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2016-05-19 第190回国会 参議院 厚生労働委員会 第20号
公式Web版
会議録情報
0
平成
二十八年五月十九日(木曜日) 午前十時三分開会 ─────────────
委員
の
異動
五月十三日
辞任
補欠選任
石井
正弘
君
石井みどり
君
長浜
博行
君
小西
洋之
君
吉川
沙織
君
石橋
通宏
君 五月十九日
辞任
補欠選任
藤井
基之
君
堀内
恒夫
君
石橋
通宏
君
礒崎
哲史
君 ─────────────
出席者
は左のとおり。
委員長
三原じゅん子
君 理 事 島村 大君
高階恵美子
君
羽生田
俊君
津田弥太郎
君
佐々木さやか
君 委 員 赤石 清美君 有村 治子君
石井みどり
君
太田
房江
君
木村
義雄君
武見
敬三
君
藤井
基之
君 古川 俊治君
堀内
恒夫
君 足立 信也君
礒崎
哲史
君 川田 龍平君
小西
洋之
君
西村まさみ
君 森本 真治君 長沢 広明君 小池 晃君 東 徹君
福島みずほ
君
薬師寺みちよ
君
国務大臣
厚生労働大臣
塩崎
恭久
君 副
大臣
厚生労働
副
大臣
竹内 譲君
厚生労働
副
大臣
とか
しきなおみ
君
大臣政務官
文部科学大臣政
務官
堂故 茂君
厚生労働大臣政
務官
三
ッ林裕巳
君
厚生労働大臣政
務官
太田
房江
君
事務局側
常任委員会専門
員 小林 仁君
政府参考人
内閣
府
地方創生
推進事務局次長
川上 尚貴君
総務省自治行政
局公務員部長
北崎 秀一君
法務大臣官房審
議官
辻
裕教
君
法務大臣官房審
議官
富山 聡君
法務省保護局長
片岡 弘君
外務大臣官房参
事官
宇山
智哉君
文部科学大臣官
房審議官
浅田 和伸君
スポーツ庁スポ
ーツ総括官
平井 明成君
厚生労働大臣官
房総括審議官
宮野 甚一君
厚生労働大臣官
房技術総括審議
官 鈴木
康裕
君
厚生労働大臣官
房審議官
堀江 裕君
厚生労働省医政
局長
神田 裕二君
厚生労働省健康
局長
福島
靖正
君
厚生労働省医薬
・
生活衛生局長
中垣 英明君
厚生労働省労働
基準局長
山越 敬一君
厚生労働省労働
基準局安全衛生
部長
加藤 誠実君
厚生労働省職業
安定局長
生田 正之君
厚生労働省職業
安定局派遣
・有
期労働対策部長
坂口 卓君
厚生労働省雇用
均等・
児童家庭
局長
香取 照幸君
厚生労働省社会
・
援護局長
石井
淳子君
厚生労働省老健
局長
三浦
公嗣君
厚生労働省保険
局長
唐澤
剛君
厚生労働省政策
統括官
安藤よし子
君
経済産業省商務
情報政策局商務
情報政策統括調
整官
吉本 豊君
中小企業庁事業
環境部長
木村
陽一君
環境大臣官房審
議官
早水
輝好
君
環境省総合環境
政策局環境保健
部長
北島 智子君
参考人
独立行政法人国
際
協力機構理事
柳沢
香枝
君 ───────────── 本日の
会議
に付した案件 ○
政府参考人
の
出席要求
に関する件 ○
参考人
の
出席要求
に関する件 ○
社会保障
及び
労働問題等
に関する
調査
(
臓器移植
に関する件) (
入院患者
の
重症度等
の
評価
に関する件) (
アジア諸国
に対する
医療保険
及び
介護保険制
度に係る
技術協力
に関する件) (
高齢者
が安心して暮らすことができる
地域づ
くりに関する件) (
臨床研究法案
による規制の内容に関する件) (ハローワークの求人票問題への対応に関する 件) (
高齢者
及び
障害者
の
再犯防止対策
に関する件 ) (職場における
化学物質管理
の
在り方
に関する 件) (
待機児童解消
に向けた
保育士確保策
に関する 件) (
福島
県等における
小児
の
甲状腺がん
に関する 件) (
健康診査
の
在り方
に関する件) ○
障害者
の
日常生活
及び
社会生活
を総合的に
支援
するための
法律
及び
児童福祉法
の一部を改正す る
法律案
(
内閣提出
、
衆議院送付
) ─────────────
三原じゅん子
1
○
委員長
(
三原じゅん子
君) ただいまから
厚生労働委員会
を開会いたします。
委員
の
異動
について御
報告
いたします。 去る十三日、
吉川沙織
君、
長浜博行
君及び
石井正弘
君が
委員
を
辞任
され、その
補欠
として
石橋通宏
君、
小西洋之
君及び
石井みどり
君が選任されました。 ─────────────
三原じゅん子
2
○
委員長
(
三原じゅん子
君)
政府参考人
の
出席要求
に関する件についてお諮りいたします。
社会保障
及び
労働問題等
に関する
調査
のため、本日の
委員会
に、
理事会協議
のとおり、
厚生労働省保険局長唐澤剛
君外二十六名を
政府参考人
として
出席
を求め、その説明を聴取することに御
異議
ございませんか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
三原じゅん子
3
○
委員長
(
三原じゅん子
君) 御
異議
ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
三原じゅん子
4
○
委員長
(
三原じゅん子
君)
参考人
の
出席要求
に関する件についてお諮りいたします。
社会保障
及び
労働問題等
に関する
調査
のため、本日の
委員会
に、
理事会協議
のとおり、
独立行政法人国際協力機構理事柳沢香枝
君を
参考人
として
出席
を求めることに御
異議
ございませんか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
三原じゅん子
5
○
委員長
(
三原じゅん子
君) 御
異議
ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
三原じゅん子
6
○
委員長
(
三原じゅん子
君)
社会保障
及び
労働問題等
に関する
調査
を議題といたします。 まず、
臓器移植
に関する件につきまして、
塩崎厚生労働大臣
から
報告
を聴取いたします。
塩崎厚生労働大臣
。
塩崎恭久
7
○
国務大臣
(
塩崎恭久
君)
臓器
の
移植
に関する
法律
に関する
附帯決議
に基づき、
臓器移植
の
実施状況等
について御
報告
を申し上げます。
臓器
の
移植
に関する
法律
は、
平成
九年に施行されてから今年で十九年を迎えます。また、
臓器提供
における
本人同意
の扱いについて、
平成
二十二年に、
改正法
に基づく新
制度
が施行されてから六年が経過します。この間、善意により
臓器
を
提供
された多くの
方々
、また、様々な
立場
から
移植医療
の
普及
に取り組んでこられました
関係者
の
皆様
に心から感謝申し上げます。 まず、
臓器移植
の
実施状況
について
報告
いたします。 本年三月末現在の
移植希望登録者数
及び
平成
二十七年度の
移植実施数
は、
配付
の
報告書
のとおりでございます。
平成
九年の
法施行
から本年三月末までの間に、
法律
に基づき三百六十九名の方が
脳死
と判定され、
臓器
を
提供
されています。このうち、
改正法
が全面施行された
平成
二十二年七月十七日から本年三月末での間に
提供
された方は二百八十三名です。このうち、
法改正
により可能となった、
本人
の
書面
による
意思表示
がなく、
家族
の
書面
による承諾に基づく
提供
は二百八名となっています。また、そのうち十五歳
未満
の
小児
からの
臓器提供
は十一名となっております。 次に、
脳死下
での
臓器提供
を
実施
することができる
施設
や
移植
を
実施
することができる
施設
についても、
報告書
に記載したとおり、いずれも着実に
整備
が進められております。 次に、
移植
結果について申し上げます。
平成
九年の
法施行
後に
実施
された
移植
に関する
生存率
と生
着率
は
配付
の
報告書
のとおりですが、国際的に見ても良好な結果を残すことができていると考えています。
厚生労働省
では、今後とも、
公益社団法人日本臓器移植ネットワーク
とともに、
臓器移植
に関する知識の
普及
や、
臓器提供
に関する
意思表示
を行っていただくための啓発を進めます。また、
臓器提供施設
の
体制整備等
のための
支援
や、
脳死判定等
が適切に行われたかどうかの
検証作業
も継続していきます。今後とも、
臓器移植
が
法令等
に基づき適正に行われるよう努めてまいりますので、
委員
の
皆様
には御理解を賜りますようお願いいたします。
三原じゅん子
8
○
委員長
(
三原じゅん子
君) 以上で
報告
の聴取は終わりました。 なお、本日、
厚生労働省
から提出されております
報告書
につきましては、これを
会議録
の末尾に掲載することにいたしたいと存じますが、御
異議
ございませんか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
三原じゅん子
9
○
委員長
(
三原じゅん子
君) 御
異議
ないと認め、さよう取り計らいます。 これより
質疑
を行います。
質疑
のある方は順次御発言願います。
羽生田俊
10
○
羽生田俊
君 おはようございます。 一問だけなんですけれ
ども
、
保険局
に、
全国
的な話でございますので、御回答いただきたいのでございますけれ
ども
。 今、病棟の
機能分化
ということで
登録制度
が始まって、特に七対一につきましては
重症度
のパーセントが二五%ということで少し高くなっているということで、この
重症度
あるいは
医療
・
看護必要度
というものが御自分の
病院
で
評価
をして、それが
重症度
に値し、そしてそれが二五%以上ということになるわけでございますけれ
ども
、この
評価
については、やはり今いろんな
職種
の
方々
が参加をしての
医療
ということでございますので、いろんな
方々
の御意見を聞いた上で、最終的には一番
患者
さんに接する時間の長い
看護師
さんが
評価
をするということでよいと思うんですけれ
ども
、そういうことでよろしいのかどうか、それが
一つ
。 そして、この
重症度
、
医療
・
看護必要度
の
評価
というものは、
院内研修
を行って、それによってこういった
評価
をしていくということになるわけですが、この
院内研修
の
研修
をされる方でございますけれ
ども
、
法律
の中には、
所定
の
研修
を修了した者又は
評価
に習熟した者が行う
研修
であることが望ましいとあるんですけれ
ども
、この望ましいという表現ということは、この
研修
を受けることが
義務
ではないという解釈でよいのかどうかということがもう
一つ
の
質問
でございます。
所定
の
研修
を受ければもちろん
修了証
というものが出ますから、これははっきりしたものですけれ
ども
、
評価
に習熟した者というのは以前に
研修
を受けた者という
意味
なのか、あるいは
研修
を受けなくても
病院
の中でそういった業務にずっと長い間携わってきた者でもよいということなのか、その辺も少しはっきりしていただきたいということでございます。 それが
二つ目
なんですけれ
ども
、
三つ目
は、
所定
の
研修
というものが、これは
法律
の中にも国又は
医療関係団体
が行うという記載になっているわけですけれ
ども
、現実には国は
一つ
もしていない、
医療関係団体
が行っているわけですが、それも実は
一つ
の
団体
だけであってほかの
団体
がやっているということがないわけで、非常に
研修
を受けること自体が難しいことが起きてしまっていると。 たまたま私、地元の群馬県で、この
研修
の知らせが来たので申し込んだら、既にいっぱいですということで断られたということを聞いておりまして、そういった
意味
では、できる限り望ましいということを生かすのであれば、いろいろな形でいろんな
団体
が
研修
を行うということもお考えいただきたいというふうに思うんですけれ
ども
、その三点について御回答をお願いいたします。
唐澤剛
11
○
政府参考人
(
唐澤剛
君) ただいま
入院患者
の
重症度
、
医療
・
看護必要度
についてのお尋ねをいただきました。
入院患者
に対する
重症度
、
医療
・
看護必要度
の
調査票
の記入、
評価
ということでございますが、これは、これまで
看護職員
が
実施
をするということにしてまいりました。ただ、御
指摘
のように、
チーム医療
というものが大変進んできておりますので、
平成
二十八年度の
診療報酬改定
におきましては、
院内
の
研修
を受ければ薬剤師さんや
理学療法士
など
看護職員
以外の
職種
についても項目に応じて
評価者
となれるということを導入をしているところでございます。 そして、この
院内研修
の
指導者
が受講する、これは
院内
の
研修
の講師となる
先生
でございますけれ
ども
、その方が受講する
所定
の
研修
でございますけれ
ども
、ただいま
先生
から御
指摘
いただきましたとおり、これは望ましいということで国としては考えておりますが、必ず受講するという
義務
を求めているわけではございません。 それから、これにつきましては、過去に
研修
を受講している方もおりますので、その方は、じゃ、改めてまた受講するのかというお問合せもあるわけでございますが、この方は既にかなり
評価
の仕方に習熟しておりますので、改めて
研修
を受講する必要はないというふうに考えております。 そして、最後に御
指摘
いただきましたように、
所定
の
研修
を
実施
している
団体
でございますけれ
ども
、これは
病院団体
や
職能団体
などと共催で
研修
を
実施
をしております。確かに、これは今
一つ
しかないわけでございますけれ
ども
、
衛星中継等
も活用しまして会場を
全国
五十か所以上に設けるなど、できるだけ数多くの
受講者
、
受講希望者
の受入れができるように図って
努力
しているというふうに承知をしております。 その上で、これはなかなか専門的な面がございまして、私
ども
も
一つ
に絞っているわけでは全くございませんで、他の
医療関係団体
でも
所定
の
研修
に取り組んでいただきまして
実施
をしていただけるということも通知でお示しをしております。専門的な面はございますけれ
ども
、いろいろな
研修
の機会が
関係団体
の
協力
をいただいて増えていくように私
ども努力
をしてまいりたいと考えております。
羽生田俊
12
○
羽生田俊
君 ありがとうございます。
全国
的には
研修
が
義務
化されているのではないかというふうに思われている節もあるものですから、その辺をやっぱり
十分全国
に習熟していただくように御配慮と、それから、
研修
をやはりできる限り受けさせるように国としても考えていただきたいということで、よろしくお願いいたします。 以上で終わります。
武見敬三
13
○
武見敬三
君
アジア
における急速な
高齢化
というのにこれから
高齢化先進国
である
日本
がどのように
貢献
できるかという視点から
質問
をさせていただきたいと思います。 まず、お手元の資料を御覧いただきますと、
エージングソサエティー
、すなわち六十五歳以上
人口
というのが全体の七%を占めるようになった
社会
から、
エージドソサエティー
という、それが一四%まで増えてくるまでの
期間
というのが
横棒
の棒グラフで示された表がございます。 これを御覧いただきますと、
日本
はこの
エージングソサエティー
から
エージドソサエティー
までの
期間
というのが一九七〇年から一九九六年の二十六年間ですね。これと比較して
アジア
の
国々
見てみますと、
中国
が二〇〇〇年から二十六年、それからシンガポールが、これは二〇〇〇年から十九年間、それから韓国が、これが二〇〇〇年から十八年間、それからタイが二〇〇二年から二十二年間、それからベトナムはこれは早いですね、二〇一六年から十八年間、インドネシアが二〇二五年から二〇五〇年ですから二十五年間。これを見てみますと、
日本
とちょうど
ワンジェネレーション
ぐらいずれた形でこうした
国々
が実は
日本
よりもより速い
スピード
で
高齢化社会
に突入していくという
状況
が見えます。 そして、次の表の
従属人口指数
、これは十五歳
未満
と六十五歳以上の
人口
が全体のどれだけを占めているのかを示した図表ですけれ
ども
、この折れ線グラフ見てみますと、
日本
なんか一九六〇年ぐらいの半ばぐらいから
従属人口指数
が底辺打っているんですが、横ばいでずっと二〇〇〇年ちょっとまである、すなわち
人口ボーナス期間
が
日本
は非常に長かったんですね、恵まれている。 これと比べてみますと、
アジア
の
国々
のまさにこれから
従属人口指数
というのが確実に増えていく、すなわち、
高齢化社会
がどんどん増えて
高齢者人口
が確実に増え続けていくという
傾向
にこれから
アジア
の
国々
がなることを示しています。それを、
中国
をも含めて
アジア太平洋
全体の
従属人口指数
の
変化
というのを出した平均指数見てみますと、もうまさに二〇一六年ぐらい、去年から今年ぐらいがちょうど頂点なんです。ここ、
人口ボーナス期間
で働く
生産労働人口
が増え続けてきたのはまさに今年ぐらいまでで、今年から
平均値
を取ると
アジア
全体の
高齢者人口数
が確実に増えていくというまさに転機に
アジア
がなっているということが分かります。 加えて、こうした
高齢者
が実際にどの程度同居して若い世代の
人たち
と住んでいるのかというのを見てみますと、これは六十歳以上の
人口
のうち
単独世帯
若しくは夫婦のみで
世帯
がある、その占める割合というのを見てみますと、ドイツなんかはもう既に
男女共
に九割ぐらい実際に
単独世帯
になっているんです。
日本
の場合には五〇%前後なんですね、
中国
が四〇%ぐらいですけれ
ども
、実は、
アジア
の
国々
も確実にこうした
単独世帯
の
高齢者
が
都市化
、
核家族化
によってより増えていく
傾向
にあることが示されています。 そういうことは一体どういう
社会
問題を引き起こすのかということをまた考えなければなりません。実際のところ、昨年の九月、
国連総会
で、持続可能な開発、SDGsというのの三で、実際に、より健康的な
生活
と
福祉
というものを保障するということが定められ、
目標
が設定されましたけれ
ども
、その中で初めて
分野横断
型の
政策概念
として
ユニバーサル・ヘルス・カバレッジ
という考え方がその中で確認をされ、
目標達成
の
一つ
になってきました。 これは、全ての人々が予防を含む適切な
医療
にアクセスすることができるという、そういう定義になっているわけでありますけれ
ども
、
アジア
の
人口構造
の
変化
を見てみますと明らかなことに、二〇三〇年までにこの
ユニバーサル・ヘルス・カバレッジ
を達成しようとする前の段階で先に
高齢化社会
に突入し始めてしまっていて、要は、これからそういった皆
保険制度
や適切な
医療
の
提供体制
をきちんと
整備
しようとするときに、その過程でいち早く、今度は増え続ける
高齢者人口
にどうその
制度設計
の中で対処していくかを同時に考えて解決していかなければならないという
日本
以上の難しい問題にこれから
アジア
の
国々
が突入していくんだと、こういうことがまさにこういう
人口構造
の
変化
の中から読み取れる。
アジア
の
国々
はこれから大変だと思います。そういうときに、
日本
は最も成熟した、こうした
経験
を全てもう既に
経験
をして、かなりの程度まで解決をする、そういう仕組み、
制度
、そしてそれらを支えるビジネス、
産業
、そして
技術
、こういったようなものを持っている
アジア
で唯一の国であります。 このような
日本
の
高齢化先進国
としての
立場
から、こうした難しい問題に直面する
アジア
の
国々
に対してどのような
協力
ができるであろうか、そして、そういう
協力
をする
意思
が果たして
日本
の国にはあるのだろうかということがこれから問われるようになります。 そのとき、その
中心
に立たれるのが私は
厚生労働省
だと思う。果たして
厚生労働省
が、こういう
アジア
全体を考えながら、自らの役所としてのこうした役割というものを認識しておられるのかどうか、それをまず
厚生労働大臣
にお聞きしたいと思います。
塩崎恭久
14
○
国務大臣
(
塩崎恭久
君) 大変深い洞察に基づいた御見解を今御開陳をいただいたところでございまして、大変重要な問題だと思います。 先般、
国会議員
による
人口
問題の
国際会議
を会長として取り仕切っておられましたけれ
ども
、まさに
人口
問題にあらゆる国が直面をしていて、中でも
日本
の場合には、
人口
が減り、
労働人口
も減り、そして御
指摘
の
高齢化
が先に来て、世界の最速の
スピード
で先に
高齢社会
になりつつある、そしてまた少子化も同時に進んでいるという、こういう問題を
日本
がどう乗り越えるのかというのは、今
お話
をいただいた
アジア
の
諸国
、つまりこれから
高齢化
をする、しかし、
従属人口
が一気にこれから
ユニバーサル・ヘルス・カバレッジ
が
整備
される前に上昇していくという
国々
だけではなくて、他の
先進国
も含めて全て、
日本
がどう対応していくのかということについて熱いまなざしで見ているなということは、実は、例えば
ダボス会議
なんかでもつくづく、そういうことで、セッションに出てみると、やはり
日本
がどうしようとしているのかということに
大変関心
があります。それは何かというと、やはり
日本
がうまく乗り切れるということを、早晩ほかの
国々
が直面する問題を先に乗り切っていくことができるかどうかということを見ているというふうに思っております。 したがって、今、
貢献
をどうするかという
お話
でありますけれ
ども
、
貢献
をすると同時に、まず第一に
日本
がやらなきゃいけないのは、今
地域包括ケアシステム
と言っていますが、
介護
、
医療
の言ってみれば統合的な発想でもって全体を見るということを、どうファイナンスの面でも持続可能なものでつくり再構築ができるかどうかということを
日本
が示すことが第一であって、まさにその新しい
日本
が今築こうとしているモデルをほかの国も、もし
日本
がうまくやれるならば、そのいい面をひとつ導入しようというふうに恐らく思っているのだろうなということをつくづく感じたところでございます。 したがいまして、
アジア
を
中心
に急激に
高齢化
が進むことが予想される中で、今から、もう既にできつつはある
介護
あるいは
医療
の仕組みも今
改革
をしようということで、持続可能なものにするための
努力
を税と
社会保障
の
一体改革
を含めてやり続けている
日本
でありますから、こういうことについて、私
ども
は学んだものをASEANを始め
アジア
の
国々
にしっかりと
技術移転
も、それから
政策面
での
移転
も考えていかなければいけないし、他の
国々
が
ユニバーサル・ヘルス・カバレッジ
を達成する前に
高齢化
が進むといえ
ども
、やはり
UHC
をそれぞれの国の事情に合った形で実現をするための
支援
を全面的にやるということは、実は
感染症
ということを考えてみたりするときに、やはり
UHC
がちゃんとできていないところでは
感染症
も弱いということであれば、当然
日本
にもそれが跳ね返ってくるということを考えてみれば、お互いのウイン・ウインの
状況
をつくるためにも、
日本
の
経験
を学んでいただけるように、あるいは
技術協力
をして、
医療
にしても
介護
にしてもその他のコミュニティービルディングのやり方にしても、これからは縦割りではなくて、助ける人、助けられる人が攻守所を変えるときもしばしばあるわけでありますから、新しい
社会
経済モデルをつくっていくことを
日本
がまずうまくやっていくということが大事で、それをしっかりと
アジア
にも持ち込んで、それぞれの国にアレンジした形で実行していくことに
協力
をしていくということが大事なのではないかというふうに思います。
武見敬三
15
○
武見敬三
君 共通の認識を持っていただけているということは大変有り難いことであります。そしてまた、地域包括ケアを含めて今、
日本
がこれからやろうとしていることに成功すると、こうした
アジア
の
国々
にとってもいいモデルができる、だからこれを何としてでも成功させなきゃならぬということも全くそのとおりだと思います。 ただ、
日本
の国が今までやってきたことが全部
アジア
の国にとっていいモデルになるかといえば、決してそういうわけでもなくて、
日本
がやった大失敗もたくさんある。例えば、それの
一つ
が、やっぱり保険者、この保険者数三千五百もあるまま統合もせずにほったらかした。その結果として、
医療
情報システムの
整備
もままならない、そしてその保険者機能の整理統合、強化もなかなかできないで来たというのは、これは
アジア
の国が絶対まねしちゃいけないことだと私は思う。 そういうときに、また多くの
アジア
の国が、それでも
日本
の
医療保険
制度
というのは現物給付で、そしてまた、それが二年ごとの
診療報酬改定
で質と量が同時にうまく管理されているという、こういう仕組みに対しては大変な関心もある。また同時に、二〇〇〇年から始まった
介護
保険、これは今、
アジア
の
国々
も一生懸命まねしようとしている。韓国がまねし始めたけれ
ども
まだ不十分、それからシンガポールがつくり始めた。しかし、
アジア
の中で
介護
保険、まあ曲がりなりにも
介護
保険と言えるようなものをつくっている国は三か国しかないですよ。 これから恐らく多くの国が同じようなものをつくり始める。じゃ、どうしたらいいかと思ったときに、
アジア
の保健
大臣
などが
日本
に来られると、よく老健、老人保健局ですか、こういったようなところにもやっぱり見学に来たい、行ってみたいとおっしゃるんですね。やっぱり政策人材をどれだけしっかりと彼らが育てて、こういった
高齢化社会
に対応する自らの国の保健省の政策立案能力を強化するかということを真剣に考えるようになってきた。 そういうときに、じゃ、そういう
人たち
を我が国政府、
保険局
やあるいは老健局がどこまできちんと受け止めて、
協力
をして、
技術協力
できる体制があるのかということを、私は
保険局
長と老健
局長
に聞いてみたい。
唐澤剛
16
○
政府参考人
(
唐澤剛
君) ありがとうございます。
先生
から御
指摘
いただきましたように、我が国は一九六一年に国民皆保険を達成をいたしまして、これは国民の誰もが必要な
医療
を一定の負担で受けられる仕組みという大変優れた仕組みでございます。 ただ、
先生
御
指摘
いただきましたように、この後この仕組みを維持するために、何十年と
医療
関係者
、政治、行政、大変な苦労を重ねて今日まで来ておりますので、やはりこうした知識や
経験
というものを伝えていくということは非常に重要じゃないかと。導入だけじゃなくて、その後の推移というものも含めて考えていくということは重要ではないかと思っております。 私
ども
といたしましては、JICAやあるいは大使館の職員として、その職員をアドバイザーなどでタイ国へ派遣をしております。また、ベトナムにおきまして、現地で診療報酬点数表、これも
大変関心
が高いわけでございますが、このワークショップを開催をいたしました。また、公的
医療保険
制度
に関するミャンマーの行政官の短期
研修
の受入れなどを行っているところでございます。
ユニバーサル・ヘルス・カバレッジ
の構築に向けて、省全体の取組でございますけれ
ども
、
大臣
の御指示もいただきながら、
保険局
としても積極的に
協力
をしてまいりたいと考えているところでございます。
三浦公嗣
17
○
政府参考人
(三浦
公嗣君
)
介護
分野の国際
協力
についてお尋ねをいただきました。 我が国は、
高齢化
の急速な進展に伴いまして
介護
ニーズが増大するという中で、二〇〇〇年、
平成
十二年に
介護保険制
度を創設したということは御案内のとおりでございます。
高齢者
の
介護
を
社会
全体で支え合う仕組みということでございまして、この際の
経験
、知見また現在の
状況
に関しまして、
アジア諸国
