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2016-05-11 第190回国会 参議院 地方・消費者問題に関する特別委員会 第8号 公式Web版

  1. 会議録情報

    平成二十八年五月十一日(水曜日)    午後一時開会     ─────────────    委員異動  四月二十二日     辞任         補欠選任      大沼みずほ君     若林 健太君      島村  大君     太田 房江君      舞立 昇治君     野村 哲郎君  五月十日     辞任         補欠選任      太田 房江君     豊田 俊郎君      野村 哲郎君     石井 正弘君      金子 洋一君     牧山ひろえ君      河野 義博君     矢倉 克夫君  五月十一日     辞任         補欠選任      若林 健太君     舞立 昇治君      小西 洋之君     神本美恵子君     ─────────────   出席者は左のとおり。     委員長         熊谷  大君     理 事                 島田 三郎君                 滝沢  求君                 三木  亨君                 森本 真治君                 安井美沙子君                佐々木さやか君     委 員                 青木 一彦君                 石井 正弘君                 尾辻 秀久君                 豊田 俊郎君                 中川 雅治君                 藤川 政人君                 舞立 昇治君                 森 まさこ君                 森屋  宏君                 山田 修路君                 神本美恵子君                 小西 洋之君                 斎藤 嘉隆君                 寺田 典城君                 難波 奨二君                 林 久美子君                 牧山ひろえ君                 矢倉 克夫君                 横山 信一君                 大門実紀史君                 和田 政宗君                 吉田 忠智君                 荒井 広幸君                 平野 達男君    国務大臣        国務大臣        (内閣特命担        当大臣地方創        生))      石破  茂君    副大臣        内閣府副大臣   福岡 資麿君    大臣政務官        内閣大臣政務        官        牧島かれん君        厚生労働大臣政        務官       三ッ林裕巳君    事務局側        常任委員会専門        員        藤田 昌三君        常任委員会専門        員        小野  哲君    政府参考人        内閣地方分権        改革推進室次長  池田 憲治君        内閣地方創生        推進事務局審議        官        末宗 徹郎君        内閣府政策統括        官付参事官    林  俊行君        警察庁長官官房        審議官      斉藤  実君        消費者庁次長   川口 康裕君        総務大臣官房審        議官       時澤  忠君        総務省自治行政        局公務員部長   北崎 秀一君        文部科学省高等        教育局長     常盤  豊君        厚生労働大臣官        房審議官     浜谷 浩樹君        厚生労働省職業        安定局長     生田 正之君        国土交通大臣官        房審議官     石田  優君        国土交通省道路        局次長      青木 由行君     ─────────────   本日の会議に付した案件 ○政府参考人出席要求に関する件 ○地域自主性及び自立性を高めるための改革の  推進を図るための関係法律整備に関する法律  案(内閣提出衆議院送付)     ─────────────
  2. 熊谷大

    委員長熊谷大君) ただいまから地方・消費者問題に関する特別委員会を開会いたします。  委員異動について御報告いたします。  昨日までに、島村大君、舞立昇治君、大沼みずほ君、河野義博君及び金子洋一君が委員辞任され、その補欠として若林健太君、矢倉克夫君、豊田俊郎君、石井正弘君及び牧山ひろえ君が選任されました。     ─────────────
  3. 熊谷大

    委員長熊谷大君) 政府参考人出席要求に関する件についてお諮りいたします。  地域自主性及び自立性を高めるための改革推進を図るための関係法律整備に関する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、内閣地方分権改革推進室次長池田憲治君外十一名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  4. 熊谷大

    委員長熊谷大君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────
  5. 熊谷大

    委員長熊谷大君) 地域自主性及び自立性を高めるための改革推進を図るための関係法律整備に関する法律案を議題といたします。  本案の趣旨説明は既に聴取しておりますので、これより質疑に入ります。  質疑のある方は順次御発言願います。
  6. 寺田典城

    寺田典城君 民進党・新緑風会会派寺田典城でございます。よろしくお願いします。  先ほど委員長から、地域自主性及び自立性を高めるための法律案だという話で今案内ありました。それで、ちょっと古くなりますけれども、二〇〇三年に地方自治法が改正されまして、地方独立行政法人によりまして公立大学運営できるようになったと。大学独立行政法人化がなされなかったとしたら現在の大学運営はどのようなものになっていたと考えられるか、局長からひとつお聞きしたいと思います。
  7. 常盤豊

    政府参考人常盤豊君) お答え申し上げます。  平成十五年の法改正によりまして公立大学法人制度を設けていただいたわけでございます。公立大学法人制度は、より自律的な環境の下での運営を可能とすることによりまして、地域社会の要請に柔軟に応えつつ、優れた教育や特色ある研究に積極的に取り組む、個性豊かな魅力ある大学づくりを図るということを目的としたものでございます。  公立大学法人制度を導入するか否かは、もちろん各地方公共団体の実情に応じた個別の判断ということになるわけでございますけれども公立大学法人制度を導入した事例について申し上げることとさせていただきたいと思います。御質問は、独立行政法人化されなかったとしたらどうかというお尋ねでございますけれども、されたことによってどういうことが起きているかということでお答えをさせていただければというふうに思ってございます。  導入した事例におきましては、例えば組織人事管理において、法人自らの責任で行うことで効率的かつ柔軟な組織編制人員配置を行うことが可能となるということ、あるいは予算管理面において、運営費交付金によって法人自らの責任による効率的かつ効果的な財政運営が可能となる、こういうことのメリットが指摘をされておりますので、教育面でも個性豊かな大学づくりにつながっているという点で意義があったものというふうに考えてございます。
  8. 寺田典城

    寺田典城君 今局長が、自立した地域で積極的なことができるようになると、自治体の入る入らないの判断だと、参加することで効率的な、個性的な運営ができるのではないかと言うんですよ。ただ、この法律がないという事態になるとどうなるのかというと、まず、教育公務員特例法というのがありますね、その下で運営されなきゃならないんですよ。そうすると、教授会自治とかって、学長でも口出せないと。それから、教員任期付採用なんかもその当時は無理ですね。それから、年俸制ですね。それから、外国人幹部登用はできないですね、公務員でなきゃならないんですから。それと、経営と教学は分離できると。  ですから、私言わんとしているのは、法律が改正されることによっていかに地方自治体が自主的に自律的なことができるかという一つの例として国際教養大学を挙げさせてもらうんです。あれは、私も文科省とか総務省に何回も通ってあの法律を作ってもらいました、地方自治法改正法ですね。あれがなければ、あのような大学はできなかったんです。外国人を副学長だとか学部長、そういった任期付採用だとか、いろいろなことが可能なんですよ。そのことがいかに大事であるか。  それと、その当時妥協しましたけれども、今回は、公立大学法人附属学校もオーケーというか、いいですよと。それから、借金もして債券を発行してもいいですよと。これ二〇〇三年に、何というんですか、地方自治法で改正されて独立行政法人化されているのに、十三年間もこれはまだ手放さなかった、文科省が、そのことを。それで、この前、担当局長は小松さんですか、初等中等局長に、あなた、あのときは課長だったでしょう、担当の、それがもう局長になっているよ、十数年間もほったらかしていいんですかと言ったら、ようやく変わってくるんですよ。  だから、法律というのは変えなければ国が変わらないと。例えばおたくの方で認める少人数学習だって、あれ制度を変えなきゃあんなにならなかったんでしょう。それから、先生方高齢者部分休業だってそうでしょう。それから、国立大学地方財政法を変えなければ寄附もできなかった、地方自治体は。だから、法律というのは、いかに地方にとって柔軟な法律を書いていただけるかということが大事なんですよ。ところが、国は省益あって国家なしですよ。分権なんかする気がさらさらないんじゃないのかなと、私は常にそう思って、不信感抱いているんです。  そのことを今申し上げましたけれども石破大臣はこのことについてどう思いますか。
  9. 石破茂

    国務大臣石破茂君) 市長知事をお務めになり、地方行政のプロでいらっしゃいます寺田先生の御指摘ですから、私どもはよく謙虚に承らなければならないと思っております。  国際教養大学、たしか議員知事御在任中の平成十六年の開学だというふうに承知をいたしております。別に偏差値が高いことをもってよしとするわけではありませんが、極めて高い偏差値であり、そして日本国中から優秀な学生が集まり、教員の半分以上が外国人であり、そして全ての授業を英語で行うというような独自の教育というものは、やはりこの制度がなければできなかったことだというふうによく認識をいたしておるところであります。秋田日本の中で人口減少率がなぜ一番なのかということは、またよくよく秋田の皆様と御議論したいと思っておりますが、こういう大学が果たしている地方に対する役割というのは極めて大きなものがあると思っております。  委員指摘のように、国は全く分権というものをやる気がないかといえば、それは決してそうではないと思っております。後ほど御質問があるのかもしれませんが、地方の方からこういう権限地方に与えるべきであるという御提案を、私どもは、できません、なぜならばということを開陳するのではなくて、できるためにはどうするかということを地方方々と真剣に議論をいたしてまいりました。これからもそうありたいと思っております。仮に官僚組織というものがそうであったとしても、それを正していくのが私ども選挙によって選ばれた者の責任だというふうに私は認識をしておるところでございます。
  10. 寺田典城

    寺田典城君 やっぱり政治主導、トップの判断だと思うんですよ。昨年度の第五次地方分権一括法以降、提案募集方式になりました。非常に残念に思っているんです。国がもっと率先して、このことと、このこと、このことはもうはっきり言って権限移譲しようよというぐらいのことを自らすべきだと、私はそう思っています。  例えば、私ら地方自治体として音頭取ったのは、国会等の移転に関する決議がありました。あれ一九九〇年です。まあ、悪くすると鳥取県に国会が移っているかも分からないと思いますよ、石破さんが頑張ればですね。そのぐらい、ところが、全然、もうなしのつぶてですね。  そして、地方分権一括法が一九九九年に成立したんですけれども、そのままの状況です、わざわざ法律作ってですよ。それから、合併特例法、二〇〇五年、三千二百ある市町村から千八百ぐらいになりました。ところが、合併した後、権限移譲されたかというと、移譲していないんです、何にも。  だから、私は、あの当時、二〇〇六年というと、小泉さん、二〇〇六年までやっておった、任期満了のとき、小泉さんは、従来型の自民党政治体制は壊したけれども霞が関の省益までは手付けられなかったと。要するに、三位一体改革分権型の地方行政には手付かずの状態だったなと。十年たってもそんなに変わっていないんです。ですから、そういう点では、私は、いかに分権をするのが大事であるかという時代に即した考え方をする必要があるんじゃないかと。  東洋経済の方に出ておった丹羽委員長のコメントなんですが、これまでは国は地方に魚を渡してきた、魚は食べたら終わりでしょう、でも今度は釣りざおを渡しますと言うんですね。だから、分権して自分たちで工夫して生きていくことを考えなさいという意味だったんです。いい言葉だと思うんです。  ところが、二〇〇九年の九月に政権交代してから、また進んで、民主党時代も進んだかというと進んでいないんですが、要するに、私はもっと、石破大臣、国が率先して地方分権を進めるべきだと思うんです。その辺の捉え方はどうなんでしょうか。
  11. 石破茂

    国務大臣石破茂君) これはかつてと同じ答弁で誠に恐縮でございますが、平成二十六年六月に、地方の代表の方々にも御参画をいただいております有識者会議におきましてそれまでの取組の総括を行ったと。その中において、個性を生かし自立した地方をつくるため、国主導による集中的な取組から地方の発意に根差した息の長い取組への転換が望まれるというふうにされたところでございまして、これに基づいて、委員会勧告方式に替えて、国が選ぶのではなく、地方が選ぶことができる分権改革を目指すということで、事務権限移譲地方に対する規制緩和についての提案募集方式を導入したということで今までも答弁をいたしておるところでございます。  指定都市市長会からは、地方自治体政策実現の幅が広がる意義のある取組と、全国知事会からは、地方分権改革の力強い前進が図られたことに感謝するというような御評価をいただいているわけでありますが、今委員が御指摘のように、どっちがいいんだろうねということは常に国会において御議論をいただき、私どももそれを承らなければならないものだと思っております。  私も長く議員をやっておりますが、役所がどうしても権限を手放さなくて、それによって地方を支配しようという、そういうような悪辣なたくらみによってこういうことをやっているかというと、決してそうではないだろうと私は思っています。パターナリズムという言葉が正しいかどうかは別として、やはり国がきちんと日本国の、北海道から九州、沖縄まで、憲法によって定められたところの国民の権利を発現をするために国としてやらせていただくということでありますが、地方がやった方がより良いのだと。  例えば、農地転用権限というものを地方移譲をいたしました。やはりそれは、もうそれまで私が農水大臣をしておったときからずっとある議論で、もっと前からあるお話なのですが、やはり地方にそれだけの権限をお渡しをし、それと同時に、地方にその知見農地法というのはあれだけ精緻な法律でございますし、限界事例みたいなものがたくさんありますので、それを御判断いただけるだけの知見がお持ちいただけるかどうか、そして、そこにおいて生ずるいろんな事象に対して、その地域方々に対して、選挙によって選ばれるがところの首長の方々責任を取っていただけるかということだと思っております。  そちらの方が住民にとって良いのであれば、それは積極的に取り上げていかねばなりませんし、国が決めるのであれ、あるいは地方からの今の提案募集方式であれ、どちらの方式を活用しても、本当にその地域住民に資するものであるかどうかということが事の本質でありまして、私ども政治の立場として、そういうものはどんどん提案を受け付けて実現に向けて努力をしたいと思うところでございます。
  12. 寺田典城

    寺田典城君 日本の国は、それこそ徐々にしぼんできているというか、借金増えてきていると。それこそ国と地方を合わせて一千兆円の借金ある、そして、毎年三十兆円近い借金が増えていくということなんですね。介護費を見るのだって、例えば二〇〇〇年には三兆円の介護費だったものが現在は十兆円で、二〇二五年になれば二十兆円になっちゃうという。社会保障費だって百十兆円から百五十兆円になるんじゃないかというふうに言われているんですよ。それで、アベノミクスで、異次元の金融緩和経済的な好循環を生もうということなんで、それはそれで、これで失敗したら日本の国は私は破産してしまうと思うんです。だからそれなんですが。  ただ、地方団体が、要するに揺り籠から、保育園に入る、幼稚園に入る、保育園造る、幼稚園造るとか、幼保一元化だとか含めて、介護までですよ、揺り籠から墓場までですよ、国が全部権限握って、一部分、そのことを理解なければ地方自治体は進められないという事態がおかしいと思うんです、私は。ですから、そういう点で、地方が自立するようなことを促すと。そして、国はサポーターになるべきだと思うんです、霞が関の職員はですね。  例えば過疎債なんかは、一九七〇年、過疎事業債対策債、昭和四十五年です、あれから四十六年間たっているんですけれども幾ら金を使ったかというと、百兆円近く使っていらっしゃるんです。一年に二兆円です。これは一千兆円の借金の中の一つ。ところが、過疎債を余り使い過ぎて、物を持ち過ぎて、それを維持するのは大変な状況になっていると。それを減損処理するための地方債を発行できるようにもしましたけれども総務省に話をして。  だから、とにかく、これからの時代感覚のことをやろうとしていくべきだと思うんですが、地方創生とかそういうことはみんな、物を足すことを考えるのが多いんですね、補助金付けるとか。レス・イズ・モアというか、物を小さくして、物を少なく持って、そして効率よい体質つくるということをなぜ余り考えないのかなと思うんです。その辺が私は、一千兆円も借金ある日本の将来について、石破大臣はどう考えていらっしゃいますか。
  13. 石破茂

