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2016-03-22 第190回国会 参議院 沖縄及び北方問題に関する特別委員会 第4号
公式Web版
会議録情報
0
平成
二十八年三月二十二日(火曜日) 午前十時開会 ─────────────
委員
の
異動
三月十五日
辞任
補欠選任
上月
良祐君
長谷川
岳君
相原久美子
君
石橋
通宏
君
大島九州男
君 藤末
健三
君 三月十八日
辞任
補欠選任
鴻池
祥肇
君
石井
正弘
君
野村
哲郎
君
羽生田
俊君
山本
一太
君
渡邉
美樹
君
石橋
通宏
君
江田
五月君 ─────────────
出席者
は左のとおり。
委員長
江崎
孝君 理 事
石田
昌宏
君 末松 信介君
藤本
祐司君 秋野
公造
君 委 員
石井
正弘
君 江島 潔君
二之湯
智君
羽生田
俊君
長谷川
岳君 橋本 聖子君 三宅
伸吾
君
渡邉
美樹
君
江田
五月君
大塚
耕平
君 藤末
健三
君 横山 信一君 紙 智子君 儀間 光男君 寺田
典城
君
国務大臣
国務大臣
(
内閣
府
特命担
当
大臣
(
沖縄及
び北方対策
))
島尻安伊子
君 副
大臣
外務
副
大臣
武藤
容治
君
事務局側
第一
特別調査室
長 松井 一彦君
政府参考人
内閣府政策統括
官
森本
浩一
君
内閣府政策統括
官 関 博之君
内閣
府
沖縄振興
局長
藤本
一郎君
外務大臣官房審
議官
相木 俊宏君
文化庁文化財部
長 村田 善則君
厚生労働大臣官
房審議官
堀江 裕君
水産庁資源管理
部長
浅川 京子君
国土交通大臣官
房審議官
田村 秀夫君
国土交通省道路
局次長
青木
由行
君
国土交通省航空
局航空ネット
ワ
ーク部長
和田
浩一
君
防衛省防衛政策
局次長
鈴木 敦夫君
防衛省整備計画
局長
真部 朗君 ───────────── 本日の
会議
に付した案件 ○
政府参考人
の
出席要求
に関する件 ○
平成
二十八年度
一般会計予算
(
内閣提出
、衆議
院送付
)、
平成
二十八年度
特別会計予算
(
内閣
提出
、
衆議院送付
)、
平成
二十八年度
政府関係
機関予算
(
内閣提出
、
衆議院送付
)について (
内閣府所管
(
内閣本
府(
沖縄関係経費
)、北 方
対策本部
、
沖縄総合事務局
)及び
沖縄振興開
発金融公庫
) ─────────────
江崎孝
1
○
委員長
(
江崎孝
君) ただいまから
沖縄及
び北方問題に関する
特別委員会
を開会いたします。
委員
の
異動
について御報告いたします。 昨日までに、
上月良祐
君、
相原久美子
君、
大島九州男
君、
鴻池祥肇
君、
野村哲郎
君及び
山本一太
君が
委員
を
辞任
され、その
補欠
として
長谷川岳
君、藤末
健三
君、
石井正弘
君、
羽生田俊
君、
渡邉美樹
君及び
江田五月
君が選任されました。 ─────────────
江崎孝
2
○
委員長
(
江崎孝
君)
政府参考人
の
出席要求
に関する件についてお諮りいたします。
委嘱審査
のため、本日の
委員会
に、
理事会協議
のとおり、
政府参考人
として
内閣府政策統括官森本浩一
君外十一名の
出席
を求め、その
説明
を聴取することに御
異議
ございませんか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
江崎孝
3
○
委員長
(
江崎孝
君) 御
異議
ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
江崎孝
4
○
委員長
(
江崎孝
君) 去る十六日、
予算委員会
から、三月二十二日の一日間、
平成
二十八年度
一般会計予算
、同
特別会計予算
、同
政府関係機関予算
中、
内閣府所管
のうち
内閣本
府(
沖縄関係経費
)、
北方対策本部
、
沖縄総合事務局
及び
沖縄振興開発金融公庫
について
審査
の
委嘱
がありました。 この際、本件を議題といたします。 まず、
審査
を
委嘱
されました
予算
について
島尻沖縄
及び
北方対策担当大臣
から
説明
を求めます。
島尻沖縄
及び
北方対策担当大臣
。
島尻安伊子
5
○
国務大臣
(
島尻安伊子
君)
平成
二十八年度
内閣
府
沖縄関係予算
及び
北方対策本部予算
について、その概要を
説明
いたします。 初めに、
沖縄関係予算
について
説明
いたします。
内閣
府における
沖縄関係
の
平成
二十八年度
予算総額
は三千三百四十九億六千九百万円となっております。 このうち、
沖縄振興
に資する
事業
を県が自主的な選択に基づいて実施できる制度である
沖縄振興一括交付金
については、
経常的経費
に係る
沖縄振興特別推進交付金
として八百六億三千五百万円、
投資的経費
に係る
沖縄振興公共投資交付金
として八百六億五千五百万円、合計で千六百十二億九千百万円を計上いたしました。
公共事業関係費等
については、
小禄道路
や
那覇
港、
石垣
港など、
産業
、
観光
の発展を支える
道路
や
港湾
、
空港
の
整備
、
学校施設
の
耐震化
や災害に強い
県土づくり
などを実施するため、
国直轄事業
を
中心
とした
経費
を計上いたしました。 特に、
那覇空港滑走路増設事業
については、
平成
三十一年度末の
供用開始
に向け、工期四年度目として必要と見込む三百三十億円を計上いたしました。
沖縄科学技術大学院大学
については、新たな
研究棟
の
建設
や
新規教員
の採用、知的・
産業クラスター形成
の
推進
に資する
研究等
に必要な
経費
として百六十七億二千六百万円を計上いたしました。 また、昨年度末に返還された
西普天間住宅地区
の
跡地
における
国際医療拠点構想
の
具体化
に向けた
取組
や
拠点返還地跡地利用推進
のための
交付金
の創設など、
駐留軍用地
の
跡地利用推進
のための
経費
を計上いたしました。
沖縄
の子供の貧困については、全国に比べて特に深刻な
状況
に緊急に対応するため、
沖縄
の実情を踏まえた
支援員
の配置や
居場所づくり
をモデル的、集中的に実施するための
経費
を計上いたしました。 さらに、
北部振興事業
のための
経費
、
沖縄
の
鉄軌道等
に関する
調査研究
を行うための
経費
、
北部地域大型観光拠点等
に関する
調査
を行うための
経費
、
沖縄
になお多く残る
不発弾
の
処理
を進めるための
経費
を計上いたしました。 続きまして、
北方対策本部予算
について
説明
いたします。
内閣
府
北方対策本部
の
平成
二十八年度
予算
は、
若年層
を重点的に対象とした
次世代啓発
を行う必要があり、前年とほぼ同額の
総額
十六億七百万円となっております。 このうち、
北方対策本部
に係る
経費
は二億一千七百万円であり、
地域
における
北方領土問題啓発事業
の
在り方等
についての
調査研究
に係る
経費等
を計上いたしました。 また、
独立行政法人北方領土問題対策協会
に係る
経費
は十三億九千万円であり、
若年層
をターゲットにした
参加型イベント
の実施に係る
経費
や、
北方領土教育
の更なる充実を図るための
教育者会議
が実施する
事業
に対しての
支援
に係る
経費等
を計上いたしました。 以上で、
平成
二十八年度の
内閣
府
沖縄関係予算
及び
北方対策本部予算
の
説明
を終わります。 よろしくお願い申し上げます。
江崎孝
6
○
委員長
(
江崎孝
君) 以上で
説明
の聴取は終了いたしました。 これより
質疑
に入ります。
質疑
のある方は順次御発言願います。
石田昌宏
7
○
石田昌宏
君 自由民主党の
石田昌宏
です。 二月の十五、十六日の日にこの
委員会
の
委員派遣
で
沖縄
県に伺いまして、
振興開発問題等
について
調査
をいたしました。 一日目の夕方に
沖縄
の
本島
の方から
石垣島
の方に移動しまして、
石垣
市と
竹富
町、そして
与那国
町の一市二町から成る八重山市町会の首長の
皆様方
、そして議長の
皆様方
らと
お話
をしまして、
要望
を聴取しています。前回、私の方からこの
委員会
で
委員派遣
の報告をさせていただきましたけれども、その詳細については触れていません。また、
皆様方
からの
要望
を受け取っておりますので、今日ここでそれにつきまして、私がというか、
委員派遣
のメンバーも含めて、詳細について御
質問
させていただきたいというふうに思います。 いただいた
要望
なんですけれども、九点ありました。
石垣島
の方からは、一つは、
国立自然史博物館
、今
学術会議
の方で
沖縄
に造るということが
検討
されているそうですけれども、
是非石垣
にということ。それから二点目が、
尖閣
の
資料
につきましてはまとまった保存をしていないということなので、
国立
の
尖閣資料館
を造ってほしいという
内容
。そして三点目が、
電線類
の
地中化
を進めたいんですが、そのための
財政
的な
支援
をお願いしたいという
内容
です。 それから、
竹富
町の方からは、あの
地域
は非常に
島々
が多くて、
サンゴ
もたくさんありまして、水面が浅い、水の深さが浅いこともありまして、よく
座礁
が起きます。
サンゴ
を守りながら、かつ船の
座礁
を防ぐために、
生活保全航路
をしっかりとつくっていかなければなりませんので、それに対する
支援
。それから、
西表等
、
世界遺産
に相当するものがありますので、
世界自然遺産
の登録への
取組
。それから、
海底
を使って
送水管
をしないとなかなか水の
確保
が
島々
は難しいんですけれども、それに対する
財政
の
支援
をお願いしたいと、三点いただきました。 それから、
与那国
町の方からは、
地形柄
、
農業用水
や
生活用水
の
確保
が非常に難しくて、
地下ダム
を
建設
したいということ。それから、
久部良漁港
の
整備
をして、特に
水産庁
の
巡視船等
をしっかりと停泊できるようにしてほしいということ。それから最後に、
FRP廃船
がかなり目立っていまして、あそこは
産業廃棄物
の
処理場
がないためになかなかこの
廃船
の
処理
ができないので
支援
してほしいという、以上、各市町から九点の
要望
をいただいています。 これにつきましては、時間のある限りまた
政府
の
考え方等
をお聞きしたいというふうに思っています。 まず、一点目なんですけれども、
石垣
の
電線類
の
地中化
についてお伺いしたいと思いますが、去年の八月なんですけれども、随分
台風
が
石垣島
を襲いました。特に
台風
十五号ですか、非常に強い
台風
で、
観測史上最大
ということらしいんですけれども、
最大
瞬間風速が七十一メートルというすごい風も吹きまして、その結果ですけれども、多くの農作物だとか
建物
に
被害
が及んでいます。特に
電線類
は、強い風ですから、
電柱
が倒れたりですとか
建物
が破壊されて、その
破壊物
によって
電線
が切れたりとか随分甚大な
被害
がありまして、
避難所
も含む二万世帯で停電があったというふうに聞いております。実は、過去にも
台風
のたびにこういったことが起きていまして、今
電線類
の
地中化
を進めているんですけれども、なかなか大
規模
な
事業
になりますので進んでいません。 さらに、最近は
観光
も随分盛んになってきまして、どうしても
景観
が非常に重要なんですけれども、
電線類
というのはせっかくのリゾートの中でその
景観
を良くない
状況
にしてしまうこともありますので、こういった点も含めまして、今
政府
としては
電線
の
地中化
に関連しましてどのように考えているか、また
工夫
がないか、お聞かせいただきたいと思います。
青木由行
8
○
政府参考人
(
青木由行
君) お答えを申し上げます。
電線類
の
地中化
、
無電柱化
につきまして御
質問
を頂戴いたしました。
電線類
の
地中化
、
無電柱化
につきましては、
お話
ございましたように、
防災性
の向上、それから
道路
における
交通
の
安全性
ですとか
快適性
の
観点
、それから、
お話
ございましたように良好な
景観
、こういった
観点
から極めて重要な施策というふうに
認識
してございます。 例えば、パリなどの
欧米
の
主要都市
は一〇〇%
無電柱化
、あるいはアジアの
主要都市
でも
無電柱化
が進展してございますけれども、我が国では著しく遅れてございまして、例えば、
沖縄
県では二%程度というふうに
承知
をしてございます。
取組
を進めております自治体へ
アンケート調査
などを行いますと、その要因といたしまして、
コスト
が高いということ、これが無
電柱
が進まない原因として挙げられてございます。 このため、
国交省
といたしまして、
関係機関
と
連携
をいたしまして、例えば
管路
を浅く埋設することですとか、あるいは、
欧米
なんかで行われているんですが、
ケーブル
を直接埋設するといった低
コスト
の
手法
の導入に向けまして
取組
を進めてございます。 中でも浅く埋めることにつきましては、実験の結果、
一定
の浅さであれば支障がないということが判明いたしましたので、基準を改定しまして、本年四月から適用いたします。そういたしますと、従来より浅く
共同溝
などが埋められますので、
一定
の
予算
でも従来よりも多くの
無電柱化
のための
事業
、これができるのではないかというふうに期待をしてございます。 また、
防災
の
観点
からも、本年四月から、まずは
直轄国道
の
緊急輸送道路
におきまして
電柱
