う補給業務に関するもの、その二は、
国庫債務負担行為
により行う艦船の定期
検査
等に係る
契約
に関するもの、その三は、海上自衛隊の監督を受ける自衛隊地区病院における医薬品等の管理に関するもの、その四は、航空ヘルメット等の調達所要量の算定に関するもの、その五は、駐屯地等における
津波
対策の
実施
に関するもの、その六は、会社に保管させている航空機用エンジンに関するものであり、これら六件について
指摘
したところ、それぞれ
改善
の
処置
がとられたものであります。 続きまして、
平成
二十五
年度
防衛省の
決算
につきまして
検査
いたしました結果の
概要
を御
説明
いたします。
検査報告
に掲記いたしましたものは、
不当事項
六件、
意見
を表示しまたは
処置
を要求した
事項
五件及び本院の
指摘
に基づき
当局
において
改善
の
処置
を講じた
事項
七件であります。 まず、
不当事項
について御
説明
いたします。
検査報告番号
三七七号から三八〇号までの四件は、単身赴任手当に係る支給事務において、事実の
確認
が十分でなかったなどのため、長期間にわたって支給の要件を具備していない者に対して手当を支給していた結果、認定を取り消した後も一部が国庫に返納されておらず、不当と認められるものであります。 同三八一号は、物品の調達に当たり、
契約
物品が納期までに納入されていなかったにもかかわらず、納入されたとする虚偽の
検査
調書を作成するなどの不適正な会計経理を行い、
契約
金額を支払っていたものであります。 同三八二号は、職員の不正行為による損害が生じたものであります。 次に、
意見
を表示しまたは
処置
を要求した
事項
について御
説明
いたします。 その一は、F15戦闘機の近代化改修用通信電子機器の修理等に関して適宜の
処置
を要求し、及び
是正改善
の
処置
を要求いたしたもの、その二は、インクカートリッジ等の調達に関して
意見
を表示いたしたもの、その三は、役務に関する有償援助調達に係る引き合い書の請求及び
確認
に関して
意見
を表示いたしたもの、その四は、防衛装備品等の調達に関する
契約
における資料の信頼性確保に関して
意見
を表示いたしたもの、その五は、
住宅
防音
事業
における
契約
手続等の
公正性
等の確保に関して
改善
の
処置
を要求いたしたものであります。 次に、本院の
指摘
に基づき
当局
において
改善
の
処置
を講じた
事項
について御
説明
いたします。 その一は、レセプトのオンライン化に関するもの、その二は、一般借り受け宿舎に関するもの、その三は、携帯無線機で使用する二次電池及び充電器に関するもの、その四は、大
規模災害
等に備えて調達した携帯無線機に関するもの、その五は、防衛施設用地に係る賃貸借
契約事務
に関するもの、その六は、艦艇に搭載している計測器等の校正検定に関するもの、その七は、備蓄している抗インフルエンザウイルス薬に関するものであり、これら七件について
指摘
したところ、それぞれ
改善
の
処置
がとられたものであります。 以上をもって
概要
の
説明
を終わります。
石関貴史
99
○
石関主査
ただいまの
会計検査院
の
指摘
に基づき講じた
措置
について
説明
を聴取いたします。稲田
防衛大臣
。
稲田朋美
100
○稲田国務
大臣
平成
二十四
年度
及び
平成
二十五
年度
決算検査報告
において
会計検査院
から
指摘
を受けました
事項
につきましては、まことに遺憾に存じております。
不当事項
として
指摘
を受けましたものにつきましては、会計法令の遵守を図るとともに、綱紀粛正のより一層の徹底に努め、かかる
事態
の再発防止に万全を期する所存であります。 次に、
意見
を表示されまたは
処置
を要求された
事項
につきましては、直ちに是正
措置
を講じたところであります。 今後このような御
指摘
を受けることのないよう、より一層事務の適正な執行に努めてまいる所存であります。
石関貴史
101
○
石関主査
この際、お諮りいたします。 お手元に配付いたしております
決算概要説明等
のうち、ただいま
説明
を聴取した部分を除き、詳細な
説明
は、これを省略し、本日の
会議録
に掲載いたしたいと存じますが、御
異議
ありませんか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
石関貴史
102
○
石関主査
御
異議
なしと認めます。よって、そのように決しました。 ――
―――――――――――
石関貴史
103
○
石関主査
以上をもちまして
防衛省所管
についての
説明
は終わりました。 ――
―――――――――――
石関貴史
104
○
石関主査
これより
質疑
に入ります。
質疑
の申し出がありますので、これを許します。
大平
喜信
君。
大平喜信
105
○
大平
分科員
日本共産党の
大平
喜信
です。 被爆地広島の出身で、核兵器廃絶を初め、平和を守る課題をライフワークにして取り組んできました。 安倍政権は、今月十五日の閣議決定で、南スーダンPKOに関して、安保法制、いわゆる戦争法に基づく自衛隊の新任務として駆けつけ警護などを付与することを決めました。 それを受けて、稲田
防衛大臣
は十八日、南スーダンPKOに派遣する自衛隊部隊に対し新任務に関する命令を出し、きのうその第一陣が出発をしました。憲法九条を踏みにじり、自衛隊創設以来初めての殺し殺される
事態
になりかねない今回の閣議決定と、そしてそれに基づく命令に、私は断固抗議をし、撤回を求めます。 さて、
政府
は、去る八月二十二日、米国が二〇一七年一月から米海兵隊岩国基地へ戦闘機F35Bを配備する計画を山口県と岩国市に伝達、
説明
しました。F35Bの岩国配備計画は今から約四年前に米側から方針が示されておりながら、配備まで半年もない時期での
地元自治体
への伝達、
説明
になりました。 岩国市民や周辺住民を初め訓練空域直下住民からは、これまで
政府
はF35Bの岩国配備は正式に決まっていないと繰り返してきた、余りにも唐突過ぎる、住民無視も甚だしいという声が上がるとともに、米国外では初の配備であり、
政府
の
説明
や
地元自治体
からの照会に対する回答をもってしても、今なお住民から不安の声が上がっています。 昨日は、岩国配備反対の集会も行われました。私も参加をして、地元の皆さんを初め七百人の怒りの思いをたくさん聞いてまいりました。きょうは、このF35Bの岩国配備問題について稲田
防衛大臣
に
質問
いたします。 F35B岩国配備計画については、去る二月二十五日の衆議院予算
委員会
第三
分科会
において、私の
質問
に対し岸田外務
大臣
は、まだ正式な通報等は受けていないと答弁をされました。 きょうは、
地元自治体
に
説明
に出向かれた外務省の武井政務官においでいただいております。武井政務官にお尋ねしたいと思います。 岸田外務
大臣
が言うこの米側からの正式な通報等というのは、いつ、どういう形で行われたのですか。さらに、この点について
地元自治体
にはどう
説明
をされたんでしょうか。
武井俊輔
106
○武井
大臣
政務官 お答え申し上げます。 日米両
政府
は、F35Bの
我が国
の配備につきまして、
平成
二十五年十月及び
平成
二十七年四月の日米2プラス2の共同発表において
確認
をいたしたところでございます。 その後、この配備先の詳細につきまして日米間で協議を進めてきたところでございますが、先般、米国
政府
からF35Bを岩国飛行場に配備することについて
説明
がなされたことから、本年八月の二十二日でございますが、宮澤
防衛大臣
政務官とともに山口県及び岩国市を訪問いたしまして、地元に対し、知事さん、市長さん、また議会等を通じて御
説明
させていただいたところでございます。 その際でございますが、私から地元の皆様に対しまして、米側から得られた情報としまして、この配備計画の
概要
につきまして、次のとおり御
説明
をさせていただいたところでございます。 一つ、
平成
二十九年一月現在、岩国飛行場に配備されておりますFA18ホーネット三部隊のうち、一部隊十二機を十機のF35Bに機種の更新をするということ。また、その後、同年八月、同じく岩国飛行場に現在配備されておりますAV8Bハリアー部隊八機を六機のF35Bに機種更新をするということ。また、機種更新の
対象
となる
現行
機種は、F35Bの到着及び米軍の部隊交代の計画を踏まえまして、日本国外へ移駐する予定であるということ。結果といたしまして、このF35Bの配備に伴いまして、約四百六十名の軍人及び家族が岩国飛行場へ移動する予定となっておること。その一方で、
現行
機を日本国外へ移駐するということになりますので、約三百三十名が減少するということ。以上を山口県及び岩国市に御
説明
させていただいたところでございます。 以上であります。
大平喜信
107
○
大平
分科員
そうした日本
政府
の
対応
に、
地元自治体
、地元住民からは大きな怒り、憤りの声が上がっております。 二〇一七年一月に、FA18ホーネットのかわりにF35Bを岩国配備する計画は、約四年前から米海兵隊の海兵航空計画で方針が示されてきたものでした。また、ことしの三月二十三日には、米海軍省のスタックリー次官補が、ステルス戦闘機F35が米軍岩国基地に配備されるのは二〇一七年一月になる、この見通しを米下院軍事
委員会
小
委員会
の公聴会で証言しております。にもかかわらず、配備まで半年もないこの時期での米国からの通報、
地元自治体
への伝達、
説明
になったことは、私は重大だと言わなければならないと思います。 地元住民からも
地元自治体
からも、これまで日本
政府
からの情報発信がなかったことに不満が述べられております。 稲田
大臣
にお伺いいたします。