    国務大臣石破茂君) これは、私はあちこちで申し上げていることですが、今、日本は一億二千七百万人おりますが、このままの出生数、このままの死亡数が続けば、二一〇〇年には日本人は五千二百万人になるのであります。二百年たつと千三百九十一万人になって、三百年たつと四百二十三万人になってということになるわけで、それは、かつて明治の時代は三千万人であったではないかと言いますが、人口ピラミッドが全然違う形でございますから、そこは同じ三千万でも全く違うのだと。  これはまた議員の御高見を承りたいと思いますが、結局、人口がそれだけ減っていくということは、一人当たり借金というのがそれだけ増えるということに間違いなくなるはずなのであって、そういうものに本当に耐えられるかといえば、私は無理だろうというふうに思っております。この国の持続可能性そのものが問われているのでありますが、そのときに、揺り籠から墓場までというふうに委員が御指摘になりました。  私が非常に参考になった事例というのは、愛知県の長久手市というのがございますが、そこの吉田市長と随分とお話をする機会がございました。行政が何でもやってくれるというのは経済右肩上がりのときだけなのだということ、そのことをずばっと言うのが吉田さんであって、市民の方々に、行政にあれをやってこれやってではなくて、自分たちがいろんなことをやっていく、そういうふうに転換をしていかねばならぬのだと。これは雲南市の市長も同じようなことをおっしゃっておられます。  ですから、地方分権を考えますときに、その地域主権者たる住民方々に、地方であれ国であれ、何を求めるのかということを言いませんと、この国のサステナビリティーというのは保たれないと思っておりますが、それを言うと、大体余りいい顔をされないんです。政治家はいい顔をしたいですから、そういうことを言いたくないのですが、まさしく直接選ばれる市長さんであり知事さんであり、そういう方々が、我々ももちろん責任放棄するつもりはございませんが、どうやって持続可能性を確保するのかということは、主権者たる住民方々に共に語るべき課題だと認識をいたしております。
  14. 寺田典城

    寺田典城君 良い顔をされなくても、進めなきゃならないときは進めなきゃならないと思うんです。  私は良い顔をされなかった知事でした。それから、国とパイプがありますかといっても、自民党と三期十二年戦ってきた知事ですから、パイプはどういうパイプ、要らないものを持ってこられたって困るからねという、こういう話。だから新しいことができるんですよ、いろんなことを、制度を変えることができるんです。それを、国の意向だとか自民党先生方と懇意だからといって、例えば高速道路の何か造る場合は新直轄事業みたいなものを生み出して、県が二割とか三割負担しますから国で造ってくださいとかと、そういうことだってできるんですよね。なぜ、道路公団にやらないのとかと言われるときがあるんです。  それで、小泉さんが、また同じ、辞めるとき、格差の問題は制度を変えなければ解決しないという、やっぱり地方との格差はあの当時も問題になっていた。道路造った、橋造ったでは格差は是正されないと、一国二制度をいとわなきゃ、それを持っていかなきゃならないんじゃないのと。私は、二〇〇七年にそのことで一生懸命、自民党税調会長、それから民主党税調会長は藤井さんだったかな、歩いて、道州制になったらそれをできるんじゃないのという話で先延ばしなんですよ。  それで、まち・ひと・しごとの委員会は、法律変えなくても、何というんですか、やれることはやっていくことも正しいじゃないかと、石破さんもそうおっしゃるんです。それは確かにそのとおりだと思いますが。  例えば、この間、北海道新幹線が函館の近くの方まで行きましたね。あそこから、大沼公園の辺りから旭川まで高速道路が四百キロぐらいあるんですよ。料金幾らかというと九千七百四十円なんですね。四百キロぐらいで一万円近くですよ。第二東名、海老名の辺りから、それから名古屋まで、三百十六キロで七千九十円。まあ料金はどうでもいいんですよ。どうでもいいんじゃない、関心もあります。  それで、ところが、その四百キロ造るのに調達原価というのは一兆二千億ですから、キロ三十億ぐらいでできているんですよ、一つの例として、北海道東北なんかはキロ三十億ぐらいでできちゃう。ところが、第二東名とかはどのくらい掛かるかというんですから、四兆四千億ですから一キロ当たり百六十億。北海道みたいにずっと、東北みたいに大きくて広くて、たくさん長く長距離走らなきゃならぬところも同じ料金キロ三十億でできる道路も同じ料金キロ百五十億、二百億掛かるところも同じ料金。これは矛盾していると思わないですか、こういうの。例えばあちらに観光に行くといったって、やっぱり長距離掛けるんだから金も掛かるでしょうということですよ。  だから、地方創生でやれることで、どこかお門違いなところがあるんじゃないか。みんな全国一律でやろうとしているんですよ。その辺、石破大臣、変えることを考えてみませんか、一国二制度、そういうのをつくることをですね。
  15. 石破茂

    国務大臣石破茂君) それは、第二東名にしても北海道高速道路にしても、国交省において精緻にBバイCを計算した上で建設をいたしているものだと承知をいたしておりますが、あえて私見を申し述べさせていただければ、車が走らないので料金を上げるというのはそれは話がおかしいのであって、その料金では乗る価値がないと思うから乗らないのであって、やっぱり道路の通行量が少なければ運賃は下げるのだという考え方が私はあってしかるべきではないだろうか。つまり、混んでいる道路というのはこの金を払っても乗る価値があると思うから乗るのであって、だとすれば、料金体系の在り方というのは、また別の考え方があってしかるべきなのではないかと思います。これはもう国交省の所管ですから、私見というふうにあえて申し上げさせていただきました。  道路を造ろうが新幹線を造ろうが、今だけ、ここだけ、あなただけというのがなければ、それはストロー現象、バキューム現象が起こるに決まっているのであって、かえって道路造らなきゃよかった、新幹線造らなきゃよかったみたいなところ、実は世の中にたくさんあるのだろうと思っております。ですから、地方創生として申し上げているのは、今だけ、ここだけ、あなただけという町づくりをやるのか、いつでも、どこでも、誰にでもみたいな町づくりをやるのか、まさしくその地域の個性をいかに生かすかであって、中央の組織というのは、委員おっしゃるように、それを人材面と財政面と情報面でいかにサポートするかということだと思っております。  日本国中同じような町ができ、日本国中同じように廃れていっているというのは、やはり行政の在り方に正すべき点がたくさんあるということは私も認識を共通にするところでございます。
  16. 寺田典城

    寺田典城君 やはり全国一律の制度地方も創生して成長するなんというのは、それは無理ですよ。役所だって、それ同じようにやらせようとすると。例えば国際教養大学というのは、ああいう法律があったからああいうことができるんです。制度を変えると。  だから、例えば東京だったら三〇%の法人税だけれども地方へ行ったら一五%にするからというと、それなりの企業は来ると思いますよ。夕張市だったら、ああいうふうな形にならなかったと思いますよ。ところが、夕張市は、あのとおり、十二、三万の人口おって、それだけのインフラをあれしておって、昭和三十五年に、炭鉱法の中で、あそこをやめちゃったらどうなったのかというと、ただ、お互いに、国土交通省は道路を造ったり、農林省は夕張メロンを作ったり何やっている、建物建ててああいうふうな形にしちゃうでしょう、人口一万人。  だから、制度を変えなければ無理だということを、私はそれを主張したいんです。それをやるのが地方創生じゃないのかなと、私はそう思うんです。だから、それから手を着けていただくことがまず大事じゃないかなと、そう思います。  それと、地方創生加速化交付金ということで、それ本当に地方創生に役に立っているのかなと思うんです。これ、どなたさんか、しゃべってください。
  17. 末宗徹郎

    政府参考人(末宗徹郎君) お答えいたします。  この加速化交付金でございますけれども、これは地方からの強い要望を受けまして補正予算で上積み確保したものでございます。そういうこともありまして、地方は相当熱心に取り組んでいただきまして、私も多数御相談を受けたわけですが、地方の意欲を実感したところでございます。  金額的に申し上げますと、三月末に九百六億円を千四百三十六自治体、全体でいうと八割に相当するわけですが、そこに雇用の創出ですとか移住者の増加などなど、それぞれ特色のある取組、先駆的な事業の裾野が広がったと思っておりまして、地方創生の加速化に寄与しているものと考えております。
  18. 寺田典城

    寺田典城君 ばらまき的に、それから頭で考えただけで、一時的にはそこは潤うかも分からぬですけれども、持続して変わっていくかというと、無理ですよ、それは。お金を出すだけ、それをするんだったら、制度を変えて進めることが大事だと思うんです。そして、自治体とよく相談して進める、やることだと思うんです。  私、一つ自慢させていただきたいんですが、ワールドゲームズってしたことあるんです。これはオリンピックにない競技を進めることなんです、御存じかも分からないですけれども秋田市の前は、サンタクララというアメリカでやって、私たちの終わった後は、四年ごとに、デュイスブルクと、その後は高雄でやったんですが、要するに、国際オリンピック委員会の後援なんですが、四年に一度、夏季オリンピック・パラリンピック競技大会の翌年に開催されるんですよ。  それで、オリンピックに採用されていない種目なんですが、今採用されるようになったのは何かというと、バドミントン、それから野球、テコンドー、ビーチバレー、女子ウエートリフティング、トライアスロン、七人制のラグビーだとか、これみんなワールドゲームズから来ている競技なんです。  これ、どうやってやったのかというと、お金は、世界から何人来たか、選手とスタッフを合わせて四千人迎え入れました。今オリンピックをやっているんですけど、お金、総事業費どのくらいだったかというと、二十五億です、全部で、四千人も人集めて。それから、動員は三十万人、チケットの売上げは一億一千五百万なんですが、残余金二億出しました。これは、国から一つももらわないでやっているからやれるんですよ。まさにそういう制度になるんです。だから、国は物を出せば何とかなるタイプはもうやめちゃった方がいいと思うんですよ。  三十一分になりました。この次は石破大臣を一生懸命褒め殺しにするぐらい資料を持ってきて、もう少し変わった考えで結論を出してもらいたいと思いますので、ひとつよろしくお願いします。  どうもありがとうございました。
  19. 森本真治

    ○森本真治君 民進党・新緑風会の森本真治でございます。どうぞよろしくお願いをいたします。  寺田委員の方が分権改革というようなことで質問をされましたので、私の方は地方版ハローワークのことを中心に質問をさせていただきたいというふうに思います。  ハローワークの地方移管ということで、これはまさに分権改革一つとして長年にわたって自治体の方が要望をしてきたことだったというふうに思います。私も、五年ぐらいもう前になるでしょうか、広島市が、市長さんが積極的にこのハローワークの地方移管ということを進めたいということを掲げられて、当時、私も市議会の方でいろいろと議論をしたことを思い出します。  基本的には、この方向性について全く異議を唱えるものではございませんけれども、一方で、今日は厚労省さん、生田局長も来ていただきましたが、本家のハローワークの方ですね、こちらの方においても、現在、例えば求人票に記載をされた労働条件と実際の条件が異なっているということで多くの苦情が上がっていたりとか、いわゆる求人票詐欺というような問題なども今社会問題になってきているのではないかというふうな現状がありますので、その中でハローワークさんも今様々な対策を取られようとしているという、そういう現状があるというふうに思いますが、今回、このハローワークの地方版、これが創設をされた中で同じような問題が多く起こってくるようであれば、これはやっぱり非常に問題だというふうに思います。  もちろん、これ新たな雇用対策ということで、ある意味目玉の一つということで政府の方も今回創設をされるということだと思いますが、求職者の利便性向上を狙った制度が、逆に多くのトラブルなどが多発してしまうようなことがあってはいけませんので、今日は、その辺りについても時間をいただいた中で確認もしていかなければいけないと思います。  それで、まず石破大臣の方に、今回のこのハローワーク、地方版ハローワークの創設ですけれども、ハローワークの地方移管というのが、先ほども申しましたように、元々全国の知事会であったり指定都市会が求めてきたものだと思いますけれども、これ私の理解では、全面的なハローワークの移管ということを当初は地方の方は言われていたんだと思います。当然、その目的、意義ということも主張されて、そしてこの間、かなり時間掛かりましたけれども、検討がされたんだというふうに思います。  今回提案された内容は、全面的な移管ということではなくて、地方版のハローワークの創設と併せてこれまでの制度を少しバージョンアップするというようなことで、ある意味合わせ技のような制度になったということだと思います。今回の内容については、知事会にしても指定都市会についても一定の評価はしているというふうには私も理解しておるんですが、ある意味現実的なところに落ち着いたのかなというようなふうにも思いますけれども大臣として、真の分権改革という観点から、この今回の新たな制度、どのように評価をされていらっしゃいますか。
  20. 石破茂

    国務大臣石破茂君) これは結構長い議論のある話であります。  委員おっしゃるように、もう現実的な着地点というのはまあこんなところなんだろうねというのが私の実感でありまして、これは全国知事会を始めとして、全面的に移管をすべきだというお話がありました。他方、例えば経団連とかあるいは連合とか、そういう働く側あるいは雇用する側から要望があったかというと、どこからもない。誰も、何というんでしょうね、知事会とかそういうところから要望はあるけれども、実際に雇用する側、働く側からお話が来ない。政府の側はどうかというと、常にILO条約との整合性というお話になって、もう結局、話はいつまでたっても結論が出ない。ということは、ベストな解決って世の中にあると私は思っていないので、どこかできちんと決断をしなきゃいかぬことだと思ってまいりました。したがいまして、この議論をいつまでも続けることは絶対にしないということで、厚労省にもお願いをし、汗をかいていただいて、あるいは鳥取県の平井知事始め有識者の方々にも御議論いただいて、今回のような結論になったものだと承知をいたしております。  それは、北海道から九州、沖縄、津々浦々、日本全国、きちんと労働者の権利を保障するということは、これは国の責務でございます。これは決してないがしろにしてはならないものであります。しかし、その地域のことは地域が一番よく知っているのであって、国のハローワークと地方のハローワークが全然連携をしないことの方が問題ではないのか。場所の近接性も含めまして、あるいは取扱いの業務の内容も含めまして、両方の持っている特性を最大限に生かすということを考えながら今回の結論に至ったものだと承知をいたしております。  これから先、運用していくに当たって、とにかくユーザーフレンドリーというのが一番大事なので、職を求める方、あるいは人を求める側、それぞれの利便性が増したのか、いや、そうではないのか、そこを常に検証しながら、より良い運用を心掛けるのが責務だと考えておるところでございます。
  21. 森本真治

