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国務大臣(加藤勝信君) 今
委員御指摘ありました、総理が、希望出生率一・八の目標であり、二〇二〇年代半ばまでには実現しなければならないということをあるところで申し上げたところでございます。
この希望出生率一・八というのは、もう御承知のように、若い世代、十八歳から三十四歳における結婚、出産に関する希望がかなうとした場合に想定される出生率ということでありまして、様々な政策を総動員して若い方々の希望がかなうような状況をできるだけ早く実現をしていきたいということ、そういう思いでございます。
そして、まち・ひと・しごと創生長期ビジョン、これ
平成二十六年の十二月に閣議
決定をいたしました。ここで、仮に合計特殊出生率が二〇三〇年に一・八程度、二〇四〇年に二・〇七程度まで上昇すると、二〇六〇年の人口は約一億人程度、そしてその後、二〇九〇年頃には人口が定常状態になるということが推計されているところでございます。
先ほど申し上げました希望出生率一・八の目標というのは、一人一人の方が、結婚をされたい、そして出産、子育てに関する希望、これがかなえられる環境を
整備していくということでございまして、それを、国としてそういう希望を持っていない人をこうしてしようということを別に
考えているわけではないわけであります。その上で、結婚、出産、子育てに関する希望をかなえることができる社会づくりを進めていく中において、また、家族を持つということのすばらしさ等が広がっていき、子供を望む人
たちが増えていくことになりますと、人口の安定そして一億人の維持といったものが見えてくるのではないかと、こういうふうに
考えているところでございます。
具体的な方策について御質問がございました。
希望出生率一・八の実現に向けて、希望どおりに結婚できない状況や希望どおりの人数の子供を持てない、こういう状況を抜本的に改善をしていくということで、具体的にはまず賃金を上げていくということが
一つあると思います。結婚ができるような経済的な基盤をつくっていくと、こういう観点から、賃金の引上げ、そして、特に最低賃金については、全国加重平均が千円となることを目指して、年率三%程度の引上げを目途として
対応していくということ。あるいは、女性や若者など多様な働き方の選択を広げるため、非正規雇用で働く方の待遇改善、これを更に徹底していく必要があると思っておりますし、そういう意味で、同一労働同一賃金、これにも踏み込んでいきたいと
考えております。また、結婚、子育ての希望実現の基盤となる若者の雇用安定待遇改善という意味においては、キャリアアップ助成金の拡充などによって
対応することも
考えております。
また、結婚に向けた活動を支援をしていく、あるいは不妊治療への助成の拡充、あるいは子育て世代包括支援センターの拡充など、結婚、妊娠から子育てに至る各段階の負担、悩み、不安を切れ目なく解消するための支援の充実。そして、この
委員会でも御議論いただいておりますけれども、待機児童の解消を確実に行っていくため、既に保育サービスの
整備量、四十万から五十万に上積みをさせていただきましたし、また、出産後、子育て中も就業が可能な多様な保育サービスを充実をしていきたいと思いますし、併せて保育士の確保等にも、これは処遇改善等の問題もございますが、取り組んでいきたいと思っておりまして、取りあえず所要の金額は二十七年度補正
予算、二十八年度
予算においても盛り込ませていただいておりますし、引き続き、特に保育士の処遇改善については、この春に
取りまとめますニッポン一億総活躍プランにおいても具体的な方向性をしっかりと示していきたいと思っております。
ただ、今申し上げたような施策が具体的にどうなるか、どういう効果をもたらすかというのは、これはなかなか一義的には想定し得ない問題でありますし、また簡単な
課題であるとは
考えておりませんけれども、
一つ一つの施策を着実に進めていきたいと、こういうふうに思っております。