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小西洋之君
民進党の
小西洋之でございます。
あした、二十九日に安保法制がいよいよ施行をされます。昨日結成した私ども
民進党の綱領には、「立憲主義を断固として守る。」と、そういうことを掲げさせていただいております。したがって、
民進党の使命、目的というのは、違憲立法を強行する
安倍政権を打倒することにあります。
よって、私は、安保法制の憲法違反の核心というべき集団的自衛権行使の解釈改憲の不正のからくりについて追及をさせていただきます。実は、これは昨年の夏の安保国会で最も多く追及された最大の追及の論点であったものでございます。
安倍内閣は、一昨年の七月一日の閣議決定により、限定的な集団的自衛権なるものを合憲としました。しかし、憲法制定以来六十年以上、全ての
内閣が、あらゆる集団的自衛権の行使は違憲であり解釈変更では実現は不可能、憲法九条の条文そのものを変えない限りできないと国会で
答弁をしてきました。代表的な
答弁では、鈴木善幸
総理あるいは角田法制
局長官など複数のものがあります。しかし、これを
安倍内閣は突如解釈変更によって可能にしました。
しかし、実は、憲法九条の条文を変えない限りできないと言われていた集団的自衛権が突如可能になった、その
安倍内閣の合憲の根拠はたった
一つしかありません。(資料提示)今私が手に持っている昭和四十七年
政府見解、今から四十四年前に作られた。これ、作った人
たちが判こを押しているわけですけれども、田中角栄
内閣の
内閣法制局長官、一番上の判こですね、吉國さん、左に行っていただいて、次長の真田さん、そして第一部長の憲法解釈担当の角田部長でございます。このお三人が判こを押して、国会、我が
参議院に提出したこの昭和四十七年
政府見解、これを改めて、四十、今年は四年で去年は三年ですけれども、読んでみると、この中に集団的自衛権が合憲と書いてあったというふうに
安倍内閣は言っているわけでございます。この三人が集団的自衛権を含む論理をこの中に書いてあった、つまり元々合憲だった、だから解釈改憲ではないというふうに言っているわけでございます。そして、そのことが七月一日の閣議決定、一昨年の閣議決定にも明記をされています。
そのことをまず確認させていただきます。これから少し安保国会のおさらいをさせていただきますので。七月一日の閣議決定の集団的自衛権を合憲と言っている根拠の部分でございます。
まず一番、
政府の解釈には論理的整合性と法的安定性が求められる。法的安定性は関係ないというふうにおっしゃった礒崎
総理補佐官がいますけれども、もう罷免しないとおかしいわけです。ただ、この
質疑は
安倍総理の
内閣総辞職を求めるので、先に行かせていただきます。したがって、従来の
政府見解における憲法九条の解釈の基本的な論理の枠内で論理的な帰結を導く必要がある。
この一番で言っていることは、正しいことなんです。
政府が憲法の解釈を変更したいと思っても、それは歴代
政府の解釈のあくまで基本的な論理の枠内、その中でなければ駄目だということでございます。
じゃ、
安倍内閣が主張する基本的な論理は、下の二番に、この青い文字の固まりが全部それです。二番、「この自衛の措置は、あくまで外国の武力攻撃によって国民の生命、自由及び幸福追求の権利が根底から覆されるという急迫、不正の事態に対処し、国民のこれらの権利を守るためのやむを得ない措置として初めて容認されるものであり、そのための必要最小限度の「武力の行使」は許容される。」。
これは、
安倍内閣が限定的なる集団的自衛権を解禁したいわゆる武力行使の新三要件、その基本的な
考え方が書かれている箇所でございます。そして、今読み上げたものが、その次ですけれども、これが基本的な論理であり、そして、昭和四十七年十月十四日に
参議院決算
委員会に対し
政府から提出された資料、私が今掲げさせていただいています昭和四十七年
政府見解のことです、「集団的自衛権と憲法との関係について」に明確に示されている。つまり、