    ○森本真治君 ちょっと確認ですけれども、今大臣答弁いただきましたが、今後いろいろ運用する中で細かな課題などが出てきていろんな改善をするということはあろうかと思いますけれども、基本的には、ある程度この問題については一定のこれで方向性、道筋が付いて、大枠の制度についてはもうある程度これで進んでいこうという理解でいいのか、まだ全面的な移管などについては引き続き検討がなされていくのかというところをちょっと確認させてください。
  22. 石破茂

    国務大臣石破茂君) それは、全面的な移管というものを否定するものではございませんが、まず、この新しい方式で運用してみて、実際に利便性が労使共に増すとするならば、これで行こうと思っております。  そこで、なおいろんな利便性が阻害をされて全面的に移管をしなければならないということになりますと、ILOとの整合とかそういうものも含めまして、もう一度抜本的なそもそも論をやらなければならぬことになろうかと思います。そもそも論をずっと延々としている間にどんどん時間を徒過するのは私はよしといたしませんので、今回のような結論になったものでございます。  詳細はまた厚労省にお尋ねいただきたいと思いますが、何にしてもユーザーフレンドリーということで運用の改善には常に心掛けてまいります。
  23. 森本真治

    ○森本真治君 今日、生田局長さん、お越しいただいて、ちょっと先に確認ですけれども、先ほど大臣の方からもILO条約との整合性というようなお話もありました。今回の制度は、ある程度国の関与というのも残したままで新たな制度ということでございますけれども、私の理解では、もう一つ、国の方、厚労省と言ってもいいかもしれませんけれども、懸念をしていたのが、やはり地方自治体の方に、専門性ですね、ハローワークなどについて職業紹介が十分に備わっているのかということですね、労働関連の知識、経験も含めて。そういう中で、少し心配をされていたところがあったのではないかというふうにも理解しておるんですね。  今回の新たな着地点というか、制度がまとまった中で、そのセーフティーネットの部分は別で、もう一方の、地方がきちんと対応できるのかという部分についてはどのように認識をされて、また、場合によってはいろんな支援策なんかもしていく必要もあろうかと思うんですけれども、その辺りのお考えをお伺いしたいと思います。
  24. 生田正之

    政府参考人(生田正之君) お答えいたします。  今委員指摘のように、ハローワークの職員につきましては、職業安定行政の専門家としまして、日々知識や経験を積んで、いろんな研修も受けて、実践と理論のバランスの取れたキャリア形成が行われているということでございます。仕事をしていく上でも、例えば単に求人を紹介するというだけではなくて、雇用保険制度の活用ですとか、あるいは求人事業主への求人条件の緩和指導ですとか、あるいは助成金の支給によります雇用開発など、複合的な視点から一人一人のきめ細かなマッチングに努めているところでございます。  今回、職業安定法の改正によりまして、地方公共団体が民間とは明確に異なる公的な立場で創意工夫を凝らして職業紹介を実施していただくことになります。厚生労働省といたしましても、国と地方公共団体が補完し合いながら、利用者にとって一層利便性の高いサービスが提供されるということは非常に大事なことだというふうに思っております。  そのために、まず職業紹介等につきまして、地方公共団体の職員の方の知識、能力の向上を図りますために、国が職員を講師として派遣してハローワークの持つ求人受理あるいは職業紹介のノウハウなどの研修をやるといったようなことですとか、あるいは国と地方公共団体の間で人事交流を実施すること、それから今回の法案にも盛り込まれてございますけれども、ハローワークの持つ求人求職情報を自治体に提供する、これを活用していただくということなど、いろんなことをやりまして、地方公共団体の御意見、御要望も踏まえながら、地域版ハローワークの専門性向上が増すように努力していきたいと考えてございます。
  25. 森本真治

    ○森本真治君 あと、今後、運用の中で様々な検証などもなされていかれるんだと思いますけれども、既にこれまで一体的実施であったりハローワーク特区というようなことも先行して行われてきたわけでございまして、これは今日資料としても付けさせていただいておりますけれども知事会などでは、この資料一の真ん中辺り、「ハローワークの地方移管の早期実現を」の中で、やっぱりそれなりのこれまでの取組にも限界があるというようなことは見解として出されておったわけですね。  この例えば一体的実施やハローワーク特区、限界があるというふうな指摘でもありましたけれども、今回は引き続きこの制度については続けていこうということであるわけでございまして、これは次長さんの方で結構なんですけれども、この辺り知事会なんかの指摘に対して今回の新制度の中でどのように改善をされていかれるのかというような、この辺りについて御説明をお願いします。
  26. 池田憲治

    政府参考人池田憲治君) お答え申し上げます。  配付いただきました資料は、昨年の六月に全国知事会地方分権改革有識者会議に提出をして、平井鳥取県知事から説明があったものでございますけれども、御指摘のように、限界があるという記述がございます。  これは、この資料では、ハローワーク特区、それから一体的実施の課題として具体的なことがこの後にいろいろと書いてあるわけでございますけれども、その中で一つ挙げさせていただきますと、いわゆるその一体的実施、同じ施設の中で地方の職員が相談を行って国のハローワークの職員が職業紹介を行うといった一体的実施におきましては、その施設内でのルールの統一ですとか意思疎通、調整が円滑に進まないために、国と地方の職員との間で利用者についての情報共有が不十分であったり、利用者が説明に二度手間を要していることなどが挙げられております。  この点につきまして、地方版ハローワークができますと、地方の職員が相談と職業紹介を一元的に担うことが可能となりますので、より円滑に情報共有がなされることになりまして、職業紹介と福祉、職業紹介と産業政策との連携がより密接に図られるものと考えております。利用者にとりましても、手続や説明の煩雑さが解消されまして、よりきめ細かな対応を受けることが期待されるところでございます。
  27. 森本真治

    ○森本真治君 ちょっと、ごめんなさい、今の答弁での確認にもなりますけれども、つまり、やっぱり理想型は地方版ハローワークの方でしっかりと対応していただくということで、この一体的実施事業であったりハローワーク特区というのは幾つかのそういう課題があるから、そこを、どんどん少なくなっていって、最終的にはやっぱり地方版ハローワークの方が、どこの自治体もしっかりやっていくということが課題解決にもつながるという考え方でいいのかどうか、ちょっと確認を、その辺りについて。
  28. 池田憲治

    政府参考人池田憲治君) そこは、今後もその一体的実施の取組というものは地方公共団体が選択して選べるものだと思います。それぞれの制度のメリットですとか、先ほどもお話ございましたように、国のハローワークの職員のそのノウハウといったものもやはりございますので、そういうものをどのようにうまく組み合わせて連携して行うのがいいのか、それぞれの地方でハローワークと地方公共団体がよく連携をして、話し合って、それを、方向性を決めていくのがよろしいんじゃないかというふうに考えております。
  29. 森本真治

    ○森本真治君 あと、今日ちょっと資料の配付していないんですけれども、指定都市会の方も見解を出されておるのを見させてもらいました。平成二十八年一月、今年の一月に指定都市会の方も提案ということで意見を出されていて、その中で要請として、例えば地域の実情に応じたきめ細やかな就労支援については、指定都市と連携し、労働局長が自らの判断で柔軟かつ円滑な推進を可能にするため、これは厚労省ですね、労働局長に予算面も含めたより大きな権限を付与するというような、こういう提案なんかもあるんですね。こういう前向きな提案などについては積極的にやはり対応してあげるということも非常に意味があるのかなというふうに思います。  これは局長さんの方の答弁になるかもしれませんけれども、この指定都市会の要望についてのお考えをお伺いしたいと思います。
  30. 生田正之

    政府参考人(生田正之君) 御指摘指定都市市長会の御提案でございますけれども、本年一月二十八日に松井広島市長から、とかしき厚生労働副大臣がお受けしたものでございます。  この中身につきましては、その場で、可能な限り、要望を受けたハローワークあるいは労働局でその要望の判断を行うようにすることや、あるいは労働局、指定都市間で地域間の雇用対策のための議論を深める場を制度化していくことなどについて合意がなされてございます。  これを踏まえまして、今年の三月の三十日付けで各都道府県労働局に対しまして指示を出してございます。その中身は、地方公共団体から定例的な要望や、あるいは配賦された人員、予算内で措置できるものにつきましては、本省に協議せずに労働局で対応の有無について独自に判断していいというふうにしました。  それから、指定都市市長会の御要望に沿いまして、労働局の判断による柔軟かつ円滑な対応を可能といたしまして、あと、一体運営につきましても、現在全ての政令指定都市と一体的実施を既に行ってございますので、各指定都市に一体的実施運営協議会というのがございますけれども、そこで指定都市のお考えを十分お聞きして、そのニーズを踏まえた、増設も含めた工夫の検討を進めていきたいと考えてございます。
  31. 森本真治

    ○森本真治君 是非、頑張っていきたいんだという自治体に対しては、国としても精いっぱいのやっぱり応援ということは引き続きしていただきたいというふうにも思います。せっかく制度をつくっても、やる気があっても、なかなか、じゃ現実問題として本当にそれが取り組めるのかどうかということは、今後もいろんな課題は出てくるのかなというふうにも思っておりますので、ちょっとその辺りについても確認をさせていただきたいと思います。  それで、今回、新たな地方版ハローワークですけれども地方自治体、これまでも無料職業紹介事業というのは行うことができてきたわけでございまして、これが届出制であったものが今後届出ということが必要なくなるということで、そこの手続の問題は手間が省けるかもしれないけれども、じゃ実際に本当にそれができるのかどうかということになってくるんだと思うんですね。  それで、まずちょっとこれは数字の確認ですけれども、現在この無料職業紹介事業を行っている自治体ですね、これ都道府県と市町村、それぞれでちょっと教えていただきたいと思います。
  32. 生田正之

    政府参考人(生田正之君) お答えいたします。  現在、職業安定法三十三条の四に基づきまして、届出をしていただいて無料職業紹介事業を実施していただいている自治体がございます。これは平成二十七年三月三十一日現在で二百十一団体ございますけれども、その内訳は、四十四都道府県、それから四区、それから百一市、それから五十四町、七村、一組合となってございます。
  33. 森本真治

    ○森本真治君 今御答弁いただいたように、都道府県については四十四ということですから多くの県がやられていますけれども、市区町村になっていくと、先ほど御答弁いただいたとおりですね。やっぱり、これはある程度体力のある都道府県というのはしっかりできるけれども、そうじゃないところは難しいかなというふうに思います。  今やりたいんだけれどもできていないのがどれくらいあるかと聞いてもなかなかそれは難しいかもしれませんので、例えば、今回のこの法改正で手続がちょっと簡素化されるというか、届出がなくなるというところの仕組みが変わるだけですけれども、と言ったら言い方がちょっと語弊があるかもしれませんけれども、ちょっとやってみようというふうに新たに思われている自治体なんかというのは把握されているんですか。
  34. 生田正之

    政府参考人(生田正之君) 先ほど御答弁いたしました現在事業を実施しているところにつきましては、それなりの数、恐らく地方版ハローワークになられるのではないかと思っておりますけれども、それを超えた、新しく地方版ハローワークを設置されるというふうな動きにつきましては、具体的なものは把握してございません。  各地方公共団体が多分地域の実情に応じて判断されるというふうなことだと思いますけれども、我々として今やるべきことは、こういう制度ができて、その実施に当たってはいろんな支援策、先ほど言いましたようなノウハウの提供ですとか、あるいは人事交流も含めたいろんな支援策を国としてやっていくんだというふうなことをきちんと周知して、取り組むところには取り組んでいただけるような環境をつくっていくということが大事だと思いますので、そういう努力をしていきたいと考えてございます。
  35. 森本真治

    ○森本真治君 いろんなそういう研修とかノウハウを伝えていくということも当然大事だと思いますし、しっかりやっていかなければならないと思いますけれども、でも、やはり現実問題としては、予算であったり、そもそもの人員ですよね、人の確保というようなところがしっかりできていけるかどうかということですね。せっかく今回このような制度をつくって前向きにやっていこうと言っている以上は、しっかりとその辺りについてもある程度の後押しということも必要かなと思います。  なかなかこれ、予算が絡む問題というのは難しいかもしれませんし、これ厚労省の予算なのかちょっとよく分からないですけれども大臣今日はいらっしゃるから、国としてこの辺りの予算措置などについて地方分権の観点からもしっかりとやっていく必要があると思いますけれども、お考え、大臣、どのように思われますか。
  36. 石破茂

    国務大臣石破茂君) それは、地方がその役割を適切に果たしていけるように予算措置も含めて検討はしていかなければなりません。人事面においてもそうでございます。  今、事務方から、厚労省から答えがございましたように、まずその職員の方々の人事交流あるいは研修、そういうものを行っていってスキルを上げていくということが重要なことだと思っております。そのために必要ないろんな対応は厚労省において適切になされるものだと承知をいたしておりますが、私どもの方といたしましても、厚労省に対しまして、これの適切な運用が実現いたしますようにいろんなお話合いはしていきたいと考えております。
  37. 森本真治