の新設を禁止することといたしてございます。加えまして、
電力会社
などの
負担軽減
を図りますために、
地中化
した
ケーブル
などの
固定資産税
を減額する
特例措置
の準備も進めさせていただいているところでございます。
国土交通省
といたしましては、
関係者
のより一層の御
理解
をいただきながら、
市町村
の
取組
をしっかりと
支援
してまいりたい、このように考えてございます。 以上でございます。
石田昌宏
9
○
石田昌宏
君
是非
いろいろな
工夫
を更に進めていただきたいと思います。 続きまして、
竹富
の話なんですけれども、あの
地域
は
竹富
島だけじゃなくて
西表
ですとか黒島ですとか小浜島ですとかたくさんの
島々
があって、これはそれぞれ水の
確保
というのが非常に難しくなっています。例えば、大きな
西表
の方に
ダム
を造りたいというのが一つあると思うんですけれども、あそこは
世界自然遺産
を目指していて、なかなか
ダム
というのは造れないわけですね。 そういった
関係
で、お互いに水のやり取りなどを
海底
に
送水管
を
設置
することによって又は
海水
を
淡水
化することによって行っていますので、非常にある
意味経営効率
が悪くなって
水道事業
が大変になっていまして、どうやら
一般会計
の方からもかなり繰入れをしているというふうな話は聞いています。ただ、どうしてもお金が足りなくて
水道管
の
管理
が簡単ではなくて、
経年劣化
が随分起きていて漏水などがあるそうで、時にはそれによって断水も起きているという
状況
で、非常に
島民たち
は困っております。 そういった点で、
政府
としても
支援
をお願いしたいということを承っておりますが、今どのような
支援
をしていまして、今後どうしたいというふうに思いますか。
是非
よろしくお願いします。
島尻安伊子
10
○
国務大臣
(
島尻安伊子
君)
沖縄
県では、地理的、気象的な特性から、これまで度々渇水に見舞われる等、
水道水
の
安定供給
というのが大変重要な
課題
であるというものとともに、人口も増加しているということから、
計画
的な
水道施設
の
整備
というのは極めて重要であるというふうに考えております。 まさに今、
石田委員
の御
指摘
のとおり、近年では
竹富
町のみならず様々な
水道施設
の
老朽化
というのが問題になっておりまして、その対応が必要というふうになっております。 このため、
内閣
府におきましては、
沖縄
県及び
市町村
が実施する
事業
を補助するための
予算
を
確保
いたしまして、
本島
以外の
離島
については、
海底送水管
あるいは
海水淡水化施設
、
海水
を
淡水
に変えていく、そのような
施設
なんですけれども、これらの
設置
あるいは
更新
ということを行っております。
平成
二十八年度
予算案
におきましては、県内の
市町村
が実施する
水道施設
の
設置
、
更新
に係る
経費
として二十五億円を計上させていただいております。 これからも、今後も
離島
を含めて
水道水
が安定的に供給されるよう、
内閣
府として必要な
予算
の
確保
に努めていきたいと考えております。
石田昌宏
11
○
石田昌宏
君 県全体で多分二十五億だと思うんですけれども、
是非
こういった
地域
の
海底送水管
の
支援
も積極的に進めていただきたいというふうに思います。 続きまして、
与那国
の方は
久部良漁港
という
漁港
がありまして、そもそもこの
与那国
の島は
日本
で一番西にある島で、更にその西側というわけで、ある
意味台湾
に直接面しています。この辺は
日台
の
漁業
のちょうど交錯する
地域
であって、
日台
漁業
取決め水域をかぶっているわけですね。なかなか操業の
秩序
というのは、守るためにはある程度の
取締り
が必要で、実際、今
沖縄
の
本島
や
石垣
の方から
取締り
の船が出ているというふうに聞いてはいるんですけれども、ちょっと遠いんです。一番ベストな方法は、
久部良漁港
にある程度この
取締り
の船が常駐することであるのは間違いないと思うんですけれども、残念ながら、この
漁港
は船が停泊するには十分な深さがないですとか船が回転するだけの十分な面積がないなどで、ちょっと一
工夫
必要です。 そういった点で、ある
意味国境
の海の
秩序
を守るという
観点
からも、この
久部良漁港
の
整備
を進めて
取締り船
がもっと利用できるようにすべきだと思うんですけれども、この点について
政府
のお考えをお聞きしたいと思います。
島尻安伊子
12
○
国務大臣
(
島尻安伊子
君) まさに今
委員
の御
指摘
がありましたように、
日台
漁業
取決めの締結を契機にいたしまして、
沖縄海域
における
外国漁船
の
取締り
を強化するということのために、
平成
二十六年四月に
水産庁
・
沖縄総合事務局外国漁船合同対策本部
というものを
設置
をいたしまして、
漁業取締り船
を増強させていただいているところでございます。特に盛漁期におきましては、他の
海域
から
漁業取締り船
の応援を受けまして
取締り
を実施しているというふうに聞いております。 御
指摘
の
久部良漁港
につきましては、現在、
沖縄
県が
水産庁等
の
関係機関
と
連携
しつつ、
漁業取締り船
が
漁港
を活用するための
整備
に必要な
調査
を進めまして、
事業化
の
可能性
を
検討
しているというふうに
承知
をしております。今後、
沖縄
県の
検討
結果を踏まえまして、
関係省庁
と
連携
し、
沖縄
の
振興
の
観点
から適切に対応していきたいというふうに考えております。
石田昌宏
13
○
石田昌宏
君 ありがとうございます。 これもやっぱり
沖縄
県が
中心
で考えていくという形になると思うんですけれども、
是非政府
といたしましても、とても重要な
課題
であって、また
国境
の
課題
でもありますので、積極的にプッシュをしていただきたいと思います。 次行きたいんですけれども、ちょっと時間がなかなかないので、あと九問全部であるんですが、時間の
関係
でこれぐらいにしたいと思いますが、いずれにせよ、九つの
要望
をいただいておりまして、いずれも
観点様々
にありますけれども、この
地域特有
のものであり、かつ重要な
観点
だと思っておりますので、
政府
としましても、
沖縄
県だとか
市町村
だという形を取るだけじゃなくて、国として積極的に取り組んでいく姿勢を
是非
見せていただきたいというふうに思います。 時間になりましたので
質問
を終わります。どうもありがとうございました。
大塚耕平
14
○
大塚耕平
君 民主党・新緑風会の
大塚耕平
でございます。
沖北
での
質問
は久しぶりでございますが、今日はよろしくお願いいたします。 来年度の
予算案
の中身、興味深く拝見をさせていただきました。 まず最初に、
那覇空港
の
滑走路
の
増設
に関連してお伺いしたいんですけれども、来年度は三百三十億円計上しているわけでありますけれども、二本目の
滑走路
の
完成
のための総
事業費
の
見込み
がどのくらいなのかということ、そのうちこれまでに既に幾ら計上しているかということ、並びに二本目の
完成見込み
はいつ頃かということを御教示いただきたいと思います。
島尻安伊子
15
○
国務大臣
(
島尻安伊子
君) この
那覇空港
の
滑走路
の
増設事業
につきましては、東アジアの
中心
に位置する
沖縄
の
優位性
そして
潜在力
を生かすために必要不可欠な
インフラづくり
であると、強く自立した
沖縄
の実現に不可欠な役割を担っていると考えております。 本
事業
の総
事業費
についてでございますけれども、これは約千九百九十三億円でございまして、
平成
二十八年度
予算案
におきましても、
平成
二十五年十二月の三
大臣合意
に基づいて、
所要額
三百三十億円の、これ
国費ベース
でございますが、これを計上いたしました。なお、この
平成
二十八年度
予算案
三百三十億円を含め、これまでに千百二十億円を計上させていただいております。
大塚耕平
16
○
大塚耕平
君
完成見込み
はいつ頃ですか。
島尻安伊子
17
○
国務大臣
(
島尻安伊子
君)
平成
三十一年度末の
供用開始
を目指しております。
大塚耕平
18
○
大塚耕平
君
沖縄
は私も何度も行かせていただいておりますけれども、確かに二本目あった方がいいと思いますので
完成
していただきたいと思うんですが、他の同
規模
の
空港
の
滑走路
の
建設
に要する
事業費
との
比較
で、何か
参考
になる事例を
是非
教えていただきたいと思います。
和田浩一
19
○
政府参考人
(
和田浩一
君) お答えいたします。
那覇空港
で
整備
中の二千七百メートルの
増設滑走路
と同様に海上に
整備
した
空港
として、
北九州空港
がございます。
北九州空港
は、二千五百メーターの
滑走路
一本でございますけれども、総
事業費
は一千二十四億円となっております。
大塚耕平
20
○
大塚耕平
君 単純な
比較
はなかなかできないかと思いますけれども、国全体の
財政状況
については
皆さん
御
承知
のとおりでございますので、
是非
、総
事業費
、上振れすることのないようにしていただきたいと思うんですが、今の
北九州
は二千五百メートルで総
事業費
千二十四億円、
那覇
は二千七百メートルで、先ほどの話ですと一千九百九十三億円ということはほぼ倍なんですけれども、その倍になっている理由は何でしょうか。
和田浩一
21
○
政府参考人
(
和田浩一
君) お答えいたします。
北九州空港
では、
埋立材
といたしまして、主に
関門航路等
の
しゅんせつ
により発生する
土砂
を利用しております。こうした
港湾事業
との
連携
によりまして
土砂
の
購入量
が少ないことが挙げられます。また、
埋立材
の
運搬距離
が短く、
購入土砂単価
が安いことなどから
事業費
が安くなっております。 以上でございます。
大塚耕平
22
○
大塚耕平
君 いや、
沖縄
は私も相当何回も行っているんですが、赤土の流出で
サンゴ
が壊滅したりとか、いわゆる農地の造成等々でかなりの
しゅんせつ土
は
沖縄
でも出ると思うんですけれども、
沖縄
の
しゅんせつ土
を使うことによって同様の、
北九州並み
の
事業費
に抑えるということはできなかったんでしょうか。
和田浩一
23
○
政府参考人
(
和田浩一
君) 様々な
手法
を
検討
いたしましたけれども、今のやり方が一番いいということで今の
計画
になっているというふうに
承知
をしております。
大塚耕平
24
○
大塚耕平
君 その様々な
手法
を
検討
したという
検討経緯
の
資料
と、それから千九百九十三億円の詳細な積み上げについて
資料
を、個人的にで結構ですので、別に当
委員会
に
提出
してくださいとは言いませんので、後ほど御提示いただくということでよろしいですか。
和田浩一
25
○
政府参考人
(
和田浩一
君) はい、そのようにさせていただきます。
大塚耕平
26
○
大塚耕平
君
沖縄
は、過去特別な歴史と背景を抱えている
地域
でありますので、
沖縄
の
皆さん
に配慮しつつ国の運営をしていかなきゃいけないということは私も同感でございます。しかし、その一方で、国全体の様々な問題との
関係
もありますので、
沖縄出身
の
大臣
にお伺いをしたいんですが、
日本
の国の
財政
というのは今必ずしも余裕のある
状況
じゃないという御
認識
はあるという
理解
でよろしいですか。
島尻安伊子
27
○
国務大臣
(
島尻安伊子
君) はい、もちろんその
認識
は持っております。
大塚耕平
28
○
大塚耕平
君 そういう中で、やはり
沖縄
のためにも
日本
のためにも、沖振法に関わる十年ごとの
財政
措置等々が今後もどうあるべきかというのは、どうあり続けるべきかということとどう変えていくべきかということはかなり大きな論点だと思うんですが、
沖縄
御出身の
大臣
として、その辺について何か御所感があればお伺いしたいと思います。
島尻安伊子
29
○
国務大臣
(
島尻安伊子
君)
委員
のお考えといいますか今
お話
しなさったこと、私もある意味同感なところもございます。やはり、過去、今もう第五次の
沖縄振興
法が施行されているわけですけれども、これまでは本土に追い付き追い越せということだったのが、やはり今回の
沖縄振興
法を施行するに当たっては、
沖縄
が
日本
経済を牽引するようなトップランナーになるその
可能性
も秘めているということで、
沖縄
として、
沖縄
の経済が強くあるその意味というのが少し変わってきたというふうにも私は
認識
をしているところでありまして、そういったところも踏まえつつ、今回の
沖縄振興
法に基づくこの
予算
の実行が、
沖縄
県民の暮らしを良くしていくということはもとより、国全体を牽引していくようなトップランナーになるような
沖縄
の在り方というのは、しっかりそれを模索し実行していきたいというふうに思っています。
大塚耕平
30
○
大塚耕平
君 私事なんですが、私、海に潜るのの指導員を昔趣味でやっておりまして、おととしも奄美大島の横にある喜界島で鹿児島三区の補選の応援に入ったときに潜らせていただいたんですけれども、
沖縄
は、ダイビングでいうともう世界三大スポットの一つなんですね。だから、
沖縄振興
のためにかなりの
予算
を掛けて、例えば
空港
も海側に造るということはある程度海を埋めるわけでありますけれども、それによって得られるプラスもありますけれども、実はそれによって失う機会費用、あるいは掛かる機会費用といいますか失うベネフィットというのは物すごいものがあって、この辺のバランスをどう取っていくのか、あるいはこれまでと違う方向で
