○
牧山ひろえ君 いろいろな工夫はされていらっしゃると思うんですけれども、でも、そもそも
企業を始めとする事業内
保育はマイカー通勤を前提にしているという側面が大きいと思うんですね。
子供を
預けるための送迎の負担が少なく、会社の稼働日に合わせて利用できるのがこの
事業所内保育の大きなメリットだと思うんですね。一方で、特に都市部なんかでは電車通勤が主流です。
子供を抱えての通勤の負担を
考えれば、社内
保育所よりも自宅近くあるいは通勤途中の、駅前ですとか、そういったところでの施設を利用したいというニーズが高いんですね。つまり、
事業所内保育所のモデルは地方型だと思うんです。
私自身の体験を申し上げますと、以前大きな会社に勤めていたんですけれども、そこで、私の
子供が、二人目産まれたときは特に大変でしょうからと言われて、
企業内
保育所を私が第一号でつくってあげるから利用しますかと言われたんです。ちょっと一日
考えさせてくださいと言って、最初は何かうれしいなと思ったんですけれども、よくよく
考えてみましたら、私、
子供を、赤ちゃんを二人おんぶにだっこして、そしていつものように自分が満員電車に乗って、乗り継ぎして乗り継ぎして、自分の家から駅も十分以上掛かりますし、駅から職場までまた十五分ぐらい掛かりますし、それを
考えたら、荷物もありますし、満員電車ですし、
子供は絶対押し潰されると思ったんです。そうしたら、やっぱり断らざるを得なかったんですね。非常に有り難いお話ではあったんですけれども、私と同じようにお答えする方が、多分ほとんどの電車通勤者だと思うんです。
もちろん、地方にも
待機児童がいて、
保育の
受皿整備の必要があるのは言うまでもないと思うんですが、例えば工業団地、そういったところでの
事業所内保育に適したケースも私も見たことがあります。ですが、国全体あるいは国民全体のニーズという視点に立って、必要性のギャップは生じていないか、そして政策の優先順位と
規模感としてこれでいいのかという検証は絶対に必要だと思うんですね。
そこで御
質問なんですが、今回の
企業主導型
保育事業によって最大五万人分の
受皿を
確保するとおっしゃっていますが、この五万人というのはどこから出てきた数字なんでしょうか。ちゃんとしたニーズ
調査に基づいた数字なんでしょうか。