    ○森本真治君 是非しっかりと、これで終わりではありませんので、この後のフォローアップ、その辺りについても重ねてお願いをさせていただきたいと思います。  ちょっと時間が迫ってまいりましたので、冒頭申し上げましたハローワークの苦情の問題ですね、これについて先にちょっとやらせていただきたいと思います。  今日は資料の二の方でも付けさせていただいておりますけれども、これはいわゆる本家と言ったらあれですけれども、ハローワークの方ですね、ハローワークの方でいろいろ調査というか、まとめられた申出・苦情件数でございますけれども、見ていただいてお分かりのとおり、これが全国で一万件を超える相談などが寄せられているという現状がありますね。実際に、求人票の内容が実際と異なることに起因した苦情というのが三六%というような状況があるわけでございます。  もう既に自治体の方で無料職業紹介事業ということをやられておりまして、そこで実際にこのようなトラブルがあったのかどうかということについてはなかなか把握ができていないと思いますけれども、恐らくそこも加えると、この一万二千件プラスですね、多くのそういう苦情なども起きているのではないかというふうに思います。  どんどんこれを進めていこうと、地方版ハローワークを進めて、制度をつくったんですからいかなければならないわけでありまして、ただ、その一方で、やはりこのような苦情ということもしっかりと対応していくということも必要になってくるんではないかと思います。  先ほど来、専門性の問題とかきちんとしたそういう対応が自治体の方でできる体制がつくれるかというお話もさせていただきましたけれども、やはり厚労省としても、しっかりこの辺りの、具体的な実際こういうトラブルが起きたときの連携などについてもやっていく必要もあろうかと思います。是非、その辺りについてのお考え、お伺いしたいと思います。
  38. 生田正之

    政府参考人(生田正之君) お答えいたします。  まず、地方版ハローワークにおきましては、自治事務ということで、地方公共団体責任でまず適正な求人の確保に取り組んでいただくということが基本だとは考えてございますけれども、ただ、この場合に、受理した求人内容とそれから実際の労働条件が違うというふうなトラブルはやはり想定されます。それに対応するために、地方公共団体から希望がございましたら、ハローワークから地方版ハローワークに対しまして、求人内容が相違があった場合の是正指導の方法などにつきまして、先ほどちょっと研修と包括的に申し上げましたけれども、研修などを実施したいというふうに考えてございます。  あと、地方版ハローワークで受理した求人につきましては地方版ハローワーク、それから求人事業主が希望されればハローワークの求人としても受理する方向でございます。これは、昨年末の閣議決定でもそういうふうな方向が示されてございます。このために、地方公共団体から提供を受けた求人に何らかの問題が見られる場合につきましては、ハローワークとしましても地方公共団体と連携して必要な指導を一緒になってやっていくというふうなことができるんではないかというふうに考えてございます。  厚生労働省としては、地方版ハローワークに対しましてハローワークからの様々な支援が可能であるというふうなことを十分知っていただいて、連携を深めることによって地方版ハローワークで適切な求人の取扱いができるように対応していきたいというふうに考えてございます。
  39. 森本真治

    ○森本真治君 ちょっと今の局長答弁で私気になったのは、自治体の方からいろんな例えば相談があったりとかそういう中で、あくまでもやっぱり自治体が主役ですから、余りそこに、変な介入じゃないけれども、入り込むのがどうなのだろうかというようなちょっと意味が込められていたような気もするんですね。  ただ、今回、全面移管をしなかったその理由の一つとしては、ILO条約の話なんかもずっとありましたけれども、やっぱり国のセーフティーネットですよ。それは、あくまでも国の方で独自にそれをやるということでセーフティーネットをしっかりと担保するという話ではなくて、やはり自治体の方がやる部分についてもしっかりとそこはフォローをしてあげるということも含めてセーフティーネットという考え方というのは、決してこれ変な介入でも何でもないというふうに私は思います。  だから、頑張るんだから口出ししないでくれというようなことを自治体の方が言うかどうか分かりませんけれども、でも実際に、先ほど大臣も今回の狙いであったように、主役はやはり求職をする皆さんですよね、国民であり市民の皆さんが主役でありますから、その皆さんに変なやっぱりトラブルなんかが起こることについては、常に国も自治体と一緒になって対応をしていくということは非常に重要だというふうに私は思います。  場合によっては、今後、例えばこの地方版ハローワークでの苦情の申出などについてもしっかりと国の方でも把握していくというようなことも私は大事じゃないかというふうに思いますので、ちょっと答弁をしていただくかどうかはあれですけれども、この思いについて、少しまた今後検討もしていただきたいと思いますけれども、どうですか。
  40. 生田正之

    政府参考人(生田正之君) 今委員指摘のように、やはり求職者の方あるいは求人企業の方の利便性をいかに向上させるか、あるいはトラブルをいかに防ぐかということが非常に大事だというふうに考えてございます。今後、地方版ハローワークの運営につきましては、連携をしていくということで様々な機会があると思いますので、そういう連携の中で必要な情報だとかあるいは実態の把握をいたしまして、国として地方公共団体による適正な求人の確保に協力するという姿勢で臨んでいきたいと考えてございます。
  41. 森本真治

    ○森本真治君 ちょっと時間が来まして、全部の質問できませんでしたけれども、最後、せっかくなので大臣に聞かせてください。  今回の分権改革で、先ほど寺田委員もありましたけれども一つは手挙げ方式ということがあって、決してこれ意味がないことではないし、重要なことだと私は思いますけれども、ちょっと何か地味なような、なかなか成果というものが、どこまで住民にとってプラスになるんだろうかということがなかなか実感しづらい。そういう中で、今回のハローワークなんかについては比較的住民の皆さんも実感しやすいような改革ということが、ある意味、ちょっと現実的なところはあるといいながらも、進んだというところがありますね。  今後、直接的なやはり住民が実感できるような改革ということも、もっとこれから大臣も積極的にリーダーシップを取っていただいて取り組んでいただきたいと思いますので、今回これが実現できたというようなところもあると思いますので、今後の決意ということをお聞かせいただいて、終わりたいと思います。
  42. 石破茂

    国務大臣石破茂君) ありがとうございました。  要は、地域住民の利便性に誰が一番敏感かといえば、それはやはり地方自治体なのだと私は思っております。そしてまた、二元代表制の下における地方議会なのだと考えております。  ですから、委員の先ほどからの御質問を聞いておって、やはり地方の実情をよく御存じだと思いながら拝聴した次第でございますが、ニア・イズ・ザ・ベターといいますか、地方の、地域に近い、住民に近いところからそういうような提案がどんどん出てくるべきなのではないだろうか、そこから遠い国があれこれ言うことはかえって的を外す危険性が高いのではないかと私は実感をいたしておるところでございます。それは責任放棄とかそんな話ではなくて、住民に近い自治体が、より住民のためにこういう権限を我々は移譲してもらいたいんだという御主張、それに我々はなかなか抗弁することは難しいのだろうというふうに思っております。  したがいまして、責任逃れをするとかそういう話ではなくて、地域の皆様方から、自治体の方々からより御提案をいただきやすいような状況をつくっていくことも私ども責任でございます。
  43. 森本真治

    ○森本真治君 終わります。ありがとうございました。     ─────────────
  44. 熊谷大

    委員長熊谷大君) この際、委員異動について御報告いたします。  本日、小西洋之君及び若林健太君が委員辞任され、その補欠として神本美恵子君及び舞立昇治君が選任されました。     ─────────────
  45. 大門実紀史

    大門実紀史君 大門でございます。  法案に入る前に、地方創生との関連ですけれども、消費者庁、国民生活センターの移転問題について質問をさせていただきたいというふうに思います。  国民生活センターの移転の方なんですけれども、センターの行っている研修をテスト的に徳島県内でやってみようということで、五月の九日から始まって合計十四回ですかね、実施予定になっておりまして、徳島県の鳴門合同庁舎でやるという予定でございますけれども、五月九日から始まったわけですけれども、テストする中身としては、徳島で全国の研修をやるということが集まりやすいかとか、中身も含めてだと思いますけれど、そういう点のテストだというふうに思いますが。  その五月九日の結果なんですけれども、まあそういうテストをやって移転を判断していくという流れなんですけれども、その五月九日の中身なんですが、今日ちょうど本会議で森本さんが触れられましたけれども、参加人数ですね、六十九人中五十人が徳島県内の行政の職員だったということであります。内訳を見ますと、東日本の人はゼロですね。石川県が一人いらっしゃいますけれど、あとは全部西日本の関西、四国、九州、しかもお付き合い程度に一人ずつとか、そんな結果であります。これで、消費者庁、どうなんですか、これ全国研修と言えるんでしょうか。
  46. 川口康裕

    政府参考人(川口康裕君) 今回の国民生活センターの研修の試験的実施につきましては、全国の都道府県に御参加いただけるよう御案内をしているところでございまして、今回は十四回目の一回目でございます。その結果、徳島県から四十九名、徳島県外から十九名、それぞれ参加されたというふうに承知しておりまして、今後の参加の状況等も見ていきたいというふうに考えているところでございます。
  47. 大門実紀史

    大門実紀史君 川口さん、問題って分かっていますか、私が指摘していること。全国研修なのに徳島から五十人で、格好付けてね。  しかも、今、えっとびっくりするようなことを言われましたけど、御案内をして、資料にも、配付はしておきましたけれども、そうなんです、御案内しているんです、お願いをしているんです。御案内じゃありません、これ。徳島県知事が各都道府県知事にお知らせといいますか、ここで研修やりますよというような、国センから通常、今までも行っていますよね、ここでやりますからという案内がね、これはお願いです、配付したのは。特別に参加協力のお願いを徳島県知事が各都道府県知事にしているわけですよね。  これは当たり前のことなんですか。テストでしょう。ここで、徳島で通常やっていくことがどうなのかというテストなのに、わざわざ参加してもらいたいと。ただ、全部応えてくれませんでしたけど、一応こういうお願いをしているわけですね。  これそのものが私は、ここの結果を見て研修を徳島に移転するかどうか判断していくのに、お願いをわざわざして出てもらってと、こんなテストは公正なテストと言えないんじゃないですか。そういう認識もないんですか、川口さん。
  48. 川口康裕

    政府参考人(川口康裕君) 今回の研修の経緯でございますが、三月に決定された政府関係機関移転基本方針の中で、国民生活センターについて、消費者庁の検証と並行して検証を行い、移転に向けて八月末までの結論を得ることを目指すとされておりますので、この一環として徳島県において国民生活センターの研修を試験的に実施したということでございます。  知事からの御案内については、私ども実は承知していなかったということでございますので、コメントは差し控えさせていただきたいと思います。
  49. 大門実紀史

    大門実紀史君 その知事からの御案内の方を問題にしているわけですね。  これはちゃんと書いてあるんですよ。国民生活センターの移転を提案していて、テスト的に始めます、協力してくださいと。言ってみれば、このテストの結果悪かったら徳島でやらなくなるから協力してくれという文書ですよね。  さらに、驚くのはこの二枚目なんですけれども河野大臣が、消費者担当大臣が更に関係していると。  おかしいんじゃないですか、これ。徳島でやっていけるかどうかと、客観的にやっていけるかどうかというテストをしようというときに、徳島県知事が特別のお願いを出すと。まだ気持ちの上で分からなくはないですよ、来てほしいから。しかし、そのテストの結果を判断する政府、消費者庁といいますか、消費者担当大臣までお願いすると。自分たちのテストに参加してくれというお願いをしているわけですね。下の方に書いていますね、格別の御配慮を、積極的に受講していただきたいと。前段に、テストです、試験的なものですと。試験に参加してくれと、結果が悪かったらこれ徳島無理だからというようなことを、大臣がこんなのを出していいのかということなんですね。  川口さんに言うのはかわいそうだと思うんですけど、次のときに大臣やりますけど、こんなことを消費者庁、一応、大臣一人でやったわけじゃないでしょう、勝手にやったわけじゃないでしょう。どういう認識でこういうものを出したんですか。
  50. 川口康裕

    政府参考人(川口康裕君) お答えいたします。  大臣からお送りしたものについては私どもも当然承知しておりますが、これは私どもとして、従来、国民生活センターの研修は相模原で行うわけでございますので、今回、十四回について徳島で行うということの経緯について各都道府県知事に趣旨について御理解をいただくということと、そこに参加いただいた上で御意見等を国民生活センターにお寄せいただくということをお願いするという趣旨で出したものでございます。  当然、徳島県外からの参加者を含め、研修に参加した方の御意見をいただきまして、こうした御意見を踏まえまして判断をしていくという趣旨でございます。
  51. 大門実紀史

    大門実紀史君 積極的に受講いただきたい、格別の配慮をお願いしたいというのを大臣の名前で出されていて、その結果が、大臣から来れば一人ぐらいは出さなきゃいけないんじゃないかとかいって、西日本の方はまだ付き合いで一人ずつ出したりしているんですけれども、東日本は無視していますけれど、それでもこういうのに応えて出たということが徳島で試験的にやる研修のそのデータになり得るのかと、客観的なですね。  そんな当たり前のことを私指摘しているわけですけれども、大体、国センの研修に大臣の名前で出てくれなんて出したことあるんですか、今まで。
  52. 川口康裕

    政府参考人(川口康裕君) 現時点で確認はできませんが、承知しておりませんけれども、最近では余り例が、ちょっと記憶はございません。ただ、今回はこういう政府の全体の決定を受けて検証をするという趣旨で行っておりますので、その趣旨をやはり、国民生活センターではなく、政府側の大臣責任で趣旨をしっかり説明をするということが必要であったと理解しております。
  53. 大門実紀史