安倍内閣の解釈変更の閣議決定というのは、昭和四十七年
政府見解の中に集団的自衛権を包含する論理、基本的な論理なるものが書かれているというふうに言っているわけでございます。
これを更に分かりやすく言いますと、先ほど御説明しました四十七年見解の中に集団的自衛権を許容する論理が含まれている。じゃ、いつ入ったのか。それは、まさに作ったときからでないと存在し得ないわけでございます。そのことも
安倍内閣ははっきり
答弁をしています。昨年の安保国会の中の
横畠長官の
答弁です。
七月一日の閣議決定の基本的な論理、集団的自衛権を含むものについて、この四名ですね、さっき申し上げた三名の下には早坂さんという方が、課長クラスの方が判こを押しているんですけれども、こうした作った
方々の頭の中に集団的自衛権を合憲だとする論理があって、それが四十七年見解の中に書き込まれたかというと、
横畠さんは、「そういう
考え方を当時の担当者は皆持っていた」というふうに言っているところでございます。
では、テレビの前の国民の
皆さん、この七月一日の閣議決定の基本的な論理、この中に、どこに集団的自衛権が合憲と書いてあるのか、このことを御説明させていただきます。
(2)の青い固まりところですね。今から申し上げる一行の中に入っています。「外国の武力攻撃によって」、赤い文字です、「外国の武力攻撃によって国民の生命、自由及び幸福追求の権利が根底から覆される」、実はこの言葉の中に集団的自衛権を可能とする論理が入っているふうに
安倍内閣は言っているんです。集団的自衛権とどこにも、一言も書いていませんね。
皆さん、頭の中がクエスチョンかもしれませんけれども。この「外国の武力攻撃」、赤い文字をじっと御覧いただけますでしょうか。誰に対すると書いていないんですね、誰に。確かに昭和四十七年見解のこれと全く同じ文言が、当時は鉛筆書きですけど、私の今手元のこの中にも全く同じ文言が書いてあります。
では、この一行をフリップにまとめましたので、これを御覧いただきたいと思います。今読み上げました「外国の武力攻撃によって国民の生命、自由及び幸福追求の権利が根底から覆される」、その一行を真ん中の箱に持ってきました。生命、自由というのは丸めておりますけど、意味は同じです。
この「外国の武力攻撃」、確かに誰に対するというふうには書いていないんです。しかし、書いていなくても意味は
一つしか絶対にあり得ません。我が国、
日本国に対する外国の武力攻撃以外あり得ないんです。なぜならば、我が
日本国は、我が議院
内閣制の下の国会では、憲法ができたときから、憲法九条の下では専守防衛しかできない、
日本国に対する外国の武力攻撃が発生したときにそれをはね返す必要最小限度のこの正当防衛、この個別自衛権の行使しかできないと言っていました。ですから、当然、我が国に対する外国の武力攻撃しかあり得ないわけでございます。
しかし、
安倍内閣は恐るべきことに、違うと言い始めたわけでございます。我が国に対するは、当然含まれますよ、ただ、大事な方を、人を忘れていませんか、同盟国のアメリカさんを忘れていないですかと
安倍内閣は言い始めたわけでございます。下のオレンジ色の世界です。同盟国に対する外国の武力攻撃によって国民の生命などが根底から覆される、この同盟国に対するという言葉を「外国の武力攻撃」の前にもし付けることができるのであれば、この文章はどういう意味になるのでしょうか。具体的に当てはめましょう。
同盟国はアメリカ、外国はイランというふうにさせていただきます。同盟国アメリカに対する外国イランの武力攻撃によって国民の生命などが根底から覆されるという文章になります。アメリカに対するイランの武力攻撃という機雷敷設によってタンカーが通りにくくなって、石油が足りなくなって
日本国民の生命などが根底から覆される。
安倍内閣が集団的自衛権の根拠として、立法事実として出してきて、そして安保国会で完全に論破されたホルムズ海峡が実はでき上がってしまうわけでございます。