の
皆様
方が公的
介護保険制
度を
整備
しようとする際に大いに参考になるのではないかと考えているところでございます。 私
ども
といたしましては、JICAを通じてタイに職員を派遣し、持続可能な
介護
制度
の開発に向けたプロジェクトを
実施
しているほか、タイや
中国
などの
高齢者
、
福祉
関係者
に対しまして
介護保険制
度などに対する
研修
を行うなどしておりまして、こういった分野での取組を行っているところでございます。 御
指摘
ございましたとおり、今後
アジア諸国
において急速な
高齢化
が進むということが見込まれておりますので、各国における
高齢者
の
介護
を
社会
全体で支え合う仕組みの構築につきまして
厚生労働省
が
貢献
できる部分は大きいと考えております。積極的な
協力
をしてまいりたいと考えております。
武見敬三
18
○
武見敬三
君
大臣
、もう
保険局
と老健局というのは
アジア
の
高齢化
にどう対処したらいいかということを考えるときの基礎的な知識を持った
人たち
の宝庫なんですよ、実は。だけど、そういう見方されたことないんですよ、まだ。 この
人たち
の中で、例えば定年退職したような
人たち
、まだ若いですよ、十分仕事できる
人たち
たくさんいるんですよ。この
人たち
、ふらふらあちらこちらにいるんだけれ
ども
、だけど、こういう
人たち
、もっと、もうちょっと横文字、英語も勉強してもらって、それで実際に例えば
保険局
に来て
研修
受けたいというような
人たち
の
研修
の窓口になってもらったり、それから、今度は実際にそれぞれの保健省に行って顧問としてそういう
制度設計
するお手伝いしてあげたり、もう十分にできる
人たち
なんですよ。 だけど、そういう
人たち
が遊んでいるよね、もったいないよね。こういう
人たち
をもっと上手に活用して、そういう受皿をつくり、派遣できる仕組みをつくり、その人材プールをつくって、それでJICAとも
協力
をして、国立国際
医療
研究センターなどとも
協力
をして、オールジャパンでこういう仕組みをつくったら、
日本
は間違いなく
アジア
の
高齢化
を新しい方向に導く先駆的役割ができる。 是非、そういうことを考えてもらいたいんだけど、JICAはこういった
アジア
の
高齢化
に対して新たな対応を始めておられるようだけれ
ども
、そのJICAの、今の
アジア
の
高齢化
にどういうことをやっておられるのか、
アジア
の
高齢化
をどう見ておられるのか、御説明いただけますか。
柳沢香枝
19
○
参考人
(
柳沢
香枝
君) お答えいたします。 既に御議論されましたように、
アジア
の開発途上国におきましても
高齢化
が急速に進んでいる中で、やはり
日本
のこれまでの
高齢化
対策の
経験
というものが非常に注目されているところでございます。 先ほどから御説明がありました、タイの
高齢者
介護
の例について御紹介いたしたいと思います。 タイは、現在六十五歳以上の
人口
が一〇%ということで、既に
高齢化社会
に入っております。タイは一応
ユニバーサル・ヘルス・カバレッジ
は達成はしておりますけれ
ども
、経済レベルは一人当たりの所得が六千ドル前後ということで、いわゆる豊かになる前に
高齢化
が進んでいる
社会
と言うことができます。 これまでタイ政府は、タイの
社会
あるいは文化、宗教といったものも背景に、
家族
が在宅でケアするということを地域
社会
が支えるというシステムを構築しようとしてきておりまして、既にコミュニティーのボランティアを百万人育成いたしまして、
高齢者
の健康維持やリハビリを進めてきているところでございますが、更にこれを体系的、専門的にしていくというニーズがございます。そのためには、ボランティアに加えて公的なサービスの導入が必要ということで、現在JICAが
実施
しておりますプロジェクトにおきましては、
厚生労働省
の御
協力
をいただきながら、
日本
の
地域包括ケアシステム
のノウハウを生かした
協力
をしているわけでございます。 具体的には、将来ケアマネジャーとかケアワーカーになる専門的な人材の育成とか、あるいは各地域の実情に合った
介護
サービスのモデルを構築中でございます。現在はパイロット事業として
実施
しているわけでございますけれ
ども
、これを基に財政的にも持続可能な
介護
制度
を対外に提案する計画でございます。 このようなニーズはタイのみならず、周辺の
アジア諸国
でもこれから高まってくることと思われますし、タイの場合も、現在は前期
高齢者
が
中心
でございますけれ
ども
、今後は後期
高齢者
の増加あるいは
単独世帯
、独り暮らしの
高齢者
の増加、更に認知症等の増加が予想されますところ、更に高度な専門性を有する人材の育成ですとか
制度
の設計というものが今後の課題になるというふうに考えております。
武見敬三
20
○
武見敬三
君 是非、市場のメカニズムでは対応できないところは是非JICAが先行して、そうしたニーズの開拓、対応をできるようにしていただきたいと思います。 それから、今
アジア
で意外とびっくりするぐらい注目を浴びているのが、
介護
ロボットとか、ああいう
介護
の機材、器具。こういうものって
アジア
にないんですね。こういうのを作る企業群というのは
日本
だけが持っているんです。こういうような
介護
ロボットみたいなものは、在宅で
介護
したいという気持ちの強い国であればあるほど、在宅での
介護
で必要な機材として確実にニーズが高まってくることはもうはっきりしているんだけれ
ども
、こういう、経済
産業
省の中で、こういった
介護
のロボットだとか機材だとか器具だとか、そういったものを将来
アジア
に向けて開発をし販売する、そういう戦略的な方針を立てておられるということはありますか、ちょっと伺っておきたいと思います。
吉本豊
21
○
政府参考人
(吉本豊君) ただいま
委員
御
指摘
のとおり、我が国の
介護
ロボット、
技術
的に国際的にも大変高く
評価
されておるというふうに認識をいたしております。 お尋ねの経済
産業
省におけるこういった
介護
ロボット等に対する取組でございますけれ
ども
、
介護
ロボットにつきましては、
介護
実施
者の負担軽減あるいは
高齢者
の自立
支援
を促す、こういった観点から、
厚生労働省
と連携をいたしまして、国立研究開発法人
日本
医療
研究開発機構、AMEDを通じまして、
介護
現場のニーズを踏まえた
技術
開発の
支援
、これはロボット
介護
機器開発・導入促進事業と申しておりますけれ
ども
、
平成
二十五年より行っておりまして、
平成
二十八年度、四年度目ということで、年間二十億円の開発資金を投じておるというところでございます。 さらに、国際展開という
お話
ございました。こういったロボットの安全性というものが、どういうふうに
評価
するのか、独り善がりに
日本
の中だけで安全だといっても仕方ないということがございまして、我が国が先導する形で、国際標準化機関のISOというのがございますけれ
ども
、こういった国際標準、ISO13482と申しますけれ
ども
、そういったものが既に国際標準になっております。こういったものを踏まえまして、例えば国際ロボット展等、そういった展示会がございます。そういったときにも、
介護
ロボットの専用ブースの設置を行うなどということで販路開拓の
支援
を積極的に行っておるということでございます。
一つ
だけ事例を申し上げますと、これは重いものを持ち上げるときに
介護
者の腰の負担を軽減するHALというロボット、これ大変有名でございます。実はこのHALというものは、この
制度
を用いまして、さらに先ほど申し上げましたような国際標準を既に認証を取得しております。そういった形で、国際展開を見据えながら、こういった
介護
用のロボット機器なんかの開発
支援
を行っておるということでございます。 経産省といたしましては、今後とも引き続き、
内閣
官房あるいは
厚生労働省
さん、各省と連携しながら、研究開発、販路開拓、さらには
介護
関連
産業
全体の国際展開に向けた取組を進めてまいりたいというふうに考えてございます。
武見敬三
22
○
武見敬三
君
介護
というのは、実際に
日本
からいろんな企業群がもう既に
アジア
に五十社ぐらい展開していますよ。そういう
人たち
の話聞いてみますと、何が重要かというと、やっぱり労働集約
産業
だから、現地の文化や風俗、習慣というものをきちんと理解をして、やっぱり現地の言葉でこうしたサービスの
提供
ができるということが非常に重要だと。 ただ、それは、非常に
日本
式の
介護
の
経験
や
技術
というものを基礎にして、そういうふうに作り替えながら
提供
するんだと。そういうことのできる
介護
技術
者というものがやはり物すごく重要なんだけど、是非
日本
で
研修
させたい、
日本
でそういう
介護
労働者として
経験
をさせて、そしてそこでの
経験
というものを持って、そしてそれぞれ自分の国に帰って、そうした自分たちの企業でサービスを
提供
するときの現地の幹部として一緒に仕事をしてもらえるような仕組みをつくりたいと。 すなわち、我が国でも
介護
労働者なんというのは足りないから、我が国で
介護
労働者足りないときに、実際に一定程度までこうした外国の
介護
労働者の
人たち
に来て仕事をしてもらうというのは、私は大変いいことだと思う。しかし、それが実際に滞留して少数民族問題になり、
社会
問題になることはやっぱり避けなきゃならぬだろうと。 しかし他方で、そうした
研修
受けた
方々
が、今度は自分の国に帰って自分の国の
高齢化
に対応したサービスを
提供
するときのまさに先陣を切った役割を果たせるようにして、国境を越えて労働者が循環できるような仕組みを
日本
の
介護
産業
というのが
アジア
に展開することによってつくり得るという
状況
に今世界は、
アジア
はあるわけですよ。 そういうふうな
産業
の展開と、それから、外国人労働者を実際に国境を越えて還流させながらそうした
介護
技術
者として育てていく仕組みというものも私はつくれるだろうと思うんだけれ
ども
、実際にそういう
制度設計
というのは我が国にあるのかどうかということをお聞きしておきたいと思います。
石井淳子
23
○
政府参考人
(
石井
淳子君) 御
指摘
のような、
日本
におきまして
介護
技術
を修得していただいて、将来現地において
日本
の
介護
事業者のサービス
提供
を担う、中核的な人材として担う、そういう
介護
労働者となることを直接目的とした
制度
は現時点では存在はいたしておりません。 ただ、EPA、これは全く目的違いますけれ
ども
、EPAの
介護
福祉
士の候補者として来日をされ、
介護
福祉
士資格を取得をされた後、やむを得ない事情で、個人的な事情などで御帰国されていらっしゃる方、あるいは、留学生として
日本
に来日をされまして
介護
福祉
士の養成
施設
を卒業して
介護
福祉
士の資格を取得された方、この方は現時点で
日本
で働くことはできないわけでございますが、
日本
の資格を得た上で帰国をされる方もおられるところでございます。 こうしたことから、我が国の
介護
福祉
士の資格を取得された
方々
が母国において
日本
の
介護
技術
を生かして業務に従事する、そういうチャンスが増えるということはこれは十分あると思いますし、そういう
方々
、大いに活躍をしていただくことは望ましいのではないかと思っております。 議員が御
指摘
のとおり、
アジア
、とりわけASEAN
諸国
におきましては本当に我が国以上のペースで
高齢化
が進展していくことが予測をされているわけでございまして、
日本
が蓄積をしてきました認知症ケアとかあるいは自立
支援
等、
介護
に関する知識、
技術
を人材育成を通じて還元していくことは極めて意義があると考えております。 現在、国会におきまして、出入国管理法
改正法
案、そして技能実習法案、御審議いただいているところでございます。このうち、入管法の改正によりまして、在留資格「
介護
」、これが創設されることで、
介護
を学ぶ外国人留学生が
介護
サービスの
提供
において中核的な役割を担う
介護
福祉
士として
日本
で実務
経験
を積んだ上で母国に戻られる、そうした可能性、新たなルートが開かれることになるわけでございます。 また、技能実習
制度
については、この
介護
職種
の追加を検討しているところでございまして、仮に追加された場合、そもそもこの
制度
は国際
貢献
を目的とするものでございまして、とりわけ企業単独型、現地の子会社等の人材を国内で実習をさせて、そして
日本
で修得した
介護
技術
を母国で展開するもの、そういうパターンでございますが、その場合は、人材を還流していくという点において議員の構想にぴったりではないかと思っております。 さらに、今回の技能実習
制度
の見直しによりまして、これがもし通りますれば、一定の要件の下で最長で五年間の実習が可能になります。より高いスキルを持つ人材の育成、あるいは実習生も
介護
福祉
士資格取得の道も開かれることになりますので、そういう
意味
では両法案の早期成立を期待しているところでございます。
武見敬三
24
○
武見敬三
君 どうもありがとうございました。
大臣
、やっぱり、今日、外務省の人ごめんなさい、時間なくなっちゃった、こういう問題を考えるときに、どこかが司令塔になって各省横断型で戦略的にこうした問題に取り組むという体制を強化しないと、こうした新しいチャレンジを国としてすることはできません。したがって、こうした官民連携で、政府はODAとか様々な方法を通じて市場のメカニズムでは対応できないところについては
貢献
すると、しかし同時に、民間は市場のメカニズムを通じてこうしたサービスの
提供
に
貢献
する、その両者が一体になる形をどうやって整えるのかということを政府の中で是非考えてください。 そのことをお願いを申し上げて、私の
質問
を終わります。
赤石清美
25
○赤石清美君 自由民主党の赤石清美です。おはようございます。 先ほどは
武見
先生
から
アジア
における
高齢化社会
の問題について極めて高尚な
質疑
がありました。私は、もっと身近に
日本
の
高齢化
に対する施策についてただしていきたいというふうに思っております。 というのは、私は昭和二十三年生まれでございまして、ちょうど団塊の世代であります。いわゆる二〇二五年問題に関わってくる世代でありますので、我々の世代の人のためにも二〇二五年を安心して迎えるような施策を講じてほしいという、そういう思いから
質疑
をさせていただきたいと思います。同時に、こちらの会派にいるメンバーの過半数も団塊の世代でございますので、こちらのメンバーのためにもしっかりとした対応をお願いしたいというふうに思っております。 まず最初に、先ほ
ども
お話
が出ましたけれ
ども
、
地域包括ケアシステム
についてでありますけれ
ども
、重度な要
介護
状態になっても住み慣れた地域で自分らしい暮らしを人生の最期まで続けることができるようにすることが重要であります。そのためには、
医療
、
介護
、予防、住まい、
生活
支援
が包括的に確保される体制、すなわち
地域包括ケアシステム
の構築が必要でありますが、その取組
状況
については地域によってかなり格差があると言われております。 都道府県や市町村の職員の力量の差にかかわらず国民が安心して
高齢化
を迎えることができるようにするためには、地域による
地域包括ケアシステム
の取組の差を解消していく必要があると考えますが、
厚生労働省
の取組について
太田
政
務官
にお伺いをします。
太田房江
26
○
大臣政務官
(
太田
房江
君) お答え申し上げます。
委員
御
指摘
のように、この地域格差が今
地域包括ケアシステム
の構築において出てきておる、これをできるだけ解消していくという
努力
が私
ども
に求められております。地域によって
高齢化
の
状況
あるいはそれを支える
社会
資源が異なっておることを踏まえて、地域の実情に応じた体制
整備
、これを市町村が主体的に進めていくということが必要であると考えております。
厚生労働省
においては、保険料や要
介護
認定率等の集計結果を見える化するシステムを
整備
しておりまして、各市町村がそれを見て自分たちの置かれている
状況
を的確に把握して他の市町村と比較したり、あるいは取組施策を併せて享受して自分たちのこれからの改善の方向が模索できるようにということで
支援
をいたしております。 さらに、先進的な取組事例、
大臣
の答弁ではよく和光市ですとかあるいは大分県の事例が出てまいりますけれ
ども
、これらの自治体はいわゆる要
介護
認定率が下がってきているというようなところでございまして、こういった仕組みを横展開するというための
研修
等の取組も進めております。またさらに、こういった先駆的な取組に対してインセンティブ付けできないかというような議論も出てきております。そういうことが
制度
的な枠組みの中でできるかどうかということについて、今
介護
保険部会等で検討いたしております。 このような様々な取組を通じて、
地域包括ケアシステム
の地域差を解消していく
努力
を続けてまいりたいと考えております。
赤石清美
27
○赤石清美君 是非しっかりと取り組んで、見える化システムをしっかりとやってほしいというふうに思います。 次に、地域
医療
提供体制
について伺いたいと思います。 この
地域包括ケアシステム
を構築していくためにも、
平成
二十七年度より、都道府県は地域の
医療
ニーズを把握した上で地域
医療
構想を策定することになっていると思います。この地域
医療
構想の策定の意義と都道府県の果たすべき役割についてどのように考えているのか、
太田
政
務官
にお伺いします。
太田房江
28
○
大臣政務官
(
太田
房江
君) 地域
医療
構想、改めて御説明するまでもないんですけれ
ども
、今後の
医療
需要の増大に対応するために、都道府県が、高度急性期、急性期、回復期、慢性期といった病床の
機能分化
、連携を進めるために、また質が高く効率的な
医療
提供体制
を構築することを目的として策定をするものでございます。
平成
二十八年度中に全ての都道府県が策定するという予定になっておりますけれ
ども
、既に二十八年三月末現在で十二の府県がこれを策定しておられます。青森県もこの十二の中に入っておるそうでございます。 この中で、都道府県が大変重要な役割を果たすことは今のこの策定の
状況
を見ても分かるわけですけれ
ども
、この都道府県の役割といたしましては、地域
医療
構想調整
会議
を設置しまして
医療
関係者
等による協議を行い、これを通じて地域
医療
介護
総合確保基金も活用いたしまして病床の
機能分化
、連携を実際に実現していく、これが都道府県に課せられた大きな役割でございます。 このために、私
ども
厚生労働省
といたしましては、
平成
二十六年度から地域
医療
構想策定のためのガイドラインを提示させていただき、地域
医療
介護
総合確保基金への財政
支援
を二十七年度から
実施
をいたしております。また、都道府県の担当者に対しまして、地域
医療
構想の策定のための
研修
会も開催させていただいておりまして、重要な役割を果たします都道府県の取組を
支援
させていただいておるところです。
赤石清美
29
○赤石清美君 まだ十二県しか作られていないということですので、二十八年度中に全都道府県がこれを作ることになっておりますので、しっかりとフォローをお願いしたいというふうに思います。また、これの
医療
構想策定にも地域間格差が少しあるように思われますので、しっかりとした指導をお願いしたいというふうに思っております。 〔
委員長
退席、理事
羽生田俊
君着席〕 次に、予防
医療
対策について伺いたいと思います。 ふだんの
生活
から健康づくりを行い、病気にならないように心掛けるとともに、病気を早期に発見し
重症
化しないように努めるなど国民一人一人が自身の健康を意識することが大変重要であります。このような意識の醸成のほか、予防に関する施策の充実によりまして、我が国は世界でも高い水準の平均寿命となり、健康寿命の延伸にもつながっていると考えております。 一方、予防に当たり重要となる健診については、ゼロ歳から後期
高齢者
まで、ライフステージに応じ異なる
制度
の下で
実施
されております。それぞれの趣旨、必要性を分かりやすく伝えていく必要があり、そのほかにも健診の適切な
実施
方法をどう考えるかなど健診
制度
に共通した様々な課題がここの議論の場でもたくさん出ております。 こういった背景も踏まえて、
厚生労働省
としては、生涯にわたる予防に関する施策の体系化についてどのように考えているのか。この予防施策の現状と今後の取組について
政府参考人
にお伺いします。
福島靖正
30
○
政府参考人
(
福島
靖正
君) 国民の健康寿命の延伸や
社会保障
制度
を持続させる、そういう面で健康づくり、あるいは疾病予防というのは非常に重要な取組であると考えているところでございます。 現在、
平成
二十五年に開始しました健康
日本
21、第二次におきましても、
生活
習慣病の発症予防と
重症
化予防の徹底を基本的な方向の
一つ
に位置付けまして、
生活
習慣の改善等のための様々な施策に取り組んでおるところでございます。 具体的には、健康づくりを国民運動とするために、
平成
二十五年度から、運動、食
生活
、禁煙という
生活
習慣、それから健診の受診、これについて企業などにアクションを呼びかけますスマートライフプロジェクトを推進しているところでございます。 また、今御
指摘
のございました健診でございますけれ
ども
、健診は、それぞれの法の目的に応じて対象者あるいはその中身が設定されているわけでございますけれ
ども
、昨年の十一月からでございますけれ
ども
、健診全体の
在り方
あるいはその精度管理、あるいは結果の通知方法など、例えば乳幼児健診、特定健診、あるいは安衛法の一般健診、それぞれ健診
制度
に共通する課題などにつきまして検討することを目的として、厚生科学審議会地域保健健康増進栄養部会に
健康診査
等専門
委員会
を設置をいたしまして、今検討を進めているところでございます。 今後も、国民全体への働きかけ、そしてハイリスク者の方への働きかけを組み合わせながら、健康づくり、疾病予防を総合的に進めてまいりたいと考えております。 〔理事
羽生田俊
君退席、
委員長
着席〕
赤石清美
31
○赤石清美君 本当に、ゼロ歳から三歳までは乳幼児健診であったり、あと小学校に入ったら学校健診であったり、あるいは高校に入ったら別な健診であったり、
社会
人になっても職域検診であったり様々な健診、それ以外にがん検診等が様々に縦に入っていって、本当に体系付けていくことが一番重要だというふうに私は思いますので、是非関係府省連携しましてこの予防、健康体制づくりにしっかりと取り組んでいただきたいと、このように思っております。 次に、
介護
虐待について伺いたいと思います。 近年、新聞報道等で
介護
施設
等における
高齢者
への虐待事案がかなり多く報じられております。この
高齢者
虐待の件数がかなり増加しているんではないかと思われます。
高齢者
の
方々
が安心して暮らせるためにも、虐待の予防対策が何よりも重要であることから、虐待の発生要因をしっかりと把握して、それを的確に対応した対策を取ることが必要であると考えております。 そこでお伺いしますけれ
ども
、
厚生労働省
では、
高齢者
施設
における虐待の実態をしっかりと把握しているのか、また、虐待を未然に防止するためにどのように取り組んでいるのか、
太田
政
務官
にお伺いします。
太田房江
32
○
大臣政務官
(
太田
房江
君)
高齢者
虐待の問題にお答えする前に、先ほど地域
医療
介護
総合確保基金について
平成
二十七年度から開始をしたような答弁をいたしましたけれ
ども
、二十六年度からの誤りでございます。訂正いたします。済みませんでした。 そこで、
高齢者
虐待の御
質問
に対してでございますが、実態からお答えを申し上げます。
平成
二十六年度の実績では、
介護
施設
従事者等による
高齢者
に対する虐待が三百件ということでございまして、前年度と比較すると七十九件、約三五・七%の増加ということでございます。このような増加の要因につきましては、これは児童虐待も同じようなことでございますが、
高齢者
虐待への理解の深まりということが一因として考えられます。その発生原因でございますけれ
ども
、これは
介護
職員の教育、知識、
介護
技術
等に関する問題が約六割、それから職員のストレスや感情コントロールの問題が約二割ということになっております。
厚生労働省
といたしましては、都道府県を通じまして、それぞれの
施設
が職員に対して
介護
に関する知識や
技術
等について
研修
を定期的に行っていただくように促すと同時に、
施設
の指導的
立場
にある者に対しましては、職員に対する
研修
を行う際にメンタルヘルス対策に配慮した面談を
実施
していただくよう、あるいはストレスマネジメント
支援
を含む
研修
プログラムを活用していただくよう依頼しております。 さらに、市町村に対しまして、虐待事案の的確な把握と適切な
介護
サービスを
提供
できる体制確保を図っていただけるように、
高齢者
施設
に対して例えば抜き打ち指導な
ども
活用していただいて、
高齢者
虐待の未然防止を図っていただくように促すと同時に、情報
提供
ですね、民生
委員
さん等の関係機関からの情報収集や、地域包括
支援
センターとの連携などの体制
整備
を進めていただいてはどうかというようなことについても指導させていただいております。 このほか、関係機関と連携した防止ネットワークの構築といった先進事例の情報
提供
を含め、できるだけ早く、一人でも多くの
高齢者
の尊厳を守るための体制が都道府県や市町村にでき上がっていくように、私
ども
も
支援
を進めてまいりたいと考えております。
赤石清美
33
○赤石清美君 是非、もっと指導監督を徹底していただきたいと思いますし、我々団塊の世代がそのときに行ったときに虐待を受けないように、是非しっかりとお願いしたいと思います。 続いて、認知症の予防対策について伺いたいと思いますけれ
ども
、まず最初に認知症の予防、治療のための研究開発についてお伺いいたします。 私たち団塊世代が後期
高齢者
に至る二〇二五年には、認知症
高齢者
が約七百万人となることが見込まれるなど、今後認知症の人が更に増加していくが、認知症の予防法や根本治療法などはまだ確立されておりません。一部には、髄液中のリン酸化タウたんぱくとか臭覚検査が有用だと言われていますけれ
ども
、いずれにしても研究開発を早急に進めていく必要があります。しかし、予算が必ずしも十分に確保されておらず、予算を増額して研究開発を更に推進するべきと考えております。 このように、認知症の予防、治療のための研究開発を更に推進していくことについて、
厚生労働省
としてどのように対応していくのか、
政府参考人
にお伺いいたします。
三浦公嗣
34
○
政府参考人
(三浦
公嗣君
) 認知症の予防法、治療方法につきましてお尋ねがございました。 御
指摘
のとおり、認知症につきましてはその病態の解明というのはまだ道半ばという
状況
でございます。根本治療薬や予防法を確立するための研究開発が重要であるというように認識しているところでございます。 健康・
医療
戦略というのが定められておりますが、ここでは、二〇二〇年頃までの達成
目標
といたしまして、
日本
発の根本治療薬の候補、これの治験開始を掲げております。その実現に向けた研究も推進しているところでございます。近年、認知症の発症の予防に関しまして、その危険因子、発症に関する危険因子が明らかになりつつございます。危険因子を
調査
することによりまして、認知症の発症予防につなげるような研究も
実施
しております。 このように、研究開発は極めて重要でございまして、できるだけの予算を確保し、認知症の治療法、予防法の確立に向けた取組を推進してまいりたいと考えているところでございます。
赤石清美
35