    大門実紀史君 川口さんとは消費者庁をつくるときからの長い付き合いですから、本当はこんなこと、消費者庁移転なんかしてほしくないと思っていらっしゃるんだというのはよく分かっているんですけれども。だから、立場上答えにくいといいますか、答えなきゃいけなくて答えていらっしゃると思うんだけど、普通に考えて、こんなことやっちゃいけませんよ。客観的なテストをやろうというときに、大臣が特別にお願いすると、出てくれと。その結果、出たからといって、徳島でも十分これから研修やっていけるなんという根拠にならないじゃないですか。逆に、そんなことをやったために、全部このテスト信用されないということになっちゃうわけですよね。  そこは次の機会に大臣に直接ただしますけれど、これ、大臣が一人で出したわけじゃないと思うから、消費者庁としてこの問題きちっと改めてもらいたいですね。こんなテスト、意味ないですよ、これから十何回もやったって、こんなことをやっているようじゃ。是非きちっと考え直してもらいたいと。今日はこれ以上川口さんに言ってもかわいそうだから言いませんけど、次は大臣とやりますから、この点はちょっと中できちっと再検討してもらいたいというふうに思います。  せっかくの機会ですので、この問題、石破大臣にも伺いたいと思いますけれども、中央省庁がなぜ首都にあるのか、中央にあるのかというのは、別に昨日今日始まったことじゃなくて、歴史的な意味あるいはそれなりの理由があって霞が関が存在してきたんだというふうに思うんですよね。  言ってしまえば、いろいろ政府の方も基準を書いておられますけれども、簡単に言えば、中央省庁間の連携が取りやすいように固まるというのがありますよね。もう一つは、関係団体の中枢、本部も首都にあると。そういう、官庁があるから首都にあるという点もあるかも分かりませんが、事実あるということですね。もう一つは、関係する業界の本社もあるということですね。国会の対応もあるというようなことがあって、霞が関、中央省庁がこの東京にずっとあったんだというふうに思うわけですね。  今回のこの中央省庁の移転の基本方針の中にも、そういうふうなことを物差しにしながら考えるというようなことも書かれているわけですけれども、だから厚生労働省をうちの県に持ってきてくれとか国土交通省をうちの県に持ってきてくれというような、そういう意見は出ないというか、みんな言う方も荒唐無稽だと思って出なかったわけですよね。出てきた中でも、観光庁と中小企業庁と気象庁と特許庁、これは国の方から移転の対象なり検討から外したわけですね。検討から外したという意味は、中央省庁の、先ほど言いましたような物差しがあって、それに合わないから外したということだと思うんですね。  消費者庁は新しい省庁ではありますけれども、先ほど申し上げた中央省庁間の連携とか、関係団体、消費者団体ですね、あるいは業界の本社がある、国会の対応もしなきゃいけないという点でいきますと、当然外されるべきものだと。最初に消費者庁をつくるときから議論に参加してきた議員として当たり前のことに思うんですけれども、こういう荒唐無稽な話が出てきて、しかも、国としても政府としても外そうとしなかった、外していないと。こんな、何といいますか、やらせのようなテストをやってでも何とか移転しようと。  これはよく分かりませんけれども、文化庁一つが移ったぐらいだと、鳴り物入りで始まった中央省庁の移転が余りにもあれだと、もう一つぐらい移転させなきゃというような何かあるのかどうか知りませんけれど、余りにも上から目線でやろうとしているというふうに指摘せざるを得ないし、いろんな議員の方も指摘してきたというふうに思うんですよね。  今の点でいきますと、消費者庁というのは、何にもほかの省庁とそういう点では中央省庁としての条件は変わらないと思うんですけれど、石破大臣はいかがお考えですか。
  54. 石破茂

    国務大臣石破茂君) であらばこそ、この徳島で研修等々をやってみたときに、どれほどの不便が生ずるのか、あるいは生じないのか、それはやはり実際にやってみないで駄目とかいいとか言ってもしようもない話であって、できるだけ多くの地域が参加をしていただきたいと、そうでなければ移していいのか悪いかの判断のしようがないと。ですから、河野大臣として予断を持って物事を言っているわけではありません。実際にやってみて、利便性が向上するのかどうなのか、消費者行政にとって阻害することはないのかどうか。そこで阻害をすることがありとせば移転をしないという結論も十分あり得ることであって、予断を持ってやっているわけではございません。  消費者庁ができましたときに、発端は毒ギョーザ事件だったというふうに記憶をいたしております。私もあの頃内閣におりましたが、消費者庁をつくるに当たって、私、農水大臣もやっておりましたが、農水省から随分と人も移りました。危機管理というような部門を地方に移転するとか、そういうことはございません。あるいは国際的な交渉事でありますとか、あるいは国会対応の部門でありますとか、そういうところが移ることはございません。それは基本原則としてそうなのでございます。  徳島がおっしゃっておられますのは、例えば、消費生活相談員有資格者数というのが百十九名あります、更に百名の資格取得者を養成をいたします、消費者行政職員と消費生活相談員の配置は全国一位でありますとか、いろんなブロードバンドが発達していますとか、そういうのが徳島の消費者行政を徳島でやらんとするゆえんであります。  徳島はそうはおっしゃるが、実際にやってみてどうなんだろうねというのをきちんと実証して、その上で政治で判断をするものでありまして、予断を持って徳島に移転をするということを申し上げているわけではございません。
  55. 大門実紀史

    大門実紀史君 そうじゃないですよね。河野大臣は予断を持ってやっているから、こういう指示を出してわざわざ参加者を増やそうとされているんじゃないですか。予断を持たないならば普通の案内でやればいいのに、大臣としてわざわざ出てくれと、これは予断を持っているからじゃないですか。何としても国センは、少なくとも国センは持っていこうとしているわけじゃないですか。だから予断持っているんです。だから指摘しているわけですね。  ちょっともう時間ないんで、申し上げたいのは、私は、石破大臣国会での答弁でいいことをおっしゃっているなと思ったのは、結局、移って、移転して本当に良かったねとみんなが思うような省庁移転でなければいけないと。もうまさにその言葉に尽きるように、これだけの消費者団体、五十団体を超える団体、実際に消費者問題を頑張ってこられた方々ですよ、国よりも長い、歴史でいえばね。そういう方々が反対をされている。日弁連も反対をされている、日常的に消費者を守る弁護士活動をやってこられた方も反対していると。国会でも反対がかなりの声があるという。これ、誰にも祝福されない移転だと思うんですよね。こんなものを何で無理してやらなきゃいけないのかというふうに思うわけであります。  やっぱり本当にみんなが喜ぶような省庁移転にならなければいけないと思うんですが、その点だけ一言いただければと思います。
  56. 石破茂

    国務大臣石破茂君) みんなが喜ばないようなことやってはなりません。それは、危機対応とかあるいは国会対応とか国際的対応とか、そういうものは移転はいたしません。当然のことであります。国として、北海道から九州、沖縄までどの地域にも公平な行政が行われることが必要でありまして、そこは民間と論理が違うところでございます。そこもよく踏まえて河野大臣の文書を読んでおるのでございますけれども、検証の一環としてと言っている。何のために検証するかといえば、本当に移って実際に消費者行政に利便性の阻害がないかどうかを検証するのだと言っているのであって、私は河野大臣が予断を持ってこの文書を河野大臣の名前で書いたとは全く思っておりません。  参加をしてください、参加してもらわないと検証のしようがないということでございます。参加をしなければ検証のしようがないのであって、誰も参加しないところで検証などしても仕方がないということでございますので、また議論をさせていただきたいと思っております。
  57. 大門実紀史

    大門実紀史君 もう何回言っても分からないですね。参加者のカウントも重要な要素なんですよ、試験的に。その数を集めてくれと、数を出してくれという要請文書だから問題だということを申し上げているので、よく理解して御答弁いただきたいというふうに思います。  もう時間が来たので、続きは次回にしたいと思います。
  58. 和田政宗

    ○和田政宗君 日本の和田政宗です。  まず、法案の質問に入る前に、おととい、国会議員が街頭演説中に暴行されるという事件があり、可及的速やかに事実関係を明らかにし、対処しなくてはなりませんので、本日、質問の冒頭でお聞きします。  その暴行を受けた議員とは私のことなのですけれども、おととい、私は、沖縄辺野古のキャンプ・シュワブゲート前で、道路用地を不法占拠し、テントを張って活動している人たちに、速やかに違法行為をやめて合法的な抗議活動をしてくださいと呼びかける演説を道路を挟んだ向かい側で行いました。  抗議活動自体は憲法上も保障されていることで、それに対してどうこう言うつもりはありませんが、不法占拠、これは国も予算委員会答弁で認めているわけですけれども、不法占拠という法を犯しての活動ですので、そうではなく、不法テントを撤去して合法的な抗議活動をしてくださいと述べたわけです。沖縄から米軍基地をなくしたい、これは、我が党も将来的には日本日本人の手により自主防衛をすべきだという考えですので、抗議活動をしている人たちと思いは大きくは変わらないわけですから、建設的に議論をしましょうと呼びかけたわけであります。  すると、私の演説に対しまして、道路の向こう側のテントから人が大勢こちらに渡ってきまして、私を何回もこづく、ひっかくという行為を繰り返しました。さらに、党のスタッフの頬をはたく、平手打ちですね、これは何人もがやられました。もっとひどいのは、プラカードのとがった部分を顔面に食らわして転倒させるという、我が方のスタッフがあわや失明をしかねないという暴行も受けました。  これは全部映像が残っていますけれども、まさに我々は正当な政治活動として街頭演説をしていたわけで、それに対し、暴行を加え、演説を封殺しようというのは、まさに政治や言論に対するテロとも呼ぶべきものです。こうした行為を断固として許すことはできないのは同僚議員の皆さんも一致するところであるというふうに思います。辺野古で抗議活動をしている人の中には多数のこのような過激な活動家が含まれているわけであります。  そこでお聞きします。  個別の案件では答えづらいというふうに思いますので、一般論として聞きますけれども国会議員の街頭演説において、議員本人が繰り返しこづかれたりひっかかれたりして街頭演説を妨害された場合、加害者はどのような犯罪が適用されるか、また、街頭演説をサポートする政党の職員やスタッフが頬をはたかれたり突き倒されたりした場合は加害者にどのような犯罪が適用されるか、そのような暴行が明らかに行われたと警察が確認した場合に、加害者の摘発には被害届の提出が必要なのか、お答え願います。
  59. 斉藤実

    政府参考人(斉藤実君) お答えいたします。  お尋ねのような行為がどのような法令に違反するかどうかにつきましては、個別の具体的な事実関係に即して判断をされるべきものではありますが、一般論として申し上げれば、暴行を加えた者が人を傷害するに至らなかったときは暴行罪を構成するものと承知をいたしております。  なお、警察は、犯罪があると思料するときは犯人及び証拠を捜査するものとされております。そして、このような犯罪の立件のためには、一般的に、処罰意思、被害状況、犯人の特徴などについて被害者の方から事情をお伺いすることが重要でありまして、被害届の提出を受けることなどにより、その結果を証拠化しているところでございます。
  60. 和田政宗

    ○和田政宗君 これは、政治活動を力で抑え付けるという、あってはならない行為でありますので、被害届の提出を含めまして適切に対処をしていきたいというふうに思います。  この辺野古のキャンプ・シュワブのゲート前の道路用地を不法占拠している人たちのテントについては、三月九日の予算委員会で国土交通大臣が、「違法状況の解消に向けて適切に対応してまいりたいと存じます。」と答弁をしておりますが、その後どのような対応を取ったんでしょうか。不法占拠のテントはまだ存在するわけですけれども、いつまでに撤去させるんでしょうか。
  61. 青木由行

    政府参考人青木由行君) お答え申し上げます。  御指摘のとおり、普天間飛行場代替施設建設事業に反対する方々がキャンプ・シュワブのゲート付近の道路区域に設けているテントなどにつきましては、道路法三十二条の規定に違反をしてございます。  お話ありました、三月九日の予算委員会石井国土交通大臣が御答弁申し上げましたとおり、道路管理者である沖縄総合事務局北部国道事務所の方でこれらを撤去するよう強く指導をしてきておりまして、歩道を塞ぐ状況はなくなっておりますけれども、依然として道路のり面において不法占用という状況が続いておりますのは御指摘のとおりであります。  その後も、道路管理者といたしまして、キャンプ・シュワブのゲート付近に職員を滞在させるなどして、道路区域を不法に占用しているテントなどの状況を常に監視をし、そして日々指導を行ってきてございます。  道路管理者といたしましては、引き続き適切に指導を行うとともに、関係機関とも連携いたしまして違法状況の解消に向けて適正に対応してまいりたいと考えております。
  62. 和田政宗

    ○和田政宗君 これは歩道を塞いでいないというふうに言っておりますけれども、これも被害届を出す予定ですけれども、私どもの政党の参議院選挙の候補内定者がそちらの歩道側を歩いて話合いをちょっとしましょうということで申込みに行ったときに、その歩道を塞いで突き倒すという事案も発生をしております。  私も演説をしていて、何も挑発をしに行ったわけではなく、お互い建設的にやりましょうという中でそのような暴行行為が行われたというような形ですので、これはもう速やかにやっていただかないと、こういったことが繰り返し起きるということはあってはならないということ、法の遵守という面でも速やかに撤去をお願いしたいというふうに思います。  では、法案に関連して聞いていきたいというふうに思います。  まず、災害時における放置車両の移動についてお聞きをしていきます。  これは東日本大震災で問題になりまして、その後、法律による対処というものが行われたわけでありますけれども、放置車両を移動させようとする場合、所有者に財産権を主張されたり動かさないでくれと言われたりした場合にも移動させることができるようになったというふうに考えておりますけれども、この方法によりまして、権限移譲を受けた者についてもこのような対処は取れるということでよろしいか、この確認をしたいというふうに思います。
  63. 林俊行

    政府参考人(林俊行君) お答えを申し上げます。  今回御提案をさせていただいております一括法によります災害対策基本法の改正につきましては、御指摘のように、災害時に放置車両等が発生をいたしまして緊急通行車両の通行の妨害となる場合におきまして、自ら車両の移動等を行える権限を、従来の道路管理者に加えまして、港湾管理者や漁港管理者に対して付与するものでございます。  これらの管理者につきましては、災害対策基本法七十六条の六第一項の規定によりまして、災害が発生した場合に、車両等が通行の妨害になることによりまして災害応急対策の実施に著しい支障が生じるおそれがある、さらに、緊急通行車両の通行を確保する緊急の必要がある場合に、車両の運転者や所有者等に対しまして車両の移動等の措置をとることを命令することができると、こういうことにしております。  また、委員指摘にございましたように、車両の運転者や所有者等が命令に従わない、命じられた措置をとらないという場合におきましては、先ほど申し上げました道路管理者、港湾管理者、漁港管理者がそれぞれ自らその車両を移動することを可能といたしておるものでございます。  運転者や所有者等の財産権の保護の観点から、道路管理者等が自ら車両を移動させた場合に生じた損失につきましては、その損失を補償するということにいたしております。
  64. 和田政宗

    ○和田政宗君 災害のときには非常に不測の事態というものが生じるわけでありますから、これは法律上も憲法上もしっかり対処していかなくてはならないというふうに思っております。  次に、仮設住宅の建設についての権限についてお聞きをしたいというふうに思います。  熊本地震においても仮設住宅の建設の問題というものがあるわけでございますけれども、東日本大震災における仮設住宅の建設について、当時の仙台市は、仮設住宅の建設の権限を市に委任するよう県に求めましたけれども県に断られたという経緯があります。これは実際、市からも聞いておりますし、要望書や市長の発言などからも確認ができるところです。建設の権限を都道府県だけではなく政令市に委任できないのでしょうか。  仙台市のこのときの試算では、仙台市に権限が委任されていれば四十六日早く仮設住宅を提供できたとしています。すなわち、避難所の環境から速やかに仮設住宅に移ることができたという形でございます。これ、法の立て付けでは委任できるというのは承知をしておりますけれども、県が仙台市に委任しなかったことによりまして結果として仮設住宅の建設ということが遅れているわけであります。  私は、仮設住宅の建設について政令市にも権限を付与すべきだと思いますが、これについてはいかがでしょうか。
  65. 林俊行