地元自治体
への
説明
が、配備が目前に迫って行われたことについて、日米交渉の当事者のお一人である
防衛大臣
としてどうお考えになりますか。御所見をお伺いいたします。
稲田朋美
108
○稲田国務
大臣
日米両
政府
は、米海兵隊F35Bの日本への配備について、
平成
二十五年十月及び
平成
二十七年四月の日米2プラス2の共同発表で
確認
をし、その後、具体的な配備先等の詳細について協議を行ってきたところでございます。 F35Bの岩国飛行場への配備につきましては、先般、米国側から必要な情報が得られましたことから、先ほど武井
外務大臣政務官
から御答弁申し上げましたとおり、本年八月二十二日、地元に対して速やかに
説明
を行ったものです。
政府
といたしましては、地元に対する速やかな情報提供という
観点
から、米側とのやりとりを踏まえつつ、可能な限り早いタイミングで地元に御
説明
をいたしているところでございます。
大平喜信
109
○
大平
分科員
配備まで半年もないこの時期での伝達、
説明
というのが、先ほど
大臣
がおっしゃいました可能な限り速やかな
説明
、住民は全くこんなふうに捉えられないですよ。やはり、日本
政府
、防衛省は、米国に対して、遅過ぎる、そんなこと認められないとはっきり物を申さなくてはならないのに、それもせず、そのまま地元に押しつけてくる。まさに住民軽視、住民無視の
対応
そのものだと、地元でも怒りの声が上がっております。 そこで、F35Bの配備の影響、問題点について具体的にお聞きしたいと思います。 まず、F35Bの安全性についてです。 アメリカ現地時間の十月二十七日、アメリカ・サウスカロライナ州の海兵隊ビューフォート基地所属のF35Bが、飛行中に出火事故を起こしました。米海軍安全センターは、最も重いクラスA、重大事故に登録をしました。 この事故について、防衛省は、十一月八日になって山口県など
地元自治体
に情報提供をしています。事故が起こって十日ほど経過しての情報提供となっております。
地元自治体
が同計画について検討しているさなかですから、防衛省としては当然米側に、事故などが起これば即座に情報提供をしてもらうようにしていたはずだというふうに思いますが、米軍からはこの事故についていつ報告を受けたのでしょうか。
岡真臣
110
○岡
政府参考人
お答え申し上げます。 議員から御
指摘
がありました事案に関しましては、米側とのやりとりの詳細につきましては、相手側との関係もあることでございまして、お答えは差し控えさせていただきたいと存じます。
大平喜信
111
○
大平
分科員
では、防衛省はこの事故をどうやって情報収集されたのでしょうか。お答えください。
深山延暁
112
○深山
政府参考人
詳細については岡次長から今申し上げたとおりでありますけれども、我々は、この情報を防衛省の担当部局が承知いたしました後、速やかに、先ほど地元へ御連絡した日付についてはお話がございましたが、各関係自治体に御連絡を差し上げたところでございます。
大平喜信
113
○
大平
分科員
要は、皆さん方が岩国に押しつけようとしているその直前の時期に同じ機種が重大事故を起こしているのにもかかわらず、米側からの報告はあったのかなかったのかも含めて明らかにすることはできない、そういう姿勢を示されました。この一点をとっても、地元からすればとんでもない許しがたい姿勢だと言わなければならないというふうに思います。 稲田
防衛大臣
に伺いたいと思います。 少なくとも、このF35の出火事故が起こりましたから、この原因究明が行われ、その再発防止策がとられるまでF35B岩国基地配備は強行しない、その立場はいかがでしょうか。明確な答弁を求めたいと思います。
稲田朋美
114
○稲田国務
大臣
今般のF35Bの出火事案につきまして、現在、米側において原因等を調査中と承知をいたしております。 防衛省といたしましては、米側に対して、事案の関連情報の速やかな提供と原因究明等の申し入れをしているところでございます。 今般、米側から情報が得られれば、関係自治体に対し適切に
説明
をさせていただき、その上でF35Bの配備計画について御理解を得たいというふうに考えております。
大平喜信
115
○
大平
分科員
改めてもう一度
確認
したいと思いますが、原因究明が行われて再発防止策がとられるまでは配備の計画を強行されるということはありませんね。明確に御答弁ください。
稲田朋美
116
○稲田国務
大臣
現在、防衛省から、その原因を含め、関連情報の速やかな提供、もちろんその中には安全
確認
も含まれておりますけれども、そういったことの情報提供の申し入れをしているところであります。 したがいまして、そういった情報が得られれば、しっかり関係自治体に
説明
をさせていただいて、御理解を得たいというふうに考えております。
大平喜信
117
○
大平
分科員
再発防止策がとられるまで強行されることはありませんかという
質問
に対して、なかなか明確な答弁をしていただけませんでした。 万が一でもそうしたものが明らかでないまま配備が強行されれば、関係住民の理解を得られないどころか、怒りが沸騰することは間違いないというふうに思います。少なくとも原因究明と再発防止策がとられるまで絶対配備をしてはならない、このことを重ねて申し上げたいというふうに思います。 F35Bの岩国配備にかかわる問題はこれだけではありません。 F35戦闘機配備に伴って、米国では、アラスカ州、バーモント州、フロリダ州などの基地で環境影響評価が
実施
されたと聞いております。 岩国基地の場合は、この環境影響評価、米国による環境レビューは
実施
されたんでしょうか。お答えください。
岡真臣
118
○岡
政府参考人
お答え申し上げます。 F35Bの岩国配備に当たって環境レビューを米側が行ったかどうかという御
質問
でございますけれども、この点につきましては、米側からは、F35Bの岩国基地への配備に当たって環境レビューは行っていない旨
説明
を受けているところでございます。 なお、米国外の軍事施設におきます艦船、軍用機等の配備について米
政府
が行う環境レビューは、大統領令等に基づき一定の場合に
実施
することとされておりますけれども、常に義務づけられているわけではないと承知しているところでございます。
大平喜信
119
○
大平
分科員
ならば、お伺いをいたします。 岩国基地はこれまでにさまざまな軍用機が配備をされてきましたが、では、そもそも、岩国基地における米国による環境レビューがこれまで一度でも
実施
をされたことがあるでしょうか。お答えください。
岡真臣
120
○岡
政府参考人
現時点におきまして防衛省として知り得る範囲ということでお答えをいたしますと、過去、米側が岩国飛行場に関連して環境レビューを行ったとは承知しておりません。
大平喜信
121
○
大平
分科員
これまで米側による環境レビューは一度も
実施
されたことがないとのことでした。 では、日本
政府
は、そもそもこれまで岩国基地関連の環境レビュー
実施
を一度でも米側に求めたことがあるでしょうか。私たちは、もとより配備そのものには絶対反対ですが、少なくとも米側に岩国基地における環境レビューを
実施
するよう求めることは日本
政府
として最低限の責任だと考えますが、稲田
大臣
、いかがでしょうか。
稲田朋美
122
○稲田国務
大臣
米
政府
の環境レビューは、大統領令等に基づいて米
政府
が主体的に
実施
するものであり、常に義務づけられているわけではないと承知をいたしております。 防衛省として、F35Bの岩国配備に対して環境レビューの
実施
を求めることは現時点では考えておりません。 他方、防衛省としては、米軍が周辺住民の
方々
に与える影響に妥当な考慮を払って活動することは当然のことであると考えております。今後、F35Bの実際の運用に関して、可能な限りの把握に努め、米側に必要な申し入れを行ってまいりたいと考えております。
大平喜信
123
○
大平
分科員
なぜ求めないのか。重大な変更が行われると思いますよ、このF35Bの岩国配備は。 先ほど、一定の条件と言いましたか、一定の範囲と言いましたか、そういうときにはやる可能性はある、そんな答弁がありましたが、今度のF35Bの岩国配備は重大な変更が行われる。これは、少なくとも環境レビューを行うことは最低限の責任だと私は思います。妥当な考慮を図るというのであれば、
大臣
、まずこれを米軍に求めることは当然だと思いますが、もう一度お答えください。
稲田朋美
124
○稲田国務
大臣
米
政府
の環境レビューは、大統領令等に基づいて米
政府
が主体的に
実施
するものであります。 いずれにいたしましても、防衛省といたしましては、今後、F35Bの実際の運用に関して、可能な限り把握に努め、米側に必要な申し入れを行っていきたいと思っております。
大平喜信
125
○
大平
分科員
まさに米軍への追従ここにきわまれりと言わなければならないというふうに私は思います。決して住民は理解することはないということもはっきり申し上げておきたいというふうに思います。 防衛省のごまかし的なやり方はこれだけではありません。 騒音の問題で、防衛省は、現在の騒音予測とF35B配備後の騒音予測コンターは示しているものの、今後予定されている厚木からの空母艦載機移駐後の騒音予測は示しておりません。艦載機移駐後に騒音がどうなるのかということは、周辺住民はもちろん、私の地元の広島県側などにとってみても、大変重大な関心事です。 稲田
大臣
、F35B配備も、そして厚木からの空母艦載機の機種更新も含めた騒音予測コンターを速やかに示すべきだと考えますが、いかがでしょうか。
深山延暁
126
○深山
政府参考人
やや技術的な点もございますので、私からまずお答えを差し上げます。 御
指摘