○赤石清美君 なかなか、認知症そのものの病気がどういう要因で発症しているのかという、その発症のメカニズムをなかなかつかめていないということが一番の原因だと思いますので、もう少し基礎的な研究を進める必要があるのではないかというふうに思いますので、しっかりと取り組んでいただきたいと思います。 次に、認知症
高齢者
に優しい
地域づ
くりについてお伺いします。 認知症
高齢者
の増加に伴いまして、徘回や行方不明の増加等の問題が懸念されておりますが、地域における認知症の人を
支援
するための取組や活動はまだ不十分であるというふうに思います。認知症
高齢者
等に優しい
地域づ
くりに向けて
厚生労働省
としてどのように取組を進めていくのか、
政府参考人
にお伺いします。
三浦公嗣
36
○
政府参考人
(三浦
公嗣君
) 認知症に関わります
地域づ
くりについてのお尋ねをいただきました。 認知症の方やその
家族
ができる限り住み慣れた地域で安心して暮らすというためには、地域によるさりげない見守りの体制をつくっていくということが重要であると考えております。 そのために、
厚生労働省
では、これまで地域住民による見守りネットワークの構築や認知症で行方不明になられた方を捜す模擬訓練などの取組、さらに、
厚生労働省
ホームページに特設サイトを設けまして、各自治体で公開されております身元不明の方の情報を一元的に確認できるようにして、
家族
などが必要な情報にアクセスできる環境の
整備
を推進しているところでございます。 引き続き、新オレンジプランに沿いまして、自治体が認知症の方を地域で見守り、コミュニティーで支える枠組みづくりを推進できるように、しっかり
支援
してまいりたいと考えております。
赤石清美
37
○赤石清美君 ありがとうございます。 本当に、私は川越というところに住んでいるんですけれ
ども
、たまにしか帰れませんけれ
ども
、帰るたびに防災無線の放送で行方不明者が何回も放送されるんですね。やっぱりそれぐらい徘回されている方が多いんだろうと思うんです。だから、地域のコミュニティーが本当にしっかりと支えないとこの問題はなかなか解決しないと思いますので、しっかりとお願いしたいと思います。 そろそろ時間に参りましたので、最後に
大臣
に、
日本
の
高齢化社会
の進展に伴いまして、本当に、我々団塊の世代があと十年したらその世界に入りますので、
高齢者
が安心して暮らすことのできる
地域づ
くりに向けた
大臣
の決意について伺って、
質問
を終わりたいと思います。
塩崎恭久
38
○
国務大臣
(
塩崎恭久
君) 世界一の長寿国となった我が国が、今後も更に、独り暮らしの
高齢者
とか、あるいは認知症の
お話
、先ほど来していただいておりますけれ
ども
、
高齢者
が増加をしていくということが見込まれる中で、どうするんだと、こういうことでございました。
高齢者
の
方々
が住み慣れた自宅やあるいは地域において最後まで安心して暮らし続けることができるように対策を取るためには、あらゆることをセットでやっていかなきゃいけないと。それは住まいであり、
医療
であり、
介護
であり、予防であり、
生活
支援
、そういったことが一体的に
提供
されるということが大事で、それが言ってみれば
地域包括ケアシステム
の構築だということで、先ほど来出ております地域
医療
・
介護
総合確保法の制定、施行などで行われてきていることがたくさん既にあるわけであります。 しかし、地域で
支援
を必要としている方は
高齢者
だけではございませんで、
地域包括ケアシステム
の構築には、やはり、例えば
障害者
の皆さん、難病の皆さん、これは年齢に関係ないわけでありまして、そういった
方々
を含めて地域の全ての住民にとって必要な仕組みであることが大事だと思うんです。 そういうことのためには、
地域包括ケアシステム
を
高齢者
のケアの問題だけに限定するのではなくて、むしろ広く地域の全ての住民のための仕組みに進化をさせていくということが大事だと思います。 それで、このためにニッポン一億総活躍プラン、昨日、国民
会議
で提言が出てまいりましたが、
高齢者
、
障害者
、子供などが、全ての人々が地域、暮らし、そして生きがいを共につくり合うことができる、高め合うことができる地域共生
社会
の実現というのを今回新たに盛り込まさせていただきました。この地域共生
社会
は、支える側と支えられる側にいつも分かれているのではなくて、地域のあらゆる住民がその役割を持って、支えるときもあれば支えられるときもある、自分らしく活躍できる地域コミュニティーで生きていくと。そして、これまで対象者ごとに
整備
をされてきた
福祉
サービスも、縦割りで閉ざすのではなくて、丸ごとということで、丸ごとのサービスに転換をしていくということを考えているところでございます。 こういった新しい包括的な取組も含めて、
高齢者
もそして
高齢者
以外の皆さん方も、人間らしく家庭そして職場、地域で元気で活躍できる、そして暮らしていくことができる
社会
の実現に取り組んでまいりたいというふうに思います。
赤石清美
39
○赤石清美君 ありがとうございました。
大臣
の力強い決意でこの
高齢者
問題について取り組んでいただきたいということをお願いしまして、私の
質問
を終わります。 以上です。ありがとうございました。
川田龍平
40
○川田龍平君 民進党・新緑風会の川田龍平です。よろしくお願いします。 昨年の一月の末で閉館をしましたこ
ども
の城と青山劇場、それから併設の青山円形劇場に関して伺います。 これ、発達障害など様々な理由で、自分の住んでいる地域の児童館などで放課後を過ごすことが困難な児童の居場所としてのこ
ども
の城に代わる事業を今後どのように展開していくつもりでしょうか。
大臣
、よろしくお願いします。
塩崎恭久
41
○
国務大臣
(
塩崎恭久
君) こ
ども
の城につきましては、かねてより廃止をしないでほしいという
方々
がたくさんおられて、私も子供を連れて昔行った記憶がありまして、大変懐かしいと同時に、今お配りをいただいておりますけれ
ども
、この青山劇場、これを懐かしむ、私は谷村新司さんから直接何とかしてくれと言われたこともございました。 残念ながら、しかし、二十七年三月末に閉館になったこ
ども
の城、これ国立の唯一の児童館として、来館した発達障害など障害を持っていらっしゃるお子さんを始め様々なお子さんの遊びの場ということで居場所を
提供
していたと思います。
全国
の地域では、今お子さんの居場所としては、特に児童館が地域における子供の健全育成の拠点として、発達障害等を有するお子さんにとっても安心できる放課後の時間を過ごすことができる居場所としての役割を担っていくことが期待をされているわけでありまして、そして、このこ
ども
の城は実は遊びのプログラムの開発、育成ということもやってきました。 この役割についてはやはり残すべきだろうと私も考えまして、国の
社会保障
審議会児童部会の遊びのプログラム等に関する専門
委員会
、ここが引き継いでおります。発達障害等のお子さんも含めた子供さんたちが共に健やかに成長していくためにどういう遊びがいいのかということをつくり出すプログラムなどを議論をしていただいているわけでありまして、国としても、専門
委員会
の開発したプログラムの
全国
への
普及
などに加えて、自治体担当者の
全国
会議
やあるいは児童館職員の
研修
の場を捉えて、配慮が必要な子供さんへの取組を促していきたいというふうに考えております。
川田龍平
42
○川田龍平君 この
報告書
も、途中のものですけど、見てみると、やっぱり結構
全国
で参考にされている児童館は多いんですね。やっぱり、そういう
意味
でしっかりこの役割を、これ引き続きやっていただきたいと思いますし、それから、このこ
ども
の城、あの前を通ると本当に寂しい思いをいたします。奥様も反対をされていたということで、家庭内野党でもう大変だったということを答弁していますけれ
ども
、やっぱりあそこを何とか使えないのかなというふうに思っています。 特に、併設の青山劇場、それから青山円形劇場に関して伺いますが、
配付
資料を御覧ください。都内に手頃なサイズの劇場がないという悲鳴が劇団それから実演
団体
から上がっています。事前通告した段階の説明では、さいたまスーパーアリーナが七月に改修が終わるということで、回復するということなんですけれ
ども
、でも、さいたまスーパーアリーナってこれ三万席以上の超大型
施設
ですね。ここで人数的にはカバーされるということですけれ
ども
、そういうことではなくて、実は大きな劇場が閉鎖になると、中劇場、中ホールが今度そこに移っていってしまって、そうすると中劇場、中ホールで使っていた
人たち
は小劇場に行ってしまって、小劇場、小ホールを使っていた
人たち
は居場所がなくなってしまうんですね。結局、大ホールでできるところというのは一部の人しか集客できませんので、劇団としては本当に困っていると。 また、多くの大変人気のバンドでも、一年先、一年半先まで会場に空きがないと。これ、売れているときはいいですけれ
ども
、売れなくなったら人集まらなくなっちゃいますから、本当にこれ興行もできなくなっちゃうんじゃないかと思いますし、本当にこの新聞読んでいただくと分かるんですけれ
ども
、やっぱりモスクワの場合には、ボリショイ劇場は改修の際に国民の舞台への関心が途切れないように、まず隣の、別の劇場を建てて公演を続けてということをやっていると。 やっぱり文化をしっかりと大事にしていかなきゃいけないと思うんですが、本当に児童の発達、教育という観点からも、この劇場問題、二〇一六年問題について中小劇場ニーズへの対応
状況
、どのようになっているか、文科省、お願いいたします。
堂故茂
43
○
大臣政務官
(堂故茂君) お答えします。 二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピック競技大会に向けた文化
施設
等の改修等が重なりまして、一時的に様々な公演を行うための会場が不足しているという御
指摘
はそのとおりでございます。 文部科学省としては、
全国
の公立文化
施設
に関する各種情報等について芸術
団体
等へきめ細かな情報
提供
を行っているところであります。また、既に文部科学省と東京都において実務担当者による打合せを行い、今後は首都圏の自治体へ呼びかけ、劇場、ホールに関する検討の場を立ち上げることとしています。文部科学省としても、劇場、ホール問題の解決を図るため、東京都、首都圏の各自治体、関係機関と連携し、芸術
団体
の規模の大小にかかわらず、芸術
団体
が行う様々な公演活動に支障がないようにしっかり取り組んでまいりたいと思います。
川田龍平
44
○川田龍平君 是非しっかりやっていただきたいと思います。 特に、千人から二千人規模、本当にその辺りの劇場が、それからホールがないということで、先ほ
ども
、選挙とかでも、結局人集めるのに千人規模のが集まらないと五百人の規模のを三回やらなきゃいけないとか、本当にこれ、そういったことが、情報
提供
するということの
意味
でも、やっぱり人集めも大変なわけですね。本当に、そういう
意味
では、やっぱりそういったことも含めて、これはしっかりやっていただかないと困ると思います。 今記事読んでも、東京都知事が関心を寄せているということですけれ
ども
、都知事もどうなるか分かりませんので、本当に関心、こんなこと向けられなくなっちゃっているわけですね。本当にこういうのはすぐに取り組んでいただかなければ、二〇二〇年までにやらなきゃいけないわけですよ。だから、本当に今やらなきゃいけないことですので、是非これ急いでやっていただきたいと思います。 また、これ、青山劇場の跡が、閉館から一年半たって都立の広尾
病院
の建て替え地ということに決まりそうな話も聞いているんですが、一時的にでも、今、円形劇場なんというのは別の建物なわけです。だから、耐震化の問題とかあって、これ近々百二十億円掛かるということで、赤字になるということで、もちろん常設的に赤字になっているのは僅かあるんですけれ
ども
、でも本当、こういう文化とかというのは効率とかそういったことでなくしてしまっていいのかなと思います。本当にここ一、二年、三年の問題として、早急にやっぱり取り組んでいただきたいと思います。 これは、厚労省のものだったものが今
内閣
府になっていて、文化に関しては文科省ということになっているんですけれ
ども
、やっぱりこの辺の縦割りを、しっかり
協力
して、
内閣
府としてもやっぱり相談してしっかりやっていただきたいと思います。(発言する者あり)はい。是非よろしくお願いします。
大臣
も、ちょっと、じゃ一言何か、やってください、是非。もう今都知事も頼りないんで。よろしく。
塩崎恭久
45
○
国務大臣
(
塩崎恭久
君) 周りに都有地もあったりするものですから、どういう形の再開発ができるのかというので、私も実は内心大変期待をして、大勢の
方々
からいろいろなことを御要望いただいていたものですから、是非こういった声に応える形で再開発が進むように私
ども
としても心を配っていかなければいけないというふうに思います。
川田龍平
46
○川田龍平君 大変広い敷地でもありますので、
病院
と併設して劇場を造るとかということも併せて、すごい何かいいと思うんですよね。そういうものもやっぱり是非、もちろん衛生管理をちゃんとした上で、そういう劇場で、民間の人が利用できて、それで
病院
の人も利用できるような、そんな
施設
、是非造っていただけないかと思います。 次に、不登校対策について伺います。 先週末、私が子育て中のお母さんたちと
お話
をじっくりと伺う機会がありまして、様々な悩みを聞かせていただきました。その中で最も深刻だと思ったのが、私立の学校で不登校になっている子供たちが地域の適応指導教室で受け入れてもらえないという相談です。 これ、私立の小中学校における不登校児に対して、どの自治体の適応指導教室でどのような対応を取っているのでしょうか。
堂故茂
47
○
大臣政務官
(堂故茂君) 適応指導教室、昨年八月から教育
支援
センターと名称を呼ばせていただいています、は、不登校児童生徒の学校
生活
への復帰を
支援
するため教科指導やカウンセリング等を行っておりまして、主に教育
委員会
が設置しているものです。 教育
支援
センターの利用者については、域内の公立学校に通う子供を対象にしている例や、それから、御
指摘
のように、私立を問わず、住民であれば在籍校にかかわらず利用可能としている例な
ども
あります。 教育
支援
センターの運営については、各設置者の判断により行われるものでありますけれ
ども
、文部科学省としては、不登校への対応の重要性に鑑み、私立学校等の児童生徒の場合でも、在籍校と連携の上、教育
支援
センターの利用を認めるなど柔軟な運用がなされることが望ましいと考えています。
川田龍平
48
○川田龍平君 私立の小学校ですと、やめてしまったりとか、やっぱりそういうことで不登校の子が少ないというわけではないと思うんですけれ
ども
、相談が少ないということなんですね。でも、やっぱりこれ、公立、私立問わずに、住民として、自治体がやってくれているところはやってくれていて、自治体によって違うということなんですが、本当にそれはやっぱりしっかりと、これ、子供にとっては自治体がどこかということで差別されてしまうのではなくて、やっぱりちゃんとそういう、私立の学校に通っている子でも不登校になったときに相談できるようなところ、通えるところをつくっていただきたいと思います。 本当に、そういう
意味
で、是非ひとしく適応指導教室、さっき教育センターということですけれ
ども
、門戸を開いていただきたいと思います。是非、都道府県のこの実態
調査
、適切な指導をやっぱり行っていただきたいと思いますが、是非やっていただけますでしょうか。
浅田和伸
49
○
政府参考人
(浅田和伸君) 適応指導教室をそもそも設置するかどうか、それから、どういう児童生徒を対象として受け入れるかということは、やっぱり最終的には当然設置者の判断ではありますが、文部科学省としては、先ほど
大臣政務官
からお答えいただいたとおり、できる限りそこは在籍校とも連携しながら、現に、例えば中学校の例ですと、これは
平成
二十六年度の
調査
ですが、
全国
で千三百二十四か所あるうちで、その地域にある私立学校の中学生の子供を受け入れているケースも約一四%ぐらいございます。そういった柔軟な対応というものが望ましいと考えておりますので、そういったことを周知していきたいと思っています。
川田龍平
50
○川田龍平君 次に、ホームスクーリングについても伺います。 これ、不登校となったお子さんが自宅で親から教育を受けたい場合に、授業日数の換算など可能になっているんでしょうか。
浅田和伸
51
○
政府参考人
(浅田和伸君) 不登校の児童生徒が例えば学校外の
施設
に通う場合、あるいは家庭にいる場合でも、学校は、当然ですが、その生徒が自分の学校の生徒であるということを自覚して関わりを持ち続けるよう努めるべきものです。したがって、例えば担任等の教職員が家庭訪問を行うなど、子供の
状況
を把握して
支援
するということは大変重要です。 また、特に不登校の児童生徒が自宅でIT等を活用した学習活動を行った場合は、一定の要件を満たした上で、校長がそのことが子供の自立を助ける上で有効、適切だと判断すれば指導要録上も
出席
扱いとすることが可能となっておりますし、こういったことについては文部科学省から各都道府県に対しても通知をしているところでございます。
川田龍平
52
○川田龍平君 その実績はどのようになっていますでしょうか。
浅田和伸
53
○
政府参考人
(浅田和伸君) 今申し上げました不登校児童生徒が自宅においてIT等を活用した学習活動を行ってそれを指導要録上
出席
扱いとしたケースですが、直近の
平成
二十六年度の例ですと、小学校で八十五名、中学校で百六十四名、合計二百四十九名です。それで、過去五年間見ましても、おおむね二百名から三百名といったところでございます。
川田龍平
54
○川田龍平君 保護者の方も、知らないという方も結構いますので、是非しっかり周知を行っていただいて、不登校に悩む子供たち、それからお母さん方、
家族
の方もやっぱり悩んでいますので、選択肢として広がるように政
務官
にも是非御尽力をいただきたいと思いますので、よろしくお願いします。 次に、人工芝のゴムチップの安全性について伺います。 私、この問題を三月の予算
委員会
で取り上げたわけですが、
塩崎
大臣
から大変前向きな答弁をいただきました。現在、米国に続き
日本
でも
調査
研究を開始して、関係省庁の取りまとめも厚労省がリーダーシップを発揮していただいているものと承知していますが、ゴムチップの有害性についての
調査
研究の結果はいつ頃明らかになるのかを教えていただきたいと思います。また、メーカー各社の安全性
調査
結果や韓国政府の
調査
結果、また水、大気への影響
調査
についても各省と連携して取り組んでいることと思いますが、厚労省として現時点でどのように把握していらっしゃるのでしょうか。
塩崎恭久
55
○
国務大臣
(
塩崎恭久
君) 予算
委員会
でお取り上げをいただいたこのゴムチップの有害性の問題について、
調査
研究につきましては、五月に
厚生労働
科学特別研究におきまして国立医薬品食品衛生研究所の研究者らによる研究班を立ち上げ、そしてゴムチップの成分分析、その発がん性等の有害性についての
調査
研究に着手をし、今年度内をめどに
調査
研究を行う予定でございます。 また、三月、四月に、文部科学省、経産省、環境省との打合せを行っておりまして、関係省庁間でゴムチップがどのように使用されているかなどについて情報共有を行ってまいったところでございます。 厚労省としては、関係省庁ともしっかりと連携をして、ゴムチップの有害性の有無について今後明らかにしてまいりたいというふうに思います。
川田龍平
56
○川田龍平君 今、国立衛生研究所での
調査
研究が来年の三月末まで掛かるということであれば、是非、先行しているメーカーや他国の
調査
結果、これを厚労省としても収集をすることによって、より迅速に正確な結果を人工芝の利用者の方に伝えることが可能になると思いますので、
大臣
、是非これ担当部局に指示をお願いいたします。 体育
施設
や学校などにおいて、厚労省の
調査
研究結果が出るまでの当分の間、利用上の注意喚起をすべきと予算
委員会
でも提案をしたところですが、現時点での取組は、スポーツ庁、どうなっていますでしょうか。
平井明成
57
○
政府参考人
(平井明成君) 体育
施設
や学校等のスポーツ
施設
、地域の住民や子供たちの利用者にとって安全で衛生的であることは極めて大切でございます。 このため、スポーツ庁におきましては、御
指摘
の問題に関しましても、ゴムチップと発がん性に関する関係省庁間の打合せに参加させていただき、関係省庁と連携しつつ、情報の収集、共有を行っているところでございます。また同時に、
全国
の都道府県の教育
委員会
等を通じまして、
厚生労働省
において進められております
調査
研究の
状況
等情報
提供
を行うこととしているところでございます。 今後とも、国内外の
調査
研究の進捗に応じまして、
関係者
に対して適宜情報
提供
を努めるなど適切に対応してまいりたいと思います。
川田龍平
58
○川田龍平君 是非、これ、とりわけ私立学校、私立の学校で人工芝が
普及
しています。是非、私立の学校の方にも、また父兄にも、不安に応えるよう取組をお願いいたします。特に、東
日本
大震災の後、グラウンドの土の放射能汚染の問題もあって、張り替えを何度かもうして、ちょうど今人工芝張り替えたところで、三月末に黒ゴムチップ入れちゃったという学校の父兄からも
お話
聞いて、本当に早くやっていただきたいと思いますので、是非よろしくお願いいたします。 次に、戦没者の御遺骨のDNA鑑定について伺います。 前回も取り上げたんですけれ
ども
、韓国について、これ
大臣
にも情報
提供
させていただきましたが、私が新たに聞いたところでは、DNAの抽出率が大腿骨が奥歯よりも三十五倍も高い値を示しているということで、DNA鑑定に使われた割合からすると、大腿骨の割合が五八%、上腕骨が一五・六%、向こうずねの骨が一五・二%で、奥歯についてはたったの三・二%しか使われていないということです。 これ、アメリカと韓国がこの遺骨鑑定については世界的にも進んでおり、アメリカの
技術
を韓国は学んでいるらしいですけれ
ども
、韓国は
技術
提供
をアメリカの方から受けていて、いずれも四肢骨からのDNA抽出というのが主流だそうです。これ、四肢骨からの、腕、足からのDNA鑑定で実績のある米韓両国と、歯でこれまでやってきた実績のある
日本
とで
技術
交流を行うべきではないかと思いますが、いかがでしょうか。
堀江裕
59
○
政府参考人
(堀江裕君) お答え申し上げます。
日本
では、戦没者遺骨のDNA鑑定につきまして、戦没者の歯が比較的容易にDNA情報を抽出できることができ、安定的な結果が得られる旨の専門家の御意見を参考に歯を検体として
実施
しているところでございます。 しかし、本年四月に施行されました戦没者の遺骨収集の推進に関する
法律
の第九条におきまして、「国は、戦没者の遺骨収集により収容された遺骨について、当該遺骨に係る戦没者の特定を進めるため、遺骨の鑑定及び遺留品の分析に関する体制の
整備
及び研究の推進その他の必要な措置を講ずるもの」というふうに規定されておりますこと、また、議員の御
指摘
に対しまして、先日
大臣
からも、韓国を含め、どのようなことが科学的に証明可能なのかということをよく考えてまいりたいという御答弁を申し上げたことも踏まえまして、まずは、米国や韓国での取組等について、当方から出向きまして情報収集させていただくということを検討してございまして、米韓の、特に軍だと思うんですが、研究
施設
等に今調整を行っていると、こういうことでございます。
川田龍平
60
○川田龍平君 是非やっていただきたいと思います。 この戦没者遺骨収集推進法に基づく基本計画が今月末の閣議決定を目指して準備中と聞いております。前回の
質疑
でも確認をさせていただきましたが、同法、この
法律
は当該戦没者の遺族に引き渡すことまでがその目的です。遺族の目線に立って、やっぱり国の責務として遺骨収集推進法の第六条にある研究を進めていただいて、沖縄県が保管している今六百あるこの四肢骨の鑑定を是非実現をしていただきたいと思います。 鑑定
技術
の急速な進歩を踏まえて、太平洋地域についても、歯のない遺骨であっても当面は四肢骨を焼かないで持ち帰る方針に転換すべきではないかと考えますが、いかがでしょうか。
堀江裕
61
○
政府参考人
(堀江裕君) 再々お答え申し上げているところでございますけれ
ども
、
厚生労働省
といたしましては、収容された御遺骨について、可能な限り御遺骨を御遺族の元にお返しすべきという要請と、長年外地なり戦場で収容されずに置かれてきた御遺骨を早期かつ丁重に焼骨して慰霊すべきという要請の両方の要請に応える必要があるというふうに考えてございまして、必ずしも身元特定につながる可能性が高くない部位につきまして、御遺骨の尊厳や御遺族の心情に鑑みまして、国として慰霊を行うため、そのまま保管するのではなく、早期かつ丁重に火葬し千鳥ケ淵戦没者墓苑等に納めることとしてございます。 ただ、その戦没者遺骨収集推進法の先ほど申し上げました遺骨の鑑定についての条文の規定も踏まえまして、まずは、先ほどお答え申し上げましたけれ
ども
、米国や韓国の取組等につきまして情報収集等を行うこととしておりまして、今後の取組にどのように生かすことができるか、研究、検討を進めていきたいと考えてございます。
川田龍平
62
○川田龍平君 骨は取っておいていただけるんでしょうか。
堀江裕
63
○
政府参考人
(堀江裕君) 研究、進めた上で有意義な結論が得られたらば、それに基づいて対応することになると思います。
川田龍平
64
○川田龍平君 その研究、いつ終わるのかということもありますので、取りあえず当面の間、これは取っておいていただけないでしょうか。やっぱり焼いちゃったらこれもう使えないわけですね。見付かった骨を取りあえず取っておくということはできることだと思いますので、是非、歯だけじゃなくてちゃんと骨を取っておいていただきたいと思います。 やっぱり、これは遺族の気持ちに立ったら、まだ生きているんじゃないかと思う思いだってあるわけですよ、鑑定で結果が出てこなければ。やっぱりそういう遺族の気持ちに本当に立っていただきたい。そこでやっぱり国としての責務というのが、やっぱり果たされるべきものがあるんじゃないかと思いますので、本当に今できることをやっていただきたいと思いますので、取っておくということもこれ必要なことだと思いますので、是非よろしくお願いします。 先週の金曜日に、これ、今国会のC法案である
臨床研究法案
、臨床研究適正化法案という名前が変わって
臨床研究法案
が閣議決定をようやくされまして、本当におかげさまで衆議院に提出をされました。 これは、薬害をなくすために被験者の保護法を作るということは、私が当選以来ずっと勉強会も重ねて、ずっと作っていただきたいと思っていた
法律
ですので、作りたいと思ってきた
法律
ですので、これ大変時間が掛かりましたが、ここに至る政府の
努力
に対しては本当に敬意を表すものです。ありがとうございます。 以下、時間の許す限りこの法案に関して伺いたいと思いますが、本当にこの法案は、是非中身、僕もある
意味
初めてなんですけど、何か与党になったような感じで、何か早く通したいと、通したいという気持ちの方が先行して、もう中身目つぶってでも通したいみたいな思いになっちゃうんですけれ
ども
、でも事実は中身もやっぱりしっかりやっていかなきゃいけないと思って、
質問
ちょっと詳しくさせていただきます。 昨年提出した参議院で継続審議中の臨床研究の
実施
の適正化等に関する施策の推進に関する
法律案
というのもありますが、これ第二条に、研究対象者の生命、健康及び人権の尊重というものがあります。 この閣法、
臨床研究法案
については、対象者の生命、健康及び人権の尊重についてはどこで読み込めるということでしょうか。
塩崎恭久
65
○
国務大臣
(
塩崎恭久
君) 臨床研究でございますので、当然
患者
さんがおられて成り立つ研究でございますので、当然その方の命あるいは健康、人権を守るということは大事なことだと思います。 この今回の法案、今
