○
小川勝也君 これ、
週刊誌ですからこう書いてあるんですね、月一度一時間程度の
取締役会、年十二回で一千数百万円の
報酬を受け取ると時給百万円だと、こう書いてあるんです。これはどういうふうに
会社の
取締役として
活躍をしておられるか、私はつぶさに分かりません。しかし、
特命全権大使を務めた方が細々とした
仕事をするというのは余り想像できませんし、
検事総長を務めた方や元最高裁判事の方が一
企業のために働く姿も想像できないわけであります。いい
社外取締役も当然あると思いますので、
政府全体で、この問題は今後とも関心事項だということでとどめ置いていただければ幸いでございます。
時給百万円の人は多分羨ましがられると思いますけれども、この国会、今衆議院でTPPの議論をしていますが、もう一点大変大きな問題の議論が進みました。それは、大学生を中心とした高等教育における奨学金の問題であります。
これは想像していただければよく分かるわけであります。結局、アベノミクスは格差社会というふうに言いますけれども、家庭間の格差もさることながら、東京と地方の格差もあります。
私は、この国会の
冒頭の本
会議の
質問に立たせていただいたときに、苦労して学ぶ大学生に奨学金の充実の問題のほかに、地方から東京に進学するときの格差の問題は大きいんだよ、こういうお話もさせていただきました。高知県も広島県も福島県もそれぞれ
地元の御事情をよく分かっておられると思います。東京が一番収入が多い、時給、給料が高い、地方はどんどん少ないわけであります。
北海道とか高知県は時給も少ない。そういったところから東京に進学させる御苦労というのは並大抵ではありません。
そして、奨学金借りたら返せ。安倍総理はこう言いました、いや、
安倍政権になって延滞金の利息を一〇%から五%に下げたと。大学で学んで立派な社会人になろうと思っても、第一希望の
会社に入れなかったり、あるいはいい働き方ができなくて、親にも申し訳ないと思いつつも、まさに奨学金の返済が重荷になっている若い人たちに寄り添えなかったのが私たち含めての反省であります。
そして、ついに野党からの
質問が相次いで文科省も動き出しました。これは、私は馳
大臣の
答弁を聞いていて、
政府の方針とはいえ、あれだけ熱き血潮が流れている同志であります。もっといい
答弁したかったろうにと同情いたしました。今やっと安倍総理が重い腰を上げて、これは夏の
参議院選挙の争点隠しにもなるかもしれませんけれども、純粋に学びの充実のために腰を上げていただいたんだと思っています。
前置きが長くなりましたけれども、これと同じ問題がいわゆる司法修習生の給費制の廃止につながってくるわけであります。大学の先生はこんなことを言いました。授業中寝ている生徒がいる、しかしアルバイトで疲れているんだろうなと思ったらむげに注意もできない。これがいわゆる法曹を目指す大学生だとどうでしょうか。今給費制が廃止されて、司法修習生はお金を借りて司法修習に通っています。ということは、学部で奨学金を借りた人は返済義務、法科大学院で奨学金を借りた人はまた返済義務、そして司法修習でまた返済義務を負うお金を借りるわけであります。
それで、司法修習生の中にはどういうふうにして
生活費を切り詰めているのか。これはあってはならないと思いますよ。
生活費を節約する、当然あります、交通費の掛かる勉強会への参加を控える、これはいい。書籍代を節約する、これは本末転倒じゃないですか。書籍代を節約して司法試験に受かった人がどうやっていい法曹になっていくんでしょうか。私はこの現状を考えたときに、また、安倍総理は原稿を読むときに、家庭の経済力によって未来が奪われてはいけないというふうに
答弁では言ってくれています。しかし、残念ながら、もう既に家庭の経済力によって進路が限定される国は出現してしまっています。
私の田舎は旭川市の北四十キロ、昔は町からお医者さんになる人もいました。しかし、今はここ何十年も出ておられないと思います。まずは大学に入るまでの学力が、塾だとかあるいは通信添削を含めて、これは経済的に大きく差が付いてしまっている。
それから、本
会議でも申し上げましたけれども、何が大きく変わってしまったかというと、国立大学の授業料です。かつて三万六千円だった、今五十万円を超えています。医者にもなれない、法曹にもなれない、こういった問題が生じてきております。
まずは、今連絡協議会で
岩城法務大臣も責任ある立場で御議論をいただいております。もちろん、心の通う本当にハートの温かい政治家として信頼申し上げておりました
岩城さんでありますので、ここは何とか未来の子供たちの、あるいは若者の夢を壊さないしっかりとした対処をする、この
決算委員会で
お答えをいただければと思います。