のとおり、岩国飛行場へのF35Bの配備につきましては、本年八月、米側から配備計画が示されましたので、同飛行場周辺において予測される航空機騒音による影響の変化を考慮した上で、航空機騒音予測コンターを作成し、御地元の皆様に御
説明
いたしました。 他方、空母艦載機の移駐については、より具体的な移駐計画の内容について米側へ
確認
しているところでございます。その結果を踏まえ、その後、速やかにF35Bを含む空母艦載機移駐後の航空機騒音予測コンターを作成し、御地元に
説明
いたしたいと考えておるところでございます。
大平喜信
127
○
大平
分科員
やはりここでも、騒音に苦しむ周辺住民の
被害
に真剣に向き合おうとしない、そういう態度だというふうに言わなければならないと私は思います。 次に、F35Bの性能、訓練場所、運用の問題に
質問
を移りたいというふうに思います。 F35戦闘機は核兵器が搭載可能な戦闘機だと私は聞いておりますが、間違いありませんか。稲田
大臣
、お答えください。
稲田朋美
128
○稲田国務
大臣
米国防省が二〇一〇年四月に発表した「核態勢の見直し」によれば、米国は戦術戦闘爆撃機及び重爆撃機に核兵器を搭載し前方展開する能力を保持するとされており、これは、将来的にはF35を含むとされていると承知をいたしております。 なお、現時点において、米軍が保有するF35戦闘機がそのような能力を有するには至っていないと認識をいたしております。
大平喜信
129
○
大平
分科員
将来的には含む、そういう性能を持ったF35Bがこの岩国に配備される、被爆地広島をまさに範囲とする、そういうところに配備されるという重大な
事項
だと言わなければならないというふうに私は思うんですね。 そうしたF35戦闘機、それでは、岩国基地に配備されると、どこで、どのような訓練を行うんでしょうか。
深山延暁
130
○深山
政府参考人
お答え申し上げます。 米側からは、F35BはFA18ホーネットまたAV8Bハリアーからの機種更新であり、これらの機種とほぼ同様の方法と場所における訓練が見込まれる旨の
説明
を受けておりますが、具体的な飛行運用について
説明
を受けているわけではございません。 防衛省としては、引き続き、米側に対して情報提供を求め、得られた情報については御地元に対し丁寧に
説明
するとともに、米軍機の飛行に際しては、騒音面や安全面に最大限配慮しつつ、
地域
住民に与える影響を最小限にとどめるよう働きかけを行ってまいりたいと考えておるところでございます。
大平喜信
131
○
大平
分科員
現行
の戦闘機とほぼ同様の方法、場所において訓練が見込まれるという御答弁でした。 ということは、中国山地にある自衛隊の訓練空域、いわゆるエリア567を初め、訓練空域でもない中国地方の山間地、いわゆるブラウンルート、また四国のオレンジルート、こういうところで低空飛行訓練などをF35Bも行うということになります。 米国防総省のF35Bの騒音データを見ますと、ミリタリーパワー時の騒音は、F35Bの方がFA18ホーネットやAV8Bハリアーよりも二デシベルから五デシベル大きいとなっております。つまり、訓練直下の住民の
被害
や苦しみはさらに増すことになる。 稲田
大臣
にお伺いしたいと思います。 F35B岩国配備に伴って、こうした訓練における住民への影響を調査検討されたことがあるでしょうか。
稲田朋美
132
○稲田国務
大臣
米軍が訓練を通じてパイロットの技能の維持及び向上を図ることは、即応態勢を維持する上で不可欠な要素であって、日米安保条約の
目的
達成のために重要だと思います。他方、米軍が
我が国
において飛行訓練を行う場合には、
我が国
の公共の安全に妥当な考慮を払って活動すべきであることも言うまでもありません。 なお、防衛省としては、F35Bの訓練の場所や方法について、米軍の運用にかかわることであるため承知はいたしておりませんが、今後、同機が配備された後の運用
状況
を踏まえ、住民から苦情等があった場合には、米軍への問い合わせや申し入れを行い、必要に応じ騒音調査を行うなど、適切に
対応
してまいりたいと考えております。 いずれにせよ、米軍の運用にかかわる
事項
ではありますが、防衛省としては、引き続き米軍に対し、米軍機の飛行に際しては、日米合同
委員会
合意を遵守するとともに、騒音面や安全面に最大限配慮しつつ、
地域
住民に与える影響を最小限にとどめるよう働きかけてまいります。
大平喜信
133
○
大平
分科員
F35Bが岩国に配備された後に騒音が
増加
しました、これじゃ困るんですよ、
大臣
。 低空飛行訓練というのは日本の航空法では禁止をされているにもかかわらず、アメリカ軍機はこの航空法の適用から除外されています。世界を見ても、米軍機の自由勝手を許しているのは日本など一握り。私は、直ちに低空飛行訓練を中止させるべきだと強く求めておきたいというふうに思います。 こうした訓練を行う米軍戦闘機ですが、これまでの戦闘機とF35Bとの大きな違いは、レーダーによって捉えづらいというステルス戦闘機だということです。レーダーで捉えられないのであれば、どこを飛んでいるかわからないとなるわけです。空の安全を守るためF35Bの位置情報を把握する手段というのは、レーダーのほかにあるでしょうか。
岡真臣
134
○岡
政府参考人
お答え申し上げます。 F35B、これをレーダーのほかに位置情報を把握する手段があるのかという御
質問
でございますけれども、通常、航空機は機体識別のための装置を搭載しておりますので、これによりまして位置情報を把握することができるものと承知しているところでございます。
大平喜信
135
○
大平
分科員
稲田
大臣
にお伺いいたします。 米軍のステルス機は、日米共同訓練時も含めて、敵味方識別装置、トランスポンダーなど位置情報把握装置をオフにして飛行訓練することはないとはっきり言えますか。また、自衛隊は、F35Aを来年導入しますが、位置情報把握装置をオフにした飛行や訓練を命ずることはないというふうにはっきり言えるでしょうか。お答えください。
深山延暁
136
○深山
政府参考人
やや技術的な点がございますので、私からまず御答弁申し上げます。 米海兵隊のF35Bについて、自機の飛行に関する各種情報を発信する装置、今、岡次長からも答弁のありましたトランスポンダーでございますが、これをオフにすることはあるかどうかにつきましては、現在、米側に
確認
を行っているところでございます。 また、自衛隊について申しますと、自衛隊に配備するF35Aにつきましては、トランスポンダーをオフにして位置情報を発信しない
状況
での訓練を行う予定はないと承知しております。
大平喜信
137
○
大平
分科員
どこを飛んでいるかわからない、そんな訓練をやられたんじゃ困るということで私は
質問
しています。オフにすることはないということが
確認
もされていない、こんな基本的なことが
確認
もされていないのに配備すると言っている。もちろん訓練空域以外は論外ですが、訓練空域であっても、識別装置をオフにして、どこを飛んでいるのかわからないという訓練を許せば、訓練空域に民間航空路が近接、密集しているこの日本で空の安全を守ることはできないではありませんか。
大臣
にもう一度お答えいただきたい。 オフにした訓練など絶対に許されないと、アメリカ、米軍に求めるべきではないでしょうか。はっきり答弁をお答えください。
稲田朋美
138
○稲田国務
大臣
現在、米海兵隊のF35Bについて、自機の飛行に関する各種情報を発信する装置をオフにするかどうか、
確認
中でございます。
大平喜信
139
○
大平
分科員
はっきりした答弁がいただけませんでした。やはりここでも、国民の安心、安全よりも米軍を優先するという許しがたい態度であると言わなければならないと私は思います。 F35Bの岩国配備は、軍事力の増強であり、岩国基地の機能の強化にほかなりません。日本が攻められていないにもかかわらずアメリカの戦争に協力する憲法違反の安保法制のもとでは、周辺諸国にとって軍事的脅威になるわけです。軍事力の増強に対して軍事力の増強で対峙すれば、とどまることのない軍拡競争、負のスパイラルに陥ることは明らかだと言わなければならない。 きょうの
質疑
でも私が
指摘
をしてきたように、米軍による突然の通告、安全性の問題、環境レビューも行われない、核兵器も搭載できる戦闘機、低空飛行訓練でこれまで以上の
被害
をまき散らす、空の安全も守れないなど、まさに問題だらけ、問題山積のF35B岩国配備は絶対に認められない。岩国の皆さん、全国の皆さんと力を合わせて私は断固阻止をする、この決意を申し上げて、きょうの
質問
を終わりたいと思います。 ありがとうございました。
石関貴史
140
○
石関主査
これにて
大平
喜信
君の
質疑
は終了いたしました。 以上をもちまして
防衛省所管
についての
質疑
は終了いたしました。 午後五時から本
分科会
を再開することとし、この際、休憩いたします。 午後三時四十一分休憩 ――――◇――――― 午後五時一分
開議
山際大志郎
141
○
山際
主査
代理 休憩前に引き続き
会議
を開きます。
文部科学省所管
について
審査
を行います。
質疑
の申し出がありますので、順次これを許します。
吉田
豊史
君。
吉田豊史
142
○
吉田
(豊)
分科員
日本維新の会の
吉田
豊史
です。 本日は、主に、
文部科学省所管
の独立行政法人の
事業
と科学研究費補助金についてお伺いいたします。 少子高齢化と人口減少が続く
我が国
が国際的な競争の中で今後も先進国としての国民
生活
を維持していけるようにするためには、科学技術に対して適切な支援を行うことは極めて重要だと考えております。 科学技術の発展のためには、短期的な効果が見込めない場合であっても中長期的な投資を行うべき場合も多いことは当然です。一方で、厳しい財政