お話
ございましたが、C法案だったのが特A法案で出てまいりましたので、是非参議院でまた御審議をいただいて、一日も早く成立をさせていただければ大変有り難いなというふうに思いますので、川田議員にも是非先頭で頑張って審議の推進をお願いしたいと、こう思います。 この法案で、研究の対象者を始めとする国民の臨床研究に対する信頼の確保を図ることを通じてその
実施
を推進し、もって保健衛生の向上に寄与することと目的に書いてございまして、このため、今御
指摘
の人権の尊重につきまして、その措置につきましては、特定臨床研究を
実施
する者に対して、研究開始前に研究の目的及び内容等について研究対象者にしっかりと説明をして同意を得ると、それを
義務
付けております。 それから、研究対象者の生命、健康の尊重の措置、これに関しましては、
厚生労働大臣
は、特定臨床研究の
実施
による保健衛生上の危害の発生又は拡大を防止するため必要があると認めるときは、特定臨床研究を
実施
する者に対して当該研究の停止を命ずることとなっておりまして、この規定によって、今御
指摘
の研究対象者の生命、健康及び人権の尊重、これに配慮をした内容が盛り込まれていると私
ども
は思っておるところでございます。
川田龍平
66
○川田龍平君 この人権の尊重というのは、第一に同意権ということで解されて、国民の信頼の確保で読み込めると解せるものではありません。 やっぱり、特定臨床研究についてのみ同意を
義務
として、そのほかの臨床研究については
努力
義務
とするという規定は、基本的人権の保障については医薬品の承認、未承認、企業資金の
提供
といった世俗的な次元の線引きを設けるという対応となっており、そもそも人間を実験の対象とすることが尊厳性に抵触する可能性があるということからも、同等にこれ
法律
で規制すべきとする、実は国際人権自由権規約の趣旨に沿わないんではないかということもありますが、いかがでしょうか。
神田裕二
67
○
政府参考人
(神田裕二君) 一連の臨床研究に関する不適正事案の発生を受けまして設置されました検討会の
報告書
におきましては、臨床研究は革新的な医薬品等の開発に不可欠であり、過度な規制は研究の萎縮を招きかねないことから、全ての臨床研究に一律の法規制を課すことは妥当でないものとされたところでございます。 これを受けまして、法規制の対象といたしましては、研究対象者に対するリスクが高いもの、それから研究結果が
医療
現場の治療方針に与える影響の度合いの大きな
社会
的なリスクの高いものを対象にするという考え方で、未承認、適応外の医薬品等の臨床研究、製薬企業等の広告に用いられることが想定される臨床研究、この
法律
の中では製薬企業等から資金
提供
を得て行われる臨床研究というふうにいたしておりますけれ
ども
、そのようにされております。 これを受けまして、この法案では、臨床研究
実施
基準等の遵守を特定臨床研究について
義務
付けておりますが、それ以外の医薬品等の臨床研究についても
努力
義務
を課しているところでございます。 この法案では、研究対象者を始めとする国民の臨床研究に対する信頼の確保を図ることを目的として、研究の目的、内容などについて研究対象者に説明し同意を得ること、それから研究に起因することが疑われる疾病等が発生した場合には
厚生労働大臣
等に
報告
すること、研究対象者に被害が発生した際の補償等について定めることなどを
義務
付けております。 法の運用に当たりましては、特定臨床研究以外の臨床研究についても研究対象者の保護が図られるよう、先ほど申し上げましたように
努力
義務
が課されているわけでございますので、適切な運用が図られるように
努力
してまいりたいというふうに考えております。
川田龍平
68
○川田龍平君 この
法律
に基づき
実施
された未承認又は適応外の医薬品の臨床研究の結果は、薬機法に基づく薬事承認を得られない限り、広告には用いることができないと理解してよろしいでしょうか。
中垣英明
69
○
政府参考人
(中垣英明君) まず、前提といたしまして、医薬品
医療
機器法におきましては承認を受けていない医薬品等の広告を行うことは禁止されておるところでございます。
委員
御
指摘
のとおり、臨床研究の結果を承認申請の資料として提出したといたしましても、その承認を取得するまでは広告に用いることはできないというところでございます。
川田龍平
70
○川田龍平君 この自社の医薬品を用いる臨床研究を研究者に行ってもらう場合、奨学寄附金によらず契約を結ばねばならないとの
義務
を製薬企業に掛けていますが、それに違反した場合、企業にどのような罰則が掛かるのでしょうか。これ、何の処分もないのであれば実効性が担保できないのではないかと思いますが、いかがでしょうか。
神田裕二
71
○
政府参考人
(神田裕二君) この御
指摘
の規制につきましては、不適正事案において、製薬企業に対して奨学寄附金という形で実質的には臨床研究に係る費用が
提供
されていたということがございました。 したがいまして、今回の法案では、製薬企業などによる自社製品への臨床研究への資金
提供
については、その旨が明らかになるよう研究資金の額などを定めた契約を締結して行うことを
義務
付けることとしております。 契約を締結しない製薬企業等に対しては、
法律
に基づき
厚生労働大臣
が勧告を行いまして、勧告に従わない場合には、当該企業が勧告に従わない旨を公表できるということにいたしております。臨床研究に資金
提供
を行っている企業の多くは大手企業でございますので、企業名の公表は自社製品の売上げや治験への参加などに大きな影響を与えることから実効性が確保されるものと考えております。
川田龍平
72
○川田龍平君 これ、研究に用いる医薬品の製造企業から財団やNPOなどの
団体
を経由した間接的な研究資金の
提供
、あるいは複数の製薬企業によるたすき掛けというか、ほかの製薬企業からたすき掛けで資金
提供
を受けた場合、被験者に対する研究者側の情報公開の責務はどのように考えているんでしょうか。
神田裕二
73
○
政府参考人
(神田裕二君) 製薬企業などから研究資金の
提供
を受けて
実施
される自社製品の医薬品等の臨床研究は、特定臨床研究に該当するということになります。この該当性については、製薬企業等から直接的に資金が
提供
される場合はもちろんでございますけれ
ども
、財団やNPO等の
団体
を経由した場合や他の製薬企業を経由して自社製品に対する資金
提供
を行う場合についても、特定臨床研究に関し研究対象者への説明
義務
が掛かるものというふうに考えております。 なお、この
義務
に違反した場合には、改善命令、それから研究の停止命令の対象となり得ますので、命令に従わない場合には罰則が適用されることになります。
川田龍平
74
○川田龍平君 この研究に用いる医薬品の製造企業から講演料や顧問料など臨床研究を想定しない資金供与があった場合に、製造企業側に公表
義務
を課したものの、これが特定臨床研究に該当しないのであれば、本来、欧米と同様に契約臨床研究を推進すべきところを個人に対する資金
提供
に流れるおそれがあり、ディオバン事件に学んでいないということになるのではないでしょうか。
塩崎恭久
75
○
国務大臣
(
塩崎恭久
君) 今お触れになられましたいわゆるディオバン事案、これにおきまして、企業は奨学寄附金が研究事業の
支援
に用いられていることを意図及び期待していたと述べておりまして、このような意図などをもって
提供
された資金であったことが利益相反管理上の問題点であったことが
指摘
をされたわけであります。 このため、今回の法案では、製薬企業などに対しまして、自社製品の臨床研究に対して研究資金を
提供
する際には契約の締結及び公表を
義務
付けているということは先ほど来申し上げているとおりで、さらに、製薬企業等が自社製品の臨床研究を
実施
する者に講演料や顧問料などを
提供
する際にはこれは公表を
義務
付けているということになるわけであります。仮に講演料や顧問料の名目で実質的に研究資金を
提供
しているというように認められるような場合は、法令違反として改善命令等の対象となって、契約を締結させることとしておるわけでございます。 こうした取組によって臨床研究の規制逃れを防止することができると考えているところでございます。
川田龍平
76
○川田龍平君 最後になります。 三月十日の当
委員会
で
指摘
した聖マリアンナ医科大学における抗精神病薬を服用する臨床研究に関して、研究に用いた医薬品の製造企業から研究代表者は顧問料や講演料などを受け取っていましたが、その資金を研究費に充てていなくてもその資金
提供
の事実を研究対象者に説明すべきではないでしょうか。
神田裕二
77
○
政府参考人
(神田裕二君) 今回の
臨床研究法案
では、製薬企業などからの研究資金の
提供
を受けて
実施
される研究について、研究者側が製薬企業などに有利な結果を導くインセンティブが働くおそれがあることから、特定臨床研究として規制しているところでございます。講演料等については、純粋に講演などの対価として支払われている場合には研究がゆがめられるおそれはなく、特定臨床研究には該当しないということにいたしております。 なお、特定臨床研究の対象者に対して、
厚生労働省
令で定める事項について説明を行うことといたしております。その中では、当然、講演料等の受取を含めて、製薬企業などの臨床研究に関する関与の
状況
についても説明を求める予定でございます。 特定臨床研究以外であっても、医薬品などを用いた臨床研究であれば研究対象者への説明の
努力
義務
が課せられておりますので、先ほ
ども
申し上げましたけれ
ども
、適切な運用を図ることによってきちっとした説明がされるようにしてまいりたいというふうに考えております。
川田龍平
78
○川田龍平君 法案の審議でもまた引き続きやりたいと思いますが、是非通るように私も頑張ってやりたいと思いますが、どうにかお願いいたします。 ありがとうございました。
森本真治
79
○森本真治君 民進党・新緑風会の森本真治でございます。午前中最後でございますので、もうしばらくのお付き合いをよろしくお願いいたします。 通常国会、もうこの
委員会
多くの私も
質問
をさせていただいておりましたけれ
ども
、会期末も近づいてまいりまして
質問
する機会も少なくなってきたのかなというふうに思いますので、今日は、この間私もいろんな皆さんから御要望等も受けてきたこともございますので、ちょっと多岐にわたるかもしれませんが、しっかりと答弁の方を議事録の方にも残していきたいという思いもありますので、幾つかの点について御
質問
をさせていただきたいと思います。特に、テーマでいえば、雇用や労働条件、しっかりと
整備
をしていくというような観点での
質問
でさせていただきたいというふうに思います。 安倍政権も、ここに来て、同一労働同一賃金であったり、長時間労働の対策であったり、いろいろと雇用政策、労働政策について言及をされる機会も増えてきたのかなというふうに思います。看板倒れに終わらないように、そして我々としても、この表明をされておること自体は当然歓迎することでもありますし、ただ、その中身については、これからもしっかりと、政策競争といいますか、これは前向きに建設的に議論もしていかなければならないというふうに思っておりますので、是非今日も明瞭な御答弁、期待をしたいというふうに思います。 それで、ちょっと時間の関係もあるので、特に中小企業における雇用や労働条件のことについて先に
質問
をさせていただきたいと思います。 安倍政権のアベノミクスで、これまでも例えば有効求人倍率というのがどんどん上がってきているということを成果として強調もされてきたところがあったと思います。 それで、今日、ちょっと資料の
配付
はしておりませんけれ
ども
、実際に例えば大企業と中小企業の有効求人倍率というのがどうなのだろうというようなことも少し確認はしたいなと思っておるんですが、ちょっと事前に私が聞いたところでは、これ厚労省として、例えば
職種
別とかでの有効求人倍率というのは出ているけれ
ども
、大企業や中小企業、従業員規模での有効求人倍率というようなことのデータはないんだというようなことで私ちょっと理解しておるんですが、これ違っておればまた訂正もしていただきたいと思いますけれ
ども
。 それで、民間の方の
調査
の数字はちょっと私手元にございまして、それで、これはリクルートワークス研究所というところが公表しております従業員規模別の有効求人倍率で、二〇一六年の三月の有効求人倍率、三百人
未満
は三・五九倍、三百から九百九十九人が一・二三倍、千から四千九百九十九、一・〇六倍、五千人以上は〇・七〇倍ということで、これ来年度のもう就職活動始まっておりまして、来年の三月卒業の方の有効求人倍率というのを見てみると、三百人
未満
が今年の三月が三・五九であったのが四・一六に上がっているんですね。それよりも大きいところ、一・二三が一・一七、千人以上、一・〇六から一・一二、五千人以上であると〇・七〇から〇・五九ということで、これ、いわゆる三百人
未満
、中小企業の有効求人倍率がすごい高い数字になっている。 有効求人倍率の成果をいつも強調されるので、例えばこの中小企業の有効求人倍率が高いことを本当にこれは喜んでいいのかという話の中に、ただ、ここまで高くなってくると、やはり深刻なのは人手不足の問題だというふうに私の方としても認識をするんですね。 それで、もう
一つ
、例えばそういう中で、きちんと中小企業で働いてもらおうというふうに思ったときには、もちろん労働法規なんかもしっかりと
整備
をしていかなければならないんですけれ
ども
、御案内のように、適用除外というようなことは中小では起きていると、起こるというようなこともあると思います。 それで、まずこれ、厚労省の方の認識として伺いたいんですけれ
ども
、今の中小企業の雇用環境であったりとか労働条件の現状についての認識、
大臣
、
参考人
でもいいですが、どなたか御答弁してください。
生田正之
80
○
政府参考人
(生田正之君) 大企業と中小企業の労働環境の問題でございますけれ
ども
、一般論になりますけれ
ども
、大企業に比べまして賃金が低かったり、あるいは職場環境の点で問題があったりというケースも多いかと存じてございます。
森本真治
81
○森本真治君 その現状の認識の中で、例えば今有効求人倍率の話なんかもちょっとさせていただきましたけれ
ども
、これらについての課題がある中で、何か具体的に今後対応していこうと考えていることってありますか。
生田正之
82
○
政府参考人
(生田正之君) 人材確保対策の面で、特に中小企業はなかなか人材の確保が難しいというのがございます。それと、私
ども
といたしまして、例えば職場環境の改善のための様々な
支援
策を講じておりますが、それを二十八年度は強化をいたしましたり、あるいは
団体
で様々な改善のための取組をしていただくことについての
支援
策を講じてみたり、そういった人材確保のためのいろんな
支援
策については今後とも強化していきたいと思ってございます。
森本真治
83
○森本真治君 この中小企業の高い有効求人倍率に対して、これを、適正な値というのは私もどのぐらいか分かりませんけれ
ども
、ある程度こういう倍率というところがやっぱりいいんじゃないかと、例えばこの四・一六倍ということがこれは人手不足というような認識になって、そこの対策を取らなければいけないというような認識を持たれて、この倍率が下がっていくことがやっぱりいいんではないかとか、その辺りの考えというのはございますか。
生田正之
84
○
政府参考人
(生田正之君) 人手不足を考えます際に、やはり有効求人倍率というのは非常に重要なテーマだと思っております。やはり倍率が高いとなかなか人の確保はできないというのは事実でございますので、そういったところに集中的に人材確保のための
支援
策を打っていくというのが今後の方向だと考えてございます。
森本真治
85
○森本真治君 実際に、では、その雇用環境とか労働条件などについて、やっぱり本当にその実態に合ったまず現状を認識をしていくというようなことが非常に、私は今後まずはそこを、課題を的確にやっぱり把握する中で次の手を打っていくというようなことも非常に重要なんではないかなというふうに思います。 そういう中で、もちろんその労働環境、雇用環境をしっかり
整備
するということを今後もしっかりやってもらいたいんだけれ
ども
、そもそも、やはり中小企業がしっかりと発展をしていくということがもちろん大前提ですね。やっぱり企業の成長があって、その中で雇用の環境も整えられていくということは非常に重要なんだというふうに思います。 それで、今、中小企業、
全国
で大体平均で、これ御案内のとおり、九九・七%が中小企業が占めると。雇用者数でいっても七割の方がやっぱり中小企業で働く皆さんだというようなことを考えてきたときに、やはりそこに特化をしたような政策ということを投入していくということを是非今度もやっていただきたいというふうに思うんですね。 それで、
地方創生
というようなことを私も地方・消費者特別
委員会
でずっとやってきましたけれ
ども
、
地方創生
の政策なんかも、今、安倍政権、少しなかなか見えてこないな、どこ行ったんだろうなというふうに思うところもあるんですけれ
ども
、地方の雇用ということでいったときには、やっぱり中小企業ということが圧倒的に占めるわけで、しっかりとこれは安倍政権の政策にも合致する話だというふうに思うんですね。
地方創生
戦略でも地方でこれから三十万人の雇用を創出をするというふうに言われておるわけでございます。 その中で、今日ちょっと是非御提案をさせていただきたいのが、これ、自治体の方の取組にもなろうかと思いますけれ
ども
、
全国
で中小企業振興基本条例というものを制定する自治体も多くあるわけでございます。地方の企業で働く皆さん、特に中小企業で働く皆さんというのは、やはりそこの地元の皆さんが働くということは非常にそれは多いわけでございまして、当然、それぞれの地域への愛着心も持たれているし、郷土愛も持たれている皆さんですから、やはり自分たちが地域で働くことによって地方の成長、発展にも寄与するんだという意識を多くの皆さんは私は持たれているんだというふうに思います。それは事業主さんもそうだと思いますね。そういう面では、中小企業の振興を通じてしっかりと地域が発展をしていくというようなことをこれはやはり
制度
として、例えば条例などをしっかり作ってやっていくということが非常に重要だというふうに思うんですね。 そういう面では、この中小企業振興基本条例でございますけれ
ども
、しっかりと自治体の方に責任と役割ということを明記していく、この振興の、向けてですね。それとか、例えばこれは産官学や、またこれは労も含めてでございますけれ
ども
、しっかりと連携をする中で地域経済に
貢献
していこうというようなことを掲げている、
目標
にして進めていくという条例だと思うんですけれ
ども
、国として、例えば各地でこのような条例を制定をしっかりして、そして、それぞれがオール体制で地域の発展に
貢献
をしていくということを明確にしていくというこの意義、これは非常に私は重要だと思いますけれ
ども
、厚労省としてはどのように思われるでしょうか。
木村陽一
86
○
政府参考人
(
木村
陽一君) 中小企業庁からお答えさせていただきます。 中小企業施策の基本的な考え方を示すものとして、国にも中小企業基本法というのがまずあるんでございますけれ
ども
、この
法律
の中で、第六条でございますけど、地方公共
団体
が、それぞれの地域の自然的経済的
社会
的諸条件に応じた施策を策定し、
実施
するということをその責務として規定をしてございます。中小企業振興条例、まさに地方公共
団体
が自らの地域の特性を踏まえましてそれぞれの中小企業の振興策を示すというものでございます。まさに中小企業基本法第六条の趣旨に合致をしているということで、
評価
もし、歓迎もしているところでございます。
森本真治
87
○森本真治君 ありがとうございます。 それで、もちろんしっかりと、やっぱり地域の住民の皆さんもそのような共通認識を持っていろんな取組をしていただきたいと思うんですけれ
ども
、もう
一つ
、この条例を通じてでもいいんですけれ
ども
、やはりしっかりと、今後のそのような中小企業の振興を通じての地域の活性化の中で、当然そこで働く皆さんが雇用や労働条件ということがしっかりと保障されるというか、確保される体制をつくっていくということで、ちょっと繰り返しになるけれ
ども
、やっぱりその実態の声をしっかりと届けていく仕組みづくりですね、例えば労働
団体
だったり、働く労働者の皆さんの提言というものがそこの仕組みの中でしっかりとこれは効果的に反映をされる、その仕組みづくりということもしっかりやる必要があろうかというふうに思います。 しっかりと、これは国としても後押しをしていただきたいと思いますが、その仕組みづくりについてのお考えについてお伺いしたいと思います。
木村陽一
88
○
政府参考人
(
木村
陽一君) まず、国としての考え方といたしましては、先ほど申しました中小企業基本法の第二十一条という条文がございまして、これは国の責務でございますけれ
ども
、労働に関する施策というものを規定をしてございます。その重要性については国のレベルでも確認をしているということだと思います。 他方、こうした基本法の規定がある一方で、条例の
在り方
をどのような形にするかということをお考えになるのはやはり地方自治の要でもございますし、こうした基本法の趣旨の反映のさせ方そのものにつきましては、それぞれの地方公共
団体
においてどのような手続を盛り込むことがその条例にふさわしいか、まずはお考えいただくことになるのではないかなというふうに認識をしてございます。
森本真治
89
○森本真治君 強制はできないとは思いますけれ
ども
、やはりその意義については、地方とも連携を密にする中でその意義をしっかりと伝えていく、そして後押しをしていくという
努力
は是非していただきたいと思います。 これは経産省の方になるのか、また総務省なんかも含めてになるのかということもあると思いますけれ
ども
、是非その辺りの知恵を今後も出していただきたいというふうにも思っておりますし、我々もこれはやはり前向きに積極的に
協力
をしていきたいという思いでございますので、よろしくお願いをいたします。 それと、中小企業の振興という観点にもなると思いますけれ
ども
、もう一点、これも経産省さんの方だと思いますが、今研究開発税制というものが
制度
としてございますね。これは資料の二の方にお付けをさせていただいていると思いますけれ
ども
、しっかりと国際競争力を高めて、それぞれの企業が、そしてイノベーションをどんどんと起こして企業を成長させていくというための税制だというふうに思います。もちろん、その結果として、そこで働く皆さんの雇用が維持をされて、また更に拡大をしていくと。これは、やっぱり労働政策としても十分に
意味
のある話なのかなというふうに思います。 それで、実際にこの
制度
の今の運用の
状況
でちょっと事前に聞いているのが、これ、金額ベースでいうと、大手企業が約九割と圧倒的に金額でいったら多いんですけれ
ども
、中小企業が一割なんですけれ
ども
、適用件数でいえば、金額ではなくて件数でいったときには、大手が二割五分、中小企業が大体七割五分というふうに私伺っておるんですけれ
ども
、当然この研究開発税制、中小企業の発展にとっても非常に重要な
制度
であるというふうに思っております。 それで、まず
一つ
、これはちょっと具体的な話になりますけれ
ども
、この資料二でもあるように、上乗せ措置というのが、これ時限措置ということでここにも書いてありますね。
平成
二十八年度までの時限措置だということのようなんですけれ
ども
、是非これは、この
制度
は維持をしてほしいというような声も多く寄せられておりますし、しっかりと今後の検討について、考えについて、どのようにされていこうとしているのかということをまず教えてください。
木村陽一
90
○
政府参考人
(
木村
陽一君) 研究開発税制でございますけれ
ども
、中小企業の雇用を含みます発展基盤の確保にとって研究開発が言うまでもなく重要でございまして、これを後押しする
制度
として当該税制、非常に重要なものというふうに私
ども
としても認識をしてございます。 お配りいただきました資料の中でも、中小企業につきましては、Aの総額型というところを御覧いただきますと、税額控除の割合が一二%ということで、大企業に比べてそもそも優遇をしているものでございます。今後のこれの存続、特に上乗せ措置の部分でございますけれ
ども
、につきましては、やはり本税制の利用実態をまず精査をしなければならないというふうに思っておりまして、中小企業を始めといたします我が国企業にとってイノベーションの実現にしっかりとこれが資するものとなるように、御
指摘
の点も踏まえて様々な観点から検討してまいりたいと考えてございます。
森本真治
91
○森本真治君 ちょっと今の御答弁では、恒久措置の方で中小企業が少し有利な
制度
になっているので、今後少し実態なんかもしっかりと検討する必要があるという御答弁のような気もして、ちょっとまだ見通せないのかなというふうにも思ったんですけれ
ども
、その利用実態をしっかりと確認をしていただく中で、やはり課題として、そもそも
制度
が利用しやすいのかどうかというようなところも踏まえて、ただ結果としての利用実績だけではなくて、本当に
制度
が使いやすいものであるのかどうかということもしっかりと検討もしていただかなければならないというふうに思っております。 要件が非常にこれなかなか厳しいなというような声も上がっているのも事実なんですね。例えば、これ、要件の中で、ちょっと私も教えてもらいましたけれ
ども
、例えばそこの担当する、従事する方が、一か月で実働で二十日以上その研究開発に携わるというような要件な
ども
あるというふうに伺っているんですね。ただ、やはり中小企業の皆さんでいうと、本当にそこだけに専従をしてもらってやるというのも非常に難しいというようなこともあって、実質、この
制度
を利用したいんだけれ
ども
利用できないという方も多いんではないかというふうにも思うんですね。 だから、やはりこの要件の緩和なんかも検討して、そしてやはり実態ということを判断していかなければ、私はやはりこれは単に利用が少ないからとか効果がないと安易に結論を出すのはおかしいと思いますので、この辺りの要件などについても今後しっかり検討していただきたいと思いますが、お考えをお伺いします。
木村陽一
92
○
政府参考人
(
木村
陽一君) 中小企業のまさに研究実態に照らしまして様々な御意見があるということは私
ども
としても承知をしております。もちろん、私
ども
といたしましても、中小企業の試験研究、重要性に鑑みまして、更なる充実を図っていきたいという率直な気持ちはございます。 他方、税でございますので、やはり財源の問題でございますとか、あるいは公平、簡素といった使いやすさ、なかなか一筋縄でいかないところも実はございまして、本日御
指摘
も賜りましたので、そういった点もしっかりと踏まえまして検討させていただきたいというふうに思います。
森本真治
93
○森本真治君 是非、今後の検討の中で、私の方からもいろいろとまた御相談もさせていただくこともあるかと思いますので、引き続きよろしくお願いをいたします。 それでは、残りの時間ですけれ
ども
、四月の二十一日に、私、ハローワークの求人のいろんな苦情の問題についてちょっと取り上げさせていただいたんですけれ
ども
、ちょっと答弁が擦れ違っていたような気がしていて、その後、少し私も話なんかも聞かせていただいて、少し整理もしていただいたようなところもあったと思いますので、ちょっと前回の答弁の補足というか、しっかりとそこはしていただきたいというふうに思いますので、もう一度、再度この問題を取り上げさせていただきたいと思います。 前回もちょっと
お話
しさせていただいたように、今ハローワークに寄せられる苦情申立ての件数が一万二千件ぐらいあるという数字は御
報告
をこれはされているというふうに思います、
平成
