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大門実紀史君 大門でございます。
うちは元々、
黒田総裁の就任には反対でございましたし、反対しておいて良かったなというふうに思っております。異
次元緩和については、もう最初からといいますか、始める前からといいますか、問題点を
指摘してまいりましたし、お辞めになるべきだということも再三、予算
委員会も含めて
指摘してきたところでございます。
中身はもう先ほど
櫻井さんから厳しく追及があった点、国民にとっては結局何だったのかと、このアベノミクスの
中心である異
次元緩和が。それは株持っている人とか一部の人には良かったかも分からないけれども、今や世論
調査でも、この日銀の異
次元緩和も含めて、もう期待していないという国民が増えて、当初は七割ぐらい期待している人がいましたけれども、今やもう半分以下と、期待しないとわざわざ言う人がもう六割超えているというふうになっている事態であります。
もう
一つ、日銀の大量の国債購入についても、その危険性について最初から
指摘をしてまいりました。要するに、案の定、今、
日本国債のおかしな信頼が生まれていて、国債を銀行を含めて投資家が買うのは、どんなことがあっても
日本銀行に転売できる、利ざやを稼げるというのがあって買い続けられていると。明らかにこの日銀の国債の大量購入によって国債の信用バブルが起きているということは間違いないと思います。
したがって、逆に言うと、日銀がこの大量の国債購入から手を引き始める、撤退し始めたときにこの国債の信用バブルが崩壊していくのは間違いない、それについてどうするんだということを再三、この
委員会でも三年間、藤巻
先生も含めて
議論してきても一切お答えにならないと。時期尚早だと、そういうことに答えるのはということで、大変、何といいますか、国会における日銀の審議が非常に中身のないものといいますか、答弁がひどいものですから、そういう日銀報告審議が続いてきたんじゃないかと改めて
指摘していきたいと思います。聞いてもまた同じことだと思うので、今日は違う角度で申し上げたいと思いますけれど。
今までの
総裁に比べて、
黒田総裁の国会対応、今日もやっぱりいろいろ対応良くないなと思って聞いておりましたし、大変不誠実な答弁が続いている、今申し上げたこと、同じことを繰り返すのも含めて。もう
一つは、この国会審議、国会での
黒田さんの答弁が、むしろ今国会審議そのものが
黒田政策に利用されていると、利用されてきたという点を
指摘したいというふうに思います。
去年の二月ですか、この
委員会で、中央銀行はサプライズを狙うべきではないということを
指摘いたしました。それは、おととしの十月三十一日に出たあの追加の
金融緩和の話ですね。あれがサプライズと言われていましたけれども、その三日前にこの
委員会で、日銀の異
次元緩和政策は所期の
効果を発揮しておりますし、順調に推移しておりますと言われた三日後にあの追加
金融緩和を打ち出したということを
指摘して、サプライズを狙った、国会でしかるべき答弁をされるべきであったということを申し上げたわけですね。株が下がり始めたのがそれで持ち直したわけですよね。そういうやり方がいかがなものかということをFRBの方向転換も含めて
指摘したにもかかわらず、またまた同じようなサプライズをやられたということです。
ちなみに言っておきますと、FRBはFRBの量的
緩和の第三弾のときに曖昧なことを言って市場を混乱させたというようなことがあって、その後、対話を重視すると、マーケットとのですね、という方向に転換をしたわけでありますし、欧米の中央銀行も、
金融政策で不必要な混乱あるいは投機的ないろんな
動き、招かないために予見性を高めようと、むしろ。中央銀行が何をやろうとしているかをちょっと早く伝えようという方向になっているわけでありまして、中央銀行がサプライズ狙いやるなんということは、もう欧米の中央銀行じゃ考えられないと。これ、裏を返すとオオカミ少年みたいになっちゃいますからね。そういうことをやるべきじゃないということが今の
世界の中央銀行の流れなわけであります。そんなことをやると、もう中央銀行の信頼性とか権威に関わるわけですよね。
例えば、
マイナス金利について言っても、欧州中央銀行は、
マイナス金利導入の四か月前にロイターのユーロ圏サミットがありましたけど、そこで自ら
マイナス金利政策を真剣に検討しているということをわざわざコメントしているんです。やる
可能性があるということをコメントしているわけですね。サプライズにならないように配慮をしているわけですね。
ところが、
日本はどうかというと、
黒田さんは、またまたこれでもサプライズやっちゃったわけですよね。これ民進党の大久保さんが予算
委員会で
指摘されておりますけれど、一月二十一日の決算
委員会で
マイナス金利は考えていませんと言っておきながら、二十九日に
マイナス金利を決定するということですよね。結果的に、またサプライズ狙いというふうに思われても仕方がないようなことをやられたわけであります。しかも、国会の場を使ってやったと言われても仕方がないんですね、結果的に言えば。
こういうサプライズ
効果を狙うことそのものが問題だと思いますけれど、国会答弁と全く違うことをやり続けるというのは、一体国会審議を何と思っていらっしゃるのか、お聞きしたいというふうに思います。いかがですか。