○江崎孝君
会長にお答えいただきたかったんですけれども、
放送総局長の専
務理事なら多分そういう答えになるだろうと思いますが、次の
質問をします。
では、もう一つ紹介します。
今年の二月の一日に、
放送を語る会という団体が冊子を出版しています。この団体は、市民、
放送研究者、
放送従事者などの
視聴者の団体で、一九九〇年に結成されております。昨年の二〇一五年五月から九月までの安保法制の
国会審議と併せて
全国で抗議行動が行われていたことは
皆さん御承知のことだというふうに思いますが、この会はこの五か月間、独自で
NHKと民放キー局の
ニュース番組を手分けして録画をして精査をしています。それを細かく分析して、「安保法案 テレビ
ニュースはどう伝えたか」にまとめたのがさきの御紹介した小冊子です。
その冊子には、
国会審議期間中の対象
ニュース番組全体の傾向の一つとして、
NHKニュースの政府広報化、政府の広報化の進行を
指摘しています。政権にとってマイナスになるような出来事や
審議内容を極力伝えない傾向であると結論付けており、一つの比較表を出しています。それがこれです。(資料提示)
これは一部ですけれども、まず、お手元にあると思いますが、五月の二十日、安倍総理がポツダム宣言についてはつまびらかに読んでいないという
答弁をされたとき、「報道ステーション」、これは「
ニュースウオッチ9」と同じような報道の
番組の時間の在り方、姿勢について「報道ステーション」と「NEWS23」を比較しているんですけれども、これ映していただきたいんですが、つまびらかに知らないんだ、読んでいないんだと言ったときに、「報道ステーション」は
放送した。「NEWS23」は、その日はしなかったんですが、間違った戦争との認識示さずと報道しています。
NHK「
ニュースウオッチ9」は全く報道していません。
二十八日、これはよく有名になりました、
衆議院の特別
委員会で安倍総理が早く
答弁しろよというふうにやじを飛ばしたときの報道なんですけれども、「報道ステーション」はやりましたけれども、「
ニュースウオッチ9」は当日はやっておりません。翌日報道にしています。
六月一日に入りまして、中谷防衛
大臣、
日本に対して攻撃の意思のない国に対しても攻撃する可能性があるということ、これ集団的自衛権の大きな問題でありましたけれども、これは両方はやっていますけれども、「
ニュースウオッチ9」は全くこれも報道していません。
七月に入って、これは自民党の文化芸術懇話会、つまり与党の中で、マスコミを懲らしめるには広告
収入をなくすのが一番といった、ある面では威圧的、圧力的発言があったということで大分報道されました。このときも「
ニュースウオッチ9」は全く報道していません。
八月五日、飛ばしますけれども、八月五日の
参議院特別
委員会、これの中谷防衛
大臣です。後方支援で核ミサイルも法文上運搬可能、これも大変な
ニュースになりました。これも「
ニュースウオッチ9」は全く触れていないんですね。
これ、
放送内容のここだけはスペースがあるからちょっと私が省略した部分がありますけれども、これは全くまま、原文のまま、冊子に載せられた文であります。
そして、七月の十五日と九月の十七日、これは御承知のとおりそれぞれの特別
委員会で強行採決された日です。ほとんどのマスコミは強行採決、あるいは採決が強行されたというふうに報道していますけれども、
NHKの「
ニュースウオッチ9」では強行という表現をしておりません。
さて、こういう現状なんですね。これは、先ほど言ったとおり、客観的に
皆さんが見て録画をして、そしてそれをまとめられた分です。それで、
会長、これが実際の内容なんですね。
もう一度お聞きします。これは、公平公正、不偏不党の報道姿勢と言えますでしょうか。
会長、お答えください。