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吉良よし子君 先ほどグループ全体をゼロから見直すというお話もありました。
ただ、私、まずゼロにするというところから始めるというところでいいのかという、その対応策先にありきでは解決につながらないのじゃないかなと思うわけです。やはり先ほど来申し上げているとおり、非営利の
NHKが営利である子会社との関係性、その
監督もしている、一方で営利活動を進めているというその関係性の検証というのを、しっかりどのように精査していくかということは本当に欠かせないことだと思うわけです。
会長は、このアイテックの
事案について話し合われた二月二十三日の
経営委員会で、
NHKは利益を追求する会社ではありません、そういう
意味で、何が
経営なのか、何が収入で、何が支出で、何がコストだという認識が不足している面もあると
思います、したがって、そういうことも習得してもらうと同時に、
NHKの若い人、中堅の人たちに関連団体に行ってもらって、会社というのはどんなものかということを実地で学んできてもらう、その上で
NHKに戻ってきて、次に関連団体の幹部として出るときには
経営的センスも備わっているようにする等々の発言をされているわけですけど、私、こういう形を取っていて、先ほどのような
監督指導体制の機能の発揮、強化が本当にできるのかというところが甚だ疑問なわけなんです。
アイテックにおいて今回の
不祥事が長年見逃された背景というのは、先ほどありましたとおり、コンプライアンス意識が低いとか、管理職が部下の行為を
確認しなかったりなどということが紹介されたわけですけれ
ども、
報告書によりますと、不正発注がないかチェックをすべき取締役らから、見ていたのは赤字かどうかであったとか、赤字になっていなかったから大丈夫だと思っていたなどの発言があったということが記載されているわけです。
結局、こうした営利
目的の子会社における売上優先、現場任せといった企業風土こそが
不祥事を見逃した背景にあるわけなんですよね。全ての関連団体がそういう企業風土だとは言いませんけれ
ども、営利が
目的である以上、関連団体が売上優先となっていくことは否めないと思うわけです。そういうところに将来の幹部の候補などが学んでいって、そして戻ってきてまた
監督する
立場になるというふうなことになってしまうと、逆に子会社の人たちとのなれ合いみたいなものが醸成される、そういう土台になってしまうんじゃないのかと、そういうことも懸念されると思うわけですね。
だから、やっぱりまずやるべきは、本当にそういった子会社の
在り方と
NHK本体との関係性をどのように今後やっていくべきなのかという徹底した検証こそが必要なのではないかと思うわけですけれ
ども、その点、いかがでしょうか。