    政府参考人(林俊行君) お答えをいたします。  今御指摘のございました仮設住宅の建設、これも災害救助法に基づく救助の一つでございまして、御指摘のように、現行制度におきましても、災害救助法第十三条に基づきまして都道府県から市町村に対して救助に関します事務の一部を委任することが可能となっております。  実際にこうした事務委任を行うに当たりましては、災害が発生した後に速やかな事務委任あるいは救助の実施が可能となるように、都道府県と市町村の間であらかじめ十分に協議を行っていただいて委任する救助の内容などを定めていただく、こういうことが重要であると考えておりまして、今後とも、こうした救助の実施に関する事務について御委任をする際の留意点等につきまして、毎年開催をしております県、指定都市の救助法の担当者の会議がございますので、こうした中で説明を行いながら周知に努めてまいりたいと、このように考えております。
  66. 和田政宗

    ○和田政宗君 これは県にも当時は考えがあってということであったのだろうということは分かりますけれども、基本的には県と市が話し合ってやるわけですけれども、その県と市が、あってはならないことですけれども、対立状況なんかにあった場合に、それで市に権限を渡すかみたいなことになってしまったら、これは元も子もなく、この仮設住宅の建設でありますとか、避難されている方がしっかりとした生活環境にお移りいただくというのは、やはり速やかにやらなくてはならないというような状況ですので、この政令市の権限付与については引き続き検討をお願いしたいというふうに思います。  熊本地震に関連して聞きますけれども、被災地の罹災証明書の発行手続についてお聞きします。  これは私、現地でも確認をしておりますが、発行はちょっとスピード的に遅いのではないかというふうに認識をしておりますが、政府の応援体制、これは人員をもっともっと投入しないといけないんじゃないかというふうに思っておりますが、応援体制はどのようになっているんでしょうか。
  67. 林俊行

    政府参考人(林俊行君) お答えをさせていただきます。  今、熊本県内の各市町村におきましては、罹災証明書交付の前提となります被害認定調査を鋭意進めておるところでございます。御指摘のございました点につきましては、例えば益城町、ここが一番被害の大きいところの一つでございますけれども、こちらも四月三十日から調査を開始をいたしまして、罹災証明書の申請の受付を五月一日に始めたと、このように承知をしております。  いずれにしましても、国といたしましては、この被害認定の調査、それから罹災証明書の発行、これについては職員の応援を行って体制を強化をして臨むことが必要であると思っておりまして、国におきましては、五月十日現在で被災市町村に対しまして五十名の職員を派遣をして応援をさせていただいているところでございまして、これに加えて、多数の自治体の職員の応援もいただいているところでございます。
  68. 和田政宗

    ○和田政宗君 これも、避難所からみなし仮設というような形で民間の借り上げ住宅に移る、これは、全壊等の場合には家賃負担というものは生じないわけで補填がされるわけでございますけれども、罹災証明書が発行されないままみなし仮設に移って、その後、やはり罹災の状況というのが甚だしくないということで認定をされなければ結局払うというようなことで、それでちゅうちょして避難所にまだいるという方もいらっしゃいますので、この辺りは速やかにやっていただきたいというふうに思います。  今答弁にも出ました自治体間の応援体制でございますけれども、その状況、そしてそのコーディネートを含め、現在どのようになっているんでしょうか。お願いいたします。
  69. 北崎秀一

    政府参考人(北崎秀一君) お答えいたします。  熊本地震の被災自治体に対しましては、昨日、五月十日現在で千四百三十二名の職員が派遣され、災害対応を行っております。このうち、罹災証明事務に係る応援職員としては五百七十四名の職員を派遣しているところでございます。  職員派遣に当たりましては、熊本市については指定都市市長会が支援を行い、その他の市町村については九州知事会が支援を行っております。特にその他の市町村については、まず個別に担当の県を定め、その県がワンストップで、派遣ニーズの把握、派遣職員の調整を責任を持って行ういわゆる対口支援方式を取っておりまして、現地のニーズに応じた派遣を可能としているところでございます。自治体間の広域応援のスキームで対応ができない派遣ニーズについては、総務省が、地方三団体、すなわち全国知事会、全国市長会、全国町村会と連携して全国的見地から対応を行ってございます。  総務省といたしましては、今後とも、罹災証明書の交付など適切に実施されるように、被災自治体の要望をお聞きし、地方三団体や指定都市と連携して必要な応援職員の確保を図ってまいりたいと考えております。
  70. 和田政宗

    ○和田政宗君 もう一点、熊本地震についてお聞きをします。  被災地の車内での避難者、この実数がどうであるかという調査はどのように行っているんでしょうか。自宅敷地内ですとか私有地内で車内避難している場合に、これ民間の機関ですと、私有地に立ち入る、これがトラブルになるんではないかということでちゅうちょをして、例えば避難所の駐車場に来た実数は把握できるんだけれども、そういった私有地内にいる車内避難者というのが把握できていない。これは現地の声で実際に聞いているわけでございます。  これは、把握しないとまた関連死、起きてほしくないですけれども、エコノミークラス症候群が発生するというようなこともあるというふうに思いますので、この点についてどうなっているのか、お答えください。
  71. 林俊行

    政府参考人(林俊行君) 今回の熊本地震におきましては、避難者の方で、指定避難所以外で、その他の避難所であるとか車中あるいはテント、自宅敷地内などといった様々な場所で避難をされている方が存在をするというのが現状でございます。  内閣府におきましても、この点につきましては、五月二日付けで、指定避難所以外に、自宅その他避難所以外の場所で避難生活を送られている避難者、こうした方を含めた避難者の数、氏名あるいは家族構成等の状況につきまして把握をしていただけるように熊本県に対して依頼をしたところでございます。今後につきましても、車内避難等も含めた避難の状況を可能な限り把握するように努めてまいりたいと思います。
  72. 和田政宗

    ○和田政宗君 これ、把握していただかなくてはならないのは、そういったところで避難している方が、トイレがないということで水を飲む量が少なくなって、ということはエコノミークラス症候群が起きやすいということもありますので、そういった避難者が多くいるところに仮設トイレを、これは設置主体がどこになるかというのはありますけれども、そういったものをやはりしっかりと設置をしていくということも重要でありますので、把握をしっかりしてほしいというふうに思います。  法に関連しまして、ハローワークについてお聞きします。  定年を迎えた人が再就職する場合に、ハローワークに行くということについて抵抗のある方も実際にいるわけでございますけれども、この世代の方々は様々な専門知識を持つ方が多いわけです。プロフェッショナル人材バンクという形で専門知識を持つ方々を登録し、そのリストを基に企業が求職者と契約できるような仕組みというのが考えられるわけですけれども、今年度から高年齢退職予定者キャリア人材バンク事業というものがスタートしております。  この事業についての周知徹底というのはどのようになっているのか、また、企業と求職者のマッチングを円滑に進めるためにどのようにしていくのか、お答えください。
  73. 三ッ林裕巳

    大臣政務官(三ッ林裕巳君) お答えいたします。  議員指摘のとおり、高年齢者が生涯現役で活躍するためには、高年齢者の専門知識、能力を発揮することができる就業機会の確保が重要と考えております。そこで、今年度から、就業を希望する高齢者と六十五歳を超えて継続雇用が可能な企業とをマッチングする仕組みを整えることにより、働く意欲のある高齢者の就業促進を図る高年齢退職予定者キャリア人材バンク事業を新たに実施しているところであります。  具体的には、企業等の協力の下で、六十五歳前の高年齢退職予定者のキャリア、能力、就業希望などの情報を公益財団法人産業雇用安定センターが構築する高年齢退職予定者キャリア人材バンクに登録いたしまして、その登録情報を活用したいと希望する企業へのマッチングを地方自治体などの公的機関、また民間の人材サービス機関、ハローワークなどと連携を図りながら実施することとしております。  現在、公益財団法人産業雇用安定センターにおきましては各種団体や登録に協力をいただく企業に周知を行っており、厚生労働省としても、今後、本格的な事業の展開を通じて高年齢者の就業促進を図り、生涯現役社会の実現に向け取り組んでまいりたいと考えております。
  74. 熊谷大

    委員長熊谷大君) 和田君、時間が来ております。
  75. 和田政宗

    ○和田政宗君 これはいい制度だというふうに思いますので、しっかりと周知徹底をしてほしいというふうに思います。  時間ですので終わりますが、国交省の方、来ていただきましたが、質問できませんでした。申し訳ありませんでした。次回以降に回します。
  76. 吉田忠智

    吉田忠智君 社会民主党吉田忠智でございます。  本法案は、提案募集方式ということで分権改革の第二弾でございまして、自治体の具体的な要望を実現をするものであり、趣旨に賛同いたします。ただし、今日も議論があります地方版ハローワークについては懸念もございますので、この課題について質問をさせていただきます。    〔委員長退席、理事島田三郎君着席〕  地方版ハローワークについて、国は、憲法第二十七条に定められた勤労権の保障のために、全国規模のネットワークによる雇用のセーフティーネットの役割を担う、地方公共団体は、地方自治法第一条の二や、雇用対策法第五条で「地域の実情に応じ、雇用に関する必要な施策を講ずるように努めなければならない。」とされていることを踏まえて、住民に身近な場所で地方公共団体が提供する福祉サービスや産業振興施策と一体となった雇用対策を講じるといった役割を分担しつつ、互いに補完しながら効果を上げるものだということが趣旨だというふうに理解をしております。新たに地方版ハローワークを創設することにより、国と地方版のトータルで機能が低下することがあってはならないと考えております。  まず、石破大臣にお伺いをしますが、具体的には財源と人員の面で現状より後退してはならないと考えますが、まず見解を求めます。
  77. 石破茂

    国務大臣石破茂君) 委員指摘のように、財源面、人員面、その二つの面におきまして、地方版ハローワークを担う自治体の支援というものは、我々国として欠かしてはならないことでございます。  先ほどの憲法あるいはそれぞれの法制との関係はまさしく委員が適切に御指摘になったとおりでありまして、これ二者択一というものではありません。それぞれ根拠法令が元々憲法まで遡ってあるわけでございまして、この二つの連携によって更に利便性を増していきたいというふうに企図しておるものでございますが、実際問題といたしまして、連携の効果が発揮できますように、国と地方公共団体が雇用に関しましての協定の締結というものを行うわけでございます。これは雇用対策法の第三十一条に「国と地方公共団体との連携」という規定がございますが、それに基づきましてこのような協定を締結をする。このようなことを通じて国と地方公共団体が十分に協議をして、住民にとって利便性が高く、効果的なサービスの提供を行っていくということが重要であると考えておるものでございます。    〔理事島田三郎君退席、委員長着席〕  もう一点で、人材の面、今日もいろんな議論があるところでございますが、地方公共団体が行う雇用対策事業、これは地方版ハローワークを含むものでございますが、人的な面におきましては、地方公共団体に不足をしております職業紹介に関するノウハウ等、こういうものを提供するために研修、人事交流、情報共有等支援をいたしたいということでございます。  財源の面も先ほども議論がございましたが、法を施行いたしました後の地方版ハローワークの設置状況地方からの御要望等も含めまして、厚労省において、地財措置の拡充を要望していただくことも含めまして適切に対応されるというふうに考えております。  厚労省とよく連携をいたしまして、財源面、人員面で更なる連携の強化を図り、支援をいたしてまいりたいと考えておるところでございます。
  78. 吉田忠智

    吉田忠智君 そこで、国のハローワークの人員体制についてでございますが、常勤の正規職員が約四割、非常勤の非正規職員が約六割と言われていますし、そういうデータも出されています。特にマザーズハローワークや新卒応援ハローワークなどのいわゆる外出しの施設におきましては、過半数が非正規、中には正規職員が一人しかいないというような施設もあるわけであります。  厚労省にお伺いしますが、直近の国のハローワークの人員体制はどのようになっているのか、また、退職者の再任用の方の割合はどのぐらいなのか、そして、早急に正規職員の比率を高めるべきだと考えますが、その点についてはいかがですか。
  79. 生田正之

    政府参考人(生田正之君) お答えいたします。  まず、ハローワークの人員体制でございますけれども平成二十七年度末時点で、常勤職員一万九百十七人、非常勤職員一万五千五百六十三人でございます。その非常勤職員の内訳として、退職公務員とそれから民間の退職者の比率につきましては現在数字がございませんで、恐縮でございます。  それから、我が国の厳しい財政状況に鑑みまして、行財政改革を引き続き推進する必要がございまして、その一環として、地方労働行政職員についても合理化が求められております。ただ、一方では、委員指摘のような新卒応援ハローワークあるいはマザーズハローワークに代表されますように、若者の活躍促進、女性の活躍促進、あるいは生涯現役社会の実現、あるいは正社員転換の支援など、労働行政につきまして多様な課題がございます。このような中では、国民の勤労権保障のためのセーフティーネットでございますハローワークにつきまして、個々の課題に対応できるような第一線のハローワークの執行体制確保が必要だというふうに認識をしております。これまでも定員の合理化には対応してまいりましたけれども、求められる行政課題に対応した増員要求は行ってございます。  今後とも、労働行政の諸課題に的確に対応できるように、厳しい財政状況ではございますけれども、必要に応じて業務の効率化も図りながら、執行体制の確保に努めてまいりたいと考えてございます。
  80. 吉田忠智

    吉田忠智君 非正規の職員の中での退職者の比率と民間の比率は、手元に持っていないだけですか、取っていないんですか。
  81. 生田正之

    政府参考人(生田正之君) 今現在データとして取ってございませんので、やるとすれば調べる必要がございます。
  82. 吉田忠智

    吉田忠智君 調べていないこと自体が大変な問題でありまして、是非調べていただきたいと思います。  委員長、是非調べていただいて、この委員会に提出をしていただくように取り計らいをお願いします。
  83. 熊谷大

    委員長熊谷大君) それでは、今の件については後刻理事会で協議させていただきます。
  84. 吉田忠智

    吉田忠智君 それで、この相談員、職業紹介そして相談をする相談員の六割が非正規、相談を受ける側の相談員が非正規という、これはかねてから指摘をされていることでありますけれども、自分自身がその後どうなるか分からないという中で職業の相談をしなければならない、職業紹介の。ブラックジョークですよ、これは本当に。  現実の問題として、国も行革がずっと続けられて、定数削減計画があって、大体各省庁におおむね均等に割り振られて、ハローワークなどは本来は正規でなければいけないのに、結果的にこういう非正規が増えている。そのうち経験のある退職者を再任用なり再雇用で充てるという形でやって、退職者の方も年金が出るまではつないでもらわなきゃいけないからそれは対応するわけでありますけれども、この現状を決して放置していいと思いませんが、この点、所管外かも分かりませんが、石破大臣、どのように思われますか、この現状。
  85. 石破茂