沖縄振興
に臨むべきかというのは、これは
沖縄
選出の議員の
皆さん
自身が一致結束して主張されないと多分変わっていかないと思います。 あるいは、本土の様々な利害
関係
の延長線上で、せっかく
予算
を掛けても掛けた
予算
以上の将来価値を失うということが今後も起こり続けるということを
沖縄
が大変大好きな一人としてはずっと心配をしているわけでありますが、この辺についてもう一回、
大臣
について、御自身は政治家としてこれから、あるいは今は
大臣
であられるわけですから、どういうふうに方向転換をすべきとお考えなのか、あるいはしなくてもいいとお考えなのか、もう一回お伺いをさせていただきたいと思います。
島尻安伊子
31
○
国務大臣
(
島尻安伊子
君)
大塚
委員
におかれましては、何度も
沖縄
にいらしているということでもございますし、いつも心を砕いていただいているということは、でもダイビングがお好きだということからその理由が今分かったような気がいたしますけれども、そういうことからして、やはり自然を守っていくということとの、それから
振興
ということとのバランスというのが大変重要だということは私も
認識
しておりまして、やはり
沖縄
、外国からの今かなり入客数が増えておりますけれども、アンケート等によりますと、なぜ
沖縄
の
観光
を選んだのかという中では、やはり
沖縄
の自然だとか気候だとか文化とか、そういったところがかなり重要視されているというところもありますので、しっかりとそのバランスを取って、今後の
沖縄
の
振興
ということはしっかり考えていきたいというふうに思っております。
大塚耕平
32
○
大塚耕平
君 今の文脈との
関係
でお伺いをしたいんですが、今回もソフト
交付金
とハード
交付金
というものを
予算
に盛り込んでおられるわけでありますけれども、制度設計上、ソフトの方は
内閣
府で執行する、ハードの方は各省庁へ移替えをしているというふうに
説明
をされておりますけれども、この違いはどういう理由からこうなったんでしょうか。
島尻安伊子
33
○
国務大臣
(
島尻安伊子
君) お尋ねのソフトの
交付金
とハード
交付金
の制度設計の違いでございますけれども、ソフト
交付金
につきましては、この
交付金
の交付に当たって各省への移替えは行わず、
内閣
府において直接執行してもらいたい旨の
沖縄
県の
要望
を踏まえまして、
内閣
府で
交付金
を交付するということとなっております。 他方、ハード
交付金
につきましては、公共
事業
等に要する
経費
に対する
交付金
でございまして、各公共
事業
等の執行の適正さを
確保
するという
観点
から、専門的な知見を有し、事務執行体制の
整備
されている各
事業
官庁において執行
管理
をするということが適切であるという判断の下で移替えを行うということとなっております。
大塚耕平
34
○
大塚耕平
君 今の御
説明
ですと、ハードの方は執行の適正を
確保
する
観点
から移し替えたと、ソフトはそうではなく
内閣
府で対応すると。ということは、何か移替えを行わないと適正な執行が
確保
されないという意味ですか。
島尻安伊子
35
○
国務大臣
(
島尻安伊子
君) そうではございません。 これは、
沖縄
県とのすり合わせといいますか、の話合いにおいてこのようになっておりまして、現在も
沖縄
県からこの移替えによって
事業
の執行に支障が生じているということは聞いてございません。
大塚耕平
36
○
大塚耕平
君 いやいや、支障が生じているということをお伺いしているわけではなくて、
大臣
御自身が適正な執行を
確保
する
観点
からハード
交付金
は各省庁に移し替えたとおっしゃったので、移し替えないと適正な執行が
確保
されないんですかとお伺いしているんです。
島尻安伊子
37
○
国務大臣
(
島尻安伊子
君)
確保
されないということよりも、やはり執行する過程において、やはり専門的な知見、それから事務執行体制の
整備
されている各
事業
官庁において執行
管理
することが適切であるというふうに判断の下でこの移替えを行うこととしたということでございます。
大塚耕平
38
○
大塚耕平
君 いや、
大臣
、やっぱりそこは所管
大臣
として御自身の問題意識で突っ込んで事実
関係
を御確認いただきたいんですが、
沖縄
には、御
承知
のとおり、各
事業
官庁の出向者がいる
沖縄
総合事務所がありますので、
沖縄
総合事務所で十分適正な執行は
確保
できると思うんですが、なぜ総合事務所では適正な執行が
確保
できなくて所管官庁に移替えをしなくてはならないんですか。もう一回教えてください。
島尻安伊子
39
○
国務大臣
(
島尻安伊子
君) この問題意識は、やはり今第五次の
沖縄振興
法施行されておりますけれども、そのときの法の改正のときにもいろいろ議論がございました。それを私も記憶をしております。そういうことも記憶にあるということから、今回各公共
事業
等の執行の適正さを
確保
するというところも大事な
観点
かというふうに思いますし、繰り返しになりますけれども、いわゆる専門的な知見を有しているということ、それから事務執行体制が
整備
されているという各
事業
官庁において
管理
するということが適切であるということでございます。 そして、今
お話
のありました総合事務局でございますけれども、各省の地方の支部局というんでしょうか、支部を兼ねているということでございます。
大塚耕平
40
○
大塚耕平
君 いや、ちょっとくどいようですけれども、じゃ、適正な執行とは何ですかということをちょっと教えてください。
島尻安伊子
41
○
国務大臣
(
島尻安伊子
君) 繰り返しで大変恐縮でございますけれども、公共
事業
等の執行の適正さ、これを執行する上でいろいろと手続がございます。そして、その
観点
も含めて、やはり専門的な知見ということは大変大事だと、技術的なこともありますし、そういったところの適正さを担保するということは重要なことだというふうに思います。
大塚耕平
42
○
大塚耕平
君 このやり取りについては
皆さん
がお聞きになっていただいているのでそれぞれの御判断にお任せしますけれども、やっぱり何をもって適正なのかという判断基準となぜ本省に移し替えると適正が担保されるのかということについては、今の部下の方がお作りになった答弁書ではやっぱりすとんと腹に落ちないですよね。その答弁書が腹に落ちないところを、恐縮ですけれども、事務方からレクを受けたときに、これはどういう意味かといって私が今お伺いするようなことを問い詰めていただくのが
大臣
のお仕事ですから、ちょっと議会を納得させるには余り論理的ではないですね。 これは、
日本
の議会は御
承知
のとおりアメリカのように
予算
配分権を持っていませんので、これで
予算
は通っちゃいますけれども、これ、アメリカの議会のような仕組みだったらこの
予算
通りませんね、多分。
是非
そのことを御
理解
いただきたいと思いますが。 それでは、
大臣
は、この公共
事業
を
中心
にしたハード
交付金
が所管官庁に移し替えられているということですが、BバイCについてちょっと御
説明
をいただきたいと思うんです。公共
事業
のBバイCとはどういうことですか。
島尻安伊子
43
○
国務大臣
(
島尻安伊子
君) ちょっとその通告がなくってあれですけれども、やはり
予算
を投下するに当たって、それのきちっとした計算式といいますか、というふうに
認識
をしております。
大塚耕平
44
○
大塚耕平
君 今本当に、今
政府
の
皆さん
が少し、大変恐縮ですが、率直に申し上げて緩んでいるというのは、これは野党の責任だと私は思っています。 しかし、BバイCは、通告があるとかないとかそういう問題じゃないですよね、これはもう基本的に議員の大半は知っていますから。掛ける
予算
に対してそこから生まれるベネフィットがどうかということを計算式で出しているという建前になっているんですけれども、事務方の
皆さん
、ちょっとレクしてあげてほしいんですが、じゃ、そのベネフィットに含まれている項目ですね、数年前の国会では私も問題にしましたし、随分議論になったんですが、例えば
景観
美化効果なんというのが入っているわけですよ。公共
事業
をやると景色が良くなる、これを数字に換算するんですね。
沖縄
のこのハード
交付金
のBバイCには
景観
美化効果というのは入っていますか。
江崎孝
45
○
委員長
(
江崎孝
君) どなたでしょうか。
大塚耕平
46
○
大塚耕平
君 こういうときサポートするために事務方はいるんだから。(発言する者あり)これは確かに細かいけど、
大臣
、知っていてもいいですよ、このぐらいは。
江崎孝
47
○
委員長
(
江崎孝
君) 速記を止めてください。 〔速記中止〕
江崎孝
48
○
委員長
(
江崎孝
君) 速記を起こしてください。
島尻安伊子
49
○
国務大臣
(
島尻安伊子
君) いろいろなBバイC、費用対効果についての計算があるというふうに
認識
しているんですけれども、例えば
道路
についてのBバイCのベネフィットの中には、基本的にはこれ
国交省
の考え方といいますか、のルールに基づきますと、例えば
道路
渋滞が解消される云々というところはこのベネフィットの一つに入っているということでございます。
大塚耕平
50
○
大塚耕平
君 そうなんです。それで
大臣
、
大臣
は非常に真摯にお仕事をしておられると私は思っていますので、
是非
この後、これからでも遅くないですから、
沖縄
が結果として、
予算
は配分受けたけどそれによってそれ以上の価値を失わないように、
予算
の中身が本当にそれでいいかどうかということを検証していただく立場から、それぞれの各省に移し替えられて行われる公共
事業
のBバイCがどうなっているのかということは
沖縄
担当
大臣
として関心持たれた方がいいと思うんです。 かつて、農道
建設
に関しては、農水省が
景観
美化効果のみならず健康増進効果というのも数字に置き換えて、それをベネフィットに入れたりしているわけですよ。これ計算のしようがないんですね。
国交省
は、それから、
道路
を造ることによって
交通
事故がなくなるので、お亡くなりになる方が少なくなることによる人命損失が行われない経済効果というのもオンしていたり、つまり、ベネフィットのところはこれはもう打ち出の小づちになっているんですよ。 だから、
コスト
よりも大きいベネフィットに置き換えて、だからこれはやる価値があるんですといって次々と公共
事業
をやっておくわけです。
沖縄
のみならず全国的にその傾向があるんですけれども、私は、
沖縄
が、
沖縄
本来が持っている価値を失わないために、
沖縄
担当
大臣
、とりわけ
沖縄
御出身の
大臣
は
是非
このことに高い関心を持っていただきたいということだけ申し上げておきます。 それから、
沖縄
ですから、当然、辺野古のことをちょっとお伺いしなくてはいけないんですけれども、先日の和解に基づいて三つの訴訟をまず取り下げなさいということなんですが、これは三つとももう取り下げられたんでしょうか、県と国それぞれが。結論だけでいいですよ。
真部朗
51
○
政府参考人
(真部朗君) これまでに三つとも取り下げられております。
大塚耕平
52
○
大塚耕平
君 そうしますと、その取下げに基づいて、今度は埋立承認取消処分の新たな是正指示を国交相が出していると思うんですが、和解成立直後、随分早いタイミングで出されましたけど、何か理由があるんでしょうか。
真部朗
53
○
政府参考人
(真部朗君) この今般合意されました和解条項におきましては、今
委員
御
指摘
のとおり、係属している三つの訴訟を一旦白紙に戻しまして、国地方係争
処理
委員会
を経て、翁長知事による埋立承認の取消しの
是非
を争う訴訟一つにすることといたしまして、そのために国土
交通
大臣
が是正の指示を行うこと、こういったことを始めとする手続が定められておるところでございます。 また、これらの過程を迅速に進めるために、この和解条項、和解文書におきましては、国地方係争
処理
委員会
への
審査
の申出、訴訟の提起までに認められた期間、これを法定の三十日以内から一週間以内に短縮するとともに、国土
交通
大臣
と
沖縄
県知事は
委員会
及び裁判所が迅速な審理判断を行えるよう全面的に協力することとされておるところでございます。 他方におきまして、判決が確定するまでは普天間飛行場の返還及び埋立
事業
の解決に向けた協議を行うこととされておりまして、
政府
といたしましては、この両者を同時並行的に行うということが和解条項の趣旨というふうに
理解
をしておるところでございます。 これらのことを踏まえまして、国土
交通
大臣
は、先日七日に、翁長知事に対しまして、地方自治法に基づき、埋立承認の取消処分を取り消すよう法令違反の是正を指示する文書を発出いたしました。これはあくまでも
沖縄
県も合意した和解条項で定められた手続を行ったというふうに
承知
しているところでございます。
大塚耕平
54
○
大塚耕平
君 いや、この和解に基づく何らかの歩み寄りは大体一年ぐらい掛かるんじゃないかと言われているわけですけれども、これは報道とかいろんな方のコメントでそういうことになっていますが、にもかかわらず、新たな是正指示を和解から四日後でしたか、三日後でしたか、そんなに急いで出す理由はなぜあったのかということを今お伺いしているので、もう一回端的に教えてください。
真部朗
55
○
政府参考人