状況
の中で効果的な支援を行うためには、研究や
事業
の価値については
専門家
の判断に委ねつつ、予算の使い方についてどのような
事業
でも共通するような適正な方法によるべきこともまた当然です。 以上のような視点から
質問
させていただきます。 まず、深海地球ドリリング計画推進に関する
事業
についてお伺いいたします。 この
事業
は、独立行政法人海洋研究開発機構によるものです。この機構は、みずから保有する、地球深部探査、ドリリングというものを行う船である「ちきゅう」を活用して、運営費交付金を主な財源として、
我が国
近海における科学掘削を
実施
しております。加えて、掘削技術等の向上や自己収入確保の
観点
から、資源開発会社等より掘削を受託して
実施
しているということです。 ここで
質問
いたします。 まず、運営費交付金という制度について
確認
させていただきます。 独立行政法人の運営費交付金は、国の事前の関与を受けることなく中期目標の範囲で予定の使途以外の使途に充てることもでき、
年度
内に執行残額が生じた場合であっても中期目標期間内であれば翌
年度
に繰り越すことができる、そういう仕組みという理解でよろしいでしょうか。
松野博一
143
○松野国務
大臣
委員が今挙げていただいたとおりでございますけれども、独立行政法人運営費交付金は、独立行政法人制度の趣旨を踏まえ、使途の内訳は特定せず、国の事前の関与を受けることなく中期目標の範囲内で予定の使途以外にも柔軟に使用することを可能とした制度です。毎
年度
の運営費交付金の未使用額は、
原則
として、
不用額
を国庫納付する以外は、翌
年度
に
繰り越し
て使用が可能となっております。
吉田豊史
144
○
吉田
(豊)
分科員
改めて
確認
させていただきましたが、運営費交付金というものはそういうようなお金であると。そして、この使い道については独立行政法人の裁量の余地が非常に大きく、だからこそこの使途や執行の適正さについて厳しく問われる性格のものであろうと理解させていただきます。 そこで、独立行政法人海洋研究開発機構は、この探査船「ちきゅう」の運用に当たり、日本マントル・クエスト株式会社との間で運用
委託契約
を締結したということをお聞きしておりますけれども、これは
随意契約
になっているということです。 そこで、この機構が日本海洋掘削株式会社という会社との間で資源掘削の受注活動のためのマーケティング
契約
を締結していますけれども、このマーケティング
契約
というものについての内容を改めてここでお聞きしたいと思います。
確認
させてください。
田中正朗
145
○田中
政府参考人
お答え申し上げます。 海洋研究開発機構が日本海洋掘削株式会社と
契約
をしておりますマーケティング
契約
でございますけれども、これは、アジア太平洋、アフリカ、中東、地中海、メキシコ湾及び南米におきまして石油、天然ガスの掘削、探鉱及び開発を
実施
する日本の石油会社を含む全ての石油会社に対して、「ちきゅう」を独占的にマーケティングする権利を有するものでございます。
吉田豊史
146
○
吉田
(豊)
分科員
それで、この機構による深海地球ドリリング計画推進
事業
について、
平成
二十五
年度
に九十七億二千二百万円、
平成
二十六
年度
には百三億一千二百万円という大きな予算がつけられているわけです。この二つの
年度
の予算について
財務省
が
平成
二十六
年度
に予算執行調査を行っていますけれども、この結果における今後の
改善
点、検討の方向について述べているわけです。 以下、この調査結果と、
指摘
された
改善
点や検討の方向性、そして
文部科学省
の
対応
状況
についてお伺いしていきます。 まず、先ほど述べました日本マントル・クエスト株式会社との間の運用
委託契約
が
随意契約
であるべき理由、ここを
確認
したいと思います。 機構は、第一に、日本人掘削技術者養成が必要との
指摘
があるということ、それから第二に、「ちきゅう」の運用委託会社の要件を全て満たす企業が日本マントル・クエスト以外にないと判断したこと、そして第三には、これまで委託して経験が蓄積された同社以外では運用に支障を来す可能性があることをこの理由としているということなんですが、これらの理由に対しては
財務省
が
指摘
をしているわけです。これについてお聞きします。 第一の、日本人技術者養成の必要性についてですけれども、「ちきゅう」と同様の型の掘削船は日本の海運会社等が出資する会社により運航されているということですので、必ずしも「ちきゅう」のみが日本人技術者養成の場ではないというふうに
指摘
されているわけです。この
指摘
に対する
文部科学省
の認識を
確認
させていただきたいと思います。
田中正朗
147
○田中
政府参考人
お答え申し上げます。 「ちきゅう」の運用につきましては、
平成
二十年に、建造、運用のための技術につきまして
我が国
に蓄積するため、運用受託業務を希望する業者について広く公募を行いまして、その結果として、日本海洋掘削株式会社及び日本郵船株式会社の二社で新会社を設立し、その新会社が委託業務を遂行するとした応募が一件のみございました。この応募の結果、新会社として日本マントル・クエスト株式会社が設立されまして現在運用を行っており、このことからも、掘削船の運用を学ぶ場を提供できる者は少ないものだというふうに認識してございます。
財務省
の御
指摘
にございました同様の型の掘削船と申しますのは、日本郵船株式会社を初めとした日本法人を含む複数の国の法人が共同出資したものでございます。これはあくまで米国法人でございまして、そこが保有、運航する掘削船のことを指すものと考えております。この掘削船につきましては、今申し上げましたように、米国法人が保有、運航しているということがございます。 また、あわせて、この掘削船の運航に当たっては、日本郵船が主な出資者となっているということもございまして、「ちきゅう」を通して得られたノウハウあるいは育成された人材が活用されているというふうに承知しているところでございます。 このように、「ちきゅう」が日本人技術者の養成の場として重要であるというふうに認識しているところでございます。
吉田豊史
148
○
吉田
(豊)
分科員
随意契約
とした理由の二つ目に挙げられた点についてです。運用委託の要件の決め方が妥当か否か。 機構による運用委託範囲の指定が多岐にわたっており、最初からこの会社以外に要件を満たしようがないような決め方がされている可能性があるという
指摘
があります。 そして、今後の検討の方向として、日本マントル・クエスト株式会社以外の者の参入余地を拡大するためには現在の運用委託業務の範囲の見直しを図るべきだ、こう言っています。また、運用委託会社の要件についても見直しを図って、その際には運用委託に係る経費の効率化に資するよう留意すべきだ、このように
指摘
しているわけですね。 これらの点について、
文部科学省
としての御認識、そして現在の
状況
についてお聞きします。
田中正朗
149
○田中
政府参考人
お答え申し上げます。 運用委託業務の範囲につきましては、船舶の運航業務及び掘削の作業として一体的に安全かつ効率的に行う必要があると認識しております。これを例えば一部の業務を機構の直接
契約
というふうにいたしますと、例えば掘削作業の指示が分断されて、全体を一連の作業として円滑に進めることが困難になるということが想定されております。このため、現在は、基本的に現状の業務範囲が適切と考えているところでございます。 ただ、いずれにしましても、今後、外部有識者の
意見
も聞きつつ、次期の
契約
に向けて、これは
平成
三十一
年度
になりますけれども、さらに検討していきたいと思ってございます。 なお、経費の効率化につきましては、これは現在も行っておるところでございます。現在の運用委託業務の範囲や仕様を変えることなく、例えば、
平成
二十六年から二十七
年度
では約五%、
平成
二十七年から
平成
二十八
年度
では約七%、固定費を削減させていただいております。
吉田豊史
150
○
吉田
(豊)
分科員
そうすると、今の答弁では、運用委託業務の範囲ですとか、それから運用委託会社の要件については見直しをもうしっかりと検討している、そういうような理解でよろしいですか。
田中正朗
151
○田中
政府参考人
運用
委託契約
に係る業務につきましては、現在、海洋研究開発機構の方で検討させていただいているところでございます。
吉田豊史
152
○
吉田
(豊)
分科員
そうすると、検討させているという中にあって、当然、
文部科学省
としても報告を受けたり何らかの指導、やりとりをしていく、そういう考え方でよろしいですね。
田中正朗
153
○田中
政府参考人
先ほど申し上げましたように、次の
契約
を締結するに当たりましては、海洋研究開発機構が現在、中で検討しているところでございますけれども、その際、新たに外部有識者による検討組織を設置し、業務内容あるいは調達方法、
契約
の妥当性についても
審査
を行う
取り組み
を検討しておるというふうに聞いておりますが、これらにつきまして、
文部科学省
としても、予算執行調査フォローアップの機会等に適切に海洋機構から報告を受け、指導を行っているところでございます。
吉田豊史
154
○
吉田
(豊)
分科員
続いて、
随意契約
とされた三番目の理由、これまでの経験の蓄積が豊富であるということについてですけれども、これについて、
財務省
の執行調査では、蓄積された経験は
契約
を引き継ぐ会社に適切に承継させることもできるはずだ、こういうふうに言うわけです。 一般的に言って、多額の税金を使った
事業
