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西田実
仁君 まさに今御指摘いただきました広域
地方計画こそアベノミクス成功の中心的な鍵を握ると私は思っております。
今手元にございますのは首都圏の広域
地方計画と言われるものでございまして、先月二月の二十五日に策定をされたもの、原案であります。ここには様々なことが書かれてありますけれ
ども、一言で申し上げますと、対流型首都圏をつくっていく、それぞれ個性の違う地域が連携を広くすることによって対流を、温度差による対流という、その対流を起こして、首都圏一体となって
活性化していこうと、こういうことであります。
例えば観光客を見ていただきますと、今外国から訪日旅行客が増えております。しかし、その七割は東京に集中をしています。しかし、
日本人も含めた全体の旅行客で見ますと、東京のシェアは七割ではなくて三割であります。つまり、東京以外の栃木とか茨城とか群馬とか、あるいは静岡とか福島とか北陸とか、そういうところに、
日本人はいろんなところにいいところを見出して宿泊しているんですけれ
ども、訪日する外国人は東京に一極集中している。これをどう変えていくのかという視点も述べられておりまして、図を御覧いただきたいと思います。(資料提示)
この都県別外国人延べ宿泊者数の試算というものでございまして、緑の帯は現在の状況、そしてこれをそのまま外国人三千万人の時代といったときに、単純拡大してしまうと、東京に実は二千九百五十四万人宿泊しなきゃいけなくなってしまうと。
現状は千三百万人なんですけど、これが二千九百五十四万人、これを東京で全部収容するのはとてもとても無理であります。しかし、
日本人も含めた旅行客全体の割合に分散し直しますと、東京は今と同じ千三百万人の外国人で済むわけですね。逆に、千葉、神奈川、埼玉、栃木、群馬、山梨、茨城、静岡、長野、福島、新潟と、いずれも増えていくと。つまり、東京に一極集中している訪日旅行客の方を、今、
日本人が宿泊しているのと同じように広域に分散をしていくことによって約五百万人分ぐらいの旅行客の需要が生まれてくるということでございます。
これは大変
地方創生にとっては大事でありまして、外国の旅行客十人で定住人口一人が年間に消費するのと同じ消費をしてくれるということでありますので、五百万人が分散されて宿泊すると、外国人が旅行で泊まるということになると、五十万人分の定住人口が東京以外のところに生み出されるという、そういう効果をもたらすということでございます。それだけ大きな効果があります。
防災面におきましても、これは
防災・減災ということは成長・発展戦略とまさに一体で考えていかなければならないわけで、そういうことがこの首都圏の広域
地方計画にも書かれてございます。
この対流型首都圏をつくっていくという中にあって、先ほど石破
大臣もお触れいただきましたけれ
ども、その一つのプロジェクトに東北と北陸と北海道をつなぐ首都圏対流拠点の創出というプロジェクトが実はこの原案の中に盛り込まれております。これは、昨年の北陸新幹線、そして今年三月、今月、三月二十六日の北海道新幹線がいよいよ開業することを生かしまして、首都圏と東北、首都圏と北海道、そして首都圏と北陸、これをつないでいく、連携を強化するために、新幹線の六つの路線が集結するのが実は大宮でございまして、その玄関口となる大宮を対流拠点として位置付ける、そして首都直下地震の際にはさいたま市が首都圏のバックアップ拠点として機能してもらう、そういうプロジェクトとして作られているわけであります。
例えば、先ほど東京に一極集中する外国人観光客の話を申し上げましたけれ
ども、これを東北や北陸に分散をしていくということには、新幹線の玄関口である大宮と成田のアクセスを強化をしていくことが必要である。あるいは、オリンピック、これはさいたま市でもバスケットボールあるいはサッカーが開催されますけれ
ども、その機会を捉えて、それぞれの地域の歴史とか文化、あるいは芸術や物産等を
世界の人々に知っていただく、そして、ついでにそちらに立ち寄っていただけるような連携プロジェクトも進めていくべきであるというふうに私は思います。
実際に、先ほど石破
大臣お触れいただいた昨年十月には、さいたま市に函館や福島市、あるいは郡山、新潟、金沢など十三の市長さんが集結されて、そこで大宮に集結してフォーラムが開かれました。このさいたま広域プロジェクトというのはまさに東北の復興ということにも資すると、こういうことで皆、意気軒高だったわけであります。
この埼玉には実は国の出先機関も集積をしておりまして、病院等も充実しております。平時には東
日本の玄関口として機能するばかりではなくて、有事には首都直下地震の復旧復興を支えていく拠点として機能していくということがこの原案には述べられているわけでございます。
もう一つ図を見ていただきますと、こうした大宮に新幹線が六路線集結することに加えまして、圏央道が昨年、埼玉県内つながっております。そのことによりまして、東北道や関越道、そして来年度中には開通するであろう常磐道を始めといたしまして、中央道や東名高速道路などをつなげる役割を果たしていくわけであります。災害時には各地の血液センターをつなぐ緊急輸送道路にもなるのがこの圏央道ということもありまして、そうした機能もまさに対流拠点としての埼玉が果たしていくということがこの原案には述べられているわけであります。
いわゆる何全総という全総は、今まで六回、戦後作られてきました。今回は言わば七回目に当たるわけでありますけれ
ども、この国土計画が策定される七回目になって、初めて実は埼玉ということがこの
事業計画の中に位置付けられたということでございます。こうした考え方は、まさに中央からの発想では、目線では出てこない、地域積み上げだからこそ出てきたということで、こうした動きを
政府全体として支えていくということが大事であろうというふうに思っております。
中でも、この広域
地方計画、広域
地方計画
協議会の活動は中心を成すものでありまして、国土交通省のみならず各省庁ともよく連携をして、
政府全体としてしっかりとその後ろ盾をしていくべきであるというふうに思います。このことについて、
大臣の御見解、また、さいたま広域プロジェクトについての御評価もいただければと思います。