○杉
久武君 公明党の杉
久武でございます。
本日は
PCB特措法の一部
改正案につきまして順次
質問をしてまいりたいと思いますが、
質問に先立ちまして、一点触れておきたいことがございます。それは、先ほど来
お話がありますように、一九六八年の十月に発生した
カネミ油症事件のことでございます。
これは、
PCB類やダイオキシン類を経口摂取したことによって生じた世界でもまれな我が国最大規模の食中毒事件ですが、この空前の食品公害事件が発生したにもかかわらず、国による
救済は遅々として進まなかった、こういう事実がございました。その結果、被害者の
皆様は、健康被害に加え、いわれのない差別を受けながら絶望のふちで長い年月を過ごしておられましたが、このような中、被害者の公的
救済の突破口を開いたのが、私と同じ大阪選挙区選出の大先輩であります我が党の山下栄一元参議院議員でございました。
二〇〇一年の十二月の山下議員の
質問と、この
質問の答弁に立たれました当時の坂口力厚生労働
大臣の、厚労省作成の答弁書をはねのけて発言された答弁が契機となり、長年にわたり苦しんでこられた被害者の
皆様に対する被害認定の門戸が大きく広がり、風化しつつあった油症事件に再び光が当たったわけであります。
しかしながら、その後の被害者に対する公的
救済に向けた法制化の道のりというものは大変険しいものがございました。それは、
責任は全て原因企業にあるとの国のかたくなな姿勢によって一切の公的
支援が阻まれたことが原因でありましたが、それでもなお
政治決着に向け、後に坂口元
大臣が会長を務めた超党派議連の下で
救済法案の策定が進められ、ようやくカネミ油症
救済法として参議院本会議で全会一致による可決成立に至ったのが、事件発生からまさに四十四年
経過した二〇一二年でございました。
これらの経緯につきましては、私も議員の一人としてしっかり記憶にとどめていかなければならない、このように
決意をしておりますが、事件発生から既に半世紀近く
経過した今でもなお全身の倦怠感や関節痛、しびれなど様々な症状に苦しんでおられる被害者の
皆様がおられます。また、先月も公明党のカネミ油症問題
対策プロジェクト
チームが開催をされまして、被害者団体と意見交換を行いました。事件発生以降に生まれた方で油症被害に苦しんでおられる、いわゆる患者二世の方の
救済を始め様々な御要望をいただきました。改めて、この
カネミ油症事件は終わっていないということを痛感しております。
公明党は、事件被害者の人道的
救済に一貫して取り組んでまいりましたが、私も先輩議員の心を引き継ぎまして
被害者救済に
全力で取り組んでまいりたい、このように
決意をいたしまして、
質問に入らせていただきたいと思います。
さて、今回
議題となっております
PCB特措法でありますが、
カネミ油症事件を背景として成立した
法律ではありますが、他方、
PCB廃棄物の
処理につきましては、今日までの間、多くの
関係者の御
努力、とりわけ
JESCOの五
事業所の開業に当たっては、先ほど来
お話がありますように、地元自治体との合意に向けた関係各位の大変な御尽力によりまして今日の
PCB廃棄物の
処理体制が構築されておりますことに深く敬意を表したいと思います。
その上で、
処理期限という待ったなしの
状況の中、いかに次の世代に負の遺産を残すことなく我が国の
環境を未来に引き継げるかどうかの正念場でありますので、
環境省を始め関係各位には一層御尽力いただきたく、まずは冒頭強く要望をさせていただきたいと思います。
そこで、初めに、先ほど来、午前中も他の
委員の方から御
質問がありましたが、掘り起こし
調査について
質問いたします。
各自治体では、
平成二十六年度の改訂
基本計画に基づき、高
濃度の
PCB使用製品や
廃棄物の使用実態あるいは保管
状況を把握するための掘り起こし
調査を行っておられます。
そこで、
環境省に確認をいたします。本年二月に公表された
PCB廃棄物適正処理推進に関する検討
委員会が作成した
報告書では、
調査対象とされる百十三都道府県市における
平成二十六年末の時点での掘り起こし
調査の実態
状況が掲載をされておりますが、直近の実施
状況はどうなっているのか、伺います。