で、ある会社に蓄積された技術や経験は、競合他社も含めた他の会社等にある程度公開して、社会一般に還元すべきではないかというふうに考えます。この
事業
についてもそのように考えるべきではないかと思うわけです。
文部科学省
のこのことについての御認識、一般論、そして具体的に個別のこのケースについて、両方についてのお考えをお聞きしたいと思います。
田中正朗
155
○田中
政府参考人
まず、一般論についてお答え申し上げます。 国及び独立行政法人等の公的機関の委託
事業
の成果につきましては、基本的に公開をし、幅広く活用できるようにすることが必要と考えております。ただし、その委託
事業
を
実施
するに当たりまして
事業
受託者が得たノウハウなどの知見あるいは養成された人材については、当該
事業
者のものと考えております。 「ちきゅう」の運航に関して申し上げれば、日本マントル・クエスト株式会社は「ちきゅう」の運航業務を海洋研究開発機構に提供するという業務を行っているものでございまして、その業務を提供することにより得られる便益につきましては、海洋研究開発機構は、「ちきゅう」の幅広い研究者への利用や研究成果というような形で広く社会に還元する必要があると考えております。 一方、日本マントル・クエスト株式会社が当該受託
事業
を
実施
する中で得られたノウハウなどの知見あるいはそこで育てられた人材といったものは、基本的に日本マントル・クエスト株式会社のものでございますので、それを競合会社を含めて公開するというのは直ちには困難ではないかと考えております。
吉田豊史
156
○
吉田
(豊)
分科員
お聞きしていますと、非常にここはバランスが重要だということは私としても理解できるわけです。けれども、やはり、特に
随意契約
をしていくという形をとるわけですから、改めて、今ほどおっしゃったような、一般に公開していける部分と、それからきちっと国家としての財産にしていく部分と、ここはバランスをとっていただく、その考えのもとに進めなくちゃいけない、こう思うわけです。
契約
審査
委員会
等において
随意契約
の内容がより十分に
審査
される必要性を感じますが、機構の関連内規等、それを受ける側の主体としての改正、さまざまな
改善
はなされているかということを
確認
したいわけです。
財務省
の執行調査によれば、
平成
二十六
年度
内に改正予定というふうになっておりますけれども、現状についてまずお聞きしたいと思います。
田中正朗
157
○田中
政府参考人
申し上げます。 海洋研究開発機構の
契約
審査
委員会
につきましては、
随意契約
の内容がより十分に
審査
できるように、
契約
期間の妥当性についても
審査
委員会
の
審議
事項
とするよう、
平成
二十七年一月に
契約
審査
委員会
運営細則を改正したところでございます。 また、改正に当たりましては、事前に文科省とも調整をした上で、改正後、速やかに我々の方に報告をいただいているところでございます。
吉田豊史
158
○
吉田
(豊)
分科員
やりとりをしっかりなさっているということですけれども、具体的にはどのような改正を行っていくのかということをまた改めてお聞きしたいと思います。
田中正朗
159
○田中
政府参考人
既に改正が行われたものにつきましては、
契約
期間の妥当性についてもきちっと
審査
するようにということでございます。
吉田豊史
160
○
吉田
(豊)
分科員
それでは次に、受託会社の免責条項についてということでお聞きしたいわけです。 運用
委託契約
においては、受託者であるマントル・クエスト社が
契約
違反または重過失での責任を負う場合、当該
年度
の同社が受けるマネジメントフィーを上限として責任を負うというふうな形になっているということなんですが、なぜこのような形の
契約
なのかということを
確認
したいわけです。通常の過失の場合は免責され、責任額もなぜ同社の受け取るフィーが上限なのかということ、これをまず
確認
したいと思います。
田中正朗
161
○田中
政府参考人
お答え申し上げます。 海洋の掘削
事業
におきましては、一度事故が発生いたしますと責任額が巨額になる可能性が高いということがございまして、重過失や
契約
違反の場合を除いて受託者が免責になることや、受託者の免責条項については限度額を設定し、それ以上は保険でカバーをするというのが一般的になっているところでございます。 このため、「ちきゅう」の運用委託に当たりましても、受託者の責任限度額を設定し、その額については、別途付保しております保険の免責範囲も勘案し設定してきたところでございます。 今回の予算執行調査の御
指摘
も踏まえて、海洋研究開発機構におきましては、保険の免責額と受託者の責任限度額のバランスに注意しながら、例えば保険の免責額を上げ、受託者の責任限度額も上げた方が全体としてコストが最適となるかどうかなど、引き続き検討を進めさせていただきたいと考えております。
吉田豊史
162
○
吉田
(豊)
分科員
おっしゃるとおりで、
随意契約
になっているという部分、それをきちっとやはりこういう形においても、バランスがそれで合っているのかどうか、これを常に
確認
しつつ進んでいくということは、
契約
自身が随意であるということの納得要素になるというふうに思いますので、今ほどおっしゃったように、保険の免責の部分ですとか、このあたりもきちっと常に精査していくという姿勢で進んでいただきたいと思うわけでございます。 次に、日本海洋掘削株式会社とのマーケティング
契約
についてお聞きしたいと思います。 この
契約
について、予算執行調査では、経済社会
状況
や資源掘削市場の変化を見据えた
契約
内容の妥当性の検証を適切に行わないまま
契約
の更新が続けられているというふうに
指摘
しているわけです。同社と機構との報酬配分のあり方も含めてここは
指摘
されているということなんですけれども、こういう
指摘
に対して
文部科学省
はどのように認識しているか、まずここをお聞きします。
田中正朗
163
○田中
政府参考人
お答え申し上げます。 日本海洋掘削株式会社とのマーケティング
契約
でございますが、これは
平成
二十一年一月に締結をされまして、その後、
平成
二十二
年度
から石油天然ガス・金属鉱物資源機構からの業務受託を受注するなど、成果を上げてきているということもございましたので、特段の見直しは行わずに
契約
を更新してまいりました。 今回の予算執行調査の
指摘
を踏まえまして、まず、個別の受託
事業
に係る報酬配分等の定めにつきまして日本海洋研究開発機構と日本海洋掘削株式会社との間で交渉を行いまして、
状況
に応じて支出負担の調整をすることで実質的な配分比率を見直すことができるということを合意しまして、ことし終了いたしましたインド資源掘削におきましては、日本海洋掘削株式会社への実質的な配分比率を引き下げたところでございます。 さらに、日本海洋掘削株式会社に対するマーケティング
契約
の全体の見直しに係る協議の打診を引き続き行っておりまして、今後、配分比率の見直し等についても協議を進めていきたいと考えているところでございます。
吉田豊史
164
○
吉田
(豊)
分科員
ぜひそのようにして、継続的にそれを
確認
していくという作業は進めていただきたいと思います。 そもそもなんですけれども、このマーケティング
契約
というところで、過去にどの程度の効果が上がったというふうに
文部科学省
としては認識しているのか、これを改めて
確認
させてください。
田中正朗
165
○田中
政府参考人
お答え申し上げます。 日本海洋掘削株式会社にマーケティング業務を委託することによりまして、既に、石油天然ガス・金属鉱物資源機構やインド
政府
などから
平成
二十二
年度
から二十七
年度
にかけまして九つの資源掘削のプロジェクトを受注いたしましてこれを実現し、「ちきゅう」の能力の活用と海洋研究開発機構における知見、技術の蓄積等に貢献しているということでございますので、十分に成果は上がっていると考えております。
吉田豊史
166
○
吉田
(豊)
分科員
特に、
テーマ
となっています海洋の地下資源を調べるというのは、日本の国が今置かれている国際
状況
そして国家間のさまざまな関係においても非常にベースとなる情報だと思うわけですね。 ですから、今こうやってその予算がつけられて、さまざまなことについて当然スパンを置いてやっているというのは正しい認識だと思いますけれども、こういうことの成果をきちっと出していくというためには、やはり、すぐに結果が出るものでない以上、常にそれについて意味があるということの
確認
を一回一回していく、この姿勢が、改めてその理解を得て、そして、もしかしたらもっと予算が必要じゃないかという話にもなっていくわけで、ぜひここについては、私がこうやって聞くというよりは、あるいは
指摘
されるというよりは、先にみずから、自分たちでこの形について意味があるということを訴えていく、そういうことも必要だと思うわけです。
大臣
、この考えについてはいかがでしょうか。
松野博一
167
○松野国務
大臣
委員からの御
指摘
をいただいて、今後とも、効率的かつ効果的な予算執行を確保する
観点
から、また「ちきゅう」の運用に係るさまざまな
リスク
に適切に
対応
する
観点
から取り組んでまいりたいと考えております。
吉田豊史
168
○
吉田
(豊)
分科員
よろしくお願いいたします。 それでは次に、科学研究費補助金についてお伺いいたします。
総務省
の行政評価局が
平成
二十五年十一月に
文部科学省
に対して、科学研究費補助金等の適正な使用の確保に関する行政評価・監視の勧告を出しているわけです。既に
改善
措置
状況
について二回目のフォローアップまで発表されている、こういう
状況