(真部朗君) ちょっと繰り返しになるかもしれませんが、今回合意されました和解条項、和解文書におきましては、判決に向かう言わば争訟のプロセスと円満解決に向けた協議と、これを並行して行うことが想定されているところでございます。それで、先ほど繰り返して申しましたのは、ちなみに、争訟の過程につきましては、この過程をお互いその当事者が全般的に迅速に進めるような、進めるべしという考え方が取られているところでございます。 こういったことを踏まえまして、三日後ということになるかと思いますけれど、三月七日に国土
交通
大臣
が是正の指示という最初の措置を行ったということでございます。
大塚耕平
56
○
大塚耕平
君 せっかく和解をされて、取りあえず一回冷静になろうよというふうに歩み寄ったわけで、これはいいことだと思いますので、この後また同じことの繰り返しにならないように慎重に進めていただきたいと思いますが。 その上で、これ多分防衛省がお答えになる御予定になっていると思うんですが、私は
沖縄
担当
大臣
として島尻さんに
是非
、島尻さんのお考えをお伺いしたいんですけれども、なぜ総理が辺野古への代替
施設
建設
が唯一の解決策、唯一のとおっしゃっているのか、
大臣
のお考えをお伺いしたいと思います。
島尻安伊子
57
○
国務大臣
(
島尻安伊子
君) もう
委員
もよく御
承知
だと思いますけれども、この普天間の移設の問題につきましては、もうほぼ今年で二十年になります。そのいろいろなやり取り、これは
沖縄
県、そして国と、そしてアメリカも含めてになると思いますけれども、もう本当にいろいろな話合いがされてまいりました。 その中で、
政府
といたしまして、やはり普天間の危険性の除去というのが重大な
課題
であるということで、その下でいろいろな話合いがなされてまいりました。その中で日米合意を見たわけでございまして、その背景からして
政府
としては唯一の解決策であるという結論に至っているというふうに
承知
をしております。
大塚耕平
58
○
大塚耕平
君
沖縄
の歴史は本当に内地、本土の私たちは重く受け止めて、
沖縄
の
皆さん
の気持ちを酌み取らなくてはいけないと思っているんです。そういう意味で、先ほどの
沖縄振興
がどうあるべきかということもそうですし、基地問題も、これは
沖縄出身
の
大臣
として、あるいは
沖縄
選出の議員の
皆さん
は、これ党派
関係
なくやっぱり論理的で筋の通った御主張をされ続けるべきだと私は思っていまして、私の先ほどの
質問
は、唯一のというのはどういう意味ですかと、本当にそれが唯一なんですかと、それは
沖縄出身
の
大臣
としてどういうふうにその唯一のというのは受け止められておられますかということをもう一回だけ聞かせてください。
島尻安伊子
59
○
国務大臣
(
島尻安伊子
君) もう繰り返しになりますけれども、本当にこの二十年いろんなことがございました。政権交代もございました。 その中で、やはり私も、おっしゃられたように、つぶさにこの動きを見てきた者といたしまして、やはり日米合意に至ったところも見させていただきました。当時民主党政権ではございました。鳩山総理が、結局は抑止力の維持ということもやはりこれはキープしていかなければならないということもおっしゃった中で、少なくとも県外というところがございましたけれども、だけれども、やはり辺野古崎に移設をすることが早いという御主張だったかというふうに記憶をしております。 そういったことも踏まえて、また自民党政権に戻り、そして日米の中でまた議論が再開され、今の日米合意に至ったということを
認識
しております。 私としても、本当に、それはいろいろな意味で、これまで私としてはいろいろな先輩方に
お話
をお伺いする中で、
沖縄
県民がこれまで過ごしてきた、そして本当に苦渋の選択、本当の、何というんでしょうか、もういろいろな、薄紙を剥がすように問題を解決してきたということも聞いております。そういう中で、やはり今はこの未来志向の中で本当の意味で
沖縄
の
振興
を進めていくということで、真の意味で
沖縄
の皆様の暮らしが良くなっていくということを目指して今国はこの
沖縄振興
を図っているというふうに私も考えておりますし、全力で
沖縄
担当
大臣
としてもこういった点を踏まえて努力していきたいというふうに考えております。
大塚耕平
60
○
大塚耕平
君 繰り返しになりますが、
沖縄
県民の
皆さん
の思いをしょっておられるわけですから
是非
深くお考えいただきたいんですが、私もホワイト・ビーチ以外の米軍基地は基本的に全部回らせていただきました。グレグソンさんが四軍司令官のときには司令官にもお会いしましたし、その後、ペンタゴンにも行っております。 辺野古が今の
政府
の方針だということはちょっとおいておいて、
大臣
の御意見をお伺いしたいんですが、なぜ嘉手納では普天間を代替できないんですか。
島尻安伊子
61
○
国務大臣
(
島尻安伊子
君) ちょっとここは私の所掌ではございませんし、大変大切な
沖北
委員会
でございますので軽々に発言できないなというふうに思っておりますが、これまでのいろいろな県内における議論、あるいは国とアメリカのいろいろな、何というんでしょうか、2プラス2も含めていろいろな
会議
の中で様々な問題提起がなされ、そこの議論はされていたというふうに
認識
をしております。 なので、専門的なところを今ここでコメントすることは差し控えたいと思いますけれども、そういったところも乗り越えて、
沖縄
としては基地の整理縮小ということはその方向性としては私は間違っていないのではないかというふうに思っております。
大塚耕平
62
○
大塚耕平
君 この問題はこのぐらいでやめますけれども、
大臣
、もうその普天間の移設の話が始まって二十年。今の
状況
下でも、和解をしたことに伴って二〇二二年頃には
完成
と言われているのが、アメリカ側の軍
関係者
の議会証言では多分二〇二五年ぐらいじゃないかというような発言も出ている中で、そうすると、それは今から約十年後ですから、三十年もたつと軍事技術もそれから地政学的な力学や構図も随分変わって、三十年前の理屈がそのまま通るような
状況
ではないというのは誰しも直感的に分かる話であって、本当に辺野古が唯一なのか、なぜ嘉手納では代替できないのか等々、
沖縄
選出の
沖縄
担当
大臣
として、直接の所管ではないですが、
是非
深くお考えいただきたいということだけお願いをしておきます。 最後に、北方の方もお伺いさせていただきますが、今回北方対策費が二十一億円ぐらい付いておりますけれども、これ、所管官庁の具体的
事業
を全部お伺いしていると時間がなくなるので、重立ったものだけで結構です。じゃ、例えば農水省だけお伺いしますので、どういうことにこれはお使いになるんでしょうか。
浅川京子
63
○
政府参考人
(浅川京子君) お答え申し上げます。
大塚耕平
64
○
大塚耕平
君 簡単にね。
浅川京子
65
○
政府参考人
(浅川京子君) はい。 北方領土問題等の解決の促進のための特別措置に関する法律第九条の二におきまして、北方領土問題が未解決にあることに起因して四島の領海において操業する我が国
漁業
者が置かれている特殊な事情に鑑み、当該
海域
における我が国
漁業
者の操業の円滑な実施を
確保
するために必要な措置を講ずると、法律でこう書いてございます。 このため、
水産庁
といたしましては、四島周辺水域操業枠組み協定、貝殻島昆布協定に基づきまして、北方四島の領海内で操業する我が国
漁業
者の円滑な操業が
確保
されるよう、二十八年度九千四百万を計上いたしまして、追加的
経費
の
負担軽減
を行っているというところでございます。
大塚耕平
66
○
大塚耕平
君
国交省
も、簡単に何に使うかだけ教えてください。
田村秀夫
67
○
政府参考人
(田村秀夫君) お答えいたします。
国土交通省
といたしましては、来年度
予算案
におきましては、北方対策費として、隣接
地域
の一市四町を対象としまして北方領土隣接
地域
振興
等
事業
推進
費補助金として一億円を計上し、具体的には、水
産業
などの基幹
産業
の付加価値向上等に向けた
取組
や新たな
観光
メニュー創造に向けた
取組
、災害に強い
地域
づくりの
取組
などを実施することとしております。
大塚耕平
68
○
大塚耕平
君
大臣
、これ私、十年以上前に
関係省庁
の
皆さん
には
検討
をお願いしたんですけれども、北海道に交付されている地方交付税を北方対策費として地方交付税の一部を使うべきで、新たに別に
予算
を付ける必要はないと思われませんか。
島尻安伊子
69
○
国務大臣
(
島尻安伊子
君) そのときの
委員
の問題意識というのがちょっとよく
理解
できていないんですけど。
大塚耕平
70
○
大塚耕平
君 いや、それは、
大臣
、地方交付税には北方領土は算定基準に入っていますか。
島尻安伊子
71
○
国務大臣
(
島尻安伊子
君) 入ってございます。
大塚耕平
72
○
大塚耕平
君 そうなんですよ。入っているんですよ。 地方交付税の算定基準に入っていることによって、例えば今年度も北海道に三十七億円が配分されているんですよ。この三十七億円は何のために使われているかというのをやっぱり御確認になって、それとは別に二十一億円ですか、今回
予算
が付いているんですけれども、その前に、やっぱりこの地方交付税の算定基準に北方領土が入っていることによって北海道が受け取っている部分をどう使うかということをお考えになるべきだと思いますが、そういう
認識
でよろしいですか。
島尻安伊子
73
○
国務大臣
(
島尻安伊子
君) あくまでも、私といたしましては、北方対策しっかりとやっていきたいところではございますので、今日、
委員
の御
指摘
のところはしっかりと見ていきたいというふうに思っております。
内閣
府としては、特にこの啓発、教育機会の拡充ということを図るためにまた頑張っていきたいというふうに思っておりますが、総合的にまた北方対策としてもしっかりと対応をしていく所存でございます。
大塚耕平
74
○
大塚耕平
君 私も、北方領土を早く返還させるべくきちっと対応していくべきだと思っていますので、それは思いは一緒なんですが、先ほど
大臣
もお認めいただいたように、我が国は他の大きな
課題
もいっぱい抱えていて、
財政
問題もその一つです。北方領土対策に
予算
配分するにしても、やっぱり
工夫
が必要なわけでありまして、
是非
、これも
委員会
に
提出
ということじゃなくて結構ですから、一体、北海道に今年度で三十七億四千六百万、根室市にも四千七百万、地方交付税が北方領土分として配分されている、これがどう使われているのかということを、
内閣府所管
じゃないかもしれませんので担当省庁に指示をして、ちょっと報告に来ていただけるようにお願いをしてください。 ちなみに、
沖縄
も入っているんですよ、
尖閣
諸島とか、当然のことですけれども。
尖閣
諸島は面積が小さいので、
沖縄
県に四百万、
石垣
市に三百万という、その程度でありますけれども。そういう制度のディテールもよく御
理解
いただいた上で所管事項をしっかり
処理
していただきたいというふうに思います。 最後になりますけれども、やはり
沖縄出身
の島尻さんが
沖縄
担当
大臣
になって、なるほど
沖縄出身
の方が就かれるとこういうふうに物事は変わっていったり、深いところを御
理解
いただいて今まで手の届かなかったところにちゃんと政治の手が届いたんだというふうに後々
沖縄
県民の
皆さん
が言ってくださるように今後ともお仕事に御尽力されることをお願い申し上げて、
質問
を終わらせていただきます。 終わりです。
秋野公造
75
○秋野
公造
君 公明党の秋野
公造
です。お役に立てますように
質疑
をしたいと思います。 まずは、
沖縄
の島をガンジューにとの思いから
質疑
をしたいと思います。 お手元に
資料
の配付をお願いをしたところでありますが、
沖縄
県における肥満の割合は四五・二%、全国第一位というものであります。これは三月三日の参議院の
予算委員会
で
提出
をいたしました
資料
そのままでありますが、この文脈は、私は
予算委員会
で肝臓がんの予防対策を求めました。そのときに、肝臓がんの原因というと、B型・C型肝炎ウイルスということになりますが、近年、脂肪肝による肝臓がんが増えているということで、これが二割を超えたという
状況
でありますので、この脂肪肝の原因である肥満そして飲酒についてもしっかり対応をしないと肝臓がんの予防はできないということで対応を求めたという、その文脈の中での
資料
であります。
資料
を改めて御覧をいただきますと、しかしながら、肥満が増えている原因、肥満者が増えている原因を私なりに分析をしてみますと、
沖縄
県が返還をされた頃の四十年前、昭和四十七年の摂取カロリー、千八百九十六キロカロリーが千六百七十八キロカロリー、脂質摂取量も五十四・四グラムが五十一・八グラムということで、カロリーも減っている、脂質も減っているのに肥満が増加をしているという
状況
であります。 一方で、運動不足かということでありますが、歩数の平均値、男性は四十七都道府県のうち十位ということで意外と歩いているということで、一方、飲酒習慣者の割合、これも四十七都道府県のうち四十四位ということでありまして、明確に
沖縄
で肥満の方が増加をしているということを
説明
するのがなかなか難しい
状況
にあるということで、精緻な分析を行う必要があるということで対応を求めたわけであります。 厚労
大臣
は、新たな視点であるとの御答弁もいただいて、対応をしていただくということになりましたが、まずは島尻
