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西村まさみ君 そうなんです、
大臣。やっぱり逆なんですね、
生活形態というか。
そして、多分、
施設で働いている全ての方が我が子のようにかわいがって育ててくださっているとは思います。しかし、実の親とか
里親とか、いわゆる
養親と違うところは、時間が来たら交代する、そして
配置転換があったら何年かでどこか違う場所に行くと、
子供の目線から見たときに
自分をかわいがってくれる人がいつも替わるということ、これはやはり
家庭ではあり得ない、あり得にくいことなんだと思うんです。
だから、何しろここのところに
視点を付けてこれから考えていかなければならない時期に来ていることは御理解いただけていると思うんですが、ただ、
養護施設、実は
社会的養護が必要な
子供たちと一言で言ってもゼロ歳から十八歳までいるわけですから、どの年代に、いろんな問題を抱えていたとしても、私はまずやはり一番
最初、誕生しておぎゃあおぎゃあと生まれたあそこから考えるべきだと思っています。一遍に全員をいきなり
施設から
家庭的な
雰囲気というわけにいきません。まず先に
乳幼児からやるべきだと思うんですが、それまでに、今十八歳、要は
施設を出なければならない
年齢のときに困っていることもあります。
御
承知だと思いますが、十八歳まで
施設の中で過ごしている子がほとんどです。その
子たちが
社会へ巣立っていったときに、要は、
社会で
生活していく日常的なことが身に付いていなくて、例えば人との
コミュニケーション、
施設の中でいつも育っていますが、今度は
他人、
他人というか、例えば会社の仲間であったり近所にお住まいの方であったり、その方
たちとの
コミュニケーションがうまく取れずに孤立化してしまうとか、例えば
公共料金の
支払い方とか、お金を一度に手にすることがありませんから、せっかく得たお給料もそのときわっと使ってしまって、実は後半数週間は大変苦しい思いをして
施設にまた戻ってくると。まだ
施設に戻ってくれば
職員の
皆さんがもう一度
日常生活の様々なことを教えてあげてまた出ていくことができますが、そこから先どこへ行ってしまったか分からない
子供たちに対するフォローがやはり足りていないんだと思います。
ただ、こうやって
一つ一つを言っていくと本当に切りがありませんので、今日は、
最初言いましたように、
乳幼児についての
視点で
質問をしたいと思います。
この世に生まれて、その子の置かれた
環境がその瞬間から決められる。先ほど
大臣の御答弁の中にありました、
虐待の一番多い
年齢、ゼロ歳、生まれたその瞬間というのが一番多い。
虐待死ですね。大変残念だと思っています。
昔から
日本では三つ子の魂百までとか、最近では
反応性の
愛着障害と言葉で表されるように、
乳幼児の頃から
施設での
集団養育が長くて、特定の
養育者との
信頼関係がうまく築けない。先ほど私が言いましたように、いつも同じ人が
自分の周り、わっと泣いたらぱっと見に来てくれる顔がいつも同じではなくて必ず違う、そういった
環境の中で育った
子供は、その後、
養子や里子として迎えられてもうまく
家庭の中になじめず、
愛着形成がうまくいかないと言われています。そういったこともだんだん分かってきまして、国連のガイドラインでは、幼い
児童、特に三歳未満の
児童の
代替養護は
家庭を
基本とした
環境で提供されるべきであると言っており、
兄弟姉妹の分離、若しくは緊急の場合、また
家庭的な
養育までの短期間のみを除外しています。
日本での各自治体の
取組も調べてみました。そうすると、
乳幼児の、
家庭で育ち健全に発達する
権利がなかなか主張できていないというか、うまくいっていないということが明らかになりました。
乳幼児は
施設ではなくて
里親委託、とりわけ
特別養子縁組制度、
特別養子縁組になることを前提とした
里親委託というものを
基本原則にするべきだと思うんですが、いま一度、ここで、
里親委託そして
養子縁組制度の違いを簡潔に、そして、あわせて、
厚生労働省の見解を教えていただきたいと思います。