○脇雅史君
鉄道事故、
踏切事故につきましてこれまで論議がなされてまいりまして、
鉄道はいつも勝手に走っているわけでありまして、そこを渡る人が気を付ければいいわけですけれども、適切な注意義務を果たしていたのに
事故が起こるといったことは避けなければいけない。適切な注意義務を果たしていたら大丈夫かといっても、今の
お話のように、幼少者でありますとか
高齢者でありますとか、適切な注意義務そのものを果たせない人も増えてきたと。これは今
大臣の御
答弁でもありましたが、
鉄道事故だけではありませんけれども、社会全体として考えていかなくちゃいけない。ですから、
踏切道の
改良もそういった
意味で総合的に考えなくちゃいけない
状況になったのかなという感想を持ちましたが、いずれにしても、この法案、実行することには大賛成でございまして、更に
対策が的確に進むことを希望しております。
この法案に対する質問は終わりまして、この間の続きをちょっとさせてもらいたいんですが。
談合問題といいましょうか、入札契約に関する問題というのは、実は私も国会議員になって以来ずっと継続的に質問してまいりまして、最近は余りやっておりませんが、十二年前ぐらいには頻繁にやっておったんです。その頃と余り
状況は変わっていないんですが、品確法という法律ができて、その
改正もできて、客観的には明らかに変わってきたはずなんですけれども、行政の実態としてまだ対応できない部分もあるのではないかなという思いもあって、久しぶりにまたこの問題について少し触れたいと思っているわけであります。
入札契約問題を考えるときにやはり大きな要素は、
予定価というやつですね。この間もちょっと触れましたが、どんな契約をするときでも、あらかじめそれを造るのには幾ら掛かるかというものを
予定価としてつくりまして、その
予定価に対して、これ
予定価は秘密になっているわけですが、入札をさせて一番安い者と契約をしましょうと、まあその前段としていろんな過程はあるわけですが。
この
予定価というのは、会計法に基づく予決令、
予算決算及び会計令ですけれども、「
予定価格は、契約の
目的となる物件又は役務について、取引の実例価格、需給の
状況、履行の難易、数量の多寡、履行期間の長短等を考慮して適正に定めなければならない。」と。要するに、実勢価格をちゃんと見なさいよと、誠にまともな当然な規定なんですけれども、実際いろんな場面でこれが本当にできるかというと難しいことがあるんですよ。
車を購入します。トヨタを買うんだとか日産を買うんだとかというわけにいきませんから、車を購入するときに、例えば二千ccクラスぐらいでこんな能力のある車を買うんだといって
予定価決めるってどうしますか。まさか自分で積算積み上げて車一台これだけ掛かるだろうなんてことはできませんから、定価を見たり、幾らなら売ってくれるかということをあらかじめ販売店に聞いて、そのうち安い辺を取っておくかとか様々ないろんな工夫があるんでしょうが、そんなことで
予定価って定まるんですよね。だから、なかなか簡単じゃないんですよ。人によっても変わってくる
可能性があるんです。
また、この間、囲碁のソフトでプロ棋士を負かしたのがありましたね。あれをもし国が開発しようとしたら、その開発に関する
予定価はどうします。できますか。そういうものはいっぱいあるんです。原子炉なんかもそうですし、ロケットを打ち上げるのもそうですし、初めてやるようなものは実勢価格なんかないんだから、それはいろんな工夫が要るんです。しかし、法律は一本だから、適正に定められたものによってそれより低けりゃいいというようなことになっているんですが、実態がそうでないのが明らかなんですね。
ですから、この間申し上げましたけれども、実際何が起こっているのかということをしっかり見た上で、税金ですから無駄な使い方をしてはいけません。しっかりと適正にうまく決めていくという知恵は常に求められているんだということを、特に担当する行政、本省レベルの方にはそのことに十分留意してほしいんです。現場でそんなこと考えてこの法律おかしいからなんて思ったってできませんから、法律、法文どおり実行することが本当に国民の利益に一致するのかということを常に行政の現場の人は考えなければいけないんで、おかしかったら法文を変えるんですね。内閣、閣法はいっぱいあるんですからそういう努力が必要なんです。
我々は立法府ですから、当然、どういう法律が正しいのかということを見ながら様々な
意見を拝聴した上で変えるべきものは変えるという努力が常に要るということは申し上げておきたいんです。ですから、会計法とか予決令なんというものは全然変わりません。ずうっと一緒ですよね。だから、本当にこの中身が何なのかということはしっかりと考えていっていただきたい。
そこで、まず、発注者が
予定価格で入札したときに、その発注者、最終的には納税者ということになりますけれども、
予定価格どおりだったら一体国は損したということになるのかということについて、どうでしょうか。