二十六年度ですね。ということであって、前回のときに私が、この一万二千件の苦情があって、さらに、では是正指導であったり法令の違反ということがどのぐらいあるのかということを確認させていただいたときに、
局長
さんの方がちょっと把握をされていなくて、今後どのようにそれが把握できるのかということを考えたいという答弁をしていただいております。
塩崎
大臣
も、そのときに、やはりこれ所管する
法律
で明確な違反かどうか本来は数字を持っておいた方がいいだろうということで、改めて現状を調べるとの御答弁をいただいておりまして、後からちょっと、少しそこ行き違いが、擦れ違いがあったようだったので、再度このことについて
局長
の方に答弁の補足をしていただきたいと思います。
生田正之
94
○
政府参考人
(生田正之君) お答えいたします。
委員
からの御
質問
に対しましての答弁で、今現在その件数は把握していないというふうにお答えいたしましたけれ
ども
、二十七年度以降につきまして一定の数値が把握できるということが分かりましたので、それを御説明いたします。 求職者などから、ハローワークの求人票の求人条件とそれから実際の労働条件が違うという相談がありました場合に、その件数のうちで是正指導をして改善した件数、要するに是正指導改善件数と、それから法令違反等があって紹介保留ですとかあるいは求人取消しを行った件数が二十七年度分から把握できるということになってございます。今その
状況
の集計をいたしておりまして、集計し次第、公表したいというふうに考えてございます。
森本真治
95
○森本真治君 ということで、二十七年度、昨年度の数字を今
調査
をされて、さらに是正指導であったりということの詳細までも公表を今後していただくということだろうというふうに思います。しっかりとそこも確認をさせていただきたいと思いますけれ
ども
。 ちょっとこれ、一点確認ですけれ
ども
、これからデータをまとめられるということだからちょっと答弁難しいかもしれませんけれ
ども
、件数とかでなくてもいいんですけれ
ども
、例えばこれまで指導ということがなされてきて、そしてしかもそれが何度も繰り返されるような、そういうケースというのは厚労省としては情報としてはありますか。
生田正之
96
○
政府参考人
(生田正之君) 指導を繰り返すというふうなケースですけれ
ども
、今集計結果として、指導して是正したものが分かりますので、それで残ったものということでございます。 ですから、法違反なりで、あるいは法違反のおそれがあるということで紹介の一時保留ですとかあるいは求人取消しになった件数の中にそれが含まれているというところまでは分かりますが、それは間違いなく繰り返し指導していると思うんですけれ
ども
、そういう形で数は分かる、繰り返し指導した数は分かるということでございます。
森本真治
97
○森本真治君 今度の
調査
では、そこも把握ができるんですか。
生田正之
98
○
政府参考人
(生田正之君) 繰り返し指導という形で明確に何件という数はちょっと、恐縮でございますけれ
ども
、把握はできません。
森本真治
99
○森本真治君 そこを確認したかったのが、ちょっと私、事前に聞いている中で、例えば職安法の六十五条の八号なんかで罰則規定というのがあるんだけれ
ども
、この罰則規定が適用されたケースというのも把握をしていないのか、実績がないのか、ちょっと私、そこの今理解曖昧なんですけれ
ども
、そういう
状況
だと本当にこの
法律
が厳格に運用されているのかということをちょっと疑問に思って、本来であれば、これ指導が何回も繰り返されて全くその効果がないようなところであれば、厳格にやっぱりこれは告発なりそういうことをしていくということが必要だと思うんだけれ
ども
、全くそのケースがないというようなことがちょっと私は疑問に思うところがあるんですね。 これ、ちょっともう一度確認ですけれ
ども
、この六十五条の八号の適用の
状況
、どのようになっているんでしょうか。
坂口卓
100
○
政府参考人
(坂口卓君) お答えいたします。 今
委員
の方から御
質問
ありました職業安定法の第六十五条の八号でございます。これ、虚偽の広告であったり虚偽の条件を呈示して職業紹介、募集等を行った者ということに対しての罰則の問題ということでございますけれ
ども
、私
ども
としましては、
厚生労働省
として、この条項に関して今告発した件数はございません。 これは、私
ども
としましては、これまで把握した事案につきましては、そういった問題があったということにつきましては行政指導であったりとか行政処分ということを通じて是正を図るということを行っておりまして、告発には至っていないということでございます。
森本真治
101
○森本真治君 これは、厚労省としての実績はないという今御答弁だったと思うんですけれ
ども
、それぞれの現場の方では、ないかどうか分からないということですよね、でやられているかということですかね。
坂口卓
102
○
政府参考人
(坂口卓君)
厚生労働省
のハローワーク、現場も含めて告発した件数はないということでございますが、前回も申し上げましたとおり、これ、罰則規定というのは厚労省以外の、警察関係であったり検察というところが告発できないということにはなりませんので、そういったところまでは把握ができていないということでございます。
森本真治
103
○森本真治君 今これ、職安法の六十五条の八号の規定に基づいての告発ということでちょっと今御答弁いただいたからあれなんですけれ
ども
、ちょっとこれ、例えば新聞記事では、これは労基法の違反であったら、これは読売新聞の記事ですけれ
ども
、労働基準監督署の方でやっているとかというようなちょっと記事もあったりもしているんですけれ
ども
、しっかりとこの適用ということをやはり今後厳格にしていくのか。 ただ、実際に本当に、これからちょっと実態を把握するという話だからその後の議論になるかもしれないけれ
ども
、やはり結局、事が起きた後の対応、事後的な対応という話でしょう、対処をしていこうと。だけど、やっぱりそこには必ず泣き寝入りをする人とか、解雇を恐れて自分から名のり上げない方ももちろんいるわけで、全てをそれをじゃ把握していこうといっても、なかなかこれは現実的に厳しい話であれば、やっぱりしっかりとこの
法律
なんかが抑止力となって、事業者の方がそもそもそこについてのしっかり意識を持ってもらうことをつくっていくという必要もあるんですね。 そうすると、全く今これが、今後のちょっと分析の話になるかもしれないけれ
ども
、抑止力を持っていないのであれば、この
法改正
な
ども
含めてやっぱり検討していくということもしていかなければならないのだろうかというふうに思いますが、その辺りについてのお考えをお伺いしたいと思います。
坂口卓
104
○
政府参考人
(坂口卓君) 今、
委員
の方から先ほど御
指摘
ありましたように、先ほど御答弁申し上げましたこの安定法の六十五条の八号に関しては、告発した件数はないわけでありますけれ
ども
、他の条項の関係で安定法違反ということで私
ども
として告発した事案はあるんですけれ
ども
、この規定については今ないということでございます。 ただ、
委員
御
指摘
のように、いろいろ事案によって、繰り返しの違反等々あれば適切に告発も含めた対応ということを行ってまいりたいというのが一点でございますし、それからもう一点は、先ほど
局長
の方から申し上げましたようなハローワーク等の職業紹介事業者に対して求人を出している企業ということについては、直接的には今この安定法の六十五条の八号では求人者に対しては規定の対象となっていないということでございますが、そういった職業紹介事業者に求人を出す企業に対しての対応の強化ということについては今有識者の方にも御検討いただいておりますので、そういった点についてもよく検討を進めた上で対応をしてまいりたいと考えております。
森本真治
105
○森本真治君 検討会でいろいろ議論をしていただいて、私としてもそこについてはしっかりと注視もしたいと思いますけれ
ども
、それとは別というか、これは
法改正
とかという話ではない中で是非検討していただきたい。 いろんな対策を取る
一つ
として、例えば求人票の様式なんかでも、今これハローワークのことで取り上げていますけれ
ども
、いろんな職業紹介の事業者があったりとか、大学の方も前回もちょっと取り上げましたけれ
ども
、学校でのいろんなそういうトラブルなんかもある中でいえば、きちんとそこを統一して比べることができるような、そういうような、やはりそこを取り組んでいくということが私は大事なんではないかなというふうに思うんですね。 これは、
一つ
一つ
できるところからやっていただきたいという思いもあるので、是非これは前向きに提案させていただきたいんですけれ
ども
、先般も特別
委員会
で議論した地方版ハローワークもこの度できまして、生田
局長
にもいろいろ御答弁いただきましたけれ
ども
、民間の事業者までそこ踏み込めるかどうかということがありますから、まずは、じゃ、ハローワークと地方版ハローワークだけでもしっかりとした統一的な様式などを作って進めていって、その辺りのまた検証な
ども
していくということも大事かなというふうに思いますので、ちょっとその辺りについてのお考えをお伺いしたいと思います。
生田正之
106
○
政府参考人
(生田正之君) お答えいたします。 地方版ハローワークの設置を盛り込みました地方分権一括法の中で、ハローワークの求人情報のオンライン
提供
を国に
義務
付けております。このために、地方版ハローワークがオンライン
提供
の求人を活用する場合は、そもそもハローワークの求人票の様式をそのまま使われるということになります。ただ、
厚生労働省
として、職業紹介等に地方公共
団体
の職員が携わられる場合につきましては、私
ども
として
研修
に
協力
するという考え方でございます。 地方版ハローワークが独自に開拓する求人につきましては、そうした
研修
の機会におきましてハローワークの求人票をモデルとして使って、求人受理のノウハウにつきましても積極的に地方版ハローワークに
提供
するという形で、
厚生労働省
それから地方公共
団体
が一緒になって地域の求人の適正化に取り組んでいきたいと考えてございます。
森本真治
107
○森本真治君 もう終わりますが、前回もちょっと私、特別
委員会
でも言いましたけれ
ども
、一義的には自治体の方だという話については、私ちょっとそれは問題提起をさせていただいて、
立場
はやっぱり求職者の皆さんがしっかりと安心して求職ができるという体制をつくっていく部分では国の方が地方の方にいろんな提言することは、何ら私はこれ介入でも何でもないということも前回も言ったと思うので、ちょっとそこら辺をもう一度考えていただきたいと思います。 終わります。
三原じゅん子
108
○
委員長
(
三原じゅん子
君) 午後一時十五分に再開することとし、休憩いたします。 午後零時十七分休憩 ─────・───── 午後一時十五分開会
三原じゅん子
109
○
委員長
(
三原じゅん子
君) ただいまから
厚生労働委員会
を再開いたします。
委員
の
異動
について御
報告
いたします。 本日、
石橋通宏
君及び
藤井
基之
君が
委員
を
辞任
され、その
補欠
として
礒崎
哲史
君及び
堀内
恒夫
君が選任されました。 ─────────────
三原じゅん子
110
○
委員長
(
三原じゅん子
君) 休憩前に引き続き、
社会保障
及び
労働問題等
に関する
調査
を議題とし、
質疑
を行います。
質疑
のある方は順次御発言願います。
佐々木さやか
111
○
佐々木さやか
君 公明党の
佐々木さやか
です。 今日、私の方では、妊産婦のメンタルヘルスケアについてまず
質問
させていただきます。 先日の一般
調査
でも妊産婦の自殺の問題について
質問
をいたしました。東京都監察医務院などの
調査
によると、自殺により亡くなった妊産婦の割合というのは出血などによる妊産婦死亡率の約二倍ということで、妊娠・出産期の死因として自殺が最も多いことになるということでありました。こういった点からも、妊産婦のメンタルヘルスケア、重要であると考えております。 先日も、そうした妊産婦への
支援
、進めていただきたいと、こういうふうに
質問
したわけですけれ
ども
、今月の十一日に厚労省は、妊産婦のメンタルヘルスケアについての
調査
を行いまして、その結果、推計を発表したという報道がありましたので、まずこれについて伺いたいと思います。どういった
調査
を行って、その結果として妊産婦のメンタルヘルスケアの必要性についてどのように分析をし、認識をしているんでしょうか。
香取照幸
112
○
政府参考人
(香取照幸君) 御答弁申し上げます。 出産後に子育て困難となるリスクの高い妊産婦への
支援
の方策というものにつきまして検討するということを目的といたしまして、
平成
二十七年度から
厚生労働
科学研究を
実施
してございます。妊産婦
健康診査
及び妊娠届を活用したハイリスク妊産婦の把握と効果的な保健指導の
在り方
に関する研究ということでございます。これは
平成
二十七年度から二十九年度までの三か年の
調査
研究ということで行っているものでございます。 御
指摘
の
調査
は、この研究の一環として、分担研究になりますが、として行ったものでございまして、メンタルヘルス介入の必要があると考えられる妊産婦がどの程度の割合で存在するかということにつきまして、
全国
の分娩取扱
施設
二千四百五十三
施設
を対象にアンケート
調査
を行ったものでございます。 この
調査
結果によりますと、対象
施設
のうち約四四%、一千七十三
施設
から御回答いただきまして、一か月間の分娩件数が三万八千八百九十五件、このうちメンタルヘルスの介入が必要と考えられた妊産婦が千五百五十一名いらっしゃったということで、約四%になります。この割合を基に
全国
のメンタルヘルス介入が必要とされる妊産婦の数を推計する、年間約百万件の出産がございますので、これを計算しますと、約年間四万人ということになるということでございます。 かつ、メンタルヘルス介入が必要だと考えられた理由につきまして、これは重複も含めて理由の分布を見ますと、抑うつ、精神不安の疑いというものが約三八・四%、それから精神疾患としたものが二九・六%、そして精神疾患の既往があるというものが二五・四%となっております。かつ、介入が必要と考えられた
社会
的背景についても一部
調査
がございまして、これは結婚をしていない、結婚なし、あるいは貧困等
生活
面での問題があるといった回答をしたものが割合として多くなっているということでございます。
佐々木さやか
113
○
佐々木さやか
君 この
調査
の結果を見ますと、今
社会
的な背景についても少し御説明いただきましたけれ
ども
、例えば、十代、二十代などの若い妊産婦については、特に周囲からの、また
社会
からの孤立ということもあるということが
指摘
をされております。ですので、やはりこうした妊産婦への
社会
的な
支援
というものが、子育て
支援
がしっかりとなされていくことが重要であると思います。 また、育児不安を解消していくということは虐待防止にもつながります。御存じのとおり、児童虐待の死亡という事例の中にはゼロ歳ということが多くありまして、また、残念ながら母親が加害をしているという場合も少なくありません。こうした育児不安というものは、多くは妊娠中からの愛着形成の欠如が原因となっており、妊娠中のメンタルヘルスケアの重要性が
指摘
をされておりますけれ
ども
、我が国の場合、妊娠中や産後のメンタルヘルスに関するスクリーニングや具体的な介入方法が確立しておらず、実際に
支援
をする妊産婦の割合も明らかではないと、こういったことがあって今回の
調査
が行われたというふうに理解をしております。 先ほ
ども
説明ありましたけれ
ども
、介入の必要があると思われるリスクが高い妊産婦のうち半数は精神疾患又は既往があるということでしたけれ
ども
、残りの半数、要するにこれまで
病院
などに精神疾患の形でかかっていない、そういう妊産婦も相当程度いるという
状況
だと理解をしております。 また、今回の
調査
の中で
指摘
されておりますけれ
ども
、介入が必要とされた妊産婦に精神科の医師や臨床心理士などそうした分野の専門家が対応していたのは僅かであって、精神科医師への紹介ということがされたのも二二・四%、紹介先がないという
病院
もあったというふうに
指摘
されております。 なかなか体制として十分ではないのかなと思いましたが、こうした
調査
また分析結果を受けて、今後どのように対応していくつもりなんでしょうか。
香取照幸
114
○
政府参考人
(香取照幸君) 先ほど御答弁申し上げましたが、この
調査
研究、出産後の子育て困難となるリスクの高い妊婦につきましての
支援
方策の検討ということで、三年間の研究を計画を進めているということでございます。今回の
調査
結果は、その分担研究について先行的に
報告
を行ったというものでございます。 私
ども
としては、今後、この
調査
結果について少し詳しい
評価
、分析も行う必要があると思っておりまして、今後更に研究あるいは検討を進めていく、この
調査
研究自体でも進めていくと思われますけれ
ども
、そういったものを踏まえて対応を検討していかなければならないと考えてございます。 いずれにしても、この妊娠・出産期の不安を抱えている妊産婦に対する
支援
の問題は私
ども
も大きな問題であると考えてございまして、こういった
方々
、まず着実に把握をすること、それからきめの細かい
支援
をしていくこと、この辺についてきちんと対応しなければならないと考えております。 今般、今国会にも提出しております
児童福祉法
の改正の中で、妊娠期から子育て期にわたる切れ目のない
支援
を行う子育て世代包括
支援
センターというものを法定化をするということで、これを三十二年度末までに
全国
展開するということでまずは対応してまいりたいと思ってございます。 それから、妊産婦に対するメンタルヘルスケアにつきましては、今お取り上げになっている
調査
研究以外にも、別の厚生科学研究で
支援
方法についての
調査
研究を進めております。また、産婦人科学会ですとか産婦人科医会等関係学会においても、産婦人科の診療ガイドラインの改訂が今進められておりまして、その中でこういったメンタルヘルスについても議論が進められていると承知しております。 こういった私
ども
の
調査
研究あるいは関係学会等の
調査
研究等も踏まえまして、妊産婦の健診あるいは保健指導につきまして必要な対応を今後検討し、引き続き妊産婦の
支援
について
努力
を続けてまいりたいと考えております。
佐々木さやか
115
○
佐々木さやか
君 我が国の場合、出産をされる方というのはもうほとんど
病院
でするわけでありまして、やはり
病院
でしっかりとそうしたメンタルヘルスケアが必要な妊産婦について把握をしていただいて、それを必要な
支援
につなげていく仕組みというものが重要であると思います。 きめ細かなサポートを行っている
病院
もあります。例えば、横浜市東部
病院
の取組についてちょっと私は勉強したんですけれ
ども
、
医療
機関における虐待防止のための対策をいろいろと模索をする中で、ペアレンティングサポートシステムを構築をしたと。精神科の既往歴、現病歴がある場合ですとか、また妊娠に関する否定的な感情がある、そうした方を抽出をして
支援
をしていくと。
一つ
は、
院内
の連携として、妊娠期から出産後まで各科が病
院内
でしっかりと連携をする、産科と
小児
科が連携をしていくと。チームで
支援
に取り組んで、産婦人科、
小児
科のほかに、精神科医師、また
看護師
、助産師だけではなくて、ソーシャルワーカーですとか臨床心理士などの専門家も関わっているということです。また、
院内
の連携のみならず、院外との連携も行っていると。妊娠中から行政と積極的に連携をして、退院後には速やかに地域の
支援
が受けられるようにしております。 切れ目なく
家族
が成長する過程に寄り添って、妊娠期から子供が生まれた後の
生活
をイメージして養育環境の
整備
をする、新しい
家族
がスムーズに形成されることをサポートするということがこのペアレンティングサポートシステムの
目標
というか、テーマだそうですけれ
ども
、こうしたきめ細やかな取組をしてくださる
病院
が各地域にあれば、非常に市民、国民としては安心だなと思うわけでありますけれ
ども
、全ての
病院
ということはなかなか難しいかと思いますけれ
ども
、そういう取組を推進をしていただくとともに、特に小規模の
病院
についてはなかなか、先ほ
ども
調査
の結果として
指摘
しましたけれ
ども
、リスクの高い妊産婦がいても、それを紹介する先とか連携が十分に取れていない、ネットワークが構築されていないと、こういう問題があると思います。 この点について、是非取組をしっかりとしていただきたいと思いますけれ
ども
、いかがでしょうか。
香取照幸
116
○
政府参考人
(香取照幸君) 今
先生
御紹介いただきました横浜市の東部
病院
の取組でございますが、これは私
ども
でもこの取組につきましては情報を得ておりまして、精神的に不安定があるような妊産婦の方、
支援
が必要な方に対しまして、
一つ
は、
院内
で精神科、産科、
小児
科といった複数科、それぞれの診療科の間の横の連絡、連絡体制をきちんとつくりまして情報共有をすると。これによりまして、妊娠、出産後の子育て期までずっとフォロー、
病院
としてフォローができるという体制をつくるということ。 もう
一つ
は、
病院
と地域の様々な関係機関との関係を安定的に構築するということで、それぞれ窓口担当者をきちんと決めまして、具体の該当の妊産婦さんについての情報の把握、それからその後の家庭環境の
変化
等の情報につきまして、
病院
サイドから地域の要保護児童対策地域協議会、いわゆる要対協ですね、要対協にきちんとつなげていくということで、退院後のフォローについてもきちんと
病院
の側で体制をつくるといったような形で、個別の妊産婦さんにつきましてきめの細かい
支援
をきちんと行っているということで、これは言うまでもないことですが、妊産婦さんのフォローだけではなくて、やはり児童虐待の予防という観点からも非常に効果的な取組であるというふうに私
ども
も理解しております。 私
ども
厚生労働省
としましては、
医療
機関における児童虐待防止の取組の推進、そういう観点から、都道府県等の中核的な
病院
に児童虐待の専門知識があるMSW、メディカルソーシャルワーカーの方を配置していただく、あるいは拠点
病院
の中に、
病院
の中に児童虐待の発見とか対応についての対策協議会を設置するといったような、
病院
サイドでの虐待対応の体制
整備
といったような対応を行っていただいている
病院
に対しましては一応一定の財政
支援
を行うということで、都道府県側の対応について取組を促しているところでございます。 あわせて、今国会に提出しております
児童福祉法
の改正案の中では、妊産婦、特に
支援
を要する妊産婦について一番何といいますか、情報を得る機会といいますか、そういった
方々
と接触する機会が多いのは
医療
機関ということになるわけでございまして、
医療
機関サイドで、望まない妊娠でありますとか若年の妊娠、あるいは今
お話
しの精神疾患のある事例など、出産後の子育てについて、これは非常にフォローが必要だと思われる方については出産前から
支援
を行うということが必要であるということで、こういった方につきましては、
病院
の側からその情報を、例えば市町村、養育
支援
訪問等を市町村行っているわけでございますけれ
ども
、こういったところにきちんと
提供
していただくと、その場合の情報
提供
についての個人情報の取扱いについて一定の阻却の措置をとるといったようなことで
法律
の規定を置きまして、こういった
方々
の
支援
、情報がきちんと関係機関に伝わるような体制をつくりたいと思っております。 こういった形で、
支援
を必要とする妊産婦の方につきましてはできるだけ早めに把握をして、適切な
支援
ができると、それを通じて児童虐待の防止、発生の未然防止というものに努めたいというふうに考えております。
佐々木さやか
117
○
佐々木さやか
君 ありがとうございます。是非よろしくお願いいたします。やはり
児童福祉法
の改正、是非一日も早く成立をさせるように私自身
努力
をしてまいりたいと思います。 次のテーマになりますけれ
ども
、
高齢者
、また
障害者
の再犯防止ということについて
質問
します。 これも先日の一般
調査
で、刑務所を出た人の
社会
復帰
支援
というところについて
質問
いたしましたけれ
ども
、今日は、その関係もありますが、
高齢者
、
障害者
の方の再犯防止というところについて取り上げます。 刑務所などの刑事
施設
におきましても
高齢化
が問題となっております。また、精神障害、知的
障害者
の割合というのも少なくありません。こうした
障害者
、
高齢者
が刑務所を出る、
社会
に復帰するという場合には、そのほかの場合に比べて、更に出所した後の働く先の確保ですとか、また住む先の確保ということがなかなか難しいわけです。ですので、また働き先もない、また住むところもないということになってしまうと再犯によって刑務所に戻ってしまうという事態が生じかねませんので、どのように地域で受け入れていくかということが問題となっております。 まず、前提として、入所受刑者に占める現在の
高齢者
、また
障害者
の現状について法務省に説明していただきたいと思います。
富山聡
118
○
政府参考人
(富山聡君) お答えいたします。
平成
二十六年一年間に入所しました受刑者の統計について言いますと、その人数は二万一千八百六十六人であるところ、六十五歳以上の
高齢者
は二千二百八十三人であり、全体の一〇・四%となっております。また、知的障害を含みます精神障害を有する受刑者の数は二千八百九人であり、全体の一二・八%を占めております。
佐々木さやか
119
○
佐々木さやか
君 再犯防止というのは本来は法務省がリーダーシップを取って責任を持っていると思いますけれ
ども
、やはり就労また
福祉
そして様々な
社会
支援
というところは厚労省も深く関係をしておりまして、現状も取り組んでいただいているところであります。 今説明がありましたとおり、まず
高齢化
の点でいきますと、入所受刑者の六十五歳以上の割合は一〇%を超えております。どういう犯罪で、じゃ、刑務所に入っているのかといいますと、高齢受刑者の半分以上が窃盗、要するに盗んだということですけれ
ども
、これは要するに万引きであります。また、高齢受刑者の女性でいいますと、実に八割が窃盗、万引きということであります。万引きというのは、コンビニでパンを盗んだとか、そういうような場合であっても、最初は起訴猶予ということで刑務所にいきなり入るようなことはないんですけれ
ども
、二回、三回とそうしたことが繰り返されると刑務所に入るということになってしまいます。 先ほ
ども
申し上げましたけれ
ども
、こういう場合に、刑務所を出たと、でも行く先もない、また収入もない、働く先もないということになると、また残念ながら
生活
に困って万引きをしてしまうというようなことも容易に予測をされるわけであります。 ですので、こうした
高齢者
については出所前から、出所後すぐに適切な
福祉
のサービスですとかそうした
社会
的な
支援
につなげるように準備をしていくことが重要になります。ですので、ここは法務省と厚労省がしっかりと連携をしていただいて、取り組んでいただきたいと思っております。 また、
障害者
についても同様でありまして、やはり地域の受入れということを行っていく、
福祉
につなげていかなければ、なかなか、ただ刑罰というだけでは再犯防止にはならないと思っております。 こうした刑務所などを出所する
高齢者
、
障害者
への
支援
、これは数年前から取り組んでいただいておりますけれ
ども
、特別調整、地域定着
支援
事業というかと思いますが、この取組
状況
について、法務省と厚労省と、それぞれから御説明をいただきたいと思います。
片岡弘
120
○
政府参考人
(片岡弘君) まず、法務省からお答えいたします。 ただいまも御