    国務大臣石破茂君) 今委員がブラックジョークとおっしゃいましたが、そういうような感じもいたします。  ただ、これはハローワーク行政を特出しをして例外とするということもなかなか国として難しいことだと思っておりまして、厳しい行革、人員の削減の中にあって、ハローワークの持っている、何というんでしょうね、特異性という言い方は余り良くないかもしれませんが、これはまさしく雇用・勤労行政に密接に関連をするものであるというところに着目をしてどういう議論が展開をできるかということだと思っております。  例えばCIQというものがございまして、これから訪日観光客、インバウンドというものを増やしていかねばならないんですが、そこにおいてCIQの体制が整っていなければ、やれ三千万だ四千万だ言ってもそんなことは絵に描いた餅なので、ということで、これは別扱いいたしておるような例がございますが、そういうような議論が厚生労働行政、雇用行政においてどのように展開可能か、また厚労省において適切にお考えいただくことだと考えております。
  86. 吉田忠智

    吉田忠智君 厚生労働省としても人員要求はしているということで今答弁があったわけでありますけれども、この問題についてはこれ以上議論しても前に進まないと思いますけれども、重要な課題としてしっかり受け止めていただきたいと思います。  そこで、地方版ハローワークにおける雇用保険事務については、厚生労働省として国の職員を巡回させるなどにより対応するということであります。職員から見れば、国のハローワークにも地方版ハローワークにも行かなければならないということで、業務が非常にタイトになることも危惧されるわけであります。  退職者の再任用で対応ということも何度も言われますけれども、退職者としても、先ほど申し上げたように自分自身の生活もあるわけで、生計の維持や借金の返済などそれぞれ就労を希望する理由があるのであって、退職者の再任用を不安定雇用の正当化の理由にすべきではない、そのように考えております。  そこで、大臣にはそのことについてお伺いをしましたが、現状、多くの自治体が既存の枠組みによって職業紹介事業に取り組んでいます。そうした事業を自治体が民間委託、悪く言えば丸投げしているような事例も目立ちます。例えば、東京都の東京しごとセンターでは女性再就職支援や若年者就業促進など、あるいはハローワーク特区の埼玉県ハローワーク浦和では、県の事業である若者コーナー、女性コーナー、中年コーナーは全て民間人材ビジネスに外部委託されています。  石破大臣にお伺いをしますが、地方版ハローワークは、地方自治法や雇用対策法に基づき地方の自主的かつ独自の雇用政策を実施できるということが趣旨であるはずでありますけれども、民間人材ビジネスへの外部委託、丸投げはこの趣旨に反するのではないでしょうか。今後地方自治体に発出される厚生労働省の通知に、民間人材ビジネスへの外部委託に安易に頼るのではなくて、あくまでも地方創生地域の独自の雇用政策として取り組んでいただきたい旨を盛り込むべきだと考えますけれども大臣と厚生労働省、併せてお伺いいたします。
  87. 石破茂

    国務大臣石破茂君) 後ほど所管の厚労省からお答えがあろうかと思いますが、委員のお言葉を借りれば、丸投げ、安易に丸投げということがあってしかるべきだとは思っておりません。そこにおいて、地域全体の経済について知見を持ちます自治体がそれなりの責任を果たすべきは当然のことだと思っております。そしてまた、行政に対する市民の信頼というものをバックにしてより適切な労働行政が行われる、雇用紹介が行われるというものだと承知をいたしております。  ですから、その責任というものを決して放棄すべきではなく、安易な丸投げというのは慎まれるべきものと考えております。
  88. 生田正之

    政府参考人(生田正之君) お答えいたします。  まず、今回、職業安定法の改正に伴いまして創設されます地方版ハローワークでございますけれども、届出制等がなくなるわけですが、これは、あくまで地方公共団体が公的機関として、従前から規制、監督を課さなくても労働者に不利益となるような弊害が起きていなかったということを前提として届出制等の規制を廃止するということでございます。  仮に、地方公共団体が民間職業紹介事業者に委託して無料職業紹介を実施するという場合につきましては、あくまで職業紹介をする実施主体は民間職業紹介事業者でございますので、今回職業安定法で創設されます地方版ハローワークには当たらないというふうに考えてございます。あくまで民間職業紹介事業者に対しまして職業安定法上課されているいろんな規制が掛かってくると、民間委託した場合はですね、ということで対応したいというふうに考えてございます。
  89. 吉田忠智

    吉田忠智君 厚生労働省が今後発出する通知の中に、そういう留意事項という形で盛り込むことについてはいかがですか。
  90. 生田正之

    政府参考人(生田正之君) 委員指摘のように、今申し上げましたようなことは非常に制度の根幹でございますので、通知の中にきちっと書き込んでいきたいと考えてございます。
  91. 吉田忠智

    吉田忠智君 よろしくお願いします。  それから、先ほど森本委員も取り上げられましたけれども、現在、ハローワークの求人票の記載が実際の労働条件と異なるケース、例えば正社員募集が実際にはアルバイトだったなど、求人企業の虚偽記載が疑われるようなケースがブラック求人として社会問題化しています。平成二十六年度の厚生労働省の調査でも、求人票の記載内容と実際の労働条件が違うという相談は、先ほども答弁でありました、一万二千二百五十二件という多数に上っています。答弁はなかったのかな、私が見た資料かな。  現行の職業安定法では、ハローワークを通じた求人には、地方自治体が民間人材ビジネスに外部委託する例も含め、求人票の内容が虚偽であっても求人者に対する罰則がありません。また、求人募集の労働条件が実際の労働契約において労働者側の不利益に変更されることも容認されているわけであります。これではブラック求人の横行を防げません。  大臣局長に併せて伺いますが、是非この点について、職安法の改正も含めて政府全体で取り組んでいただきたいと思いますけれども大臣局長の見解を伺います。
  92. 生田正之

    政府参考人(生田正之君) まず、ハローワークにおきまして求人票の記載が実際の労働条件と違うという事例委員の御指摘のようにございます。これにつきましてハローワークでは、求人受理の段階におきまして、まず原則対面で求人条件の点検をするということで求人内容の適法性や正確性の確認に努めてございます。  仮に、実際のその求人条件と実際の労働条件が異なるといったような相談がありました場合につきましては、全国のハローワークで迅速な事実確認等必要な是正指導をやるということのほかに、法違反のおそれがある場合につきましては、職業紹介の一時保留という手法とそれから求人取消しという手法がございまして、そういうことをやってございます。  それから、こういった条件のそごを発見しやすくするために、平成二十六年三月には求人ホットラインというのをつくりまして、それから昨年の十二月からは、ハローワークで選考結果の確認をするという際に、求人条件と採用条件に違いがある場合につきましては具体的な変更点とその理由を確認するという事務取扱にいたしました。その結果として、労働者にとって条件に大きな変更があったと判断される場合につきましては、理由のいかんを問わず、迅速な事実確認等、それから必要な指導を行うということなど対応の強化を図ってございます。  それから、今委員指摘のようなことで、今後の制度の方向性といたしましては、今ハローワークなどに虚偽の求人を出す企業への対応の強化というのは非常に大きな課題になってございます。現在、雇用仲介事業等の在り方に関する検討会というのが開かれてございまして、そこで有識者の意見を聞きながら検討してございます。その取りまとめの後は労働政策審議会で議論するという予定になってございまして、こういった結果も踏まえまして、求職者の一層の保護が図られるように必要な対策を講ずるという考え方でいきたいと考えてございます。
  93. 石破茂

    国務大臣石破茂君) 詳細は今、厚労省から答弁があったとおりでございます。ですから、そういうようなブラック企業であるかどうかということが、職を求める人にきちんと情報が伝わるということが大事なことであって、そのために行政は適切な責任を果たしていかねばなりません。  と同時に、要するにブラック企業みたいな、労働生産性を上げる場合に付加価値を上げるのではなくコストを下げる、それを労働者の搾取という形で行う、そういうようなビジネスは決してサステーナブルなものだと思っておりません。あわせて、そういうようなブラック企業というようなものがこの国において存在しないような、そういうような国の政策があるべきだというふうに考えておる次第でございます。
  94. 吉田忠智

    吉田忠智君 昔、かつて雇用関係の業務を担う国の職員の方は県庁の中にいたんですね、地方労働事務官という形で。中途半端な立場だったから、その後、地方労働局という形で外に出られた。そのときには国の施策と案外リンクできていたんですね、県庁の中にいて知事の配下におられましたから。それが外に出られて、地方労働局という形になって、私も大分県庁におりましたから、うまくいかなくなったんですよね。そのときに少し戻るのかなという気も今回の地方版ハローワークでするんですけど。ちなみに、年金もそうなんですよ。年金を担う方も県庁の中にいて、それから外に出て、国民年金の納付率が下がったんです、大幅に、八%、一〇%。まあ、これは直接関係ありませんけど。  いずれにしても、先ほど申し上げた労働行政全体の課題、ハローワークの課題、すなわちそれが地方版ハローワークの課題にもなりますから、是非また、先ほど申し上げたそれぞれの課題、解決、前進に向けてしっかり取り組んでいただくようにお願いを申し上げまして、質問を終わります。  ありがとうございました。
  95. 荒井広幸

    ○荒井広幸君 新党改革の荒井でございます。  平野先生いらっしゃいますが、今日バッターに立たせていただいております。ありがとうございます。  今、吉田忠智先生がハローワーク、地方版ハローワークをやられましたので、Qの、質問の三番目なんですが、大臣ではなくて事務方の皆さんにお尋ねをしたいと思うんですが、今年の二月十七日、奈良の荒井正吾県知事が定例記者会見で、国のハローワークは離職率が高いという趣旨を述べているようです。その理由は、民設、民間のハローワークの方が事情をよく聞いてきめ細かくマッチングさせているので離職率が低いのではないかというような趣旨を述べていると、こういうふうな会見があったと聞いております。  先ほど吉田議員から、データを持ち合わせていないということで、ブラックジョークのようだということがあったんですが、現在、地方公共団体が行っている無料職業紹介について、各地方公共団体においてその離職率のデータを集めているかということについて国は把握しているのか、承りたいと思います。
  96. 池田憲治

    政府参考人池田憲治君) お答えいたします。  現在、地方公共団体が無料職業紹介を行っているわけでございますが、それに関しまして、各地方公共団体において離職率、これも定義というのがいろいろとあるようでございますけれども、そのデータを集めているかどうかということにつきまして、厚生労働省としても把握をしていないというふうに承知をしております。また、国のハローワークにおきましても、離職率の統計的な把握というものは行っていないと聞いておるところでございます。
  97. 荒井広幸

    ○荒井広幸君 となりますと、今後、地方版のハローワークの設置というのが順次進んでいくと思うんですね。そうすると、一定期間を経た後に、国のハローワークと地方版ハローワークで、離職率のみならず様々なデータを集めておきませんと、比較したり、いわゆる無料職業紹介の効果を検証するということができないんじゃないかと思うんですね。だから、そういう検証をできるように体制を整えるべきじゃないかと思うのですが、いかがでしょうか。
  98. 池田憲治

    政府参考人池田憲治君) 今後、地方版ハローワークが実際に運用を開始をいたしまして、その場合には利用者の利便性の向上につながることが重要であるということは今日もるる申し上げているところでございますが、その際に、地方公共団体が自らその効果を検証して事業の改善を図っていくことが必要であると考えております。  その際、国の役割といたしまして、厚生労働省から地方版ハローワークを運営いたします地方公共団体に対しまして、検証に当たっての、例えば分析の知見ですとか、そういったノウハウを提供するといったような協力も考えられるというふうに思っております。
  99. 荒井広幸

    ○荒井広幸君 その利便性の向上という部分と効果の検証という部分はちょっと違うように思うんですが、いずれにしても、利便性の向上も図れるし、効果が上がるというためにどうするかと。だから、逆に言えば、利便性はともあれとして通う人が増えてくるということにもなりますので、そういったところをどうぞ体制を整えていただきたいというふうに思います。  続きまして、問いの一に戻らせていただきたいと思いますが、これは大臣ではなくて事務方に問いのQ一をお尋ねいたします。  地方分権改革有識者会議が取りまとめました「個性を活かし自立した地方をつくる」、いわゆる地方分権改革の総括と展望というのがありますが、こういうふうに書いてあるんですね、その提案制度改革に結び付くことにより、更に豊かな住民生活につながっていくという好循環が生み出されることを期待したいと、こう結んでいるわけです。  これは、私どもが目標としている豊かな社会をつくるための建設的改革であったり提案、そういったものを受け止めて、多様性を含め、これらを反映していくということで新たな共助の領域を拡大していくという、社会問題解決の有効な方法だと我々も思っていますので、歓迎をいたしたいと思います。  これまで二回の提案募集が行われているはずですが、地方から寄せられた提案について、住民の意見の反映という観点から見た場合、この総括と展望で述べられた期待はどれぐらい実現できていると認識事務方の方ではしているのか、どのような課題があって、今後どういうふうな工夫をして臨んでいくつもりなのか、お願いしたいと思います。
  100. 池田憲治

    政府参考人池田憲治君) 今の、お示しいただきました総括と展望におきましては、住民の役割といたしまして、単なる行政サービスの受益者にとどまることなく、地方公共団体の政策形成に参画し、協働する主体であることが期待されるとされているところでございます。  この二年間、提案募集方式を実施いたしまして、直近の平成二十七年の地方からの提案のうち、住民の意見が反映されたというふうに考えられるものとして例を二つほど挙げさせていただきますが、一つは、児童福祉施設に入所している児童に関しまして、保護者の行方は分かるんだけれども連絡が取れないというような場合には、保護者の同意の有無を確認することができない場合に、施設長の同意により予防接種を可能とするとしたことがございます。また、もう一つでございますが、地方住宅供給公社が供給する賃貸住宅の賃借人の対象に学校法人を追加することといたしました。これによりまして、学校法人地方住宅供給公社が供給する住宅を学生寮として直接学生に賃貸することができるようになる、また、学生にとって保証人が不要となったといったものがございます。  こういった住民の意見が反映されたと考えられるものはあるわけでございますけれども平成二十七年の提案募集方式の現状の課題といたしましては、住民と日々接しておられる立場にある市町村からは三十九の団体からしか提案がございませんでした。こうしたことから、三月から五月にかけまして、全国十のブロックで市町村向けの説明会を開催いたしまして、そこにおきましては、住民、民間事業者やNPO団体などから支障事例を聞いていただき、提案につなげてほしいということを市町村に対してお願いをしたところでございます。やはり、直接住民のサービスの向上につながるような提案を多くいただきまして、その実現に向けて取り組んでまいりたいというふうに考えております。  以上でございます。
  101. 荒井広幸

