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山本太郎君 ありがとうございます。
この
法案、もちろん、骨組み作るぜ、そこからまた肉付けていきますとかというような
お話、この先いろいろされていくんだと思うんですけれ
ども、これが作られるまでの間にどれぐらいの数がヒアリングされたのか、どれだけ当事者の声を聞いたのかという
部分もあると思うんですね。
昨日、私の
事務所の方に当事者の方からメールが届いたんですよ。この当事者からの心の叫びというものをここでヒアリングしていただきたいんです。
ここも少しざっくり
説明させていただきたいんですけれ
ども、ざっくりです。
後見人は、
親族なら四親等以内
後見人、ほかにも弁護士、司法書士、
社会福祉士、職業
後見人などと呼ばれますけれ
ども、この方々、
家庭裁判所が
選任いたします。今からこのメールをお読みする方は、
親族後見人として
認知症高齢者を二度介護した経験を持つ方です。
制度が開始された二〇〇〇年から
後見制度を実体験された方が本当に見直す
部分は何なのか、その本質について教えてくださっています。
私
たちは、
認知症高齢者介護家族、
親族後見人の立場から本
法案に反対します。
反対の理由。
成年後見制度の
本人の
権利擁護という
基本理念は
制度発足時から既にうたわれているではありませんか。
制度発足前、
平成十一年の審議内容を読み返されてはいかがでしょうか。そもそも、
家庭裁判所の
後見係の実態調査、この十六年間、どれだけおやりになっていますか。
制度の入口、
申立て手続から
本人を見ないことが常態化している昨今の
家庭裁判所の
状況を御存じですか。個々のケースについてきめ細かく考慮して審判に至る状態ではないのです。
本人の介護、看護その他、その時点で
本人の
生活に関わる人
たちの情報を
裁判所が得ようとしないこと、精査しようとしないこと、
意見が反映される方法がないこと。
本人の介護、看護その他、その時点で
本人の
生活に関わる人
たちが
裁判所に対して
異議申立ての道が少ないこと。そして、
本人の調査、鑑定を省略、なぜ以前にできたことができなくなったんでしょうか。二〇〇三年
申立て時は
本人調査も鑑定もありました。そのときの調査官は、事前に私の
本人調査への
対応の不安を見事に払拭し、
本人自身、
本人の暮らす施設環境、スタッフ、そして
本人と
後見人候補者である私との関係、感情など、細かく調査してくださいました。
成年後見制度が十分に
利用されていない理由。
家庭裁判所の本
制度の運用実態が
本人の
権利擁護を最優先とせずに、
本人以外の
家庭裁判所を含む人員
不足、
能力不足と、
本人以外の
家庭裁判所を含む金融機関、行政などの責任回避と利便性、効率性に重きを置いているからです。
医療行為の同意、郵便物等の
管理や死後の問題など、確かに
本人の
権利擁護のために論議する必要はあると思います。しかし、本当に
本人の
権利侵害と
権利擁護のぎりぎりのラインを見定めようとしていますか。実は、
本人以外の者がただ
事務処理をしやすくしたいという願望の方が勝っていませんか。
本人の
権利侵害と
権利擁護の見定めをきちんとチェックする者はいますか。そもそも
本人の
意思を知ろうとしていますか。
成年後見制度の
利用を
促進する前に、
本人以外の者や組織の立ち位置をまず
見直し、
家庭裁判所の現場の方々の執務
状況を精査し、人員を補強、養成することが先決ではないでしょうか。
利用促進会議や
促進委員会の設置に予算や時間を無駄に費やす必要はありません。もう十六年たっているんです。
本
制度発足当時前から
家庭裁判所の人員
不足は素人の私
たちでも予測できました。
権利擁護が建前だけなのも、この十六年間で実感いたしました。二度の
親族後見人経験だけでも、
裁判所による
制度運用の劣化は著しいものです。既に、
裁判所自身が機能不全を起こしているのではありませんか。
裁判所自身が根本的な問題に自ら取り組まなければ、
財産上だけでなく
身上の不正を増大させるだけです。
裁判所の人員
不足を補うために市民の中から
成年後見人等の
候補者を育成しその活用を図るというのは、余りにも安易過ぎる考えです。
法律上では曖昧な事柄が全て
裁判所内の規定で変更、
決定されているようです。
親族後見の不正防止対策として
後見支援信託と
後見監督人
選任、裁判の迅速化対策としての医師の診断書重視で、
本人調査・鑑定不要、家裁の人員
不足対策としての参与員増員、全てにおいて
裁判所の内規で決まり、基準が明らかにされません。
裁判所の
親族後見の不正の統計では総数と総額だけが出され、どのような不正か細かく発表されていません。弁護士会、司法書士会が調べた
資料では、
裁判所の不適切な
後見人選任の問題、
裁判所の
説明不足、
裁判所の
後見監督の怠慢な
ども不正の理由として挙げられています。
最後に、
裁判所自身の人員
不足と
後見人選任の責任、
後見監督の責任を回避するために、個々の
状況を精査しないまま、
後見支援信託か第三者監督人選択という外部委託を強制して、真面目な
親族後見人の邪魔をしないでください。
本人の
財産から無駄な支出をさせないでください。
このような本当にもう当事者からの心からの叫び、二十年近くに及ぶ苦しみみたいなものを、十六年の苦しみみたいなものを読ませていただいたんですけれ
ども、加藤
大臣、いきなり決まったことだと思うんですよ、この
法案通った後に担当なされる、その準備段階という
部分には関わっていなかった。
そういう
意味で、正直、このような
後見制度の問題の数々といいますかその根本という
部分、このような声というのは全て御存じでしたか。知っていたか知らなかったか、ちょっとは知っていたかというような、短めのコメントでお願いします、最後に一言伝えたい
部分がありますので。