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伊佐委員 副
大臣の、
財務省の見解としては
遜色ないんだ、これは
GDPと比較をされてということでした。私、この
議論をいつも聞いていて思うんですが、
GDPと比較してこれだけあるんだというのは、
目的と手段がちょっと逆になっているのかなと。
我々が今、
科学技術で何でこれだけ頑張ろうとしているかというと、今の例えば
潜在成長力をどうやって上げていくか、今の
GDPをどうやって伸ばしていくか、どうやって成長するかというときに、
科学技術を使ってそれを成長させるんだという思いでやっているわけであって、
GDPが伸びていないことをいいことにと言ったら失礼ですが、それと
科学技術予算も、だから余り変わらなくてもそんなに
遜色ないですよということにはならないんじゃないかというふうに思っております。
資料を配らせていただきました。もう繰り返しませんが、
資料二を見ていただきますと、
日本は確かに、
GDP、左側の
グラフ、伸びておりません。同じように、
科学技術に対する
予算も伸びていない。各国は、
科学技術の
予算を伸ばすことによって
GDPを成長させているという
状況だというふうに思っております。
そういう意味では、
財務省の
皆さんといつも
議論をしていて思うのは、いやいや、
遜色ないんだ、十分なんだという前提に立って、
科学技術の今の
状況、また経済を考えられるというのは、少し私も心配をしているところでございます。
さらに行かせていただきますと、よりちょっと具体的な話をさせていただきますが、
予算が削減されていく中で、私、最も苦しいところの
一つが国立
研究開発法人だと思います。つまり、宇宙とか海洋とか防災とか材料とか、本当に、国家の基幹技術と言われる、広い意味で安全保障にかかわるような技術を持つこうした
研究開発法人というのが、今、実は非常に苦しい
状況にあるというふうに思っております。
資料三以降、配らせていただきました。
資料三というのはブルーの線ですが、前回の第四期の
基本計画でどのように
研究開発法人の
予算が変わっていったか、全体です。全体ですが、このように下がっていっておりますが、これだけだと余りぱっとわからないので、各法人法人がどうかというのをちょっと分解してみたのが赤い
グラフです、
資料四。一、二、三と並んでおりますが、これを見ると非常に生々しいです。これは、ファンディングエージェンシーは除いています。
国家基幹技術、
研究開発を実際に行っている
研究開発法人ですが、見ていただくと全部下がっているんです。理研もどんどん下がっている。材料を持っているところも下がっている。宇宙、JAXAも下がっている。その次のページ、JAMSTEC、これは海洋ですが、こうした基幹技術、
日本は海に囲まれた国で、こういう技術をしっかりやるんだというにもかかわらず、ずっと減っている。原子力、核物理学もそう、防災もそう、放射線医学もそう。こういう
状況で、これは何が起こっているかというと、今残っているのは、どんどん、固定費の
部分がほとんどになってきた。七、八割が固定費です。
つまり、大型施設をいっぱい持っているにもかかわらず、維持するだけしかお金がもらえない、それを運用するお金がなかなか入ってこないので、稼働率がどんどん落ちているという
状況です。死なない程度にお金はあるけれども、息もできない、生殺しの状態じゃないかというふうに思っております。
これは前回の科技特でも触れさせていただいたんですが、さらにちょっと具体的な例を現場に伺ってきました。例えば、最近話題になった百十三番目の元素を発見した、ニホニウムというふうに名づけましたけれども、このRIビームファクトリー、これはすばらしい施設なんです。
世界じゅうが注目している。こういう施設が、実は、運転をしたいのに、維持費だけがあって運転費用がない。一年間でこれが回っているのは五カ月間だけなんです。それ以外は、施設があっても運用できない、こういうような
状況になっております。
こうした国立
研究開発法人は、ぜひこの機会に反転攻勢に転じていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。