○田島(一)
委員 私が
大臣だったら、多分気がかりでしようがないなというふうに思うんです。
気候変動、もちろんTPPのことも気がかりでありましょう、しかし私は、同じ
閣僚ですから、内閣の一員として、そのあたりは、せめて、一般国民にはオープンにできずとも、
環境大臣にはそれぐらいのことをお伝えされるだろうなと思っていたわけであります。わざわざいらっしゃったにもかかわらず、この
パリ協定、離脱されるのかどうかがわからぬまま進んでいくことは、やはり一抹の不安を感じずにはいられません。
そういう
意味で、今後
アメリカの動向はやはり注視をしていかなければならないと思っております。ただ、もう動き出したこの
パリ協定、
アメリカがどうこう言おうとも、もうブレーキをかけたり、途中でおりることはできないというのは、IPUの
会議に
出席していた
各国の議員も同様の発言でありましたし、私どももそのように感じているところであります。
こうした不安材料があるにせよ、こうして
世界が同じ
一つの
目標に向かって進もうとしているところでありますから、どうぞ、信頼する
トランプさんに対して、
安倍総理から、このような愚かな
決定をされることのないように進言していただけるよう、何らかの
機会にぜひ
大臣からおっしゃっていただけるよう、強く要望しておきたいと思います。
さて、
閣僚級会合二日目の十六日でしたか、
山本大臣もスピーチにお立ちになられました。締結におくれをとったとはいえ、脱炭素を目指す
パリ協定を高く
評価し、その早期発効は
日本が求めていたものと
世界が共通の
認識であるというようなことをお述べになられて、一定、今後、
パリ協定の
実施には政治的な
リーダーシップの
役割が重要になることも表明されたことに、私は大変胸をなでおろしたところでもあります。
政治的
リーダーシップの
役割が今後
パリ協定の
実施に重要な
役割を果たすことになる、
大臣がおっしゃったとおりだと私も思います。もはや政治が決断するかしないか試されている、今そのようなタイミングではないかというふうに思うわけであります。
パリ協定実施のために
日本にまず求められているもの、それは、二〇三〇年二六%
削減という
目標をどこまで引き上げられるか、その
達成のために、
政策措置の強化、
途上国支援を十分にやっていけるためのあり方の
見直しなどなどではないかというふうに
考えるわけであります。
しかしながら、残念にも、この今回の
大臣のステートメント、スピーチでは、現行の
対策、
計画の披露には言及されましたけれども、二〇五〇年八〇%
削減という
長期目標に照らした
目標の引き上げであるとか、カーボンプライシングなどの
政策強化に向けた意欲的な発言というのはなかなか見つからなかったのが、私の正直な感想で、ちょっとがっかりしたのが本音でございます。
各国のステートメントを拝見させていただきますと、ドイツは、二〇五〇年に八〇から九五%の
温室効果ガス削減に向けた長期
戦略を高らかにうたい上げたところでもありました。スウェーデンは、二〇四〇年にカーボンニュートラル実現を発表いたしました。そして、批准したばかりのオーストラリアにあっては、
パリ協定を高く支持する、
中国も、マルチラテラリズムの成功と、今までにない非常に前向きな、挑戦的な発言が見え隠れしたところでもあります。
アメリカに至っては、長期
戦略をあの場で発表されました。G7伊勢志摩での約束、二〇二〇年よりずっと早くという約束どおり長期
戦略を発表された
オバマ政権に対しても拍手を送りたいと思っておりますが、果たしてこれを先ほど申し上げた
トランプ政権が引き継ぐのかどうかという大きな課題もあります。
とはいいながら、
各国が非常に野心的な、挑戦的な
表現、表明をされた中で、
大臣の今回の、より積極的とは言えない意気込みが、私には本当に残念でなりません。きょう、この
委員会の冒頭で御発言された中でも、短期
目標については着実に
達成するとおっしゃいましたが、
長期目標については、目指し、
戦略的に取り組むと、ちょっと消極的な
表現にやはりとどまっており、真剣さが本当にあるのかなと言わざるを得ません。
こうした諸外国のステートメントと聞き比べて、
大臣が
COP22でおっしゃった御発言との違いをどのようにお受けとめいただいているのか、そして、それを受けてきょうのこの冒頭での御発言になったというふうに思うわけでありますが、正直な御感想をぜひ聞かせていただきたいと思います。