指摘
ありましたように、高齢又は障害により自立が困難な受刑者のうち出所後に適当な帰住先がないという者につきましては、出所後速やかに
福祉
施設
への入所や
生活
保護の受給等の
福祉
サービスを受けることができるようにする必要がございます。 そこで、
平成
二十一年度から地域
生活
定着
支援
センターと提携しまして、刑務所等に収容されている段階から必要な調整を行っております。これが特別調整と称しているものでございますが、
平成
二十六年度における特別調整の
実施状況
を見ますと、六百九十人について調整を終了しております。そのうち約七割につきましては
福祉
施設
等につなげることができましたが、約三割につきましては釈放までに
福祉
施設
等につなげることができなかったわけでございます。 それらの者につきましても、釈放後に更生保護
施設
等で受け入れるなどして調整を継続しているところでございますが、いずれにしましても、今後とも高齢又は障害により自立が困難な受刑者を一人でも多く
福祉
施設
等につなげていくことができるよう、刑務所や地域
生活
定着
支援
センターとの連携を強化してまいりたいと考えております。
石井淳子
121
○
政府参考人
(
石井
淳子君) 高齢又は障害により
支援
を必要とする矯正
施設
退所者のうち行き場のない方については、保護観察所と協働しまして、退所後速やかに
福祉
サービスなどにつなげるために、
平成
二十一年度から地域
生活
定着
支援
センターの
整備
を開始し、二十三年度に全都道府県で設置をされたところでございます。 その業務でございますが、当初からの主たる業務としましては、矯正
施設
に入所している人の出所後の居住先確保や
福祉
サービスの利用などについて
全国
調整をするコーディネート業務がございます。と申しますのも、やはり収容された方は、長
期間
矯正
施設
にお入りになった関係で地域とのつながりを失った結果、例えば住民票がなく釈放後直ちには必要な
支援
が受けづらいという、そういうケースがあるわけでございまして、そういう
意味
で広域的な調整が必要になってくるということでございます。 当初は試行的に
実施
をされて、二十四年度から事業化された業務としまして二つございまして、
一つ
は、センターが調整をした人が矯正
施設
を出て
社会
福祉
施設
等の利用を開始した場合に、受入れ
施設
の職員などに対しまして助言を行っていきますフォローアップ業務でございます。それともう
一つ
、地域に居住する矯正
施設
出所者やその
家族
、
福祉
施設
等からの相談に応ずる相談
支援
業務というのがございます。 このセンターが行っております業務でございますが、その
実施
件数、年々増加をいたしておりまして、地域
社会
とのつながりを失った
支援
ニーズのある
方々
が地域で再び
生活
を送っていく上で一定の役割を果たしていると考えておりまして、引き続き法務省と連携をしながら取り組んでまいりたいと考えております。
佐々木さやか
122
○
佐々木さやか
君 こういう刑務所から出る
人たち
にそんなに
福祉
的な
支援
というのをするということについては、非常に特殊な
人たち
でありますし、罪を犯した人にそこまでするのかと思う方ももしかしたらいらっしゃるかもしれません。 私は、いろんなもちろん背景があるわけですが、罪を犯した人の中にはですね、先ほど児童虐待の話をしましたけれ
ども
、例えば子供を出産された方がいろんな事情で追い込まれて、最悪の場合は子供を殺してしまうと、こういう場合もあるわけです。ですから、そういう刑務所から出る、また罪を犯してしまったと、そういう方たちの中には、いわゆる
社会
のセーフティーネット、いろんな
福祉
的な
支援
の網からこぼれてしまって最終的に追い詰められて最悪の事態に至ってしまうと、そういう場合が少なくないというふうに思っております。ですから、それを適切な段階でできるだけ
社会
的にセーフティーネットで受け止めていくかと、これが非常に重要な問題ではないかなと思っております。 そうした観点からいきますと、今説明していただいたようなものは、罪を犯してしまって、かなり罪を重ねていって刑務所にまで入ってしまっているという
人たち
に対する
支援
なわけですが、私としては、もっと軽い段階で、もっと手前の段階で必要な
支援
を行っていくことが、より重たい犯罪を起こすようなところに追い込まれなくても済むわけですから、そこの
支援
が重要ではないかというふうに思っています。 こういう取組が徐々に始まってきておりまして、それを入口
支援
というんですけれ
ども
、刑事手続の出口、刑務所から出るときの出口
支援
、そしてその手前の入口
支援
と、こういうふうに呼んでおりますけれ
ども
、この入口
支援
について検察庁の方で取組を行っていると聞いておりますが、その内容について教えてください。
辻裕教
123
○
政府参考人
(辻
裕教
君) ただいま
委員
の方から御紹介いただきました入口
支援
でございますけれ
ども
、検察庁におきましては、各庁の実情に応じまして、保護観察所と連携して、起訴猶予となって釈放される見込みの者につきまして、起訴猶予処分前に検察庁から一定の情報を保護観察所の方に
提供
するなどして、対象者の特性に応じた更生緊急保護の措置が適切に講じられるように取り組んでいるものと承知しております。 また、やはり各庁の実情に応じましては、
社会
福祉
士の方を非常勤職員として雇用し、あるいは検察外部の
福祉
や
医療
の専門家と連携して、
福祉
、
医療
サービス等に関する助言を受けたり、
福祉
機関等の受入先の調整を行うなどの取組をしているものと承知しております。 このうち、外部の専門家と連携を図る取組といたしましては、例えば京都地検におきましては、
社会
福祉
士に
高齢者
や知的
障害者
等の被疑者との面談を依頼いたしまして、その面談結果に基づく助言を受けるなどいたしまして、その助言内容を事件の処分に当たり参考とするなどの取組をしているところであるというふうに承知しております。
佐々木さやか
124
○
佐々木さやか
君 今、京都地検の取組をちょっと紹介していただきましたけれ
ども
、京都地検で行った取組によりますと、一年間で二十五件入口
支援
を行ったと。例えば、自転車の持ち去り、暴行、無賃乗車、万引きと、こういった比較的軽微な事件について
支援
を行ったところ、追跡
調査
をしたらほぼ再犯に至っておらず、再犯防止に相当程度効果があったのではないかというふうな報道もございました。要するに、一定程度やはり
福祉
的な必要な
支援
をすることでその後の再犯を防止ができるということが言えると思います。 それで、ちょっと時間がないので最後に厚労省にお願いしようと思うんですけれ
ども
、この入口
支援
について厚労省も是非関心を持っていただいて、
調査
研究を今後もしていただきたいなと思っているんですね。万引きをしてしまったとか軽微な犯罪をしてしまったという状態にある
人たち
というのは、何らかの形でやっぱり追い込まれている、
社会
のセーフティーネットからこぼれ落ちている可能性が高い
人たち
なので、そこに対して何か
支援
の仕組みを考えるということは、必要な
支援
を必要なところに届けるためにも効率的だと思うんですね。 ですので、ここについても是非厚労省にも認識をしていただきたいと思いますけれ
ども
、いかがでしょう。
石井淳子
125
○
政府参考人
(
石井
淳子君) 現在、私
ども
で行っております地域
生活
定着促進事業、これ、先ほど申し上げましたように、長
期間
の矯正
施設
の収容によって地域とのつながりを失ってしまったと、そのためなかなか
福祉
につながりにくい、そういう
状況
に着目いたしまして、矯正
施設
の出口から出る前の段階から広域調整を行っていく。これ、出口
支援
ということだと思いますが、それを行って、必要な
支援
を地域で受けられるようにするということであります。 御
指摘
の入口
支援
でございますが、当省としまして、検察庁やあるいは保護観察所に対して、
福祉
に関する一般的な情報
提供
、これを行うような
協力
というのはあるのではないかなというふうに思っております。 ただ、これ、更に踏み込んだ対応をするということには幾つか課題があるように思っております。入口
支援
というのはあくまで刑事訴訟手続の過程にいる人に対して行われるものでございまして、被疑者、被告人の
福祉
サービスの調整に当たって必要となる情報収集その他について、かなり厳格な刑事訴訟手続の下で極めて短
期間
に行わなきゃいけない、かなり難しい
状況
があるだろうと、
本人
との接見時間の確保のためのルールづくりなど幾つか課題があるように承知いたしております。 また、判決がまだ確定していない段階の人に対する
福祉
サービスの調整のための関わりがなかなか難しいというふうに思っておりまして、
支援
の公正さ、ニーズに応じたものなのか、あるいは一方に寄せられるための偏りがある
福祉
サービスの
提供
なのかとか、あるいは刑事司法手続上の中立性等を確保するということについての慎重な対応というものも求められてくると思っております。
日本
社会
福祉
士会が研究事業を行っておりましたが、その
実施
報告
によりましても、現時点では実効性について更なる検証が必要といった課題が
指摘
されているところでございまして、私
ども
、今考えるべきは、やはり必要なサービス、
支援
ニーズがあって真に
支援
を求める方がいれば、これは犯歴の有無を問わず、しっかりそこに届くような、そういうサービスの
提供体制
、これをつくっていくことが第一に必要なのではないかなと思っております。現時点は、そういう方向でしっかり
福祉
サービスにつながる、そういう体制づくりに全力を尽くしてまいりたいと思っております。
小池晃
126
○小池晃君
日本
共産党の小池晃です。 今日は、職業がんの問題を取り上げたいと思います。 がんは、
日本
人の死因の約三割、トップを占めているわけです。その中で職業がん、これは二〇一二年発表のイギリスにおける職業がんの発生頻度に関する論文によりますと、全てのがん死亡者のうちの五・三%が職業に起因したがんだというレポートもございます。これ、
日本
に当てはめれば、全がん死亡者数が三十六万人だった二〇一二年には二万一千人が職業がんで亡くなったという推計もできるわけです。実際、EUの機関が委託した研究概要でも、ヨーロッパでは年間三万五千人から四万五千人が職業関連のがんで死亡しているという
報告
があります。 厚労省にお聞きしますが、二〇一四年度に
日本
で労災認定された職業がんの総数、その内訳については、アスベスト関連とそれ以外に分けてお答えください。
加藤誠実
127
○
政府参考人
(加藤誠実君) お答えいたします。
平成
二十六年度に職業がんで新規に労災保険給付の支給決定を行いました件数は九百三十三件でございまして、その内訳は石綿によるがんが九百二十件、そのうち中皮腫が五百二十九件、肺がんが三百九十一件、そのほかの化学物質に起因しますがんとしまして、1・2ジクロロプロパンによります胆管がんが六件、ベンジジンによります尿路系腫瘍が二件、ベーターナフチルアミンによります尿路系腫瘍など五つのがんでそれぞれ各一件となっております。
小池晃
128
○小池晃君
日本
で労災認定されている職業がん、そもそも少ない上に、圧倒的にアスベスト関連、それ以外ほとんどないのが実態です。推計される規模とは大きな乖離があります。 これ、がんというのは誰しも発症する可能性あるわけですが、アスベストなど職業上特定の物質を扱うことで暴露して発症するいわゆる職業がんは、これ、予防対策でリスクを減らせます。 今日のテーマをちょっと外れますけれ
ども
、アスベストについて言えば、建設アスベスト訴訟で、国の対応の遅れがこれは被害を広げたということで賠償責任に問われていて、さきの京都地裁判決では国とともに企業の責任も認めました。国には被害者への謝罪と賠償、石綿被害者補償基金
制度
の創設、建設現場でのアスベスト飛散の完全防止などを求めてまいりたいと思いますが、今日はアスベストと同様に、化学物質による職業がんの発生、このことを取り上げたいんです。 二〇一三年には、今御紹介もありました1・2ジクロロプロパンによる胆管がんが大問題になりました。昨年は福井県の化学工場で膀胱がんが多発しているという労働者の告発があり、大問題になりました。これ、発がんされた方は、オルトトルイジンを含む芳香族アミンを原料としてアセチル化反応を行った生成物を乾燥して袋詰めする作業に従事して、暴露開始から発病まで約二十年、これ、工場の労働者四十人のうちこの作業に従事していたのは十人程度なんですが、そのうち五人が発症している、退職者二人を含めて七人発症している、極めて高率なんですね。 これは、化学一般労働組合が告発して明らかになって、厚労省も
調査
しています。この
調査
結果、発がんの原因も含めて概要を簡潔に説明してください。労災認定の
状況
も併せてお願いします。
加藤誠実
129
○
政府参考人
(加藤誠実君) お答えいたします。 福井県の化学工場におきます膀胱がん発生事案につきましては、労働安全衛生総合研究所が現地に入りまして災害
調査
を
実施
いたしました。三月十八日に暫定的な取りまとめ結果でございますけれ
ども
、公表いたしましたが、その中では、オルトトルイジンの生体への取り込みがあったことは明らかというふうにされておりますし、経皮暴露による取り込みがあったと推察されるというふうにされております。 〔
委員長
退席、理事島村大君着席〕 また、膀胱がん発症者からの労災請求につきましては、所轄の労働基準監督署におきまして個々の労働者の作業内容、化学物質等への暴露
状況
を
調査
しているところでございまして、
調査
結果を踏まえて業務上外の判断を行うこととしております。
小池晃
130
○小池晃君 これは、労災申請、現職五名、退職者二名から出されて審査中だというふうに聞いております。迅速な対応をお願いしたいと思うんですが。 職場で化学物質を取り扱う際に、その危険有害性や適切な取扱方法を文書交付するSDS、安全データシート
制度
というのがあります。今回問題となったこのオルトトルイジンを含んで一定の危険有害物質と定義されている物質、交付、表示が
義務
付けられているのは五百二十一あるんです。全てこれが交付されている事業所の割合はどれだけなんですか。守られなかった場合の対応はどうなるんでしょうか。
加藤誠実
131
○
政府参考人
(加藤誠実君)
平成
二十六年の労働安全衛生
調査
結果におきまして、SDSを全て交付していると回答した事業場は五三・八%で、SDSを一部交付していると譲渡・
提供
先から求めがあれば交付しているを合わせますと、一応八〇%は超えておるという
状況
でございます。 しかしながら、御
指摘
のように、SDSの交付につきましては、メーカーに対する罰則を設けておりませんけれ
ども
、SDSが確実に交付されていることは、有害な化学物質から労働者の健康と安全を守るため、また本年から
義務
化するリスクアセスメントの
実施
に当たりまして極めて重要でありますので、直近では
平成
二十七年度の下半期以降、都道府県労働局、労働基準監督署を通じた
改正法
の説明会等におきまして、SDSの確実な交付及び入手を含めた指導を行うとともに、
平成
二十七年九月に業界
団体
に対しましてSDS交付
状況
の点検を要請したところでございます。 今後も、化学物質を取り扱います関係事業場への指導等によりSDS交付の徹底を図ってまいります。
小池晃
132
○小池晃君 今御答弁ありましたけど、罰則ないんですね、これ、労働安全衛生法五十七条二違反になっても。こういう重大な問題で私は罰則がないというのは大問題だと思いますし、今御答弁あったように、全て交付されている事業所は半分しかないというのが実態なわけです。これ、非常に重大な到達ではないかなというふうに言わざるを得ません。 SDS
制度
では、文書の交付とともに、扱う物質の安全性や使用に当たっての注意などを取り扱う各作業場の見やすい場所に常時掲示し、また備え付けることその他、取り扱う労働者に周知しなければならないと
義務
付けているわけですが、しかし、これ全て交付しているのは約半数だと。 そこでお聞きしますけれ
ども
、今回のこの膀胱がんが多発している福井の事業所は、SDS
制度
に基づく労働者への掲示
義務
は果たしていたんでしょうか。
加藤誠実
133
○
政府参考人
(加藤誠実君) お答えいたします。 個別の事業場に対します監督指導の結果については回答を差し控えさせていただきますけれ
ども
、
委員
御
指摘
のような、そういう法令違反が確認された場合につきましては是正を指導していくこととしております。
小池晃
134
○小池晃君 だから、罰則がないんじゃ効力は弱いでしょうと言っているわけですね。 個別のこと答えられないと言うけど、労働者の証言では、この事業所では、少なくとも五年前まではSDS
制度
で
義務
付けられていた掲示はされていなかった、その物質について労働者は注意すべき情報が知らされていなかった、そして有毒物質に直接接触する作業を日常的に行っていたというわけです。 〔理事島村大君退席、
委員長
着席〕 オルトトルイジンの反応工程はどんなふうになっているかというと、かつては防じんマスクも付けていなかった、夏は上半身Tシャツ一枚で作業をして、ろ過槽の中に結晶がたまるのをかき出す、そこに顔を突っ込んで粉じんまみれになりながら有毒物質をかき出すような作業をしていたと、こう言うわけですよ。 この職場も、先ほど言っていた、交付されているのは五三%ですから、要するに文書が交付されていない四六%の職場に入るわけですね。危険有毒とされる化学物質について情報が知らされずに働かされていた、こういう中で十人の労働者のうち五人が膀胱がんを発症した、私はこれは重大だというふうに言わざるを得ないと思うんです。
大臣
、有毒化学物質から労働者を守るためのSDS
制度
が十分に機能していないではないかと、やはりこれは深刻な問題だと思いますが、
大臣
の認識を伺います。
塩崎恭久
135
○
国務大臣
(
塩崎恭久
君) おっしゃるとおり、事業場で安全データシート、SDS、これは掲示しなきゃいけないわけでありますけど、していないということは、当然のことながら、働く方の安全と健康を守る観点からは問題だというふうに私
ども
も思っています。
厚生労働省
としては、安全データシート、SDSの対象である化学物質を取り扱う事業場への指導、そして関係事業者
団体
への要請によってこの安全データシート、SDSの掲示等の徹底を図っていくことによって、働く方の安全と健康を守っていかなければならないというふうに認識しております。
小池晃
136
○小池晃君 しかも、このオルトトルイジンは、動物実験だけじゃなくて人に対する発がん性の証拠があるということで、IARC、国際がん研究機関、WHOの下部機関ですが、これは二〇一〇年にグループ1、一番危険度の高い、一番発がん性が明確なグループに格上げしています。このIARCのグループ1にはどれだけの物質が入っていますか。二〇一〇年に格上げされた後、
日本
としてはどう対応されましたか。
加藤誠実
137
○
政府参考人
(加藤誠実君) IARCのグループ1、人に対して発がん性があるものにつきましては、化学物質で約七十物質を含んでおりまして、それ以外に放射性物質、食品、たばこ、太陽光など百十八の作用因子が分類されております。 オルトトルイジンにつきましては、
平成
十九年度に、国内の使用量でありますとか使用
状況
、暴露実態を
調査
した上でリスク
評価
というのを行ったところ、リスクは十分低いと
評価
されたため、特定化学物質障害予防規則の対象とはされませんでした。
平成
二十二年にIARCの発がん性に関する有害性が2のAから1に変更されたわけでございますけれ
ども
、その際には、
日本
産業
衛生学会の許容濃度、それからACGIH、米国労働衛生専門家
会議
の暴露限界値も変更がなかったことから、作業環境管理の観点から規制の見直しはしなかったところでございます。
小池晃
138
○小池晃君 私は、この対応も重大だと思うんですね。このIARCがグループ1に格上げした二〇一〇年以降も掲示は変わらなかったというのが福井の事業所の労働者の証言なんです。やはり、こうしたことをきちんと伝えないまま膀胱がん、職業がんが発生しているという実態がある。
厚生労働省
は、オルトトルイジンを使用しているこの事業所以外の
調査
やりましたか。その結果、膀胱がんの病歴、所見のあったのは何人ですか。
加藤誠実
139
○
政府参考人
(加藤誠実君) 福井県の事業場におきます膀胱がんの事案が明らかになった後、
厚生労働省
では、
全国
六十八事業場に対しまして、オルトトルイジンの取扱
状況
や労働者、退職者の膀胱がんの病歴等につきまして
調査
を行いました。 その結果、オルトトルイジンを現在取り扱っている事業場は二十四か所、オルトトルイジンを過去に取り扱っていた事業場は二十七か所、オルトトルイジンを取り扱ったことのない事業場は十七か所でございました。それが明らかになりました。また、本年三月時点では、福井県の事業場以外で膀胱がんの病歴又は所見が明らかとなりましたのは六事業場で各一名、一事業場で三名でございます。ただし、製造工程の従事歴が確認されていないなどの方も含まれるなど、業務との因果関係はまだ現時点で不明でございます。
厚生労働省
では、この
調査
を受けまして、オルトトルイジンを取り扱ったことがある五十一事業場につきまして、暴露防止対策の徹底を指導したところでございます。また、化学物質の取扱
状況
に応じたリスクアセスメントとその結果に基づく適切な措置につきまして、化学物質の取扱事業場に対して指導の徹底を図るよう、今年の二月に
全国
の労働局に指示をいたしました。 また、今年の六月には、一定の有害性がある化学物質につきましては、芳香族アミンも含めましてリスクアセスメントの
義務
化が施行されるため、一層の周知徹底を図っていくこととしております。
小池晃
140
○小池晃君 今回の
調査
はオルトトルイジンに限っていますが、今あったように、芳香族アミン全体に、この芳香族アミンに属する物質が一定の危険有害物質と言われる中に幾つもあるわけですよ。今年の一月は、化学一般労働組合が厚労省に対して、早期の労災認定と併せて芳香族アミン類を特定化学物質に指定せよと、そのことを要請をしています。芳香族アミン類のがん原性
調査
をするように求めています。
大臣
、やはり芳香族アミン全体について、これは
調査
、規制、やるべきじゃないでしょうか。
塩崎恭久
141
○
国務大臣
(
塩崎恭久
君) 先ほど答弁をしたとおり、PRTR法に基づくこの届出等の情報によってオルトトルイジンを取り扱っていると考えられる
全国
六十八事業場について
調査
をした結果、オルトトルイジンについて、先ほど申し上げたとおりの、現在取り扱っているところだけでも二十四か所あると。もちろん、かつて扱っていたというところが二十七あるわけでありまして、また、IARCがグループ一に分類をしている化学物質のうちの芳香族アミンはオルトトルイジンを含めて七物質あるということでございます。 このうち三物質は製造禁止に、そして二物質は特定化学物質障害予防規則による局所排気装置の設置、そして作業環境測定等の規制の対象という規制を掛けているところでございまして、残る一物質は現在国内では使用されていないという
状況
でございますので、今の規制の
在り方
はそういう形になっているということでございます。
小池晃
142
○小池晃君 もう
一つ
ちょっと問題にしたいのは、作業環境の管理がどうなっているかなんですが、労働安全衛生
調査
で、作業環境管理が適切でない、いわゆる管理区分三、これ二〇〇六年と二〇一四年でどうなっていますか、事業所数でお答えください。
加藤誠実
143
○
政府参考人
(加藤誠実君) お答えいたします。
平成
二十六年の労働安全衛生
調査
におきまして、作業環境測定の結果、特定化学物質の気中濃度が許容される水準を超えておりまして作業場における作業環境管理が適当でない事業場、いわゆる管理区分三に当たるものでございますが、それの割合は、前回の
平成
十八年は二・九%、直近の
平成
二十六年は五・七%でございました。
小池晃
144
○小池晃君 作業環境管理に問題がある事業所の比率が倍増しているわけです。 これ、福井の場合は、労働者が会社に対して血尿が出ましたという事実を伝えて、作業方法が危険なんじゃないかと労働者訴えても、問題がないという対応をして強引に作業が続けられたというんですね。やはり、作業環境管理が職業がん発症を増やすことにつながっているということは明らかだというふうに思うんです。 厚労省は、作業環境管理の悪化が有害物質暴露、がん発症につながるという認識はお持ちでしょうか。労働環境の改善というのは、これ待ったなしだと思うんですが、その点についての認識をお聞きします。
加藤誠実
145
○
政府参考人
(加藤誠実君) 作業環境測定の結果、特定化学物質の気中濃度が許容される水準を超えており作業場における作業管理が適当でない事業場、管理区分三の割合が一定程度見られることは事実でありますが、そのような事業場には速やかに作業環境の改善を図ることとしております。 具体的には、一般には暴露が大きい塗装作業でありますとか、洗浄作業等を行っている事業場でありますとか、特殊健康診断の結果、有所見者が見られる事業場など、労働衛生管理に問題があると思われる事業場を優先的に指導の対象としているところでございます。 また、本年度の労働基準行政の重点施策の
一つ
としまして、化学物質による健康障害防止対策を掲げておりまして、特定化学物質障害予防規則、リスクアセスメント等の遵守徹底を図っているところでございます。
小池晃
146
○小池晃君 やっています、やっていますというけど、実際にこれ出ているわけですね、事例が。やっぱり、きちっとできていないからこういうことになっているわけじゃないですか。背景にあるのは、やっぱり有毒物質に対する教育が十分できていない、極めて不十分だと。こうした化学物質を中間体として扱うような職場というのは、これ中小企業多いわけです。非正規、下請労働者が作業を行っている場合も多いわけですね。今後オルトトルイジンが禁止になっても、労働者が暴露した時期の職場の
状況
を後で特定するのは極めて大変な
状況
だということもあります。
大臣
、1・2ジクロロプロパンによる胆管がん、今回のオルトトルイジンによる膀胱がん、化学物質を扱う職場の詳細な実態
調査
と、それに基づいてSDS
制度
をやっぱり抜本的に強化するということが必要じゃないでしょうか、お答えいただきたい。
塩崎恭久
147
○
国務大臣
(
塩崎恭久
君)
厚生労働省
としても、危険、有害な化学物質を譲渡するときの安全データシート、SDSの交付が徹底されていないということもあるので、これを徹底されるようにしなければいけませんし、化学物質を譲渡する事業者とか、それを使用する事業者に指導をして、法令遵守を徹底しないといけないというふうに思います。 また、
平成
二十六年度労働安全衛生法の改正によって、この六月から、先ほど来
お話
が出ておりますけれ
ども
、容器等へのラベル表示が
義務
付けられている対象物質の拡大、これは百十九物質から六百四十物質で、これは罰則ありということで、先ほど罰則がない規制がありましたが、こういったことなどの化学物質の規制が強化をされておりまして、この法令の遵守の徹底に向けて、化学物質を取り扱う個々の事業場に対する指導監督をこれは強化しないといけないというふうに思います。 まずは、これら法令の遵守徹底、そして化学物質による職業がんの発生防止に取り組まなければならないと思いますが、さらに、発がん性のある物質を取り扱っている事業場の実態を把握すること、確かに重要であるというふうに認識をしております。
厚生労働省
では、特に有害な物質の中から毎年三十種類程度選定をして
調査
を行っておりまして、その結果、規制が必要と認められた化学物質については、局所排気装置の設置を
義務
付けるなどの措置を講じておりますけれ
ども
、いずれにしても、職場で、冒頭おっしゃっていたような、特定のがんになるというようなことがないような職場環境の
整備
をしていかなければいけないというふうに思います。