大臣
に、このデータ、背景、率直な感想をお伺いをしたいと思います。
島尻安伊子
76
○
国務大臣
(
島尻安伊子
君) 少子高齢化や疾病構造の変化が進む中で、子供から高齢者まで全ての国民が健やかで、そして心豊かに生活できる活力ある社会を実現するということが必要でございます。 議員御
指摘
のこの肥満については、厚生労働省によりますと、
沖縄
における男性の二十歳から六十九歳の肥満者の割合が全国で最も高くなっていると。肥満は、がん、それから循環器の疾患、糖尿病等の生活習慣病との関連があるとされておりまして、肥満対策を含めて、県民の健康の増進を進めていくということが重要でございます。 国におきましては、健康増進法に基づいて第二次健康
日本
21を
推進
しているところでございますが、まさに議員の御
指摘
は新たな視点でございまして、今後、厚労省とよく
連携
して対応していきたいと考えております。
秋野公造
77
○秋野
公造
君
内閣
府に、今後の具体的な対応について伺いたいと思います。
関博之
78
○
政府参考人
(関博之君) お答えいたします。 今
大臣
から
お話
ありましたが、現在、議員御案内のとおり、厚生労働省におきまして第二次健康
日本
21、進めているところでありまして、そこで肥満の減少について位置付けられております。これを受けまして、
沖縄
県においても
平成
二十六年三月に第二次健康おきなわ21を策定して、その中で、肥満対策を含めて、食生活改善
推進
員の育成などにより社会全体で健康づくりを総合的に
推進
しているという事実を我々も
承知
をいたしております。 しかしながら、今の
お話
にありましたように、新しい視点ということでこの肥満対策御提示ございまして、厚生労働省におきましても
調査
検討
を進めているというふうに伺っております。 私どもといたしましても、この
調査
結果が示された際には、恐らくそれを受けて
沖縄
県あるいは
市町村
がそれぞれ
取組
を進めるということが想定されますので、私どもといたしましても、厚生労働省と
連携
して
沖縄
県、
沖縄
県の
市町村
の
取組
に対し必要な
支援
を
検討
してまいりたいと考えております。
秋野公造
79
○秋野
公造
君 カロリーも減り、脂質も減っているということでありますので、まさに、もしかして低栄養あるいは飢餓状態で肥満が増加をしているということでありますと、その方に対して、あなたはカロリーの取り過ぎです、あなたは脂肪の取り過ぎですと指導を行うことは間違っている
可能性
があります。どうか精緻な
調査
を行って対応をお願いをしたいと思います。 次に、対馬丸記念館につきまして伺いたいと思います。 私が子供の頃に母が読み聞かせをしてくれた絵本が対馬丸の遭難であります。多くの子供たちの命が鹿児島県悪石島の沖で米軍の攻撃により失われたということであります。 当選後に対馬丸記念館を調べますと、遺影を飾る
予算
もない、タッチパネルあるいはコンピューターを修理するお金もないということでありまして、
予算
の増額を求めて、五百万程度であったものを一千万、一千五百万と増加をしていただいたところであります。 今般、様々な努力をいただいて二千万が計上されたと聞いてございますが、まずはこの具体的使途、安定的運営のための
事業
の展開につきまして伺いたいと思います。
藤本一郎
80
○
政府参考人
(
藤本
一郎君) お答えいたします。 対馬丸平和祈念
事業
に関しまして、
平成
二十八年度
予算案
につきましては、昨年四月、当
委員会
におきましていろいろ御
質疑
をいただきました。この御
質疑
も踏まえまして所要の
検討
をさせていただきまして
予算
要求を行った結果、先ほど議員の方から御
指摘
ありましたとおり、
平成
二十五年度以降、約一千五百万円であった
予算
額に対しまして約五百万円の増となる二千三十八万円を計上したところでございます。 その増額の
内容
でございますけれども、対馬丸記念館の安定的な運営を図るべく、来館の促進を図るというところに力を置いてございます。そのため、現行の
事業
、三つほどございますが、具体的には、語り部
事業
、二番目に特別展運営
事業
、三番目、平和学習
推進
連携
事業
の三つがございますけれども、これらの
事業
内容
の拡充を行うこととしてございます。 これに加えまして、今後の
事業
の効果的な展開について
検討
する場といたしまして、新たに対馬丸記念館とともに
内閣
府や
沖縄
県等の
関係機関
を構成員といたします、仮称ではございますけれども、対馬丸平和祈念
事業
協議会を
設置
いたしまして効果的な展開を図るということで、
検討
を進めるための
経費
も計上させていただいております。 今後、これらの
予算
が効果的に活用されることにより来館が促進され、対馬丸事件がより多くの人に広く伝えられていくことを期待しているところでございます。
秋野公造
81
○秋野
公造
君 今、来館が促進をされと
お話
がありましたが、近くにはクルーズ船も泊まるようになりまして、外国人のお客も周りに多いように感じております。残念ながら、
日本
語の表記しかないということが残念なところでありまして、この対馬丸の悲劇を海外に発信するツールというものが今はない
状況
だと思います。 様々、ITあるいはスマートフォンなどで読み取ることができる音声コードもコードEXとして発展をしているようなところであります。こういったものを使いながら、
日本
は二度と戦争をしないということを対馬丸記念館の悲劇を通じて海外に発信をすべきと考えますが、見解を伺いたいと思います。
藤本一郎
82
○
政府参考人
(
藤本
一郎君) ただいま議員より御
指摘
ございましたように、外国人来館者への対応ということにつきましては、来館促進による記念館の安定的運営の
観点
とともに、来館者の利便性の向上の
観点
からも
検討
されるべき
課題
の一つとして
認識
してございます。こういうことを通じまして、外国の方々についても、この事件の悲惨さ及び平和への問題についての情報発信をしていくことは重要だと思っております。記念館側におきましても同様の
認識
であるというふうに
承知
してございます。 その具体的な方策につきましては、現時点で決まったものは今のところはございませんけれども、先ほども申し上げましたとおり、新たな協議会等の場を活用しつつ、今後、類似
施設
の
状況
等も
参考
に、また、費用対効果も検証しながら、どのようなことが必要なのか、あるいはできるのか、また、効果的なのかということを幅広くいろいろな角度から
検討
されていくことになるというふうに
承知
しております。 先ほど議員から具体的に御
指摘
ございましたけれども、更なる多言語化への対応や、そのためにICTの技術を活用していくといったようなことにつきましても、一般論としまして、来館者の利便性向上の
観点
から、その
検討
の選択肢の一つになり得るものと考えております。 いずれにしましても、対馬丸平和祈念
事業
は対馬丸記念館が主体的に実施するものでございますので、私ども
政府
が具体的な
取組
について知り得る立場にはございませんけれども、
内閣
府としましては、今後とも記念館、
沖縄
県等とも
連携
しつつ、対馬丸記念館の
事業
が円滑に進められるよう適切に
支援
してまいりたいと考えております。
秋野公造
83
○秋野
公造
君 よろしくお願いをしたいと思います。
沖縄
の遺骨収容について伺いたいと思います。 これまで
沖縄
で遺骨収容のお手伝いを続けてまいりました。今なお御遺族の下にお帰りになれていない御遺骨が一日も早くお戻りになれるように取り組んでまいったところでありますが、昨年の七月二日に、
山本
、当時の副
大臣
の下へ、
沖縄
県金武町屋嘉に
日本
兵の収容所の
跡地
、ここに未収容の遺骨もあるということで、大体の場所も
状況
も明らかとなっておりますことから、遺骨の収容を開始させていただきたいというお願いに行かせていただいたところでありますが、その後の進捗につきましてお伺いをしたいと思います。
堀江裕
84
○
政府参考人
(堀江裕君) お答え申し上げます。 御
指摘
の
沖縄
県国頭郡金武町屋嘉の元収容所埋葬地における御遺骨の収容につきまして、昨年七月、
委員
から当時の
山本
香苗厚生労働副
大臣
に御
要望
いただいた
内容
につきまして、
沖縄
県に伝えるとともに、埋葬地跡の現在の
状況
、過去の遺骨収容の実績等について
調査
を依頼しました。 先週、
沖縄
県に対し
調査
結果について確認したところ、御
指摘
の場所に米軍による収容所があったこと、昭和二十一年二月に地元の青年団が屋嘉周辺の遺骨収容を実施したこと、昭和四十年頃、当該場所に公民館を
建設
する際に遺骨収容を実施し、
平成
二十三年に同公民館を取り壊しした際に改めて御遺骨がないか確認した、それから周辺での聞き取り
調査
においてその場所では既に何度か遺骨収容が実施されているという証言が複数あったというような報告を受けております。 いずれにいたしましても、厚生労働省では明日から担当職員二名、
沖縄
県に派遣することにしておりますので、現場確認もしながら報告
内容
の精査を行ってまいりたいと思います。
秋野公造
85
○秋野
公造
君 ありがとうございます。前に進めていただきました。 一月とそれから今月、奄美大島の宇検村を訪ねました。元田村長にお伺いをしますと、宇検村で対馬丸の犠牲者に対する碑を建てるということで
予算
を議会にお諮りをしているという
お話
でありました。すなわち、この対馬丸で犠牲になられた方の御遺体が漂着をしたというのがこの奄美大島の宇検村ということになります。 多くの方の御遺骨は既に収容されておりますが、分からなかった方の御遺骨がまだ眠っているということでありまして、こういった碑を造るに当たり御遺骨を収容したいというような現場の思いというもの、そして、
沖縄
で活動しているガマフヤーの具志堅代表を始めとする多くの方々の御希望もあるところであります。 こういった方々への
取組
を御
支援
をお願いをしたいところでありますが、厚労省の見解を伺いたいと思います。
堀江裕
86
○
政府参考人
(堀江裕君) 今回は、情報の提供、御
要望
につきまして、ありがとうございます。感謝申し上げます。 厚生労働省では、戦没者の遺骨情報がいただけた場合には
調査
、確認することとしております。今回の宇検村の件につきましても、議員からいただきました情報を地元自治体にお伝えし、地元自治体等からも情報を得ながら、まずは事実
関係
を確認してまいりたいと考えてございます。 事実
関係
を行いました後に、更なる対応が必要な場合にはまた
検討
してまいりたいと思います。
秋野公造
87
○秋野
公造
君 どうぞよろしくお願いをしたいと思います。 昨年の八月に、公明党の
沖縄
県本部として
与那国
島を尋ねました。
台風
の
被害
調査
と、それから
与那国
の
海底
遺跡様地形についての
調査
を行ったということでありまして、県本部議員団の前で私が代表して潜水
調査
を行わせていただいたところであります。非常に複雑な地形、ここは人工なのか自然なのか非常に議論を呼んでいるところでありますが、第一発見者であります真謝
観光
協会会長などによりますと、やはり一日も早い保全をしてもらいたいというのが願いのようであります。人工か自然か様々な議論はあるかと思いますが、まずは、例えばこういったところを天然記念物として保存をすることができないかということを率直に感じます。 例えば、こういったことの
調査
を行うことは
支援
対象になるか、文化庁に伺いたいと思います。
村田善則
88
○
政府参考人
(村田善則君) お答え申し上げます。 文化庁では、学術上価値の高い地質鉱物等の実態を把握し、その保存対策に資するため、地方公共団体が学術上貴重な地質鉱物等の所在、分布の
状況
を明らかにすること等を目的として行う
調査
に対して補助を行っているところでございます。 先生から御
指摘
がございましたいわゆる
与那国
海底
遺跡を天然記念物として
調査
する場合に補助の対象となるかどうかということにつきましては、一義的にはこれは地元自治体がどのような
調査
を行うかということによるものでございますけれども、例えば先生例として御
指摘
いただきました、地元自治体が
与那国
島全域における学術上貴重な地質鉱物等の所在、分布の
状況
を明らかにする
調査
において
調査
対象の一つになり得るのであれば、これに対して補助を行うことも可能ではないかと考えているところでございます。
秋野公造
89
○秋野
公造
君 ありがとうございます。
沖縄
の
海底
資源開発について伺いたいと思います。 「ちきゅう号」が大きな発見をしたことによって、今はJOGMECの「白嶺」、そして海上保安庁、様々関わりながら
沖縄
の資源開発の全容が明らかになっているところであります。 これを大きく後押ししてくれたのがSIP、いわゆるシップの
取組
でありまして、この発見が非常に後押しになって、期待をしているところであります。まずは、これまでの成果についてお伺いをしたいと思います。
森本浩一
90
○
政府参考人
(
森本
浩一
君) お答え申し上げます。
内閣
府が
推進
しております戦略的イノベーション創造プログラム、SIPの次世代海洋資源
調査
技術におきましては、
海底
下に大
規模
な鉱床が存在する
可能性
が高い
沖縄
本島
北西に位置します伊平屋サイトにおいて
調査
を行っているところでございます。
海底
下から噴出する熱水から有用な鉱物が析出、濃集した熱水鉱床の成因を解明するために、
