○平野達男君 本当に
麻生大臣がおっしゃったように、中央防災
会議なんかの災害予想の中でもあの地域というのは余り注目されていなかったというか、安心していると言ったら言葉言い過ぎかもしれませんけれ
ども、私もちょっと調べてみましたけれ
ども、少なくとも明治以降では大きな
地震というのはなくて、最近福岡でちょっと大きな
地震があって、家が数軒、二年前でしたかね、倒れたというぐらいがニュースにちょっと出ているぐらいだったと思います。
その一方で、これ
予算委員会等々でも何回も申し上げましたけれ
ども、
地震学者の中には、一九九五年、阪神・淡路の大震災以降、
日本はまた活動期に入っていると。過去のいろんな災害の
歴史を見てみますと、五十年スパンとかあるいは数十年スパンで火山活動でありますとか
地震とか津波というのが
集中する傾向が結構あるようです。そのことはもう一回私
ども想起していく必要があると思いますし、ああいう
地震が起こるんだということについて私
ども予想していなかったということについては、まだまだ私
どもは
地震ということについても火山ということについても分かっていないことが多いのではないかという
意味で、もう一度やっぱりこれ謙虚にこの自然災害に臨むということも大事ではないかなということをちょっと申し上げさせていただきたいというふうに思います。
今日は、通告を申し上げている質問の方に残りの時間ちょっと入らせていただきますけれ
ども、
経済の成長ということについて若干の質問をさせていただきたいというふうに思います。
GDPで私
どもは
経済の成長率を見るわけでありますが、GDPは、御案内のように一番大きいのは支出面で見た場合には個人
消費ということになりますし、それから
政府の最終
消費支出と、それからあといわゆる資本形成、まあ
設備投資等々が、住宅等々が入りますけど、これが三つの大きな柱になっています。今日特に取り上げたいのは、三番目の資本形成の中の
企業の
設備投資と、それから時間があれば公的資本形成ということで、公共
投資と言われるものの二つについて若干の質問をさせていただきたいんですけれ
ども。
お手元にこういう横の長々とした図をちょっと用意させていただきまして、これは固定資本形成・減耗の推移ということで四つのグラフが描いてございますが、そのうち左下が民間
設備投資ということになります。
設備投資は二つありまして、ここに書いてありますけれ
ども、純固定資本形成というものと固定資本減耗というのがあります。
固定資本減耗というのは何かというと、分かりやすく言ったら更新事業ですね。今まで造っていたものが耐用年数が来たと、あるいは少しグレードアップしようということで
設備投資するのがこの固定資本減耗ということになりまして、全く新たに工場を造成する、それから設備を新たな場所に導入するということについていえば、これは純固定資本形成ということになります。
言うまでもなく、
日本の
経済がこれからどんどん伸びる、
消費も拡大していく、それから新たなニーズも出てくるということになりますと、当然今までの機械更新をしなくちゃなりませんが、プラスこの純固定資本形成というのがかなり出てこないとおかしいということだと思います。
たまたま私、古い本の、下村治さんという方が好きだということは何回も
予算委員会でちょっと申し上げたんですが、下村治さんの本なんか読んでいますと、高度
経済成長のときは
政府の支出の三倍、四倍ぐらいで住宅建設、
設備投資が進んでいたということだから、それぐらい
設備投資、新規の
設備投資がすごい活発だったというようなことを、何かちょっとぱらぱらとめくっていたらそんな記事が出ていましたけど、そんなエッセー風のあれがちょっと出ていましたけれ
ども、下村さんは晩年は
日本は
経済成長は止まるという予想をされていました。その最大の原因というのは、原油価格が高騰ということと、それからあと、これ以上の、高度
経済成長以上のニーズというのは出てこないだろうというのが
一つの理由でありました。
最近、宮沢先生からちょっと紹介を受けました一橋大学の齊藤誠先生が定常ということを言っておられて、全く同じ論調のことを言っておられるんですね。今日のこの
資料は、その齊藤誠さんと下村治さんのところにちょっと頭があったものですから、それを基にして
内閣府にちょっと
資料を作らせていただいたんですけれ
ども、どうもこの
状況を見ますと、民間
設備投資でいきますと、ほぼ今の民間
設備投資はイコール更新になっているということです。これを裏返してみますと、
企業の皆さん方というのは、国内的には少なくとも余りニーズは出てこないというふうに見ておるということのセットではないかなというふうに思います。
こういう中で、
日銀政策、大幅な
金融緩和等々をやっていますけれ
ども、この
状況の中でどういう
経済政策を取っていくことでこれからの
経済成長というのが、六百兆とかという目標を掲げていますけれ
ども、筋道が描くことができるのか、やっぱり少しちょっと疑問だなというふうに思いますが、この図を見て、
麻生大臣、どのような感想を持たれるでしょうか。