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有田芳生君 この
法務委員会に参考人として、在日のコリアンとして来てくださったお二人が、四月二十九日に私宛てにメールを下さいました。
与党法案がどうなるんだろうかということで様々な
議論がある中で、一人は、
京都朝鮮第一
初級学校襲撃事件されたときの保護者であり、そして参考人にも来てくださり、さらには刑法学者である金尚均さん。皆さんに資料をお配りしておりますが、読み上げます。金尚均さんのメールです。
「本
法案が成立しても実効性がなく、無
意味だし、
与党のアリバイ、ポーズのための
法案で、むしろマイナスだから
反対する主張がありますが、私はそうは考えません。従来、このような
法律が
日本に全くなく、初めての試みです。その
意味で最初の一歩と位置づけて、この度の
法案をなんとしても
国会で成立させることが急務と考えます。その
意味で付帯条項をつけることに
賛成します。 本
法案が廃案になることを考えると、本
法案が成立することのプラス面は
社会にとって多大と考えます。 どうかよろしくお願いします。」。
もう一人、参考人で来てくださった川崎桜本にお住まいの崔江以子さん。ちょっと長いので、途中省略しながら御紹介をします。
「この
法案や
附帯決議について、新聞等報じられている指摘にあるように不十分な点はありますが私は胸がいっぱいです。私
たち桜本の街はあの絶望が、希望で上書きされていく明日を喜び歓迎しています。会う人、会う人が私の手を握り「
言葉にならない」と涙を浮かべます。あの
ヘイトスピーチによって沈黙を強いられた若者は「
日本を嫌いにならなくて済んだ」と安どの表情で語りました。 なによりも胸を痛ませながら
法案の行方を祈るように見守り、痛い足腰で杖をついて院内集会に参加したハルモニ方が喜びます。」。
「私
たち川崎桜本
地域はこの
法案と
附帯決議をもって、胸を張って、川崎市に「国が
ヘイトスピーチの
根絶を宣言しました」「国が地方公共団体に着実に実施するよう定めました」と具体的な実効性のある対策を求め、共に
根絶する立場で汗をかくことができます。」。
「
ヘイトスピーチに触れてしまい自身が
在日コリアンだという事を絶対に打ち明けられない。墓場まで持っていくと涙を流した大学生の人生が変わります。川崎市長さんへ「助けてください」と涙を流した」、息子さんの名前が書かれておりますけれども、「「
法律がないから」と救われずに傷ついた心がやっと癒されます。十三歳の子どもが大人を信じたことを悔やまないで済む
社会が実現します。」。
「胸がいっぱいです。涙が出ます。絶望で起き上がれずに、涙にくれた日々が終わり、希望への歩みを進める道が
法案と
附帯決議によって整えられました。これからこそが大切な一歩となります。
ヘイトスピーチ根絶の道しるべとなる
法案、
附帯決議が
全会一致で決まるその時を安寧に共にありたいと思います。」。崔さんの
言葉です。
崔さんは、今日、この
審議が始まったときも、川崎市長と対面をして、三万人の署名、三万筆の署名をお渡しして、これから川崎市に
ヘイトスピーチの抑止する条例を作ってください、自分
たちで運動を進めていくんだと、その訴えをして、今この現場に急いで車で向かっているはずです。あるいは、もう来ていらっしゃるかも分かりません。
これは川崎の桜本だけではありません。東京でも神戸でも京都でも、
ヘイトスピーチをなくそうという条例を作る運動がこれからも続いていきます。人権問題というのは終着点はありませんので、今日を出発点として、私
たち国会議員は当然ですけれども、
差別の現場で直接体を張って対峙する
人たち、
被害当事者、そして地道な
専門家の
方々とともに
人種差別撤廃条約をこの
日本に具体化する運動を更に進めていくことをお誓いしまして、
質問を終わります。