海底
下の
状況
を直接把握することを目的として、これまで二回、地球深部探査船「ちきゅう」による
海底
の掘削
調査
を行ってまいりました。
平成
二十六年の
調査
では、掘削された試料が銅、鉛、亜鉛、金、銀などが含まれる鉱床であることや、南北数キロメートルにわたる広大な熱水域が存在することを確認したところでございます。また、本年二月から三月の
調査
では、熱水活動が活発な
地域
におきましても新たに掘削を行い、モニタリング装置の
設置
などを行ったところであります。 今後の解析によりまして、更に詳細な
海底
下に広がる熱水の分布域及び
海底
下の構造の把握が期待されているところでございます。
秋野公造
91
○秋野
公造
君 もうちょっと詳しく教えてほしいんですが、今の
お話
は、
海底
熱水鉱床の資源が存在する有望
海域
を絞り込むことができる技術の開発を目指しているという
理解
でよろしいか、お伺いをしたいと思います。
森本浩一
92
○
政府参考人
(
森本
浩一
君)
委員
御
指摘
のとおり、「ちきゅう」での掘削の成果はもとより、
調査
船での音波探査や電磁探査などにより得られた様々なデータを活用して、いまだ詳細が明らかになっていない海洋資源の成因を解明することによって成因モデルを構築し、資源が存在する有望
海域
の効率的な絞り込みに貢献することを期待しております。
秋野公造
93
○秋野
公造
君 この
取組
は長く続けていただくことが非常に重要でありますが、残念なことは、来年度まだきっちり行うかどうかということが明確になっていないということであります。 先週、経済
産業
委員会
でも、ここのごんどうサイト、ここの品位が極めて高いということ、十倍以上はあるといったような
状況
も教えていただいたところであります。このSIPの
取組
においても、例えばごんどうサイト、こういったところの掘削なども考えながら、来年度もしっかりやるということ、決意のほどをお伺いをしたいと思います。
森本浩一
94
○
政府参考人
(
森本
浩一
君) 今年度まで掘削を行ってまいりました形成年代が
比較
的まだ若い伊平屋サイトとは異なり、成熟した鉱床であると想定されて、御
指摘
のように、採取された鉱石の品位が高い久米島の近海のごんどうサイトの掘削を現在
検討
しているところでございます。 海洋資源
調査
技術の開発は国家戦略上も非常に重要な
課題
でございまして、海洋
調査
船として世界最高の科学掘削能力を誇る「ちきゅう」を
最大
限に活用して、大きな成果が得られるよう努力していきたいと考えております。
秋野公造
95
○秋野
公造
君 どうぞよろしくお願いします。 終わります。
儀間光男
96
○儀間光男君 おおさか維新の儀間です。
沖縄及
び北方問題に関する
委員会
、
質問
させていただきますが、島尻
大臣
、御苦労さんです。先ほど、
大臣
と
大塚
委員
のやり取りで、
大臣
は、人は野党が育てるなというようなものをつくづく感じましたから、めげず頑張って、
指摘
に応えてくださいね。期待をしております。 まず、
平成
二十八年度の
沖縄
予算
関係
について、
大臣
、昨年と前年とここが違うんだよという特徴的なことがあれば、短めにお願いをしたいと思います。
島尻安伊子
97
○
国務大臣
(
島尻安伊子
君) 特徴的には二つございます。まずは、
拠点返還地跡地利用推進
のための
交付金
と、もう一つは、
沖縄
子供の貧困緊急対策
事業
ということ、この二つが前年度とは違うということでございます。
儀間光男
98
○儀間光男君 報道やその他の裏話を聞きますというと、この二つはやはり島尻
大臣
ならばこそ、だったからこそ付いたんだという
お話
と聞いておりますが、それはそれとして非常に結構な話でございます。 まず、その特徴的なものから、拠点返還、これ西普天間の話だと思いますが、
交付金
が十億円新たに、今特徴的な
お話
だといって付きましたけれども、これについての詳細について伺いたいと思います。
島尻安伊子
99
○
国務大臣
(
島尻安伊子
君) 今
委員
御
指摘
のように、今年度の骨太方針におきまして、拠点返還地であります
西普天間住宅地区
の
跡地
につきまして、
国際医療拠点構想
の具体的な
検討
を進めた上で、同地区への琉球大学医学部及び同附属病院の移設など高度な医療機能の導入を始めとする
駐留軍用地
跡地
の利用の
推進
を図るとされているところでございます。 これを受けまして、
平成
二十八年度
予算案
におきまして、御
指摘
の
拠点返還地跡地利用推進
交付金
を創設し、十億円を計上しているところでございます。具体的には、本
交付金
は、拠点返還地が所在する
市町村
が実施する
跡地
利用を
推進
するために必要な各種
調査
事業
等であって、公共
事業
等の国庫補助金の対象とならないものを幅広く対象とすることとしております、ということでございます。
儀間光男
100
○儀間光男君 この十億円は、宜野湾市に直接交付される十億円ですよね。確認します。
島尻安伊子
101
○
国務大臣
(
島尻安伊子
君) その
市町村
に直接交付をされます。
儀間光男
102
○儀間光男君 これは、二十八年度中で使い切りなさいと、十億円分の
事業
をしなさいと、こういう趣旨のものですか、どうなんですか。
関博之
103
○
政府参考人
(関博之君) 事実
関係
、お答え申し上げます。 今申し上げましたように、これ、拠点返還地が所在する
市町村
へ対する
交付金
の創設でございまして、二十八年度では、当面は拠点返還地が所在するのは宜野湾市のみとなっておりますので、宜野湾市の方にこの十億円を交付、もちろん
事業
に応じて交付をするということでございまして、あくまでも二十八年度の必要な額として計上しているものでございます。
儀間光男
104
○儀間光男君 現実の問題として、これ、恥ずかしい話ですが、宜野湾のとある担当職員が、四、五億あれば御の字だったのに、これだけ急増してしまって、一体執行できるかどうか不安であるというようなことをもう前もって言っているんですね。 これ、どういう意味かはよく分かりませんが、
大臣
、督励をしてきちっと執行させて
事業
効果を出さないというと、今度の特徴的な
予算
でしたと来年言えなくなってしまいますので、その辺の覚悟をちょっと示していただきたいと思います。
島尻安伊子
105
○
国務大臣
(
島尻安伊子
君) いずれにしても、この
跡地
利用は大変大事なところでございますので、地元、宜野湾市としっかりと話を進めていきたいというふうに思います。
儀間光男
106
○儀間光男君 大盤振る舞いという言い方もされておって、何をお考えかなとよく分からないので、しっかりとひとつ指導していただきたいと思います。 次に、子供の貧困問題、これも
大臣
が強く折衝して、概算にないものを追加要求して
予算
獲得をしたというふうに報じられておりましたが、それに対する思い入れなどをひとつ開陳していただきたいと思います。
島尻安伊子
107
○
国務大臣
(
島尻安伊子
君)
沖縄
におきまして子供を取り巻く環境というのは、一人当たりの県民所得が全国最下位であるということ、それから母子世帯の出現率が全国一位であるということなど、全国と
比較
して特に深刻な
状況
でございます。 私自身、
大臣
就任してからも様々な
施設
を視察をいたしまして、NPO等の
関係者
とも意見交換を行ってきましたけれども、やはり子供たちを取り巻く環境というのは大変厳しい
状況
だと実感をしているところでございます。 これまで
沖縄振興
として社会資本
整備
などが進められてきたわけでありますけれども、今後の
沖縄振興
策を考える際には、残された
課題
というものにもしっかりと目を向けていくことが必要でありまして、まさに
沖縄
における子供の貧困対策がその一つであるというふうに思っております。このため、
沖縄振興
特別措置法に基づいて、
沖縄振興
を担当する立場から
沖縄
独自のこの施策を講じることとさせていただきました。
儀間光男
108
○儀間光男君 確かに、いろんな
調査
をしてみてそういう事実が分かっておるのでありますが、この背景って一体何でしょうね、地元におられてよく御
承知
だと思うんですが。どうしてこういう背景になってきたのか。僕は、制度の周知の問題も一部あるとは思うんですが、
大臣
、どういう感触でしょうかね。
島尻安伊子
109
○
国務大臣
(
島尻安伊子
君) 今、データとして
沖縄
県の方も
調査
をなさっているということでございまして、やはり
沖縄
県の
調査
によりますと、
沖縄
県の子供の貧困率二九・九%、全国に比べて一・八倍と、それから、母子世帯の出現率が二・七%、全国第一位ということでございます。
沖縄
県における所得の低さというのがまず挙げられるのかというふうに思いますが、いわゆる負の連鎖というふうに表現をされるところでありますけれども、所得が低いと一人親家庭になってしまう、つまり離婚率が高くなる、そうすると一人親家庭になる、そうするともうその子供の居場所として多分夜一人でいなきゃならないそういう
状況
になって、そうするとこの子供がまた深夜徘回等非行に走る、そうすると若年出産ということにつながってしまう、負の連鎖というふうに表現されますけれども、そこを何とか断ち切らなければならないというふうに思っておりますが、いろいろな要因というのは考えられるかと思います。
儀間光男
110
○儀間光男君 この問題は非常に深刻で、私もある市の市長を十二年やってこの問題直接やってきましたけれど、なかなか大変なことで、確かに所得が低い、これは大きな原因ですね。所得が低くて、あるいは、一人親の場合もありますが、両方の親がおっても所得が低くてうちを親たちが留守にしがちである、そういう折にこの子供が深夜徘回をしたりというような
状況
がかいま見られまして大変な苦労をいたすのでありますが、しかも、失業率がまだ、改善されたとはいえ、五・〇%前後だと思うんですが、かなり改善されたとは思うんですが。 この貧困問題、それでは、そういう背景は分かったんですが、この十億の執行する流れは一体どういう形で考えていらっしゃるのか。
島尻安伊子
111
○
国務大臣
(
島尻安伊子
君) 具体的には、
平成
二十八年度から、新たに個々の子供の貧困に関する
状況
を把握し、
支援
を要する子供とその世帯を
支援
措置につなぐ
支援員
の配置、それから子供が安心して過ごせる居場所の運営の
支援
をモデル的、集中的に行う、これを実施させていただきたいというふうに思っております。
儀間光男
112
○儀間光男君 今
お話
しの
居場所づくり
を私は相当やってきたんですね。各小学校に児童センターをつくり、あるいは各学校区に学童クラブを小学校に併設したりして
居場所づくり
相当やってきて、
地域
公民館もつくって三世代
地域
で指導するようにというようなことをやってきて、ある程度実績は上がったんですが、決定的な解決には至っていないんですね。十二年掛かって、今日、成果の上がっている部分もあるんですが、なかなか思うように上がっていない。相当この執行にはきめ細かくやっていかないというと、効果が、さっきの話じゃありませんが、BバイCが上がることはなかなか難しいことでありますから、しっかりとひとつお願いをしたいと思います。 これも、恐らく、先ほど言いましたが、昨年の
沖縄
の失業率が五・一%、国内では最も高いし、大体県民所得が二百二万だの四万などといったんですが、
調査
してみると、平均が二百八十七万となっておりますが、それも全国平均からすると七〇%ちょぼちょぼの数字なんですね。 こういう失業率や平均給与が低い、年収が低いことに大きな原因があると思うんですが、では、所得の向上にはどのような施策をもって当たろうとしていらっしゃるのか、伺いたいと思います。
島尻安伊子
113
○
国務大臣
(
島尻安伊子
君) まず、先ほどの子供のところは、儀間先生、浦添市長のときにかなりいろいろな細かい施策を講じていただいたということをお聞きをしておりまして、今、この子供の貧困の具体策を進める上に当たってはいろいろと
参考
にさせていただいております。今後も御指導いただければというふうに思います。 今の御
質問
でございますけれども、
沖縄
の
振興
ですね、所得の向上に関して、
沖縄
の更なる経済発展のための施策はどのようなものかという御
質問
だというふうに思いますけれども、まずは
産業
の
振興
、そして雇用の
確保
にもっともっと積極的に取り組んでいくことが極めて重要だというふうに
認識
をしておりまして、引き続き、
沖縄
の
優位性
を生かした国際物流
産業
の集積や、それから、OISTですね、
沖縄科学技術大学院大学
などを核としたグローバルな知的・
産業
クラスターの形成の進展というものを図っていくとともに、
沖縄
のリーディング
産業
である
観光
リゾート
産業
あるいはそのIT関連
産業
の発展を図るなど、
沖縄振興
策を総合的そして積極的に
推進
していきたいと考えています。
儀間光男
114
○儀間光男君 最後の
質問
になりますが、今おっしゃった
沖縄
の経済のリーディング
産業
である
観光
産業
、これをもっと拡大していく、雇用の機会を多くしようという
お話
でありましたが、北部
地域
に大型の
観光
拠点が誘致
推進
されているように聞きますが、これ聞いてみますと、進出と撤退も併せて今
検討
している。その大きな理由は何かというと、大体こういうテーマパークは入客で一千万から一千五百万なりの客が入らないというと採算ベースに乗らないということで、今
沖縄
で訪れた
観光
