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佐々木さやか君 よろしくお願いいたします。
合意が当事者間でできたとしても、それが任意に支払われない場合には、じゃ、それをどうやって確保していくか、強制的に支払を確保していくかという問題になります。
皆さんもう既に御存じのとおりかと思いますが、この強制的な確保がなかなか今の日本の
制度の中で難しいということの原因の私はまず
一つは、やはり手続が非常に複雑で、時間とお金と手間が掛かるというところが
一つあります。当事者間で合意をしただけでは、支払がされなくても強制執行はできません。公証役場に行って公正証書という形で作っておかなければ債務名義にはならないと。それをしていなかった場合には、調停を申し立てて、そこで合意をして調停調書を作らなきゃいけないと。この調停も、申し立てると始まるまで大体一か月ぐらい掛かりますし、一か月に一回ぐらいのペースで進みますので、半年とか一年ぐらいもうすぐたってしまう場合もあります。
また、裁判を起こすということになると、これも、申し立ててから一か月ぐらいたたないと始まらないですし、裁判で一年ぐらい掛かるということもよくあることでありまして、そういう時間と手間を掛けるというのは、普通の御家庭でも大変だと思いますけれども、一人
親家庭の場合には更に大変なのではないかなというふうに思います。
それから二つ目の点としては、私も津田
委員と同じ考えのところが多くございまして、やはり情報というところ、そういう調停を申し立てる、また裁判を申し立てるという場合でも、相手方のまず所在が分からないと申し立てることができません。どこに住んでいるか分からない、どこに働いているか分からないということであれば、そういう手続自体、入ることができないということになっています。また、午前中の津田
委員の指摘にもあったように、資産がどこにあるかと、こういうことも大きなハードルになります。
直接質問はいたしませんけれども、ちょっと参考までに御紹介しますと、情報の収集、特に所在の
調査というところは非常にハードルが高いんです。
基本的にはできません、探偵でも使って自分で費用を掛けて調べることぐらいしかできないんですけれども。先日、私、一般
調査の
質疑の際に面会交流
支援のことを聞きました。そのときに、最後ちょっと時間がなくて余り御紹介できなかったんですけれども、面会交流
支援のうち、ハーグ条約に基づく外務省の
支援というのはすごく進んでいて、
子供に会いたいという親の申請を受けて、日本にいる例えばお母さんと
子供に、じゃ、外国にいる親に会わせようということでその
支援がスタートするわけなんですけれども、すごくパッケージ化されていて、まずその親子の所在を
調査するところから
政府がやってくれるんですね。
それを聞いて私、結構びっくりしたんですけれども、その申請があった件数のうち、全て所在がちゃんと把握できているということでした。どうやって調べるんですかと言ったら、
学校に問い合わせたり、
職場を探してとか、あらゆる手段を使って
政府が探してくれると。その分かった住所については相手にはプライバシーもありますので直接は教えないそうなんですけれども、そういうことも外務省がやっているんだなということで驚きました。
それを例えば
養育費の支払請求のためにやるということにはなかなかならないかもしれませんけれども、それぐらい要するにいろんなハードルがあるわけでありますので、
養育費の支払確保の
支援というのもやっぱり
是非本気を出して、いろんなハードルがあるかもしれませんけれども、もうパッケージで、ここに相談すれば最後の支払の履行の確保まで必ず行くというような、それぐらい本気を出した
支援が私は本来は検討していただきたいなと思うので、ちょっと要望として、意見として述べたいと思います。
養育費の強制的な確保の手続の改善、これを
是非検討していくべきじゃないですかということを私質問しようと思ったんですが、津田
先生がもう質問されましたので、ちょっとこれは飛ばさせていただきたいと思います。
それからもう一点、この強制的な確保の手続をするに当たって一人
親家庭にとって私はハードルだなと思うのが費用ですね。せっかく差押えを申し立てても差押えができないかもしれない、そのために例えば五千円、六千円、裁判所に納めて手続をしようかと思うかというと、ちゅうちょする方が多いと思います。
参考人質疑のときに、住民票を取るための六百円のお金すら給料日まで待ってくださいという一人親の方がいらっしゃるという
お話を聞きまして印象に残っているんですけれども、そういうふうに本当に困っている方はそういう差押えの
制度を申し立てることすらできないわけなので、やっぱりそこをしっかり考えていかなければならないなと思っております。
質問といたしましては、この
養育費の確保のための裁判費用の援助の
制度が実はございまして、貸付けの
制度があると聞いておりますので、その内容と利用実績について教えてください。