つまり、外国の武力攻撃という言葉に誰に対すると書いていないことに付け込んで、我が国に対するとしか読めないのに、これに同盟国に対すると読み替えた瞬間に、この文章が集団的自衛権を許容する文章になってしまうわけでございます。こんなばかなことがあるのだろうかということで、実はこの読替えのトリックですけれども、次のフリップをお願いいたします。
一昨年の七月に解釈改憲をやられてから、我が国会、
衆議院、
参議院を通じて、この読替えのトリックは分かりませんでした。明らかになっていませんで、私も分かりませんでした。それが初めて明らかにすることができたのが、ちょうど今から一年前の三月二十四日の私の
質疑でございます。
小西洋之君ですけれども、同盟国に対する外国の武力攻撃ということもここに概念的に含まれる、そんなばかな話はあり得ないんだけれども、そんなばかなことを
考えた法制
局長官は
横畠長官、あちらにいらっしゃる方なんですけど、あなたが初めての方ということでよろしいんでしょうかと聞きましたところ、
横畠長官は、同様に
考えていた人がいるかどうかは分かりませんけれども、この昭和四十七年
政府見解そのものの組立てから、そのような解釈、理解ができると。つまり、同盟国に対する外国の武力攻撃というふうに
安倍内閣は読み替えているわけでございます。
これと全く同じ
答弁を
安倍総理も安保国会の中で五月の二十七日、当時の民主党の長妻先生に対して行っている、全ての
安倍内閣の閣僚が行っているところでございます。
つまり、
安倍内閣の解釈改憲とは、この昭和四十七年
政府見解の中に、作った当時から集団的自衛権が論理として書かれていたかどうか。これは、七月一日の閣議決定に書かれていると書いていますから、もうそれで決する。更にそれを掘り下げると、先ほどの文章、外国の武力攻撃によって国民の生命、自由及び幸福追求の権利が根底から覆される、この外国の武力攻撃という言葉に同盟国に対するという言葉を読み替えることができるかどうか。
かつ、これを作った
方々がそういう頭でいたというふうに
答弁していますから、作った
方々がわざと誰に対すると書かない外国の武力攻撃を書いて、同盟国に対するという言葉を読み替えることを許容していたかどうか、これを証明する問題に帰結するわけでございます。
安倍内閣を倒すためにはこの一点だけをやればいいんです。この昭和四十七年
政府見解の中に本当に集団的自衛権が作られたときから合憲と書いてあったのかどうか、これだけを実は証明すればいいわけでございます。
実は、今からその証明をさせていただきますけれども、真相を知っていただければ中学生や高校生でも簡単に分かる不正、広辞苑や国語辞典によればペテンでありインチキです。なぜならば、これを作った
方々が集団的自衛権の行使を全否定しているからでございます。
実は、この昭和四十七年
政府見解を作るきっかけになった
答弁がございます。作られたのは昭和四十七年の十月七日でございます。その僅か三週間前に、この作った吉國
内閣法制局長官に対して社会党の水口宏三さんという方が集団的自衛権はできるのかという
質問を重ねられました。絶対にできませんという
答弁を重ねられて、最後に水口さんが
政府の見解を出してくださいと言って、出てきたのがこれなんです。この判こをついている次長の真田さん、その九月の十四日の約四か月前の五月の十二日に、やはり同じく水口先生から
質問を受けて、集団的自衛権は絶対にできませんという
答弁をしているところでございます。
ここで
安倍総理に伺わせていただきます。
一昨年の七月一日の閣議決定の前に、この起案文書、昭和四十七年
政府見解を作成するきっかけになった昭和四十七年九月十四日の吉國法制
局長官の議事録、私の手元に今ありますけど、これを
安倍総理は御自身で読んだことがありますでしょうか。また、その約四か月前の真田次長の五月十二日の
答弁を
安倍総理は読んだことがあるでしょうか。余計なことは、吉國長官と真田次長の国会
答弁、これを作る三週間前の吉國長官、その四か月前の真田次長の
答弁を七月一日の閣議決定以前にあなた自身が、
総理自身がお読みになったことがありますでしょうか。イエスかノーかだけで、時間稼ぎはせずにお答えください。