    ○荒井広幸君 今の御説明にありましたが、三十九の団体からしかそういう事例は出てこなかったと。もうちょっとやっぱり、自治体も、NPO、それから地元の企業、農業団体もありましょうし、住民の皆さんといえば、各種働いている人も、主婦の方もいらっしゃるわけですが、そうした方々が参加しながら自分たちの生活環境を変えていく、豊かにしていく。  そのために、行政との関係でボトルネックに、その人にとってあるいはその地域にとってなっていたらどう取り払うかということですから、その辺がもっと広がってこないと、何となく地方の親方日の丸志向というんですかね、それが国に要望が来ているというだけではなかなか結び付かないのではないかと思いますので、住民という観点から反映していくというようなことを進めていただきたい、また我々もPRをしていきたいと、このように思っております。  続きまして、大臣にお尋ねをしますが、問いの六にさせていただきます。  財源措置についてです。事務権限移譲に伴う財源措置については、平成二十六年の四月、内閣地方分権改革推進室が取りまとめました地方分権改革の実態調査結果というのがありますが、地方から、現状では、一括法の法定移譲に伴う財源措置は主として地方交付税で措置されているが、これはその調査結果の中の報告ですが、仕組み上、措置額が明確でない、まあ地方交付税ですからそうなりますが、措置額が明確でない。事務権限移譲に伴う交付税措置については、適正に財源措置がされていることが分かるような工夫、配慮が必要であると指摘されております。  政府は、この指摘を踏まえて、これまでに何らかの措置を講じたのでしょうか。これをまず事務方にお尋ねしたいと思いますが、どうでしょう。
  102. 池田憲治

    政府参考人池田憲治君) 事務権限移譲に伴います財源措置でございますけれども、閣議決定にもございますけれども、確実な財源措置を講ずることとしているところでございます。  そして、それらは、地方財政計画にも移譲に伴う事務経費などについても計上されるわけでございますけれども、それに伴います地方公共団体への実際の地方交付税の算定というものにつきましては総務省においての作業となるわけでございますが、交付税の算定内容につきましては、会議などを通じまして改正内容などの情報提供を行うなど、地方公共団体への周知に努めているものというふうに承知をしているところでございます。
  103. 荒井広幸

    ○荒井広幸君 これはなかなかさっぱりしないところですが、事務権限移譲に伴う財源措置については、平成二十六年の地方からの提案等に関する対応方針ということで、平成二十七年の対応方針と同様の文言が入っていると、こういうことなんですが、昨年の第五次地方分権一括法案の審議の際には、石破大臣の方から、この閣議決定に従って、先ほども出ましたが、確実な財源措置が講じられるように所管する関係府省に働きかけていかねばなりません、その働きかける上においては検証というものも、それは悉皆的にできるかどうか分かりませんが、実際にそれがきちんと閣議決定どおり行われているかということは内閣府としてもやるべきだと考えておりますという答弁がありました。  まだ十分に、先ほどのお話でも着手していない感があるんですが、早急に検討を開始していただくと、こういうことは可能なのでしょうか。大臣に聞きます。
  104. 石破茂

    国務大臣石破茂君) 今御指摘の第五次地方分権一括法でございますが、このときに農地転用について許可権限移譲を行いました。随分と当委員会でも議論いただいたところかと承知をいたしております。このときに、事務経費、すなわち権限移譲に伴う事務経費につきましては、地方財政計画の歳出にこれは計上されておるところでございます。  交付税の世界というのは、いま一つよく分からないというか、何年やっていても何回話を聞いても、分かったような分からないようなところがないわけではございません。そこは仕組み上やむを得ない部分もございますけれども、実際に権限移譲し、そこにおいて財政的な支出が必要だということになれば、それは国として権限移譲いたしましたが財政的な措置はとりませんということはあってはならないことだと思っております。  これは総務省でまた議論をされ、より良い解決が図られることだと思っておりますが、私ども政府の中で総務省ともよく議論して、権限は来ましたがあとは来ませんというようなことにならないように今後も努めてまいる所存でございます。
  105. 荒井広幸

    ○荒井広幸君 町村合併のとき、私、自治政務次官でございまして全国行脚をしてまいりましたけれども、その課題も今現れてはきております。  あのとき一番言われたのは、消防団なんですね。合併した隣の消防団はこんなに出動手当もらっていたのか、団長手当は俺のところより高いんじゃないかと。それで、合併するときにどっちに合わせるかと、かなりもめたんですね。つまり、地方自治体の適正な、自分の町を見ながら配分したとしても、交付税の算定は決まっているわけですよ。一人当たり出動回数幾らでどれだけの手当を出すというふうに、もちろん面積とかそういうものも勘案しながらそれで決めて出しているんですが、町村で違いがあるといえばそれまでなんですが、何でおれげの方がこれだけ安くてあっちの方は高いんだというので、結構これ問題になったんです。我々も消防の屯所に行っていろいろ意見を、皆さんもお聞きになりますし、我々も聞くんですが、そういうものなんですね。  そこに対する今度は説明責任というのは、正直言うと、地方は弱いんですね。だから、そういうものも含めて、首長さんも自治体も、我々はこういうお金をもらっているけれども、この部分は消防団に、この部分は広域消防の部分に出しているというようなものをきちんと出して説明をするというのも、是非大臣、この辺りのこともしっかりしていただかないと、これをずっとやっていったとしても、やっぱり説明責任という意味のみならず、何でそうなのという、もらう側はそういうふうに明確にしてくれと言いますが、今度、交付税の方がいいと言っている人たちもいるんですよ。だから、そういう問題も出てきていますので、この辺の課題が残っているなというふうに私は印象として持っております。  問いの七に入らせていただきたいと思います。  今度は、財源配分、そして税制改革などに係る提案の追加という部分になってくるんですが、平成二十六年六月に地方分権改革有識者会議が取りまとめた「個性を活かし自立した地方をつくる」、先ほどの総括と展望ですね、この中でこう言っているんです。  「今求められる改革の位置付け」というところで改革の対象分野に言及しており、権限移譲規制緩和に加え、これまでの改革の残された課題である真の住民自治の拡充、財政的な自主自立性の確立などに重点を置いて、当面の課題、中長期の課題といった時間軸も念頭に入れつつ、着実に取り組むべきであるとの記述があります。  これを踏まえれば、税財源配分や税制改正に係る事項を提案対象に追加することを検討するべきではないかと考えますが、現在これらの事項を提案対象から除外している理由及び提案対象に追加することについて、大臣はどうお考えになっていらっしゃいますか。
  106. 石破茂

    国務大臣石破茂君) これを提案募集方式にすると一体どういうことが起こるだろうかということを想像してみたときに、やはり税の世界において、それと表裏一体というか、財政の世界において非常な混乱が生じるのではないかという懸念は、私自身、正直言って持つものでございます。提案募集方式で税について全国いろんなところが提案を始めたといたしますと、国と地方と一体であるべき税制そのものがかなり対応が不可能になってくるのではないかという懸念がございます。  委員はかつての旧自治省で政務次官もお務めでしたし、その前は地方議会においていろんな知見をお持ちでいらっしゃいますので、そこにおいてこの提案募集方式を採用したとして、私が思っておりますような懸念に対して何か、いやいやこうすればよいのだというような御知見があれば、また御教導いただきたいと存じます。
  107. 荒井広幸

    ○荒井広幸君 今日は考え方を聞いておりまして、ありがとうございます。  では、今度は、地方から国又は市町村から都道府県への移譲提案対象への追加ということでお尋ねしたいんですが、先ほどの総括と展望においても、国から都道府県や市町村、都道府県から市町村への権限等の移譲だけでなく、ここですね、広域的に対応すべきものについては地方から国へ又は市町村から都道府県への移譲提案対象に加えることを求めるとも提言されているわけです。  現在の提案募集において地方から国へ又は市町村から都道府県への移譲提案対象から外されているということ、先ほどとダブるところもあるんですが、これらを追加するということについて改めて、Qの八でございますが、お尋ねさせていただきます。
  108. 石破茂

    国務大臣石破茂君) そういうことは別に私は否定をいたしません。そういうことがあっても別にそれは、それが国のあるいは国民の利益になるものであれば、逆にそういうようなスタイルも論理的に否定をされるべきものだとは思っておりません。  ただ、私どもが今やっておりますことは、原理を振り回すのもいかがなものかと思いますが、補完性の原理、近接性の原理というものに基づきまして、できるだけ国家としてやる、中央政府としてやるべきものと、住民に身近な地方政府としてやるべきものというものをニア・イズ・ザ・ベターみたいな感じで地方に移していくという方針にものっとってやっておりますので、今委員提案のような、逆にこれは広域的なものなので地方ではなくて国がやるべきものだというような御提案があるとするならば、それはもう所管である総務省等々において御検討いただくべきものであって、そのことは否定をいたしません。ただ、私どもが今やっておりますのは、近接性の原理と補完性の原理に基づいて地方でできるものは地方にという考え方に基づいて行っているものでございます。
  109. 荒井広幸

    ○荒井広幸君 そういう立場に立っていただいて、どんどん対話があって、本当に住民が参加しつつ、非常にいい自分のふるさと、生活の場、医職住の場になることを期待したいと思います。  今の総括と展望、この提案において、こうも言われているんですね。提案募集方式では、各中核都市及び各施行時特例市並びに両市長会においても各種の提案をしているが、実現に当たっては、全国的なニーズや連合組織による賛同が事実上必要とされるなど、提案募集方式のそもそもの制度理念、とりわけ地方の多様性にかなった運用が十分に担保されていないという指摘もされているんです。  このような指摘をどのように受け止めているのか。つまりは、提案募集方式に改善が望まれていると思いますが、いかがでしょうか。
  110. 石破茂

    国務大臣石破茂君) そのような指摘がなされておることは承知をいたしております。  地方からいろんな御提案をいただくわけで、それを具体に検討するに当たりましては、特に全国一律に権限移譲しますよという御提案であれば、本当に全国でそういうニーズがありますかと、ニーズもないのにそういうような権限移譲されてもたまりませんので、そういうようなことは把握をしておかなければなりません。  つまり、ある中核市から事務権限移譲の御提案がございましたと。提案された団体以外の中核市が移譲を求めているかどうかについて調査を行ったものであって、このことは、やっぱり私は行政を執行するに当たって必要なことであったというふうに考えております。  一方におきまして、その御提言にありますように、提案実現させる前提として、全国的な連合組織であります知事会、市長会、町村会の賛同を事実上必要としているということはございません、それは別に要件ではございませんから。ただ、どう思われますかということを聞かないというのもこれはおかしなお話でございますので、こういうような団体の御意見をお聞きをし、参考としておるところでございます。  したがいまして、地方の実情というものにかなったような、そういうような提案の受付またあるいは実行というものをこれから先も心掛けていくものでございます。
  111. 荒井広幸

    ○荒井広幸君 一歩前進して、どんどん、地方、中央の区別なく、一人一人が生活する、生きていく、学んでいく、また老いていく、働いていく、いろんな意味で一人一人の権利を含めまして充実していく方向に進んでいるなとは思いますので一定の評価を申し上げたいと思いますが、一方で課題も見えてきているということだと思います。  最後になりますが、大臣が、消費税を再延期する場合は衆参両院において選挙を通じて国民に訴えるべきものだという趣旨を発言されたと聞いておりますが、そういうような趣旨の発言がございましたんでしょうか。
  112. 石破茂

    国務大臣石破茂君) 一日何十回もいろんな発言をしているので、多分、報道で一部あったような件ではないかというふうに承知をいたしております。  衆議院の選挙におきましては、当然、解散権は総理がお持ちのものでありまして、このことについては閣僚が云々すべきことではございません。また、参議院は政権選択の選挙ではございませんが、国民の皆様方の御意向というものを承るという意味におきましては極めて重要な意味を持つものでございます。  そういたしますと、おととし行いました総選挙において、私ども与党といたしまして、消費税というものの引上げを延期をするということを申し上げて、国民の皆様方の御審判を賜ったところでございます。その後は、延期をした後は必ずそれは、リーマン・ショック級のそういうような経済状況というものが生じない限りは消費税の引上げを行うということは、総理が累次指摘をしておるところでございます。  一方におきまして、経済が失速しては元も子もないというお話もございまして、そこの辺りは政府の中でこれから先いろんな議論をしていきながら、国民の皆様方の御審判をいかに仰ぐかということは最終的に総理の下で判断をされることだと承知をいたしております。
  113. 荒井広幸

    ○荒井広幸君 私も大臣と考えが非常に近いんです。  というのは、衆参両院で去年その法律を、我々賛否を投じているわけですよ。ですから、再延期をする場合の民主的手続といいますか、あるいは説明する場、あるいは了解をもらう場、選挙前か選挙後かということもありますが、争点にするということもあります。  私はやっぱり、参議院は、通常選挙がありますからここで聞ける、我々も投票して賛成しているわけですから。衆議院は、法案として賛成して成立しているわけですね、リーマン級が来なければそのまま上げますよと。それを仮に上げないとするならば、延期するというのであれば、衆議院を解散して国民に尋ねるというのが、私も考え非常に近くて、趣旨がどういう、最後濁しておられましたが。  衆議院と参議院が法案に賛同した以上、衆参もやはり、仮に再延期するならば国民の審判を仰ぐべきではないかというふうに私は考えているということを申し上げまして、終わります。
  114. 熊谷大

    委員長熊谷大君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。  これより討論に入ります。  御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
  115. 大門実紀史

    大門実紀史君 反対討論を行います。  反対理由の第一は、地方版ハローワークの創設です。  この間、地方主体の職業紹介事業を進めようとした自治体もありましたけれども、職業紹介のノウハウ、十分な体制がなく、結局、民間人材ビジネスへの依存を強める結果となり、労働者の権利などが十分守られない事例が起きております。今、国が行うべきは、求職者の勤労権を保障するために、実態をよく把握し、国の責任でハローワークの体制を強化することであります。  また、マイナンバーの利用範囲の前のめりの拡大、公共建築物の定期点検に係る建築基準法の改正なども問題であります。  本法案は、事務手続の軽減など必要な改正も含まれておりますけれども、以上の点から反対をいたします。
  116. 熊谷大

    委員長熊谷大君) 他に御意見もないようですから、討論は終局したものと認めます。  これより採決に入ります。  地域自主性及び自立性を高めるための改革推進を図るための関係法律整備に関する法律案に賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕
  117. 熊谷大

    委員長熊谷大君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  118. 熊谷大

    委員長熊谷大君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  本日はこれにて散会いたします。    午後三時三十一分散会