小池晃
148
○小池晃君 しっかりやっていただきたいと思います。 終わります。
東徹
149
○東徹君 おおさか維新の会の東徹でございます。 今日は、大きく四問通告をさせていただいておりますけれ
ども
、そのうち、最初に待機児童対策と、それから民泊について
質問
させていただきまして、あと時間がありましたらほかの
質問
もさせていただきたいというふうに思っております。 まず、待機児童対策についてでありますけれ
ども
、政府の方でも安倍政権が掲げる一億総活躍
社会
に向けた中長期計画ということでまとめられたようでありますが、待機児童ですけれ
ども
、非常に今回関心が高まるきっかけになったのは、今年の二月十五日付けでインターネットで公開されました保育園落ちた
日本
死ねというブログでありますけれ
ども
、これ、それはまあ確かに保育園落ちたことによってすごい不満とか怒りが込み上げてくるというのも分かりますけれ
ども
、それに対して、
社会
に対してその不満をぶつけたいという気持ちは分かりますけれ
ども
、この死ねという言葉、これ使っていい言葉とは私は思えません。これはもう絶対に使っちゃいけない言葉だと思います。 ましてや、大人が死ねという言葉を使うなんて、これはもう許されないと私は思っていまして、本当に人の命こそ一番大事なわけでありまして、死ねという言葉は絶対使うべきではないと思いますが、
塩崎
大臣
はどのようにお考えなのか、お伺いしたいと思います。
塩崎恭久
150
○
国務大臣
(
塩崎恭久
君) 安倍政権は、今回、第二次安倍政権スタート以来、直ちに取り組んだのがこの
待機児童解消
でございました。翌年の四月には
待機児童解消
加速化プラン、これでその前の三年間と比べますと二・五倍以上のペースで受皿を
整備
をし、さらに、この二十九年度末までの四十万人
整備
をするという加速化プランの数字も五十万人ということを去年の秋に決めたところでございまして、しかし、それでもいまだに待機児童が解消されていないという
状況
は、昨年新
制度
がスタートをして、保育に欠けるという定義から保育が必要な方は皆申込みができると、こういう大きな
制度
改正もあってこういう
状況
がある。さらに、もちろん女性が職場で働く機会が格段に増えたということもあったというふうに思います。 そういう
意味
で、今回、今御
指摘
のような表現のブログがあったということはよく分かっているわけでありますけれ
ども
、いわゆる保活と呼ばれている活動をあえてしなければならないという御苦労をされている、負担を感じておられる
方々
の現状というのが改めて浮き彫りになったわけでありますので、こうしたことをしっかりと踏まえて、受皿拡大がまず第一でありますから、これはもう既に政権スタート前のペースよりも、さっき申し上げたような、格段に早いペースで進めているわけでありますし、さらに、丁寧に、やっぱり一人一人御事情は違うわけですね。ですから、そういうことをよく踏まえた上で、保育コンシェルジュというのが特に横浜などでスタートして今広がりつつありますけれ
ども
、こういったようなきめ細かな配慮をして対応して
支援
をしていくということが大事だろうというふうに考えているところでございます。
東徹
151
○東徹君 いや、死ねという言葉に対してどういうふうに思われますかというふうなことをお聞きさせていただいたんですけれ
ども
。
塩崎恭久
152
○
国務大臣
(
塩崎恭久
君) いや、ですから、そのような表現が出てくることについての思いを申し上げたところでございます。
東徹
153
○東徹君 人の命こそ一番大事なわけで、やっぱりこれは大人も国も政治も行政も、死ねという言葉はいけない言葉だということをやっぱりしっかりと言っていく必要が私はあるというふうに思います。 待機児童についてでありますけれ
ども
、これは
全国
千七百十八市町村ありますけれ
ども
、そのうち、五十人を超える市区町村、待機児童がですね、五十人を超える市区町村と百人を超える市区町村、それぞれ数字だけお答えいただければと思います。
香取照幸
154
○
政府参考人
(香取照幸君) 待機児童でございますが、これ毎年度私
ども
調査
をしております。直近二十七年四月一日時点でございますが、
全国
千七百四十一の市区町村のうち待機児童がいるとお答えになったところが三百七十四。このうち、今
お話
しの待機児童五十人以上及び百人以上でございますが、都市部を
中心
に、五十人以上の市区町村が百十四、それから百人以上の市区町村は六十二ということになってございます。
東徹
155
○東徹君 だから、市区町村によって待機児童の問題というのはばらばらなんですよね。待機児童がいるところもあれば、ないところもある。 これは、私も大阪市に住んでおるんですけれ
ども
、大阪市であっても、待機児童のある区というのは何区かです。全部が全部待機児童がいてるわけではないんですね。その区の中でも、待機児童のいる
施設
といない
施設
と、これまた分かれているんですね。たまたま待機児童がいるというところもあって、これは新しく大規模なマンションができたからとか、そういった非常に、結構きめ細やかな
状況
に対応していかないと、これなかなか解決できない問題だというふうに思っています。 もう
一つ
は保育士の有効求人倍率ですけれ
ども
、これも東京都のように五倍を超えるところもあれば、群馬県のように〇・九七倍ということで一倍を切るところもあるんです。保育士不足も、これも地域格差があります。 報道にもありますけれ
ども
、こういった地域格差があるということで、これは本来、国が押しなべて全部やっていくべき課題ではなくて、やはりまずは基礎的自治体である市区町村で
努力
していくということが大事だというふうに思っています。 これは、もう大阪市の例で恐縮ですけれ
ども
、保育士の確保策として、今年の夏から就職準備金として市内の民間の認可保育
施設
に就職する保育士に対して十万円を支給ということで、そしてさらに、その後一年間続けて就職したら十万円支給するという形で、保育士の確保策をこれ頑張って今
努力
していこうとしています。 自治体としては、限られた財源の中で何とか住民の保育ニーズに応えようとしているわけですけれ
ども
、このような取組、どのように
評価
されるのか、まずお伺いしたいと思います。
塩崎恭久
156
○
国務大臣
(
塩崎恭久
君) 保育人材の確保を行うために、処遇改善に加えて就業促進あるいは再就職
支援
、こういった総合的な対策を取るということが大事だというふうに思っております。 国としては、総合的な保育人材の確保策の
一つ
として
平成
二十七年度補正予算で、保育士資格を有しているけれ
ども
保育園などに勤務をしていないという潜在保育士、この
方々
の再就職をされた場合に、保育士として二年間勤務することで返済を免除する再就職準備金二十万円の貸付事業、こういうものを創設をいたしました。 大阪市では、今御説明をいただきましたが、これに加えて、新卒や再就職の保育士の確保に当たって潜在保育士以外の新卒者等もカバーした事業に新たに取り組むということを承知をしているところでございます。この事業は、新卒保育士の保育園への就職率が大阪では低いことなどを踏まえて、地域の実情に応じた自治体の独自の取組というふうに思っております。積極的に取り組んでいただきたいというふうに思っております。
東徹
157
○東徹君 積極的に取り組まさせていただいているんです。積極的に更に取り組まさせていただきたいと思っていまして、この待機児童の解消に向けてですね、是非これお願いしたいんですけれ
ども
、これ、国家戦略特区による
待機児童解消
対策として、保育に従事する人材の配置基準、それから保育所の面積基準などの保育所の設置基準を特区の中で自治体の判断と責任でやっぱり決定できる、そういう特区内における准保育士
制度
の創設などを国に提案させていただいているわけですけれ
ども
、こういった国の行う保育士の処遇改善のみでは十分な待機児童の対策を行うことはやっぱり難しいんです。だから、是非こういった都道府県からの提案を聞き入れて、この待機児童の解消に前向きに取り組みますので、是非ここは前向きな御答弁をいただきたいと思います。
塩崎恭久
158
○
国務大臣
(
塩崎恭久
君) これは、松井知事が私のところにおいでをいただいて御説明を直接いただいた内容の御提案でございます。保育の
実施
というのは、これはいわゆる自治事務ということで、市区町村が御自身で御判断されるということで、待機児童の解消に向けた対策についても市区町村が主体となって積極的に進めていただくことが重要だというふうに考えております。 政府において、待機児童の解消に向けて、
待機児童解消
加速化プランに基づいて認可保育園等の受皿を、先ほど来申し上げているとおり、大きく増やしてきておりまして、この取組を進める上では質の確保された保育サービスを拡大していくと、これが重要だということを強調してまいりました。 大阪府の御提案につきましては、国が定める人員配置や面積についての最低基準は、生涯にわたる人間形成にとって極めて重要な時期である就学前の子供さんたちに対する保育について、身体的、精神的、
社会
的な発達のために必要な
生活
水準を確保するための基準として定められていること、既に三月末に
厚生労働省
から発表したいわゆる緊急対策も含めて、市町村が人員配置や多様な人材の確保についても柔軟性を持って取り組むことができる対策を講じていることなどを踏まえて検討する必要があるのではないかというふうに考えてございます。 国としては、緊急対策やニッポン一億総活躍プラン、昨日国民
会議
で諮られましたけれ
ども
、待機児童対策の強化を図って行っていくこととしておりますが、今後とも、大阪府の提案を含めて、寄せられる様々な御提案をお伺いして、保育の質をしっかり担保しつつ、
待機児童解消
に向けた取組を進めてまいりたいと思っております。
東徹
159
○東徹君 それでは待機児童の解消なんて、これはできないですよ、すぐに。これは、困っている人はもう毎日困っているわけですから。それに対してやっぱり迅速に対応していこうと思ったら、やっぱり柔軟な対応って必要なんですよ。是非もうこれ前向きに、前向きに検討していただくということを言っていただけませんでしょうか。
塩崎恭久
160
○
国務大臣
(
塩崎恭久
君) 先ほど申し上げたように、質を確保しながら受皿を、そして保育の機会をつくっていくということが大事だということを我々は考えているところでございますので、それを勘案して是非独自の動きをやっていただければというふうに思います。
東徹
161
○東徹君 それでは、ちょっと時間がなくなってきましたので、ちょっともう保育士のことはおいておかせていただいて、総務省の方も来ていただいているんですが、民泊についてちょっとお伺いしたいと思います。 民泊をこれは特区で解禁として、東京都大田区と大阪府で民泊、これスタートしていましたけれ
ども
、これ七日以上なんですね。七日以上も
一つ
のところに宿泊する人なんていませんよ。多分皆さんでも、海外旅行行って、海外旅行行った先の
一つ
の市で七日間以上も泊まるようなことってまず考えられないと思います。これ、七日間以上滞在要件というのがあって、七日間以上滞在要件が、こんなの利用しないです。これ、三日間に是非すべきと思いますが、いかがですか。
川上尚貴
162
○
政府参考人
(川上尚貴君) お答え申し上げます。 いわゆる特区民泊についてのお尋ねでございます。五月十日の国家戦略特区区域
会議
におきまして、松井大阪府知事からこの特区民泊に関しまして、八割の事業者が七日以上という滞在要件を課題として取り上げておられること、あるいは大阪府の一
施設
当たりの宿泊数は二日に満たないことを挙げられた上で、ニーズに対応するため最低宿泊日数要件の短縮について御提案をいただいているところでございます。この特区民泊の日数要件につきましては、旅館業法の特例をこの
法律
において措置いたしましたときから続く御議論でございます。 私
ども
といたしましては、この特区民泊事業は内外観光客等の急増する宿泊ニーズに対応するための有効な手段というふうに考えてございまして、その活用拡大には、先駆けでございます大阪府さんあるいは大田区での事業の実績や現場からのニーズを把握し、より使いやすい
制度
にすべく不断の取組が必要であるというふうに考えております。 このため、松井大阪府知事の御提案を現場のニーズに即した具体的なものとして重く受け止めさせていただいてございまして、御提案いただいた日数要件の緩和などの活用拡大策につきまして、規制所管省庁とも折衝の上、早期に結論を得るべく努めてまいりたいというふうに考えているところでございます。 以上でございます。
東徹
163
○東徹君 これは、もう本当、当然なんです。七日間以上でないと駄目って、七日間も、誰もいないですよ、泊まりません、そんなものは。だから、これはもう是非短くすべきです。 短くすべきだし、これは是非、早期にというふうに言っていただきました。これ、早期というのはどれくらいを待てばいいのか、ちょっと御答弁いただきたいと思います。
川上尚貴
164
○
政府参考人
(川上尚貴君) お答え申し上げます。 今、民泊のルールにつきましては
全国
ベースでの御検討もいただいているところでございます。私
ども
としては、今現に大阪府さんあるいは大田区において実績も積み上がっております、その実績を踏まえるとともに、民泊ルールの
全国
展開ということも踏まえまして早急に検討していきたいというふうに思ってございます。
東徹
165
○東徹君 これは
全国
ベースもまたおかしな話であって、上限は六十日間ですか、上限規制があるんですね。一方では七日間以上にしなさい、国全体では六十日間までにしなさい、もう全くこれは訳分からないような内容になっていますよ。 だから、やっぱりこういう規制というのはもう本当に外していただいて、市区町村それぞれ、都道府県ごとにそれぞれやっぱりニーズがあるわけですから、それに柔軟に対応していく、そういったことが大事です。何でもかんでも国でルールを決めてしまって、全てその国のルールに従えではなくて、やはり都道府県とか市区町村でやっているところがあるわけですから、そういったところに柔軟に対応できるような
制度設計
を考えていかなかったら、先ほどの保育の問題もそうですし、そしてまた、外国人観光客がやっぱりどんどんどんどんこれから来ていただかないといけないわけですから、やっぱりそれに対応していくためには、国で全てルールを決めるのではなくて、都道府県であったり市町村であったり、そこがやっぱり責任を持って決めていくという
制度
に変えていくべきと思いますが、
塩崎
大臣
、いかがでしょうか。
塩崎恭久
166
○
国務大臣
(
塩崎恭久
君) 余り広く知られていないことで大事なことは、特区の場合には、例えば衛生規制は保健所に、つまり大阪だったら大阪府ですね、が任されてそこが見ているという、そういう網が掛かっておりますけれ
ども
、今外国の
方々
を
中心
にやっている民泊の場合には、全く何の網も掛からないままにインターネットで行われているということがあります。 したがって、そういう無法でやっているのではない形で特区でやる方がいろんな
意味
で安全性とかそういうものについての監視の目はあるわけでありまして、そういう
意味
では、今
お話
がありましたように、この
実施状況
を検証すると、ほとんど進んでいないというのが大阪のケースだと知事からも聞いております。したがって、そういうことを考えてみると、
感染症
の蔓延防止とか、あるいは一般的な安全性の確保などをしっかりと踏まえながら、特区
制度
のより一層の利用が図られるような必要な
改革
をしていかなければならないと私は思っております。
東徹
167
○東徹君 是非、そういった形で、やっぱり自治体の責任でもってやっていくということを是非考えていただいて、何でもかんでも国で決めたから
厚生労働大臣
のせいだというわけじゃなくて、都道府県とか市町村とかでやっぱり決めるべきことは決めてもらって、そこの自治体の責任でやっていってもらうということを是非お願いをしたいと思います。 あと、最後に、ちょっと戻らせていただいて、保育士の処遇改善についてですけれ
ども
、二点併せて簡潔に御答弁いただければと思います。 非正規保育士の待遇改善を進めることは、保育士確保のために有効と考えますけれ
ども
、民間を含めた保育所全体として国はどのように取り組まれるのかということと、公立保育所については正規、非正規の格差解消にどのように取り組まれるのか、この点についてお伺いをしておきたいと思います。
香取照幸
168
○
政府参考人
(香取照幸君) ちょっとお時間もあるので、簡潔に御答弁申し上げますが……
三原じゅん子
169
○
委員長
(
三原じゅん子
君) 時間が過ぎておりますので、簡潔にお答えをお願いします。(発言する者あり)済みません。
香取照幸
170
○
政府参考人
(香取照幸君) 私
ども
は、保育士の処遇改善につきましては、今般一億プランの中でも従来からの課題の二%に加えまして上積みを行うわけでございますが、これは正規、非正規を問わず同様の改善をしたいと思っております。 それから、様々な施策を講じるに当たりましても、私
ども
は保育士以外でも非正規労働者の処遇の改善ということに意を尽くしておりまして、特にこういった保育とか
福祉
の現場の労働条件との関係でいいますと、私
ども
、短時間正社員という
制度
を持っておるのでございますが、こういった
制度
などを活用して、非正規処遇者の給与あるいは福利厚生面での処遇改善を図ってまいりたいというふうに考えております。
東徹
171
○東徹君
委員長
、僕、時間守る方です。今回も二十六分までですから、よく言われるんですけれ
ども
、二十六分までですから、そんな大幅に、二十五分で言わないでいただきたいと思います。 これで
質問
を終わらせていただきます。ありがとうございました。
福島みずほ
172
○
福島みずほ
君 社民党の
福島みずほ
です。 子供たちの
甲状腺がん
の問題についてお聞きをいたします。 現在、
福島
県県民健康
調査
において、
甲状腺がん
又は疑いの子供たちは百六十六人、手術後確定は百十六名となっています。国立がんセンターによる試算では、二〇〇一年—二〇一〇年のがん罹
患者
、
全国
推計値に基づいて計算した場合、
福島
県において十八歳までに臨床診断される
甲状腺がん
は二・一人となっております。国立がんセンターがん予防・検診研究センター長の津金昌一郎博士は、約六十倍の多発としています。
福島
県県民健康
調査
検討
委員会
における中間取りまとめでは、これを踏襲して、「わが国の地域がん登録で把握されている
甲状腺がん
の罹患統計などから推計される有病数に比べて数十倍のオーダーで多い」という中間取りまとめを現にしております。ですから、現在、
福島
県県民健康
調査
における、これやはり多発ではないでしょうか、見解をお聞きします。
北島智子
173
○
政府参考人
(北島智子君) 環境省が開催しました住民の健康管理に係る専門家
会議
の中間取りまとめにおきましては、今回の原発事故後の住民における甲状腺の被曝線量はチェルノブイリ事故後の線量よりも低いことや、チェルノブイリ事故で
甲状腺がん
の増加が
報告
されたのは事故から四、五年後のことであることな
ども
踏まえた上で、先行検査で発見された
甲状腺がん
について、原発事故由来のものであることを積極的に示唆する根拠は現時点では認められないとされているところです。 また、
福島
県が開催した検討
委員会
の取りまとめでも、これまでに発見された
甲状腺がん
については放射線の影響とは考えにくいと
評価
されております。 津金
先生
の
福島
県の
甲状腺がん
について多発していると
評価
している旨の御発言がございましたが、津金昌一郎
先生
からは、
福島
県の
甲状腺がん
について自分としては多く診断しているとは考えているが、多発している、多く発生しているとは述べていないにもかかわらず、多発していると述べているかのように言われることは遺憾であると考えている旨をお伺いしておりますので、申し添えさせていただきます。
福島みずほ
174
○
福島みずほ
君 私は、原発に起因しているかということは聞いておりませんが、先に答えていただきましたが、私がお聞きしたのは、数として多いのではないかということです。
福島
県県民健康
調査
検討
委員会
における中間取りまとめでも、数十倍の多発、推定される有病数に比べて数十倍のオーダーで多いという中間取りまとめを行っております。これは多いのではないんですか。多いかどうかという
質問
をしています。
北島智子
175
○
政府参考人
(北島智子君) 環境省といたしましては、多発と表現するのではなく、例えば県民健康
調査
における中間取りまとめでの記載のように、
甲状腺がん
の罹患統計などから推定される有病率に比べて数十倍のオーダーとなっていると正確に表現することが適切であると考えております。
福島みずほ
176
○
福島みずほ
君 数十倍のオーダーで多いんだったら多発しているんじゃないですか。
北島智子
177
○
政府参考人
(北島智子君) 例えば、辞書では多発という言葉につきましては多く発生することと記載しておりまして、今回の検査におきましては、比較するものが非常に少ないということもありまして、通常どのぐらいの方が症状のない
甲状腺がん
を持っているかどうかということに比べて多いかどうかを判断できる段階にはないと考えております。
福島みずほ
178
○
福島みずほ
君 いや、冗談はやめてくださいよ。だって、中間
報告
で推定される有病数に比べて数十倍のオーダーで多いと言っているんですよ。そして、ちゃんと多いと言っているわけだから多いんでしょう。 じゃ、多いということは認められますか。数十倍のオーダーで多い、いかがですか。
北島智子
179
○
政府参考人
(北島智子君) これまでの統計につきましては、症状があって
病院
にかかった方の数を集計しているものでございますので、直接比較することは困難であると思いますけれ
ども
、その
病院
にかかった方との数を比べれば、その数十倍のオーダーになっているということでございます。
福島みずほ
180
○
福島みずほ
君 数十倍のオーダーで多い、多いということですね。今までより多い。なぜならば、今まで国立がんセンターによる試算では、二〇一〇年時点の
福島
県の十八歳以下の
甲状腺がん
有病者数は二・〇です。有病者数とは、潜在的なものも含めて実際に病気を持っている数ですから、実際発症していなくても二・〇なんですよ。それが今この数字なわけですから、これはとても多いでしょう。多いということは、多く発見されている、これは認められますか。
北島智子
181
○
政府参考人
(北島智子君) 大変精度の高い超音波機器で症状のないお子さんを検査していることによってたくさん発見されているということは認めております。
福島みずほ
182
○
福島みずほ
君 違いますよ。手術を受けた子供たち九十六人の症例について、
福島
県立医大の鈴木眞一教授によるペーパーが八月三十一日公開をされました。リンパ節転移が七十二例に上ること、リンパ節転移、甲状腺外浸潤、それから遠隔転移などのいずれに該当する症例が九二%に上っています。だから、軽いとかというのじゃないんじゃないですか。実際、転移している例とか
重症
の例が、深刻な例が多いんですよ。
北島智子
183
○
政府参考人
(北島智子君) 子供の
甲状腺がん
に関しましては、リンパ節転移がある例が多いということは学会等でも認められておりますが、そのリンパ節転移や浸潤がある例が必ずしも予後の悪いことに結び付くとは認定されておりません。
福島みずほ
184
○
福島みずほ
君 ただ、もちろん術後の観察によって
変化
することは私も論文を読んで分かりました。しかし、何でもないのにというのではないんですよ。 じゃ、多く発見されている、これは認めますか。
北島智子
185
○
政府参考人
(北島智子君)
調査
によってたくさん見付かっているということは認めております。
福島みずほ
186
○
福島みずほ
君
調査
によって多く発見されていることは認める、環境省から答弁ありますが、これ、環境省の管轄と一般的に言われていますが、病気というのはやっぱり厚労省ですよね。 厚労省、これは
質問
通告しておりませんが、やっぱりこれ多く発見されている。いかがですか。
塩崎恭久
187
○
国務大臣
(
塩崎恭久
君) 今、県民
調査
の話をされておられたと思いますが、これはあくまでも環境省の事例は厚労省の
技術
支援
の
立場
でございまして、私
ども
通告もいただいておりませんので、この辺は私
ども
がコメントする問題ではないというふうにまず思います。
福島みずほ
188
○
福島みずほ
君 今日、環境省が多く発見されていると答弁してくださいました。これはやっぱりゆゆしい事態で、担当は直接、この
甲状腺がん
は環境省かもしれません。でも、
福島
の子供たち、実は
福島
県だけではありません、子供たちの
甲状腺がん
が発見されています。やはりこれは多く発見されている、大変な事態だと思います。これから更にチェルノブイリの例によれば増えるかもしれないということを
指摘
する専門家もいます。 〔
委員長
退席、理事
羽生田俊
君着席〕
大臣
、
質問
通告しておりませんが、是非子供たちの、とりわけ
福島
県の子供たちの
甲状腺がん
、関心を持って厚労省としてもやっていただきたい、いかがでしょうか。
塩崎恭久
189
○
国務大臣
(
塩崎恭久
君) 先ほど申し上げたように、この特定の
調査
、県民
調査
については環境省がおやりになっているので、私
ども
は
技術
的な
支援
を申し上げているということでございますが、もちろん、健康という
意味
においては国民全体に私
ども
は責任を負っていますので、これはどこと言わず、しっかり見ていかなければいけないということはそのとおりでございます。
福島みずほ
190
○
福島みずほ
君
厚生労働省
は是非関心を持って、子供たちの
甲状腺がん
始めとした健康について是非心を砕いていただきたいということを強く要望しておきます。 では次に、
福島
県県民
調査
以外において、
福島
県及び近隣県の
小児
甲状腺がん
の
状況
を把握しておりますか。
北島智子
191
○
政府参考人
(北島智子君) お答えいたします。
福島
県及び近隣県における
甲状腺がん
等の疾病に関しては、環境省で開催いたしました専門家
会議
の中間取りまとめを踏まえまして、
全国
がん登録のデータ等を活用した疾病罹患動向の把握を進めていくこととしております。
福島みずほ
192
○
福島みずほ
君 近隣県の
小児
がんについて、それはちゃんと
調査
をしているんでしょうか。改めて。
北島智子
193
○
政府参考人
(北島智子君) これまで、がん登録等のデータを用いて研究班ベースでそういった情報を収集しているところでございます。
福島みずほ
194
○
福島みずほ
君 どれぐらいありますか。
北島智子
195
○
政府参考人
(北島智子君) 今まさに研究を
実施
中でございまして、結果がまとまり次第公表していく予定としております。
福島みずほ
196
○
福島みずほ
君 いつですか。
甲状腺がん
の近隣県の子供たちのデータはいつ出てくるんですか。
北島智子
197
○
政府参考人
(北島智子君) 研究班でございますので、研究が取りまとまり次第発表していただくということになってございます。
福島みずほ
198
○
福島みずほ
君 実は、近隣県でも
甲状腺がん
が出ているということが言われています、
報告
を受けています。 だとすると、
福島
県の子供しか健康診断
調査
の、これは、国、やっていないわけですけれ
ども
、県境を越えて放射性物質プルームはばらまかれました。県によって閉じ込められているわけではありません。これはもう強く何度も言ってきましたが、
福島
県以外の子供たちにおいてもホットスポット地域を始め健康診断をやるべきだということを強く申し上げたいというふうに思います。 それで、実は、
福島
県立医大以外でも百三の
病院
で受診するということができるということは知っているんですが、実は、私の知っている例で、
全国
歩くと、実は、
福島
