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政府参考人(
藤井康弘君) 御
指摘の戦略
研究の中の地域介入に関する
研究でございますけれども、これは
一つは、
自殺死亡率が長年にわたって高率な地域におきまして、様々な
自殺予防
対策を組み合わせた複合的な
自殺予防
対策プログラムをこれは介入地区で
実施をし、そして、複合的
自殺予防
対策プログラムを
実施しない通常の
自殺予防
対策を行う対照地区、介入地区と対照地区を比較をいたしまして、
一つの地域の中の介入地区と対照地区を比較をいたしましてその
自殺企図の発生に効果があるかどうかということを
検討したものでございます。
御
指摘の大都市圏におきましても、これ人口が密集している都市部地域におきましても、やはり同じように各地域、それぞれの地域、市川市であれば市川市、北九州地域であれば北九州地域の中で複合的
自殺予防
対策プログラムを
実施する介入地区とそうでない対照地区を比較をするというような、そういう
研究を行ったものでございます。
お尋ねの大都市圏でもこれはやはり同じように用いられましたこの複合的
自殺予防
対策プログラムでございますけれども、これは
自殺対策の専門家も参画しておりますくだんの
研究評価
委員会の意見も踏まえながら、一次予防、二次予防、三次予防を組み合わせたものでございまして、地域が実際に行った
自殺対策につきましては、このプログラム、これは言わば介入の手順書みたいなものですけれども、こういうものを地域に示しまして、各地域における
関係者の協議会において地域の
実態を踏まえてそれぞれにおいて具体的に
検討されたものでございます。また、地域を選定する際には、
労働人口比率ですとかあるいは完全失業率等の地域の特性が類似をするように配慮をいたしますとともに、
自殺企図の発生頻度等の比較に当たっては、性別、年齢等を
調整した発生頻度を用いて減少効果を評価したというふうにされております。
市川市、北九州地域のそれぞれ地域の実情に応じての多くの
対策を
実施をしていただいております。例えば、市川市におきましては、一次予防では、こころの健康ハンドブックを作成して市内全戸に配付するとか、あるいは
精神保健福祉士、民生
委員等を対象とした研修を
実施して地域のキーパーソンを育成するとか、それから、二次予防におきましては、市川市の保健師が家庭訪問いたしましてうつ病スクリーニングを行い、必要な者に対して医師によるメンタル相談を
実施するとか、あるいは三次予防におきましては市川市保健
センターに自死遺族相談窓口を開設する等々でございます。
これは具体的には、北九州地域におきましては、一次予防としてはパンフレットを作成して市内全戸に配付をするとともに、市職員、農協、商工会等の団体あるいは看護師等を対象とした研修を
実施して地域のキーパーソンを
養成するとか、あるいは二次予防としてはこれは保健所において児童思春期の心の健康相談を
実施するとか、あるいは三次予防として専門医による自死遺族相談窓口を開設すると、こういった諸々の
対策を取っていただいております。
ただ、これ先生御
指摘のように、このような都市部地域につきましては、これ結果として、介入地区と対照地区を比較をいたしましたのですが、この
自殺企図の発生率には有意な差は見られなかったというような結果でございます。
ただ一方で、
研究全体を見ますと、
自殺死亡率が長年にわたって高率な地域では、介入地区の方が対照地区と比較して男性の
自殺企図の発生頻度が約二三%減少したとか、また介入地区の方が対照地区と比較して男性と高齢者の救急
搬送の発生頻度が約六〇%減少したというような、そういう結果も出ておるところでございます。