で、多岐にわたる報告、勧告がなされておりますけれども、きょうはここで、特に間接経費の使途の
透明性
の確保という点について
確認
させていただきます。 競争的資金を獲得した研究者の属する研究機関に配分される間接経費というものは、研究開発環境の
改善
や研究機関全体の機能向上に活用することとされている、具体的には管理部門、研究部門両方の施設等の整備費、運営経費、人件費、
会議
費、旅費等、文科省のホームページを見てもきちっとこういうふうに出てくるわけですね。配分を受ける機関は、間接経費の使用に関する方針等を作成し、それにのっとって計画的かつ適正に執行するとともに、使途の
透明性
を確保すること。繰り返します。使途の
透明性
を確保すること、研究者には間接経費の趣旨及びその使途を十分に周知することが必要とされております。間接経費の運用
状況
について、一定期間に評価を
実施
すべきだと。当然、この間接経費の位置づけはこういうふうにはっきりと書かれているわけですね。 けれども、
総務省
の調査結果においては、六十一大学の調査の結果、計画的、適正な執行の前提である使用方針が未作成の例が七大学あって、間接経費の使途を研究者に未周知の例も二十四大学あったということです。
文部科学省
で、大学における使用実態を未把握で、運用
状況
の評価も未
実施
という実態も
指摘
されております。 こういう
状況
に対して
文部科学省
が講じた
改善
措置
について
確認
させてください。
松野博一
169
○松野国務
大臣
御
指摘
の点につきまして、関係
府省
と連携をし、競争的資金に係る間接経費執行実績報告書の様式を
平成
二十六年五月に改正し、各機関における間接経費の使用方針の作成
状況
、執行管理方法、執行実績報告書の作成方法等について報告を求めたところであります。現在、
文部科学省
において各機関からの報告内容について分析を行っているところです。 今後、その結果を踏まえ、必要に応じて間接経費の執行に関する関係
府省
の申し合わせを改正し、間接経費の適正な管理や効果的な運用のために必要な
事項
について盛り込むとともに、関係機関に周知をしてまいりたいと考えております。
吉田豊史
170
○
吉田
(豊)
分科員
今ほどのように幾つかの
改善
をもう進めていらっしゃるということなんですが、共通指針の作成ですとか報告書様式の改正で具体的にどのような効果が上がったということが言えるのか、
文部科学省
の認識を
確認
したいと思います。
小松弥生
171
○小松
政府参考人
報告書の様式改正の効果につきましては一概には申し上げにくいと思いますけれども、使用方針の作成
状況
、執行管理方法、報告書の作成方法等について新たに
質問
項目を設けたことによりまして、各機関の意識づけとなり、
取り組み
を
促進
することとなるというふうに考えております。
吉田豊史
172
○
吉田
(豊)
分科員
報告様式の改正、それからさまざまな改革を行っていくわけですけれども、やはり、もとに戻りますと、この間接経費というもの自身が非常に、全体としての研究に資するものの中で、客観的にわかりにくい要素を持っているわけですね、どれをどこに区分していくかということについて。 だからこそ、先ほどの一つ目の問題のところでも
指摘
しましたけれども、研究費そのものというものはすぐに結果が出るものではないから結果についての
確認
ができないというこの大前提のもとで、毎年毎年使われていく予算については、より厳格な姿勢でさまざまな、みずからが予算をつけたものについてはみずからの手で
確認
をしていくという、このことをぜひ実行していきたいというふうに思うわけです。 これらの対策が具体的に間接経費の効率化の決め手になっているかというと、まあ、その辺についての御認識を改めてもう一度お聞きしてよろしいですか。
小松弥生
173
○小松
政府参考人
先ほど
大臣
の御答弁がございましたように、現在、各機関から提出のあった報告書について分析を行っておりまして、その結果を適切に関係
府省
の申し合わせに反映していきたいと考えております。 それから、このような
取り組み
を行うことによりまして、間接経費の趣旨でございます研究者の研究開発環境の
改善
、それから研究機関全体の機能の向上、こういったことにきちんと反映されて、そのことにより間接経費の効率化が図られるよう最大限努力をしてまいりたいと考えております。
吉田豊史
174
○
吉田
(豊)
分科員
改めて、今回は間接経費というところに焦点を当てましたけれども、繰り返すようですけれども、やはり、研究費というものの位置づけということの重要性、それを理解していただくための平生の使い方について、厳格な利用の仕方、そこはぜひバランスをとっていただいて、今後また進めていただきたい、このようにお願いする次第です。 ちょっと時間が切れますけれども、終わらせていただきます。ありがとうございます。
山際大志郎
175
○
山際
主査
代理 これにて
吉田
豊史
君の
質疑
は終了いたしました。 次に、長妻昭君。
長妻昭
176
○長妻
分科員
松野
大臣
には初めて
質問
をさせていただきますけれども、よろしくお願いをいたします。 私が今強い懸念を持っておりますのが、強い危機感と言っていいかもしれませんけれども、子供たちの道徳心や愛国心を評価する、つまり成績をつけるというようなことが、小学生では、私立も含めて全国の小学生に一年半後の四月から始まる、中学生は、私立も公立も全ての中学生に対して二年半後の四月から始まるというようなことであります。 私も、当たり前ですけれども、道徳心とか愛国心というのは最も重要な価値の一つだというふうに思う人間でございますけれども、果たして、小中学生一人一人に道徳心とか愛国心について評価する、つまり成績をつけるということがいろいろな意味で私は大きな弊害をもたらしてしまうのではないのかというふうに強く思うわけであります。 これはそもそも、道徳というものが、特別の教科、ある意味正式な教科として、戦後七十年、初めて位置づけられるということに同期をして始まることなんですけれども、これは、
大臣
にぜひ、
大臣
の見識に基づいて御答弁いただければと思うんですが、
大臣
は、評価をするということについて、幾ら何でもこれは大丈夫なのかという御懸念というのはお持ちではないのでございますか。
松野博一
177
○松野国務
大臣
道徳の必要性については、委員もその方向においては認めるという御発言をいただきました。 問題は評価についてだということでありますが、今、この評価に関して、道徳に関しては数値化した評価は行いません。そして、道徳の中に置かれている各項目ごとの個別評価もいたしません。生徒児童が、年間、一定期間の中において、例えば、他者に対する思いやり、また、他者の
意見
の受け入れ等々も含め、どうやって成長してきたかということに関して、その子の個別的な問題に関して記述式によって評価をするということでございまして、評価することによって、指導する側の教師の立場も含めて、その子の成長に期するということで、今回、道徳において記述式の評価を導入するということだと承知をしております。
長妻昭
178
○長妻
分科員
今のは、淡々とそういう評価のやり方をお答えになったんですけれども、評価をされる、その中には愛国心も入るということなんですが、ただ、
政府
からいただいた資料を見ると、「個別の内容項目の評価はしないので、「愛国心」を評価することなどあり得ません。」と断言をされておられるんです。ただ、
大臣
がおっしゃったように、個別の評価はしないんだけれども、大くくりなまとまりを踏まえた評価はすると。 これは、道徳科で扱う項目が二十二項目あるんですけれども、その中の一つが愛国心でありますから。その中にはいろいろな項目が入っているわけでありまして、例えば、善悪についてどういうふうに考えるのか、あるいは、よりよい学校
生活
とか、相互理解とか友情とか、親切、思いやり、感謝、正直、誠実、節度、節制とか、二十二項目あるんですけれども、そのうちの一つの項目が愛国心なのであります。ということは、個別に一々一つ一つ評価するということはしないわけですけれども、当然、愛国心の評価というのも、全体の大くくりなまとまりを踏まえた評価のうちのファクター、要素の一つであるということは間違いないわけでありますか。
松野博一
179
○松野国務
大臣
先ほど申し上げましたが、道徳の評価は、一人一人の内面、価値観といったものに優劣をつけるようなものではございません。道徳の評価に当たって、「国や郷土を愛する態度」など、個々の内容項目について行うものではないということは、先ほど申し上げたとおりであります。(長妻
分科員
「要素」と呼ぶ)要素。 年間を通して、児童生徒が多面的に多角的な見方や発展をしているか、道徳的価値の理解を自分自身との関係の中で深めているか、こういった子供たちの成長の様子を丁寧に見取ることが必要であると考えておりまして、その旨、都道府県教育
委員会
などに通知して指導の徹底を図っているところでございます。
長妻昭
180
○長妻
分科員
ちょっとお答えになっていないんですけれども、小学校の学習指導要領では、「国や郷土を愛する心」というものが道徳科の項目になっている。中学校の学習指導要領では、「日本人としての自覚をもって国を愛し、」ということで、これが評価の
対象
になるのではないかというのが私の大きな懸念なんですけれども。 文科省の資料でも、個々のものは内容項目ごとの評価はしないと。ですから、善悪の判断とか正直とか節度とか、希望と勇気とか真理の探求とか、個別にはしないんでしょう、愛国心もこの中にありますけれども。ただ、当然、その二十二項目の、愛国心も含めて、大くくりなまとまりを踏まえた評価の一要素が愛国心も入ると。つまり、自覚を持って国を愛すとか、国や郷土を愛する心も、一要素として、評価のファクターとして入るというのは間違いないわけでありますか。