客、インバウンドだけ見ますと七百七十六万人といって
最大
の数値を示しているわけです。ところが、大型テーマパークの、七百七十六万では大型パークに達しないというようなことがあって心配があるんですが、それについての、インフラ
整備
等も含めて、
大臣
、どう考えるかを伺って、
質問
を終わりたいと思います。
島尻安伊子
115
○
国務大臣
(
島尻安伊子
君) 今回の北部
地域
大型
観光
拠点
推進
調査
についてでございますけれども、
沖縄
観光
が好調に推移して北部
地域
にも多くの
観光
客が訪れているわけでありますけれども、この北部
地域
での滞在時間が十分だとは言えず、その波及効果の広がりに
課題
が残るという
状況
でございます。本
調査
は、まずは国際競争力のある大型
観光
拠点を核とした
観光
エリアに期待される役割、それから北部
地域
における滞在型
観光
、新
観光
ルートの確立、それから
観光
エリアにおける有機的な
産業
地域
連携
の
推進
、そして
課題
の整理や
支援
の在り方などに関して必要な
調査
検討
を行うものでございます。 御
指摘
の大型
観光
施設
につきましては、継続
検討
中であるという話が事務方に来ているというふうには
承知
しているところでございます。
儀間光男
116
○儀間光男君 ありがとうございました。 終わります。
江崎孝
117
○
委員長
(
江崎孝
君) この際、武藤
外務
副
大臣
から発言を求められておりますので、これを許します。武藤
外務
副
大臣
。
武藤容治
118
○副
大臣
(武藤
容治
君)
外務
副
大臣
の武藤
容治
でございます。 我が国を取り巻く安全保障環境が一層厳しさを増す中、我が国の外交・安全保障の基軸たる日米同盟の強化が不可欠であります。特に、在
沖縄
米軍を含む在日米軍の抑止力は
地域
の平和と安全の
確保
に不可欠でありまして、在日米軍の抑止力を維持しつつ、地元の
負担軽減
を図っていくことが重要であります。 また、ロシアとの間では、両首脳間で、プーチン大統領訪日前のしかるべき時期に、安倍総理が非公式にロシアを訪問する方向で調整を進めることで一致しているところであります。ロシアとの政治対話を積み重ね、平和条約締結交渉にしっかりと取り組むことが重要です。 これらの基本的な考えに基づき、岸田
外務
大臣
を補佐し、
外務
副
大臣
としての職責を全うするべく、全力で取り組んでまいります。
江崎
委員長
を始め理事、
委員
各位の御
支援
と御協力を心からお願い申し上げます。
寺田典城
119
○寺田
典城
君 寺田でございます。よろしくお願いいたします。
大臣
にお聞きしますけれども、私は生まれが北国ですからやっぱり
沖縄
というのはある面では憧れ的に、それから成長もしていただきたいと思っていますし、歴史的にはいろんなことを抱えてきたことも、戦後を含めて、基地問題もあるわけなんですが。ある面では、先ほど、県民所得が最低だとか、母子家庭が多いとか、子供の貧困率が多いとかというのは、ある面では改善すれば一番急激に成長する
可能性
だってあると思うんですよ。それは
手法
とか考え方だと思うんですね。
沖縄
が自立して、発展させるためにはどのようなことに力を入れていきたいかということを取りあえずまず
大臣
から聞いて、それからやり取りしたいと思います。
大臣
、答えてください。
島尻安伊子
120
○
国務大臣
(
島尻安伊子
君)
内閣
府におきましては、
沖縄振興
特別措置法に基づきまして
沖縄
の自立的発展のために各種の施策をこれまで実施してきたところでございます。本土復帰以降講じられてきた様々な施策によりまして、社会資本の
整備
、それから就業者数の増加、有効求人倍率の向上、入域
観光
客数の増加など着実に成果を上げてきておりますけれども、今御
指摘
のように一人当たりの県民所得が依然として全国の下位、下の方に止まっているということ、そして、失業率もここ数年で大分改善傾向にはございますけれども、まだまだ全国平均に比べると依然として高い水準であるという
課題
が存在しているというふうに思っております。 今、もちろん
委員
が御
指摘
いただきましたやはり人材の育成というところもしっかりと入れて、ハード面のみならず、これから福祉、教育、医療といったソフト面の
取組
ということも進みつつあるものですから、この流れを大事にしながら
振興
策を進めていきたいと考えております。
寺田典城
121
○寺田
典城
君 そこに関統括官もお見えになっているので後で関さんにもお聞きしたいと思うんだけれども、私は、
沖縄
というのはある面ではアジアの
中心
地になり得るなと、そう思うんです。地理的にそうなんですね。ASEANともっとしっかりとした
連携
した方がいいんだろうなと思うんですよ、ASEAN、十か国ありますけれども。 例えば、何というんですか、
沖縄
の子供たちは必ず二か国語をしゃべれるとか、そうしたらフィリピンだとかマレーシアに留学、高校四年にしてでもいいから留学させるとか。 でなければ、ASEANの
中心
地だとして、例えば、技術を磨く、スキルを、要するにレベルを上げるためにも教育に力を入れなきゃ、要するに技術を学べる学校を
中心
地にすると。職業能力大学校みたいなものの発展したものを連れてくるとか、お金がないんだったら、今特別会計七兆円ぐらいあるでしょう、雇用特会、そういうのも使うぐらいにして。 OISTも見てきました。だけど、特別なものをやるよりも、まずとにかく
沖縄
の国民がレベルを上げるというような形で考えていくべきだと思うんですよ。OISTに、あそこまで行って、千五百七十億円も今まで金累計で掛けていると、運営費
交付金
が千百億で
施設
が四百七十億だとかというのを、去年行ってきたんですけれども。 そういうことよりも、まずとにかく、そういう生まれてくる方々のあれをしっかりと育てていくと。だから、
沖縄
に生まれたら必ず外国に一年間留学するよ、それからアジアから必ず、ASEANから連れてきて何千人という交流をして、そういう教育の場所をつくるよと、そういうことを考える気ないですか。
関博之
122
○
政府参考人
(関博之君) お答えいたします。 今の
お話
の中で、特に子供たちを含めた人材の育成という
観点
での御
質問
だと思いますが、御案内のとおり、今文部科学省さんでやっている学力テストの成績もかなりいい形で流れができておりまして、そういうのを拝見していますと、非常に活気が出ている感じがいたします。これは、御案内のように、
支援員
を一括
交付金
で活用していただいたりとか、あるいはICTを使った
離島
でもいろんな勉強ができるとかという
取組
もございますが、あわせて、先生が知事さんのときに始められた秋田県と
沖縄
県の教員交流、こういう様々な
取組
が組み合わさって今人材育成というものに対してかなり焦点が当たってきたなという感じを個人的に持っております。 今の御提言、それぞれコメントすることは時間的に差し控えますけれども、大きな方向として、出生率が一番高い
沖縄
の子供たち、この人たちが
沖縄
だけでなくてやはり
日本
全体あるいは世界に活躍できるような
取組
というのがこれから求められていくと思いますので、私たちもそういう視点を持って
支援
に取り組んでまいりたいと考えております。
寺田典城
123
○寺田
典城
君 実を言うと、二年前ですね、
沖縄
県の教育長ともしばらく話してきました。秋田県との教員交流もしているんですが。私、例えば三十人学級というのは、
平成
十三年、全国で一番先駆けてやらせていただいたんですが、それと同時ぐらいに、幼保一元化というんですか、認定こども園なんかも一番先です。なぜ幼保一元化したのかというと、幼児教育も幼児保育も同じだろうと、文科省と厚生省違うんだけれども、でしょうということなんです。 それで、一番心配したのは何かというと、決断したのは何かというと、幼稚園から小学校に入るときと保育園から小学校に入るとき、五ポイント差がある。幼稚園の方がいいんですよ、成績が。だったら、一緒にやった方がいいと。今子供が、何というんですか、保育園に入れなかったとかとよく言うんですけれども、幼稚園の
施設
も借りたり、保育園の
施設
と共同してやれば、だけれどもやっぱりまだ縦割り行政の中でなっていると。だから、そういうのがいろいろあるんですよ。 例えば、だけれども、秋田県では標語は、早寝、早起き、朝御飯と、こう言うんですけれども、
沖縄
県はあんなに気候がいいから、早寝、早起き、朝御飯はちょっとそれは頑張ったって無理だから、私は率直に、そんなに勤勉になれるわけじゃないので、私だって
沖縄
に住んでいるとゆっくり寝てるかも分からないですよ、それは。 だったら、幼保一元化をできるだけ早くして、全部して、それから幼児保育と幼児教育を徹底してやると。それから、少人数学習を徹底すると、そしてチームティーチングとか複数の先生を付けるとか、それをすればある面ではすぐ上がっていくと思います。そして、ASEANの
中心
地になって、海外に一年間留学を義務付けると、
沖縄
はそうすると三十年でもう変わりますよ。
日本
で一番強いところの地区になるかも分からないです。 だから、そういう点では、島尻
大臣
、やりがいがあると思いますよ。だから、関さんも頑張ってみてください、その辺り。誰それさん、地方創生の石破さんに頭固いこと言われたって言うこと聞かなきゃいいんだから。そういうことを頑張って、思いをちょっと言ってください。
島尻安伊子
124
○
国務大臣
(
島尻安伊子
君) ありがとうございます。しっかり頑張っていきたいと思います。 やはり地政学的に
沖縄
の位置というのは重要なところだと思っておりまして、
委員
御
指摘
のASEANということもあります。例えば、中国とASEANとじゃ
日本
で足したらもう人口二十億になるわけで、それの
中心
に
沖縄
があると言ってもこれは過言ではありませんので、いろいろな意味でそういったところを視野に入れてこれからの
沖縄振興
、人材の育成も入れてしっかり頑張っていきたいと思います。
寺田典城
125
○寺田
典城
君 これから、だから職業能力大学校みたいなものをつくる、
沖縄
に、そのOISTのほかに、じゃなくて一般的な人方をよく育てるという形ですね。
日本
には留学生が来たがると思うんですけど、私は国際教養大学のときは、何というんですか、非常に厳しい留学の条件を付けたんです。こちらから行くのもそうなんですが、あちらから来るのも、クロス、交換留学ですよ。だから、百五十校、百七十ぐらいですか、大学との
連携
をして、必ず一人とか二人しか行けないと。だから、中国から何千人来たとかなんて、そういうことでは駄目なんですね。 だから、そういう形で含めていけば、何というんですか、そういう人材育成にも間違いなくつながるかと思いますし、そういう点でまだまだ
沖縄
県というのはできることがあるんじゃないのかなと思うんです。 私は、ちょっと分からないのは、OISTのことについて聞きますけど、なぜああいう
施設
だけで、
内容
的には確かに大学院大学だからこうだというんですけれども、もう少しあれはやはり厳しく目標値を立てた方がいいと思うんですけどね、
大臣
。
島尻安伊子
126
○
国務大臣
(
島尻安伊子
君)
沖縄科学技術大学院大学
、ベスト・イン・ザ・ワールドという旗の下でこのOISTを創設されて今に至るわけでありますけれども、現在、世界の三十を超える国・
地域
から五十一名の教授陣と、それから百三名の学生が集まって、先端的、学際的な研究及び教育が行われております。学部の壁がなく、また事務レベルまで含めて全て英語が公用語とされるなど、非常に特色のある運営が行われております。 OISTは現在開学四年目に入った段階でありますけれども、現状において、まずOISTの研究が昨年一年間で、世界トップレベルの科学誌ネイチャーという有名なものがありますけれども、ここに三件掲載されるとともに、そのうち一件は表紙を飾ったということでございます。さらに、OIST発のベンチャー企業も誕生しておりまして、それからもう一つ、論文の絶対数は現時点では少ないわけでありますけれども、その論文の相対被引用度というもの、あるいはトップテンパーセントの論文率は、国内ではトップクラスに位置をしているところでございます。 このOISTの評価に関してでありますけれども、実は昨年の夏、ノーベル賞学者を含む著名な外部有識者によりまして、研究、教育、運営全般に関して外部評価、ピアレビューというふうに呼んでおりますが、これが実施をされました。その報告書によりますと、卓越性を測る全ての主要な基準において傑出した成果が見られるということ、それから世界の一流機関と伍する、互角に戦えるというこのレベルに向かって順調に進んでいるとの総括を見たわけでございます。 また、このようなことも背景に、実は今年の一月に閣議決定されました第五期の科学技術基本
計画
がございますけれども、我が国における世界トップレベルの研究拠点の形成に関して、このOISTにおける
取組
を捉えるという旨が記述されているところでございます。 今後、総体的に見て順調に進展しているというふうに思われますけれども、引き続きの発展を続けて、冒頭申し上げましたその所期の目的を達することができるよう、不断の検証を重ねつつ、適切に
支援
をしていきたいと考えております。
寺田典城
127
○寺田
典城
君 よくあそこも見させていただいたんですが、やはりお金が潤沢にあって、国のやっている仕事だなと、だからハングリー精神がやっぱりないんだななんということで見てまいりました。率直な感想です。 私は御用評価
委員
