○小川勝也君 民進党・新緑風会の小川勝也でございます。
今回の
森林法等の一部を
改正する
法律案の概要を読ませていただいて、おおむね時宜を得た
内容であるというふうに思っております。しかし、幾つか
指摘をさせていただかなければならないことを申し上げながら
質問に移らせていただきたいと思います。
実は、私の家は鍛冶屋でございまして、元々は農鍛冶でありますので、農機具等を製造、販売、修理をしておりました。御案内のとおり、昭和三十年代、大変
林業が盛んになりましたものですから、
林業関係の様々な仕事もうちの鍛冶屋で引き受けるようになりました。小さなとび、これを、
木材を動かすときに使う先をうちの鍛冶屋で製造したり、手で枝葉を集めるときに使うノンコというのを作ったり、あるいはガンタ、あるいは馬、車で
木材を運ぶときに様々な締め付けや安定器具などをうちの工場でも作っておりました。
そんな思いを含めて申し上げたいことは、
林業は大変冬の
時代が長かったということであります。いわゆる昭和三十年代、四十年代に伐期を経て、その後植林をいたしましたけれども、伐期から遠いわけであります。その間、外材が入ってきて、
林業はもうからない産業ということで大変多くの方が御苦労されましたし、
林業をなりわいにされた方が
林業を後にいたしました。そんな
流れを経て今に至っているわけであります。
そこで、何を申し上げたいかといいますと、行政の仕事はおおむねバトンを受け継ぐ仕事でありますので、前の人から受け継いで次の人にというふうにバトンをしっかり渡していくのが継続行政の仕事でありますけれども、事この
林業の政策におきましては、今までの方々が相当御苦労されてきた。おおむね
林野庁の仕事というと、
間伐の補助金等で何とか山元をしのいできたのがここ数十年の歴史であります。
しかし、今まさに伐期を迎えて、そして
CLTもある、そして外材との競争も何とか可能になってきている、
バイオマスもあるということでいうと、まさに、先輩
たちがずっと我慢してきてこらえてきたやつを、今集大成を迎えてきていることからすると、バトンを受け取るだけではなくて、まさに見せる走りを今しなければならないのが
森山大臣と
今井長官だと思っています。ですから、思う存分、
森林・
林業の仕事を今やるんだという気構えで取り組んでいただければというふうに思います。
おおむねこの
内容を了解したわけでありますけれども、ひとつ立法府として注文を付けなければなりません。
一つは束ね
法案であります。昨年の安保
法案でもつらい思いをいたしました。幾つかの
法案がごっちゃになっているので、
審議せずに終わった
法案が昨年の国会ではありました。今回、私どもはおおむね賛成ですけれども、反対会派があるとすれば、この四本の
法案の中で賛成の
法案と反対の
法案がインクルーディングされているということは、まさに国民の代表としてここに座っている
議員のいわゆる採決権を縛っている、このことに留意をしていただかなければいけないというふうに思っています。関連ある
法案を幾つか一緒に、同時に
審議することは結構です。しかし、束ねてしまうと賛否の表決権が発露できなくなるということをしっかりと承知をいただければというふうに思っているところであります。
また、この概要を書いた一枚のペーパー、非常にまとまっています。ちょっと気になるのは最後の文言であります、「適切な
森林施業を通じた
林業の
成長産業化」。この成長という言葉は、
農林水産省の皆さんが好きな言葉なのか、あるいは
内閣官房が好きなのか、官邸が好きなのか、産業競争力
会議が好きなのか分かりませんけれども、全てをこの産業とか成長で表すということは、どこか問題が生ずるというふうに私は思います。
特に
森林・
林業の現場を申し上げますと、私は持続ということがやはり一番大事なキーワードだと思っています。大事なことは、若い人
たちが安定した仕事を得て山元に暮らすことができる仕事と収入がある、このことが大事なのであって、まさに成長とか億万長者になるということではなく、持続ということが一番大事だというふうに申し述べさせていただきたいと思います。
そんな中で、
林業のみならず、農業のみならず、これだけ少子化が進んでいますので、全ての
分野で人材
確保が困難になってまいります。そのためには、
林業をより魅力的な仕事にしていかなければ人材の
確保は困難だというのは言うまでもないことだと思います。
一つは安定的に仕事があるということ、そして一定
程度の収入があるということ、これが一番大事でありますけれども、私は今、3K職場とか、つらい職場とか、きつい仕事とかいろいろある中で、もっともっと
林業を魅力的にするためにはやはりヨーロッパに学んでいかなければならないというふうに思っています。
この
委員会でも予算
委員会でも取り上げさせていただきました。ヨーロッパでは機械化が進んでいます。高性能の、あるいは大型の、あるいはいわゆる農業においてのトラクターと同じようにキャビン付きの機械の中で仕事をするということで、いわゆる危険を減少させたり、あるいは寒さから逃れたりということが進んでいるようであります。
大型機械や高性能機械を導入するためには、それに見合った道路、林道、路網、作業道をしっかり
整備していかなければなりません。これはしっかりお
取組をいただいておると思いますけれども、
確認をさせていただきたいと思います。高性能
林業機械化と路網、作業道の
整備について、進捗を伺います。