県立医大ではなく別の
病院
で、信頼できる
病院
で手術を受けたいという子供たちの例を聞きます。これはやはり安全に、あるいは確実にと親が思っているからだと思います。 この場合は、診療報酬の対象になるのであって全額免除ではないということでよろしいでしょうか。
北島智子
199
○
政府参考人
(北島智子君) 検査につきましては元々診療報酬の対象外が原則だと認識しておりますが、それに伴う
医療
につきましては診療報酬の対象となっていると認識しております。 なお、甲状腺の検査サポート事業につきましては、この県民健康
調査
の甲状腺検査を受けていただいた方に対して
実施
しているものでございます。
福島みずほ
200
○
福島みずほ
君 健康診断
調査
を受けていない人について、ほかのところで発見された人については、では
医療
費の控除というのはないわけですよね。
北島智子
201
○
政府参考人
(北島智子君)
福島
県内でございますと十八歳以下の
医療
費を県として無料にしていると伺っておりますが、それ以上のお子さん又は他県にいらしているお子さんにつきましては、この
医療
費の
支援
は受けられない仕組みになっております。
福島
県で行われている甲状腺検査サポート事業は、
福島
県が
実施
する甲状腺検査において必要な、しこり、結節性病変が見付かった方に対して、
医療
に係る経済的負担を
支援
しつつ、診療情報を御
提供
いただくことで甲状腺検査の充実を図る事業となっております。 こうしたことから、この甲状腺検査事業の対象になっている方にサポートしているというものでございます。
福島みずほ
202
○
福島みずほ
君 結局、情報
提供
ということとある
意味
バーターで
医療
費の援助をしているので、ですから、この県民健康
調査
以外の検査で
甲状腺がん
が見付かった人は対象になっていないという点は極めて問題だと思います。
甲状腺がん
になった子供たちは、その七五%がリンパ節転移をしており、また甲状腺外浸潤や遠隔転移の症例も多いです。一度手術をした後、再発している症例もあります。 しかし、こうした症例については、
福島
県立医大内の甲状腺検査専門
委員会
診断基準等検討部会で検討されるものの、同
委員会
は非公開です。ちなみに、同
委員会
は国の
福島
県民健康管理基金が充てられています。
患者
のプライバシーに配慮しつつも、きちんと公開し、対策を検討すべきだと考えますが、いかがですか。
北島智子
203
○
政府参考人
(北島智子君) 御
指摘
の検討部会は、甲状腺検査専門
委員会
診断基準等検討部会かと思いますけれ
ども
、この検討部会につきましては、個人情報を取り扱うため非公開で行われておりますが、その概要につきましては
福島
県立医科大学のウエブサイトにおきまして個人情報にも配慮した上で既に公開されていると伺っております。
福島みずほ
204
○
福島みずほ
君 この
福島
県外の子供たちについても検査及び
医療
費の減免措置を打ち出すべきではないですか。改めて。 〔理事
羽生田俊
君退席、
委員長
着席〕
北島智子
205
○
政府参考人
(北島智子君) 県民健康
調査
の甲状腺検査につきましては、県外に避難された方等県外のお子さんたちにも受診の機会があります。そういったことで、この
福島
県の県民健康
調査
の一環として受けていただいた方につきましては県外のお子さんでもサポート事業の対象にしているところでございます。
福島みずほ
206
○
福島みずほ
君 一巡目と二巡目とありますが、一巡目、二巡目合わせて百六十六人、二〇一四年から始まった二巡目検査で
甲状腺がん
又は疑いとされた子供たちは五十一人、この中には一巡目の検査で問題なしとされた子供が四十七名含まれています。 問題なのは受診率の低下です。一巡目検査の受診率は八一・七%であったのに対し、二巡目の検査の受診率は激減し六二・一%です。でも、二巡目の検査で初めて、一巡目では問題ないとされた子供に
甲状腺がん
が発見されている。これらの健康診断
調査
、甲状腺についてずっと続けていかれるということでよろしいですね。
北島智子
207
○
政府参考人
(北島智子君)
甲状腺がん
の検査を含めた県民健康
調査
につきましては、当初より三十年を予定しております。
福島みずほ
208
○
福島みずほ
君 きちっと二巡目についても、あるいはしっかり健康診断
調査
を受けるように、アピールや啓発もお願いします。 女性が自分は
甲状腺がん
が見付かって手術をして、だから皆さんどうか検査を受けてくださいというのを訴えているというのを聞きましたし、また、
福島
県では
甲状腺がん
家族
の会がつくられて、情報交換と支え合いというのも始まっています。 北島
部長
、改めて、多く発見されているということをお認めになって、対策を講ずるべきではないですか。
北島智子
209
○
政府参考人
(北島智子君) 冒頭に申し上げましたとおり、この専門家
会議
の中間取りまとめ、また
福島
県が開催した県民健康
調査
の検討
委員会
の取りまとめでも、この
甲状腺がん
につきましては放射線の影響とは考えにくい等と
評価
されているところでございます。 ただ、チェルノブイリ事故でも
甲状腺がん
が発見されたのが事故後四、五年後からと伺っておりますので、この
調査
の結果をこれからもしっかりと注視してまいりたいと考えております。
福島みずほ
210
○
福島みずほ
君 今日、環境省が多く発見されているということを認められましたので、やっぱりこの多発の現状を踏まえてしっかり対策を取るべきである、厚労省も是非関心を持って心を砕いていただきたいということを申し上げ、
質問
を終わります。
薬師寺みちよ
211
○
薬師寺みちよ
君 無所属クラブの
薬師寺みちよ
でございます。 日頃は余り
質問
が重ならないんですけど、今日は赤石
先生
、そして小池
先生
とも
質問
が少しずつ重複するような内容でやらせていただきたいと思っております。 赤石
先生
もおっしゃいましたけれ
ども
、この
日本
の健診というものは様々なところでばらばら行われておりまして、統計立ったものがない。先ほどの
局長
からも御答弁いただいた中で、
健康診査
等の専門
委員会
というものがその中で立ち上がった、これ私、大変重要だと思っております。この専門
委員会
の設置目的について、厚労
大臣
、お答えをいただけますでしょうか。是非、赤石
先生
の
質問
を踏まえた上で、本来の目的とは一体何だったんだということも併せて、もし御理解いただいているようでございましたら、よろしくお願い申し上げます。
塩崎恭久
212
○
国務大臣
(
塩崎恭久
君)
健康診査
は目的や対象ごとに様々な根拠法に基づいて
実施
をされています。それは、例えば乳幼児の健診は母子保健法、それから一般健康診断は労働安全衛生法、そして特定
健康診査
は
高齢者
の
医療
の確保に関する
法律
といったようなことで、それぞれの根拠法がばらばらにあるということでございます。 御
指摘
の
健康診査
等専門
委員会
、これは今後の
健康診査
の
在り方
、それから精度管理や結果の通知方法など各健診
制度
に共通する課題について検討することを目的に設置したものでございまして、
平成
二十七年十一月から議論を開始をしているところでございます。 国民の健康を今後更に増進するという観点から、
健康診査
につきまして横串の視点からこの専門
委員会
で議論を深めていただけるものと考えているところでございます。
薬師寺みちよ
213
○
薬師寺みちよ
君 ありがとうございます。 私、実は今日、別の
質問
をしようと思って様々な審議会の中身を見ておりました。結局、私が必要な資料というものが様々な審議会にまたがっておりまして別々の議論が行われている、これでは全く私は議論したいことということが焦点も合わなければ、これから先厚労省が何を目的としてどのような健診をということも多分御答弁いただけないと思いましたので、今日は基礎中の基礎から始めていきたいと思っております。
大臣
御答弁いただきましたように、母子保健法に基づく妊婦健診、乳幼児健診、今度学校保健法になって今できた児童の健診というもの、労働安全衛生法で事業者の健診、
高齢者
医療
確保法では特定健診、健康増進法では歯周病の検診、骨粗鬆症の検診、がん検診、目的、内容は各
制度
で全く違っていますよね。そこにぶら下がっている審議会も全く違っていますよね。 この専門
委員会
では、私期待しておりますことは、国が公的な資金を投入して広く国民に行うべきとして、健診の目的というものは一体何なのか、そして対象者、診査項目というものは何なのか、
評価者
はどうあるべきなのかというものをしっかりと共通項目として、先ほど
大臣
もおっしゃったように、横軸を通していただいた上で、公衆衛生学的視点から今後の健診の
在り方
で一定の整理をしっかりと行っていただく、これすごく大事なことだと思っております。 この整理を始まって、初めてその次の健診というものがどう構築すべきかという議論がなされなければ本来はいけないと私は思っておりますけど、
局長
、その辺りのところはどのような整理を行っていらっしゃいますでしょうか。お願いを申し上げます。
福島靖正
214
○
政府参考人
(
福島
靖正
君)
健康診査
でございますけれ
ども
、健康の健を用いる健診と、それから検査の検を用いる検診、この両方を含む概念として
健康診査
という言葉を私
ども
この検討会では使っておりますけれ
ども
、基本的に、一般的には健康の健を使う場合には、主に将来の疾病のリスクを確認して、あるいはそのリスクを減らすようないろんな指導をしていくようなもの、そして検査の検を使うものについては、今の病気を早期に発見して早期治療に結び付けるようなもの、こういうふうに整理をしておるわけでございます。そういう面では、検査の検は二次予防、健康の健は一次予防につながるものというふうに考えております。 これまでの
健康診査
等専門
委員会
、これ、十一月に設置したものでございますけれ
ども
、これは
健康診査
等が満たすべき要件、これを策定するとともに、
健康診査
の後の情報
提供
あるいは保健指導、受診勧奨、こういうものを含めたプログラムとしての
健康診査
の
評価
を行う必要性を確認するなど
健康診査
の
在り方
を整理をしてまいりました。今後は、
健康診査
の結果の通知の
在り方
あるいは
制度
化について検討を行っていくこととしております。 様々な
制度
の下で、それぞれの法の目的によって
健康診査
は行われているわけでございますけれ
ども
、これを全体としてのあるべき形、姿を検討するためにも、この専門
委員会
での共通する課題について、各健診の共通する課題等について検討を進めてまいりたいと考えております。
薬師寺みちよ
215
○
薬師寺みちよ
君 ありがとうございます。 だからこそ、ナショナルデータも取れなければ全くデータが個人的にも積み上がっていかないという、そういう弊害が起こっているんではないんですか、
局長
。しっかりこれから一次予防、二次予防、三次予防、予防というものが
医療
費の高騰というものを抑えていく。それのためにも健診がとても重要な位置付けとなってまいります。 その実態として、しっかりとしたデータの積み上がりというものをもう既に厚労省が把握していらっしゃるんだったらいいですが、本当にこれからのデータの
在り方
というものを考えたときに、もう一度この審議会でもそのようなことを審議いただきたいと思っておりますが、
局長
のお考え、そして厚労省の見解、いただけますでしょうか。
福島靖正
216
○
政府参考人
(
福島
靖正
君) 現行の健診、検診についてはそれぞれ根拠法があるわけでございまして、それぞれの根拠法に基づいた
実施
主体が行っておるということで、国として国民お一人お一人の健診等のデータを集めるという仕組みとはなっていないわけでございますけれ
ども
、例えば、がん検診について言いますと、がん対策推進基本計画においてその全体の
目標
をつくっておりますから、これについては国民
生活
基礎
調査
によって現状の把握に努めておりますし、また、それぞれその
実施
主体である市町村ごとに、がん検診の受診率あるいは精密検査の受診率等については地域保健・健康増進事業
報告
によって把握をしておるところでございます。 さらに、健保組合が
実施
しているものについてもこれまで
状況
を把握しておりませんでしたので、がん対策加速化プランに基づいて昨年十二月から今年の一月にかけて実態
調査
を行っております。 このように、いろいろなデータの集積、国としても
評価
をするためのことを行っておりまして、今後いろいろな形で全体としての把握に国としても努めてまいりたいと考えております。
薬師寺みちよ
217
○
薬師寺みちよ
君 ありがとうございます。 これ、国として一定の方向性を見て、やっぱり予防医学というものを考えていったときに、これではデータが全く途切れてしまう。例えば、学校健診で行ったデータは全く次には反映されませんし、企業を変われば全くその後にまたその企業健診の結果というものは反映をされていきません。このような継ぎはぎの議論というものを幾ら行っていても、私は、一貫として国の方針が打ち出せないのではないか。だからこそ、この専門
委員会
の位置付けというものが大変重要であり、この専門
委員会
の答申を受け、様々な諮問
委員会
の方に反映をさせていかなければ、私はこれからの
日本
の健康を語る上でいろいろなものが不足してしまい、そして見落としが行われてしまうのではないかという危惧をいたしております。
大臣
に御答弁いただきたいんですけれ
ども
、この審議会の様々な御意見を取りまとめ、その後どのようなアクションを起こしていかれるような御予定でいらっしゃいますでしょうか。お願いを申し上げます。
塩崎恭久
218
○
国務大臣
(
塩崎恭久
君) 先ほど申し上げたこの
健康診査
等専門
委員会
でございますけれ
ども
、ここで各健診
制度
に共通する課題などについて検討して
平成
二十九年半ばをめどに議論を取りまとめる予定ということで、来年の半ばぐらいに議論をまとめようと、こうなっておりまして、それぞれ林立している各健診
制度
に共通するものは何なんだと、まさに横串の検討をしていただいている、こういうことでございますが。 厚労省では、健康増進法に基づく
厚生労働大臣
告示として、
健康診査
の基本的な考え方や結果の通知、それから保健指導に関する事項等を内容といたします健康増進事業者に対する
健康診査
の
実施
等に関する指針というのを定めております。各種法令に基づいて
実施
をされて現在はおります健診は、本指針に調和した
実施
が求められているところでございまして、本専門
委員会
ではこの指針の見直しも含めて検討を行う予定にしておりまして、指針が見直された場合には、各
制度
に基づく健診についても、必要に応じて個別の指針の見直しなど適切に対応することとして、先ほど申し上げた横串の考え方というものをどうしていくのかということをそれぞれの健診に表していくということになろうかというふうに思います。
薬師寺みちよ
219
○
薬師寺みちよ
君 ありがとうございます。 二十九年の半ばということで、まだ二回しか開かれていなくて、もう少しここ
スピード
感を持って審議会も組み立てていただけないのかなということが私は残念でなりません。 じゃ、現場で何が起こっているのかということを少し
質問
させていただきたいと思います。 今日、
唐澤
局長
いらしていただいていますので、保険者で行う特定保健指導と企業の定期健診で行う事後措置の違いというものをまず教えていただけますでしょうか。
唐澤剛
220
○
政府参考人
(
唐澤剛
君) 先ほど
先生
から御
指摘
ございましたように、保険者の行う特定保健指導は、これは
高齢者
の
医療
の確保に関する
法律
に基づくものでございまして、その狙いは、メタボリックシンドロームに着目した
生活
習慣病の予防を目的としているわけでございます。このため、腹囲でございますとか血圧等の一定の基準によって対象者を抽出し、介入の必要が認められる方に対して
生活
習慣の改善に向けた指導を保険者の
義務
ということで
実施
をしております。 他方、企業における定期健康診断後の事後措置でございますけれ
ども
、これは労働安全衛生法でございますが、働く方、労働者の方が健康で働くことができることを目的として、健康診断で異常の所見があると診断された方につきまして、必要に応じて就業場所の変更等の措置を講ずる、あるいは健康の保持のための保健指導を
実施
をするというふうに
実施
をされているところでございます。
薬師寺みちよ
221
○
薬師寺みちよ
君 ありがとうございます。 結局、中身は同じことなんですよ。私も
産業
医として事後措置やりますよね。そうしましたら、もう保険者で受けましたので、これなんですよね。だから、同じことを何回も何回もその同じ方に同時期にやってしまう、こんなに無駄はありません。 であれば、しっかりとお互いの
制度
で整合性を取った上で効率よくこういうものというものは行っていかなければ、役割分担だから、
法律
が違うからということで、既にもう企業の
皆様
方に多大な負担を与えている、保険者にも与えているのであれば、そういった効率化というものも図っていかなければならないです。 特にまた、
厚生労働省健康
局と
保険局
では、保険者に対してがん検診の
実施
というものを
調査
を行っております。
皆様
方に今お配りをしております資料三がそれでございます。また一方で、がん対策推進企業アクションでは、企業に対して
調査
を行っている、これが資料二にお示しをしております。資料三にお示ししてありますように、現在、がん検診のあり方に関する検討会では、職域におけるガイドラインというものを策定する予定でございます。これ、職域といってもたくさん解釈の仕方がございます。一方で、保険者に対し様々なものを講じなさいというような
調査
を掛けながらアクションを行う、一方では、また保険者とは違う、企業に対してもがん対策を行いましょうということでアプローチを行っている。 じゃ、今回の職域におけるガイドラインというものはどちらに向けて発信をされるというふうにまずお考えでいらっしゃるのか、
福島
局長
に御意見いただきたいと思います。
福島靖正
222
○
政府参考人
(
福島
靖正
君) 今
委員
御紹介のがん対策推進企業アクションでございますけれ
ども
、職域におけるがん検診受診率の向上等を図るために
実施
しておるものでございまして、昨年十一月から今年の一月にかけまして、当該事業に推進パートナーとして参加している企業に対してがん検診の実態の
調査
をしております。 また、職域におけるがん検診、これは特に保険者が
実施
しておるがん検診の実態を把握するために昨年十二月に作成されましたがん対策加速化プランに基づきまして、昨年十二月から一月にかけまして健保組合が
実施
しておりますがん検診の
実施状況
を
調査
をしております。 これは企業の福利厚生として行っているもの、それから保険者が行っているもの、こういうそれぞれ検診はあるわけでございますけれ
ども
、私
ども
が今行っておりますがん検診のあり方に関する検討会におきましては、専門家の意見も踏まえながら、これはどういう形で行うのがよいのか、職域のがん検診が、その
実施
主体をどう考えるのかという問題もございますけれ
ども
、どういう対象者の人にどういう形で行うのがよいのか、こういうことを踏まえながら議論をいただいて、がん検診の職域の
人たち
を対象とするような検診のガイドラインというものを作成していきたいというふうに考えております。
薬師寺みちよ
223
○
薬師寺みちよ
君 では、まだ決まっていないということでよろしいですか。
福島靖正
224
○
政府参考人
(
福島
靖正
君) これについては、まずその実態を踏まえながら、どういう
実施
主体が行うべきかということについても現在時点では決まっておりません。
薬師寺みちよ
225
○
薬師寺みちよ
君 ありがとうございます。 だからこそ、しっかりと、様々な
制度
を乱立するのではなくて、誰がどこで何をするのかということをしっかり決めていただかなければ、次に歩む者もまた間違った方向性において施策を打ってしまう。 私も、子宮頸がんをどこで
皆様
方受けていらっしゃいますかという、いろんなものを、資料をめくっても、厚労省はデータを持っていないんですね。だからこそ、今回、国民基礎
調査
で行ってもらうんですけれ
ども
、様々ながん検診においてもそうです。誰がどこでどういう
制度
を利用して何人の方ががん検診を受けていらっしゃるかというデータを厚労省は持っていない。これで本当にいいんですかということなんですよ。 だからこそ、こういったものをようやくがん検診のあり方に関する検討会で把握なさるのであれば、市町村と職域の役割分担、そして職域の検診とはどうあるべきなのか。様々、先ほど小池
先生
からも御提案いただきましたけれ
ども
、職域は職域なりの疾患というものがございます。そういうところにはしっかり重点的に財源を配分して、本当は予防できるものを予防していくというのが
産業
保健の
在り方
ではないんですか。 これからしっかりと国として、本当にベースは国が守ります、予防しますということにして、その上に組み立てるべきものとして考えていかなければ、企業でも保険者でも市町村でも
提供
します、またばらばらなんですよ。
制度
も違えば項目も違うというところで全く整合性が取れないまま、またこれ予防医学が、この方向性がいろんなところで行われてしまう、本当に私は無駄が生じてしまうと思うんですけれ
ども
、
大臣
、御意見をいただけますでしょうか。 職域の検診につきましても、やっぱりこのような
状況
でございます。どちらが
提供
するかも決まっていない、一定の整理というものをまず行った上で、私はしっかりとした方向性を厚労省からも打ち出していただきたいと思っておりますが、御意見いただけますでしょうか。
塩崎恭久
226
○
国務大臣
(
塩崎恭久
君) 今、がん検診、特に職域のがん検診を取っかかりに
お話
をいろいろいただきましたが、健康増進法に基づいて市町村が
実施
するがん検診がある一方で、職域においては健康保険組合が
実施
する場合とか企業が福利厚生として
実施
している場合があるということで、ばらばらじゃないかと、こういう話でありました。 企業やそれから保険者の
提供
するがん検診については、これまでがん対策における位置付けは不明確であったと思います。
平成
二十五年の国民
生活
基礎
調査
によると、がん検診受診者の四割から七割の
方々
が職域で受診をしておる、がん対策の観点から大きな役割を担っていると認識をしているわけでありますが、職域のがん検診において、がん対策推進企業アクションにおける
調査
あるいは保険者に対する
実施
調査
の中で、企業による検診と保険者による検診を併せて
実施
している場合があるということも承知をしているわけで、こういった実態についてしっかり
調査
をした上で整理をしていかなければいけないということで、先ほど申し上げた
健康診査
等専門
委員会
で御議論をいただいておりますが。 いずれにしても、人間の体は一個でありますので、しかし、おまけに時系列的に追わないと余りいい分析ができないかも分からない、かたがた職場は変わる、そしてまた学校に行っている時期もある。こういうことをどうつなげながら分析をし、なおかつ健康づくりのために役立つ
医療
情報として医師や地域の保健師にデータがアベイラブルになるかということなどをよく考えた上で、確かにそれぞれの
法律
によって目的が違うので、それぞれには理由は今まであった。あったけれ
ども
、体
一つ
なのにいろんな情報が分散している、こういうことでは本当の
意味
での健康づくり、予防、そして
重症
化予防に有効な手だてを打つことができないかも分からないということでありますので、これからしっかり議論していただいて、コンピューターの時代でありますから、データヘルスを進める上においても、そして予防することで
医療
費を抑制するということも含めて、幅広く考えていかなければいけないというふうに思います。
薬師寺みちよ
227
○
薬師寺みちよ
君 終わります。ありがとうございました。
三原じゅん子
228
○
委員長
(
三原じゅん子
君) 本日の
調査
はこの程度にとどめます。 ─────────────
三原じゅん子
229
○
委員長
(
三原じゅん子
君)
障害者
の
日常生活
及び
社会生活
を総合的に
支援
するための
法律
及び
児童福祉法
の一部を改正する
法律案
を議題といたします。 政府から趣旨説明を聴取いたします。
塩崎厚生労働大臣
。
塩崎恭久
230
○
国務大臣
(
塩崎恭久
君) ただいま議題となりました
障害者
の
日常生活
及び
社会生活
を総合的に
支援
するための
法律
及び
児童福祉法
の一部を改正する
法律案
につきまして、その趣旨を御説明いたします。
障害者
の地域移行や一般就労への移行が進む中、
障害者
が望む地域
生活
の実現や職場への定着を図るとともに、
障害者
の
高齢化
や障害児
支援
のニーズの多様化への対応を進めるため、より一層のきめ細かな
支援
が求められています。こうした
状況
を踏まえ、障害
福祉
サービスの拡充等を図るため、この
法律案
を提出いたしました。 以下、この
法律案
の内容につきまして、その概要を御説明いたします。 第一に、重度訪問
介護
について入院時も一定の
支援
を可能とするとともに、
施設
やグループホームに入所、入居していた者等を対象として定期的な巡回訪問や随時の対応等を行う自立
生活
援助を創設します。また、就労に伴う
生活
面の課題に対応できるよう、就労定着
支援
を創設します。さらに、高齢
障害者
による
介護
保険サービスの円滑な利用を促進するため、一定の高齢
障害者
が障害
福祉
サービスに引き続いて
介護
保険サービスを利用する場合に、利用者負担を障害
福祉
制度
により軽減できる仕組みを設けます。 第二に、重度の障害等により外出が困難な障害児の居宅を訪問して発達
支援
を
提供
するサービスを創設するとともに、保育所等訪問
支援
について乳児院及び児童養護
施設
に入所している障害児に対象を拡大します。また、地方公共
団体
は、障害児
福祉
計画を定めることとするとともに、
医療
的ケアが必要な障害児が適切な
支援
を受けられるよう、保険、
医療
、
福祉
等の連携を促進することとしています。 第三に、補装具費について短
期間
での交換が必要となる障害児の場合等に補装具の借受けも可能とするとともに、サービス事業者の事業内容等の情報を公表する仕組みを設けます。 最後に、この
法律案
の施行期日は、一部の規定を除き、
平成
三十年四月一日としています。 以上がこの
法律案
の趣旨でございます。 御審議の上、速やかに可決していただくことをお願いいたします。
三原じゅん子
231
○
委員長
(
三原じゅん子
君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。 本案に対する
質疑
は後日に譲ることといたします。 ─────────────
三原じゅん子
232
○
委員長
(
三原じゅん子
君)
参考人
の
出席要求
に関する件についてお諮りいたします。
障害者
の
日常生活
及び
社会生活
を総合的に
支援
するための
法律
及び
児童福祉法
の一部を改正する
法律案
の審査のため、
参考人
の
出席
を求め、その意見を聴取することに御
異議
ございませんか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
三原じゅん子
233
○
委員長
(
三原じゅん子
君) 御
異議
ないと認めます。 なお、その日時及び人選等につきましては、これを
委員長
に御一任願いたいと存じますが、御
異議
ございませんか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
三原じゅん子
234
○
委員長
(
三原じゅん子
君) 御
異議
ないと認め、さよう決定いたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後三時九分散会