松野博一
181
○松野国務
大臣
個々の項目に関する評価はしないということでありますが、例えば、今委員の方で例示をされました愛国心について、要素として評価するのかということになれば、例えばその愛国心が、その子がいいとか悪いとか、そういう評価をするわけではありません。(長妻
分科員
「成長したか」と呼ぶ)成長というのは、個別の事案ではなくて、その子の物の見方に対して、多面的な、多様な見方ができるようになったかどうかということに関して記述式で評価をするということでございまして、御懸念の、それぞれの要素に関して、あなたの愛国心に関して、このぐらいですね、このぐらいですというような評価をするようなことは一切いたしません。
長妻昭
182
○長妻
分科員
いやいや、ですから、それはわかったんです。 要素の一つとして、では何を評価するのか。当然、周りの生徒とは比べないというのはよくわかりました。その生徒が去年よりもことし、道徳科の授業を受けたことで、あるいは来年、成長するわけでありましょうけれども、そのときの、去年より、前よりもここが成長したよというような前向きな評価ということも聞いておりますけれども、その中に何にも基準がなかったら、何を評価するのか。その子供の、一年前のその子と一年後のその子をある意味では比較することだというふうにも思いますから、そのときのファクターの中に愛国心というものの評価も要素としては入ると、二十二項目の中の一つですから。それはお認めになっていただきたいんですよ。
松野博一
183
○松野国務
大臣
繰り返しになりますが、個々の今挙げていただいた愛国心等を含むものを要素として捉えるかということですが、その評価というよりも、その子がその子の考え方において、他人からのさまざまな
意見
をどう受け入れられるようになったか、そういったことをその子の成長内で評価していくということでございますから、今、個別の二十二項目の要素について、それぞれに対して、それがいい、これが悪いというような評価をするわけではないということでございます。
長妻昭
184
○長妻
分科員
いやいや、ですから、例えば、今おっしゃいましたよね、他人からの
意見
を受け入れるというようなものも今例示としておっしゃいましたけれども、それも二十二項目の中のうちの一つに入っているんですね、「相互理解、寛容」という項目があるわけでありますから。 ですから、何にも二十二項目全く頭に入れずに、何か授業中の態度が、態度もこれは入っているんですね、礼儀とかいろいろなものも。ですから、基本的に二十二項目を一個ずつ評価するのではないけれども、その中の、二十二項目のうち、ここは伸びたなと思うようなところについて、それは包括的に評価するわけですから、その次の
質問
もあるわけで、愛国心が要素に入るとまずいという思いがあるのかどうかわかりませんけれども、何でそういうふうに、普通に答弁していただけないんですか。次にスムーズに進もうと思っているんですけれども。
松野博一
185
○松野国務
大臣
特に個別の要素が、これが入るとまずいということではなくて、委員の方から例示的に挙がったものですからそれを言わせていただきましたが、要は、個々の子供たちの成長を促すように、肯定的にそれぞれの子供たちに関して記述式で評価をしていくということでありますから、その二十二項目が評価の構成をするものではないということでございます。
長妻昭
186
○長妻
分科員
では、ただ、先ほど例示で挙げられた
大臣
の話は、「相互理解、寛容」というところにかかわるお話をされたと思うんですね。自分の考えや
意見
を相手に伝えるとともに、相手のことを理解し、自分と異なる
意見
も大切にする。ですから、二十二項目を全く頭の中に入れずに評価なんかするわけないじゃないですか、成長の評価でも。 何でこれが先に進まないのかというふうに思うわけですが、では、一個ずつ聞いていくと、例えば、「善悪の判断」というのもあるわけですね。善悪の判断、よいことと悪いことの区別をし、よいと思うことを進んで行うというのもあるんですが、これも当然、個別にこれを見ないですけれども、大ぐくりの評価の中の一つの要素として、例えば、この部分が伸びていれば、それに成長として触れることもあり得るわけですよね、それは。
松野博一
187
○松野国務
大臣
今例示をいただいた善悪等々、何が善か何が悪かということに関しては、これはもちろん法的な問題はありますが、個人としての価値観において善悪というのはそれぞれにあるんだろうというふうに思います。ですから、一定の評価を持って、これを善と評価するから評価が上がるということではありません。 しかし、その善悪を考えるに当たって、先ほど申し上げたとおり、単に自分の主張だけ、自分の価値観だけということではなく、全体の
意見
もよく聞きながら総合的に考えていく、そういった力を伸ばしていく、それに関して記述式で評価をしていくということであって、先ほどお話を申し上げた他人の
意見
等々に関しては、それは、その項目として私がお話をしたわけではなく、全てを通して、個人の考え方の成長においてそういった側面があるという意味でお話をさせていただいたということでございます。
長妻昭
188
○長妻
分科員
これもちょっと
質問
を曲解されているんですが、私は善悪の価値を判断するとは言っておりませんで、これを忠実に読んだわけでありますけれども、「よいことと悪いこととの区別をし、よいと思うことを進んで行う」と文科省の学習指導要領に書いてあるわけでありますから、そうすると、この日本人としての自覚を持って国を愛すというようなことは、一切、全くそれは念頭に置かずに成長の評価をするということでよろしいんですね。
松野博一
189
○松野国務
大臣
ちょっと、その念頭に置かずにというのがどういう意味であるか、私の方でわかりかねるところがありますが、二十二要素が道徳を構成する中に入っているというのは、もちろんそのとおりであります。ただ、個々の要素に関して評価をしないということは申し上げたとおりであります。 例えば、お話にあった、国を愛する気持ち、態度を養成していくというようなことに関して、その子供本人の方向性、その問題に関する方向性を評価するということではないということであります。 それは、個々、全て二十二項目を道徳の中の要素として取り上げていくわけでありますけれども、その中において個人としての見方の多面的、多様性を認める、そういった成長を記述式で評価を行っていくということでございます。
長妻昭
190
○長妻
分科員
ですから、結局、評価の要素に入るわけですよ、二十二項目は。それを排除して、二十二の個別項目を全く捨象して大ぐくりな評価なんというのはできないわけですから、道徳科で扱うというふうに指導要領に書いてあるわけですから、これはちょっと誠実な御答弁をいただきたいんですね。 文科省が行ったパブコメでも、非常に懸念する
意見
がたくさんあります。例えば、子供の価値観や心情を、記述式であっても一定の基準等により評価すべきでないという
意見
。そして、評価を保護者に公表する形で行った場合、教師の求める発言をする子供がふえる、道徳は、本音で語れる場とすることが重要だという
意見
。 そして、今のは
平成
二十七年の二月、三月に行ったものなんですが、もう一つ、二十六年の八月、九月に文科省が行ったものについても、道徳性の評価は極めて難しく、成長過程における児童生徒の評価は記録に残る形でなされるべきではないと。これは指導要録に入るわけですから、ずっと残るわけですね、子供たちの道徳心、愛国心の評価が。 もう一つは、現在でも、子供のよさや頑張りを認め、励ましながら道徳教育を行ってきていることからも、新たに記述による評価を行う必要はないという
意見
。あるいは、記述式であるとしても、心の変容を評価することは可能なのか疑問。適切な評価は難しい。評価が導入されることによって、画一的な指導や評価になることに危機感を覚えると。これは相当懸念する
意見
が来ているわけでありまして、私はこの要素の中に愛国心が入っていると。 ですから、愛国心は、私は重ねて言いますけれども、重要だと思いますけれども、子供たちの愛国心、単体ではないけれども、それも含む総体を評価するというのは大丈夫かな、気持ち悪いなと私は強く思うわけで、ある意味ではそれがどんどんどんどん、資料なんかを読むと、国というのは総理
大臣
とか内閣とか松野
大臣
とかそういう統治機構を指すものじゃなくて、それは郷土とか国の伝統とか、全体の総体としての国だということは注意書きで書いてあるのも私も承知しておりますけれども、ただ、やはり評価となると、国の方針とか、あるいは特に外交、国が海外に
我が国
の立場を発信するときの外交方針、これらに対する批判を封じ込めるような圧力になるんじゃないのか。 やはり外交方針でもおかしいと思っている国民の皆さんはいっぱいおられるわけで、それはちゃんと批判するということは私は重要だと思うんですけれども、この評価ということになると、国の方針とか、特に海外に対して日本の立場を言うときの外交の方針とか、これについて批判が封じ込められるんじゃないかというふうに強い懸念を覚えるわけです。批判を忘れた国はいずれ大きな過ちを犯すというのは戦前の反省でもありますので。 ある人と話していましたら、ちょっとこんな笑い話をおっしゃっていた方もいるんです。こういう評価が入ってくると、例えば小学校、中学校の子供がいる家で、お父さんが酔っぱらって家に帰ってきて、総理
大臣
がテレビで答弁しているときに、これはとんでもない答弁だ、こういう批判をしたらお母さんが、あんた、うちの子の成績が悪くなるから
政府
