○岸田国務
大臣 まず、我が国の核軍縮・不拡散に対する
考え方は、一貫して
一つの
考え方に基づいて取り組んでいるということを申し上げさせていただきます。
すなわち、我が国は、核兵器の非人道性に対する正確な認識とそして厳しい安全保障環境に対する冷静な認識、この二つの認識に基づいて、核兵器国と非核兵器国の協力のもと、現実的、実践的な
取り組みを進めていく、これこそが核兵器のない世界を実現するために有効な
取り組みであるという基本方針のもとに取り組んでおります。
そして、先般、国連総会第一
委員会におきまして、各国が提出した決議について採決が行われました。その中の
一つの決議についての我が国の対応について御質問いただいたわけでありますが、各国が出しました一連の決議の対応についても、今申し上げました基本的な方針を貫いているというのが我が国の対応であります。
そもそも、我が国自身も決議を提出しているわけでありまして、今申し上げました基本的な方針に基づいて我が国の決議を提出した、結果として、米国を含む百を超える多くの国から共同提案国になってもらい、そして、結果的に百六十七、多くの国々から賛成してもらう、最も多くの国から支持を得た、これが我が国の決議でありました。我が国の基本的な
考え方が、この核軍縮・不拡散の議論の中で、国際社会において最も多くの支持を集めているという結果となりました。
そしてその上で、御
指摘の決議について、要は核兵器禁止条約の交渉開始を含む決議について、我が国の対応について御質問いただいたわけでありますが、その決議に対しまして我が国は反対をいたしました。この反対の趣旨は、先ほど申し上げました二つの認識に基づく現実的、実践的な対応にそぐわないのではないか、さらには核兵器国と非核兵器国の協力を重視するという立場にも沿わないのではないか、こういった理由で反対を表明したわけであります。
こうした我が国の
考え方、評価は、他の国々の御
指摘の決議に対する賛否にもあらわれていると
考えています。すなわち、他の国々の賛否の結果は、御
指摘の決議に北朝鮮は賛成をしました、そして、五つの核兵器国は全て賛成しませんでした、そして、我が国と同じく非核兵器国として核軍縮・不拡散に取り組んできたドイツ、あるいはオーストラリア、あるいはオランダ、こういった国も全て賛成をしておりません。こうした各国の賛否の結果を見ましても、我が国の御
指摘の決議に対する判断、これは裏づけられているのではないか、このように感じています。
そして、御
指摘の決議は結果的に採択されました。来年から核兵器禁止条約の交渉が開始されるということが
確認をされたわけであります。この交渉においては、我が国は、引き続き、核兵器国と非核兵器国の協力を重視する立場から、堂々と議論に参加するべきであると思います。唯一の戦争被爆国として、核兵器国と非核兵器国の橋渡し役としてこの議論にも堂々と参加するべきだと私は思っています。具体的には手続がこれから
確認されて、政府として正式にその対応を判断するわけですが、現時点において私はそのように感じているところであります。
このように、我が国の決議においても、御
指摘の核禁条約の交渉開始に関する決議においても、そして今後の交渉においても、我が国は核兵器国と非核兵器国の協力を重視する立場を貫いております。今後も、この方針をしっかり貫きながら、唯一の戦争被爆国として、核軍縮そして不拡散の議論を堂々とリードしていきたいと
考えています。