○杉
久武君 続いて、先週の私の
質疑におきましては、本法案の
長期目標等の位置付けや
目標実現のためにどのように取り組んでいくのか、このような観点から質問をいたしました。
本法案の位置付けは、
国民運動の強化を始めJCM事業の展開といった
国際協力など、
地球温暖化対策の基盤的強化策ということになるだろうと、このように認識をしております。しかしながら、今の質問のように、例えば
地球温暖化対策税はエネルギー使用の抑制という観点はあるとはいえ、現実問題として
国民の
皆様に税を負担をしていただいている以上は、これら税収を無駄なく有効に活用するためにも、省エネルギー対策や再エネの普及を始め化石燃料のクリーン化、効率化など、エネルギー起源の
CO2の
排出抑制のための諸施策を具体的かつ着実に
実施していかなければならない、このように考えております。
そのような観点からも、
地球温暖化対策に資する
技術というものを社会に普及していくことが実態に伴った
地球温暖化ガスの
削減につながるものと考えておりますので、本日は
地球温暖化対策のための具体的な
技術開発や
効果的な
削減策などにつきまして残りの時間で質問をしたいと思います。
まず、洋上風力
発電につきまして伺いたいと思います。
風力
発電を行う上で何より重要なことは、安定した風力が存在することであります。これは
当たり前のことでありますけれども、中でも洋上での風力
発電は陸上の風力
発電に比べまして風速が強く安定しているということが特徴であり、極めて効率的な
発電が行われることが見込まれております。特に、我が国は、国土面積では
世界六十一位の広さではございますけれども、領海を含めた排他的経済水域の面積となりますと四百四十七万平方キロと国土面積の約十二倍にもなりまして、
世界第六位の海洋大国でございます。このメリットを十分に生かした形で洋上風力
発電を
整備し、安定的に運用できるようになりますと、我が国エネルギー問題の抜本的解決に大変大きな
影響があると、このように考えております。
その洋上風力
発電の中でも、海底に建設をするいわゆる着床式につきましては既に実用化が進んでおりますが、特に我が国周辺海域におきましては遠浅の海岸が少ないこともありますので、着床式よりもむしろ浮体式の方が理にかなっているのではないか。この浮体式洋上風力
発電を
世界に先駆けて商用レベルで実証実験を行ってまいりましたのが、長崎県の五島列島の椛島沖合の海域で行ったプロジェクトというふうに聞いております。これは
環境省の主導で、平成二十二
年度から平成二十七
年度にかけて
実施されたものでありまして、
世界で初めて台風の直撃にも耐えた浮体式風力
発電のプロジェクトとなったと聞いております。
これら実証実験が見事成功を収めまして、現在、
地元の五島市では、本年三月二十六日より崎山沖二メガワット浮体式洋上風力
発電所として営業運転を開始をしたと、このように伺っております。愛称は「はえんかぜ」と言うそうでありますけれども、風車の直径は約八十メートルで、その
発電量は約千七百世帯分の電力に相当するという
日本初の浮体式洋上風力
発電でございます。
このように、浮体式の洋上風力
発電につきましては、再エネ導入の大幅拡大の観点からも底知れぬポテンシャルを持っているのではないかと思います。
技術的にも成熟しつつあります。しかしながら、最大の課題としては、コスト面の問題や、大変巨大な建造物をうまく海の上に建てなければならないということを考えますと、設置手法についても更なる
検討が必要なのではないかという
指摘もございます。
そこで、
環境省に質問いたします。
浮体式洋上風力
発電の導入促進のためにも、こういった今
指摘いたしましたコスト面や設置
技術の向上などへの国の
支援が不可欠であると考えますが、今後浮体式洋上風力の導入拡大のために
環境省としてどのような施策を講じていくお考えなのか、伺いたいと思います。