の批判とかそういう悪口を余り子供の前で言わないでよというような、笑い話であってほしいんですけれども、私はそういう無言の同調圧力を呼ぶことになるんじゃないかと。 せっかく道徳科ということでいろいろ頑張っておられるのはわかっていますけれども、だからその評価のところを本当に一旦立ちどまって考えた方がいいんじゃないのかということなんですね。 そしてもう一つ、やはり多い
意見
は、私もいろいろな方と
意見
交換しましたけれども、評価すれば子供が本音を言わなくなるんじゃないのか、例えば先生に対して込み入った相談とかをしなくなっちゃうんじゃないのか。 ちょっと
大臣
にお伺いしますが、この道徳心の評価というのは、例えば子供の休み時間の言動とか、そういう授業中でないときの行動も先生が観察することができれば、ずっと追っかけるわけじゃないですけれども、たまたま観察することができればそれも入るという理解でいいんですか。
松野博一
191
○松野国務
大臣
今回、道徳科における評価においては、道徳の授業内においての評価であって、それ以外の面までその評価が及ぶということではございません。
長妻昭
192
○長妻
分科員
でも、そうですかね。先生に対する休み時間の言動とか、休み時間に
質問
するわけですからね、職員室とかで、授業中も
質問
しますけれども。ですから、そういうところで例えばいいところがあれば、褒めるという意味で書き込むということも私は十分あり得ると思うんですが。 そこで、もう一点の懸念というのを申し上げると、配付資料の一番最後のページでございますけれども、これは、文科省が、「心のノート」を変えて、「私たちの道徳」という名前で全国の小中学校に配っている副読本があるんですね。これは、いろいろな学者の先生と
意見
交換をいたしますと、この「私たちの道徳」という副読本が、今検定されておられますけれども、道徳科の教科書のモデルの一つになるんじゃないか、こう言われているものであります。 私、これを全部読んでみまして、小中学校全部、相当びっくりしたんですね。今、うちの子は相当大きくなっているので、余り小中学校のこういうものは読んでいないんですけれども。 というのは、いろいろなびっくりすることがあったんですが、一つは、家族のところで、どの副読本の「私たちの道徳」を見ても三世代同居の家族が出てくるんですね。おばあちゃんとおじいちゃんと両親と子供。いや、それは理想は理想なんですけれども、そういう御家庭が今どのぐらいあるのか。今、離婚が三組に一組になって、母子家庭あるいは父子家庭が相当急増しているわけであります。 その中で、例えば、お配りしたのは、小学校三、四年生「わたしたちの道徳」から抜粋した、「大切な家族 あなたにとって家族とは、どのような人たちですか。あずささんは、次のようにまとめてみました。」と右の方に例示があるんですね。あずささんという女の子はこういうふうに書いたから、左に同じスペースの空欄があって、そこにあなたの家族も似顔絵とともにちょっと書いてみなさいというものなんですね。 ところが、そのあずささんの例示は、あずさちゃんが真ん中にいて、おじいちゃんはどう書いてあるかというと「こまっているときは、いつもいっしょになやんでくれる。」おばあちゃん「元気がないとき、はげまして、おうえんしてくれる。」そしてお父さんも出てきて「わたしたちのために仕事をがんばってくれている。いろいろな遊びを教えてくれる。お父さんが作ってくれる料理はおいしいよ。」お母さん「わたしたちのために仕事をがんばっている。食事の用意やせんたくをしてくれる。しかられることもあるけど、何でも話せる。」お姉ちゃん「勉強や遊びを教えてくれる。けんかもするけど、いっしょに遊ぶととても楽しい。」という三世代の御家族があって、非常にバラ色な話なんですけれども。 私は、家族を愛せということを上から言っても、例えば、家族を愛せない子供たちは原因がどこにあるのかということも考えないといけないと思うんですね。 道徳について、小学校の学習指導要領を見ますと、二十二項目の一つに、道徳科で教えなきゃいけないもので「家族愛」という欄があって、「父母、祖父母を敬愛し、家族みんなで協力し合って楽しい家庭をつくること。」と。ただ、子供だけで楽しい家庭をつくりたいと思うけれども、なかなかこれはつくれないわけであります。 そういう意味では、私が申し上げたいのは、いろいろな、これは例示かもしれませんけれども、全ての「私たちの道徳」で三世代同居が出てくる。物語でも、熱が出たときにお母さんとかおばあちゃんが家で看病してくれたと。ですから、そういう子供たちの心情にきちっと配慮をしていただきたいということもありますし、楽しい家庭をつくることというのが道徳科の目標でありますから。 私は、例えば、自分の家庭内で両親が不和になっているとか、離婚の問題が発生して大変苦しいとか、そういう踏み込んだ相談を子供たちが先生にしようとしたとき、成績というか、評価されちゃうんじゃないのかということについて非常にちゅうちょが広まって、仮面少年少女を量産するような、むしろ逆効果になるんじゃないかというふうに強い懸念を私は持つわけでありますけれども、この三世代同居だけの例示というのはどうお考えですか。
松野博一
193
○松野国務
大臣
もちろん、長妻委員が今お話をされたように、家族の理想型はこうでなければならないというようなことはあり得ませんので、それぞれに家族のあり方というのはあるんだろうと思います。 そして、この解説の方に当たっても、指導に当たっては、多様な家族構成や家庭
状況
があることを踏まえ、一人一人の生徒の実態を把握し、十分な配慮を欠かさないようにすることが重要であるというふうにもしてありまして、私も当然こういった配慮というのはあってしかるべきだというふうに考えております。
長妻昭
194
○長妻
分科員
最後にお伺いするのが、道徳心、愛国心の成績、評価をするということが中学校受験、高校受験の内申書にどういうふうに影響するのかということなんです。 私自身は、内申書作成というのは自治事務なので、これは配付資料にもありますけれども、十六ページに文科省のをつけさせていただきましたが、内申書にはこれは記載しないというふうに書いてあって、これを「都道府県教育
委員会
等に周知・指導します。」こういう書き方にとどまっているわけで、それは周知、指導なんですね、お願いベースになるわけでありまして、ですから、私の懸念というのは、都道府県の教育
委員会
の強い意思があればこれは内申書に入ってしまうということだと思うんですが、いかがでございますか。
松野博一
195
○松野国務
大臣
入学試験は都道府県の教育
委員会
などの
実施
者が客観性、公平性を担保した上で行わなければならないことは、憲法、教育基本法、学校教育法の趣旨から当然であると考えております。 したがって、他者と比較できない個人内評価である道徳科の評価を入試の調査書に記載することはできないと考えます。
文部科学省
としては、通知などによりこのことの指導を徹底しているというところであります。
長妻昭
196
○長妻
分科員
ですから、さっき私が申し上げましたように、その通知というのは、ここにもありますけれども、周知、指導ということなので、これは、いろいろ
法律
の
専門家
、衆議院の法制局等と議論いたしますと、地方教育行政の組織及び運営に関する
法律
第四十八条で、必要な指導、援助、助言を行うことができるというような法的な根拠があるんだと思いますが、これに反した場合、できる法的
規定
がないんですよね。第二百四十五条の五、是正の要求というのもありますが、これも
法律
の
専門家
と議論しますと、ここは、法令に違反しているという場合、あるいは著しく適正を欠き、かつ、明らかに公益を害していると。ただ、どちらにも当てはまらないんじゃないかというふうに言っているわけです。 もし、学力テストについて、もう
大臣
はよく御存じだと思いますが、文科省の要領で学校名を公表しないということだったんですが、ところが、二つの府と県が教育
委員会
の同意なく公表しちゃった。つまり、自治事務ということもあるんでしょう、そういう発想もあるのかもしれませんけれども公表しちゃった、こういうこともあるわけで、文科省がだめだと言っても全部そうならないわけでありまして、ぜひこのことについてもよくよくお考えをいただきたい。 先ほど
大臣
は、客観性、公平性を担保する入試にはそぐわないとおっしゃったんですね、客観性、公平性を担保する入試にはそぐわないと。自己矛盾じゃないですかね、今の答弁は。 道徳科の評価というのが客観性、公平性を担保する入試に向かないというのは、つまり、評価そのものが客観性、公平性がないということをおっしゃっているのと同じなんじゃないかなというふうにも思います。入試は他人との比較だけじゃなくて面接だってあるわけで、それは子供の将来の可能性とかそういうものも面接で見るということも聞いておりますので、ですから、客観性、公平性、こういうものがないものについて評価をするということは、ぜひこれは撤回をしていただきたいということを強くお願い申し上げるところであります。 時間も参りましたので以上といたしますけれども、
大臣
におかれましては、よくよく精査をしていただいて、私はこの評価の問題が相当深刻な
事態
を招いてしまうんじゃないかというふうに強く思いますので、この一点について、ぜひお考えを直していただければありがたいと思います。 どうもありがとうございました。
山際大志郎
197
○
山際
主査
代理 これにて長妻昭君の
質疑
は終了いたしました。 以上をもちまして
文部科学省所管
についての
質疑
は終了いたしました。 これにて本
分科会
の
審査
は全て終了いたしました。 この際、一言御挨拶申し上げます。
分科員
各位の御協力を賜りまして、本
分科会
の議事を無事終了することができました。ここに厚く御礼申し上げます。 これにて散会いたします。 午後五時五十九分散会