ではございませんで、おたくみたいに、
内閣
みたいに御用評価
委員
みたいなのを頼んで、いい成績で書いてくれよなんてあれじゃないんで、厳しく見ると、やっぱりもう少し、何というか、原点に返ってハングリーなやり方をして、今の
日本
の
財政
だって厳しい
状況
、何ともならぬ
状況
ですから、そういうことを含めて、いい人材を育てていただきたいと思います。 以上でございます。
紙智子
128
○紙智子君
日本
共産党の紙智子でございます。 まず、
那覇
市内で十三日に発生した米兵による女性暴行事件、またしてもというふうに思いましたけれども、これまでも幾度となく繰り返されてきました。人権と尊厳を踏みにじる卑劣な犯罪であり、許されることではありません。
沖縄
県議会は、米軍における再発防止への
取組
や軍人への教育の在り方が機能していないと
指摘
をし、
被害
者や家族への謝罪と補償、実効性のある教育など、更に踏み込んだ具体的な対応を求める決議を今日上げるということです。
那覇
の市議会を始め県内の
市町村
議会も抗議決議を次々と上げていますけれども、
大臣
としてこれをどのように受け止めておられますか。
島尻安伊子
129
○
国務大臣
(
島尻安伊子
君) 本件事件はもう極めて遺憾でございまして、あってはならないことと考えております。 本件の事件発生後、
関係省庁
において、直ちに米側に対して本件事件の発生は極めて遺憾であるとして綱紀粛正及び発生防止を強く申し入れたと
承知
をしております。 他方、本件事件の事実
関係
については、現在、
沖縄
県警が捜査中であるというふうに
承知
をしております。 私といたしましては、二度とこのような事件が起こることがないようしっかりと再発防止を図ると、それに尽きるというふうに考えております。
紙智子
130
○紙智子君 繰り返されているわけですよね。だから、機能していないんじゃないかと、これまで何回もそういうことを
お話
しになっているのにまた繰り返されると、機能していないんじゃないかということを
指摘
をしているわけですよ。ですから、踏み込んで、提案の中身になっていますから、そこを本当にやらなきゃいけないだろうというふうに思います。 私は、やっぱり県民の人権、平和と米軍基地、これは両立できないというふうに思うわけです。基地がある限り事件が繰り返されるということですから、やっぱり二度と繰り返させないというためには基地は撤去していくと、なくしていくということが大事だというふうに思います。この点については答弁求めませんけれども、
是非
その立場に立っていただきたいということを申し上げたいと思います。 次に、子供の貧困についてお聞きをいたします。
沖縄
県は、昨年十月から十一月、子供の暮らしや精神
状況
、保護者の就労や家計、子育ての負担など、アンケートの
調査
をしました。
沖縄
県は、一月二十九日に子供の貧困実態
調査
中間報告として発表いたしました。その中で、経済的な理由で過去一年間、米やみそなどの日用的な食べ物を買えなかったことがあると、必要な食料を買えないことがあった県内の子育ての世帯というのは、一人親世帯で四三%、両親がいる世帯でも二五%に上がっているといいます。
大臣
、これどのように受け止められますか。
島尻安伊子
131
○
国務大臣
(
島尻安伊子
君) 今
委員
の御
指摘
のとおり、大変に
沖縄
の子供を取り巻く環境は特に深刻な
状況
であると、
沖縄
県における子供の貧困に関する
調査
の結果からもこうした点が読み取れるところでございます。 例えば、今まさに御
指摘
があったように、過去一年間で経済的理由で食料を買えなかった経験のある一人親世帯の割合が
沖縄
では四三%に上り、全国の二二から三三%に
比較
して非常に高くなっていると。また、過去一年間で公共料金の未払があった一人親世帯の割合も
沖縄
では二五%に上り、全国の一一から一四%と
比較
して非常に高くなっております。さらに、保護者の
地域
や友人との
関係
を見ると、非貧困層に比べて貧困層はつながりが弱い傾向が見られると、こういった
調査
から見ることができるというふうに思っております。 こうしたことから、
沖縄
について独自の子供の貧困対策に取り組むことや、貧困世帯を様々な
支援
につなげていくことの必要性を改めて感じたところでございます。
紙智子
132
○紙智子君 今
お話
しになりましたけれども、命を支える食事さえも十分に買うことができていない
沖縄
の子供の貧困の深刻さが浮き彫りになっているというふうに思います。 全国的にも今、子供の貧困が問題になっています。二〇一二年の厚生労働省の
調査
で、国内の子供の貧困率は一六・三%と、子供の六人に一人が貧困状態だというふうになっているわけですね。今回の
沖縄
の
調査
では、貧困率は全国平均の一六・三%を大きく上回る二九・九%というふうに算出をされています。全国平均の一・八倍なわけですよね。 なぜこんなに高いと思われますか。その御
認識
をお聞きしたいと思います。
島尻安伊子
133
○
国務大臣
(
島尻安伊子
君) 所得の低さ等は、これデータとして出ているということがございます。 先ほど他の
委員
からの
質問
でのお答えもさせていただきましたけれども、やはり
沖縄
における子供の貧困の負の連鎖があるということはこれ事実でございまして、各専門家の意見、あるいはNPOの
皆さん
との意見交換等でもこれは出てきているところでございまして、私としては、そこを何とか早く断ち切る、そういった施策を講じていきたいというふうに考えています。
紙智子
134
○紙智子君 それで、なぜこれ
沖縄
県は独自に
調査
をしたというふうに思われますか。独自の
調査
をなぜやられたと思われますか。
島尻安伊子
135
○
国務大臣
(
島尻安伊子
君)
沖縄
県の
調査
は、全国的な
調査
の一環だというふうには
認識
しております。
紙智子
136
○紙智子君 これ、二〇一三年に子どもの貧困対策
推進
法が全会一致で成立をしました。都道府県の責務として、子供の貧困対策について
計画
を定めるように努めるというふうにされたわけですね。 だから、一三年にこれ決まっているわけですよ。
沖縄
県が全国に先駆けて、その意味では、みんなが決まってやらなきゃいけないんだけどなかなか手が着いていない中で、全国に先駆けて
調査
を行ったわけです。私は、やっぱりその役割というのは本当に大きいというふうに思うんですけれども、
大臣
、このやっぱり
沖縄
が率先してやったということについての役割は大きいというふうに思われませんか。
島尻安伊子
137
○
国務大臣
(
島尻安伊子
君) やはり、この子供の貧困について、特に
沖縄
については各方面から
指摘
はあったわけでありますけれども、なかなか手が着かなかったというふうに私も
認識
しておりまして、その点、
沖縄
県もそうですし、今回、我々
内閣
府としてもアクションを取らせていただいておりますけれども、これをまた基にして適切な施策を実行していきたいと考えています。
紙智子
138
○紙智子君 県の青少年・子ども家庭課は、貧困率は対策の前提となる数字なんだと、全国の数値は
沖縄
の実情には合わず、有効な対策を打ち出すためにも県独自に算出する必要があったと言っているんですね。大枠を提示する貧困率と実態を示すアンケートが合わさることで、貧困の現状を実感することができたというふうにおっしゃっているわけです。 それで、実態
調査
で具体的な数値が示されて、
沖縄
県が自治体として子供の貧困問題の解決に真っ先に取り組む姿勢を示したということは、これは大変大きな意味があるのではないかというふうに思うんですけれども、その点も一言いかがでしょうか。
島尻安伊子
139
○
国務大臣
(
島尻安伊子
君)
沖縄
県も動きを取っているということは大変評価をするところでございます。 なお、やはり我々
内閣
府としても、
沖縄
県ときちっとお互いに相乗効果があるようにやっていかなければならないというふうに思っておりまして、いずれにしても、やはり有効な施策が何なのかということ、それから、その前にやはりそういった大事な
調査
をきちっと分析をして、どこに何を投じなければならないのかということはしっかりと県と国が
連携
を取ってやるべき
課題
だろうというふうには思っています。
紙智子
140
○紙智子君 かねてから
沖縄
県は貧困という問題が
指摘
をされています。子供の貧困を解決するために私どもの
日本
共産党の議員団の
皆さん
も努力をしてきたと思うんですね。しかし、全国に比べて一人当たりの県民所得が最少とか、非正規の職員・従業員率、母子世帯の出現率など全国一位とか、貧困率が高い
状況
があると。 なぜこういう
状況
が努力しているわけだけれども続いてきたのかということですよね。それは、やっぱり
沖縄
戦で県土が荒廃した上、終戦後、米軍の統治下に置かれたと。本土で戦後すぐに施行された児童福祉法は当然このときは適用されなかったということもあります。母子世帯などへの
支援
は遅れたという
指摘
もされているわけですね。 本来は、やはり自治体の役割として住民の福祉の増進を図るということがあるわけですけれども、多くの時間を基地問題に費やしてきたというか、その基地問題の解決に翻弄されてきたということも背景にあるんじゃないかと思うんですけど、いかがですか。
島尻安伊子
141
○
国務大臣
(
島尻安伊子
君) この背景に関してはもう様々な御意見があるとは
認識
をしております。ただ、現状として、
沖縄
特有の事情としては、やはり深刻な
状況
にもかかわらず行政の
支援
がなかなか子供とか貧困家庭に行き届いていないということ、それから、日中にとどまらず夜間も子供の居場所がないということが特徴的に示されるのではないかというふうに思っております。 私も、自身の政治的な活動において、基地か経済かのみならず、やはりそこで抜け落ちてしまった暮らし、やはり県民の福祉、暮らしの部分、そこにきちっと光を当てなければならないというところは当初から持っているところでございまして、その点、
沖縄
担当
大臣
として
沖縄振興
の中に含んでこの
沖縄
の子供の貧困対策取り組んでいくということは、大変私にとっても重要な仕事だというふうに考えています。
紙智子
142
○紙智子君 基地か経済かということを言われて、そしてその行政の手が届いていないということを言われたんだけど、私はやっぱり基地問題が背景にあるというのは本当に大きいと思いますよ。 それで、子供の貧困問題解決するためにも、今そういう中でいろいろ努力を重ねてきて、全国にも先駆けとなるこの役割をやっぱり認めて応援するということが大事だと、
沖縄振興
大臣
としては重要だというふうに思うわけなんですよね。 そこでなんですけれども、島尻
大臣
は、昨年十二月の十五日の記者会見で翁長県知事の姿勢が来年度の
沖縄関係予算
の
確保
に影響するかどうかということを問われて、
予算
確保
に全く影響がないというものではないということを言われたんですね。この発言は、やっぱり子供の貧困問題を解決するために応援するじゃなくて、逆に背を向けるようなというふうに思われても仕方がない発言じゃないんでしょうか。
島尻安伊子
143
○
国務大臣
(
島尻安伊子
君) ずっと私は
振興
予算
と基地問題はリンクしないということはこれまでも一貫して述べさせていただいておりますし、昨年の御
指摘
の十二月十五日の会見でも明確に申し上げております。
平成
二十八年度
予算
についても、
沖縄
担当
大臣
として麻生財務
大臣
と
大臣
折衝を行わせていただく中で、昨年度から十億円程度増額した三千三百五十億円を計上し、
沖縄振興
を進めていく上で必要な
予算
をしっかりと
確保
することができたと
認識
をしております。 引き続き、
沖縄
担当
大臣
として、
沖縄振興
を総合的、積極的に進めていきたいと考えています。
紙智子
144
○紙智子君 基地問題とリンクしないということは、これずっとそういう立場で来たと思うんですよ。それで、そう言われたとしても、誤解を与える発言をしたというのはちゃんと是正しないといけないというふうに思うんですね。 やっぱり過去にもこういうことが議論になることはありましたけれども、例えば山口前
沖縄
北方担当
大臣
のときにも、
沖縄
の歴史的、社会的、地理的事情を勘案した特措法に基づいて
沖縄振興
を図っていると、これは国の責務なんだと、膨大な国家
予算
あるいは待遇と引換えの米軍基地は論外だということで、リンク論については否定をする発言もされてきましたし、そういう
政府
の姿勢をきちっと示すということが大事であって、やっぱり誤解されるような発言は今後の問題としては慎んでいただきたいということを、最後、苦言になりましたけれども、一言申し上げて、
質問
を終わります。
江崎孝
145
○
委員長
(
江崎孝
君) 以上をもちまして、
平成
二十八年度
一般会計予算
、同
特別会計予算
、同
政府関係機関予算
中、
内閣府所管
のうち
内閣本
府(
沖縄関係経費
)、
北方対策本部
、
沖縄総合事務局
及び
沖縄振興開発金融公庫
についての
委嘱審査
は終了いたしました。 なお、
委嘱審査
報告書の作成につきましては、これを
委員長
に御一任願いたいと存じますが、御
異議
ございませんか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
江崎孝
146
○
委員長
(
江崎孝
君) 御
異議
ないと認め、さよう決定いたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後零時十二分散会