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岡本(三)
分科員 大臣、これはやはり調査させるべきじゃないですか。私は、
日本の
大学を出た後にイギリスの
大学に行きまして、その後、
アメリカで
大学院にも行きました。働いている途中ではシンガポール、いろいろな国に住んできたんですけれども、
日本ほど、子供に、
教育にお金を使わない国はないのではないかなというふうに思っているんですね。例えば、
我が国の当初
予算、初めに組まれる
予算はざっくり百兆円ですよね。その中で
文科省の
予算はたったの五兆円、五%です。
国として考えると、
政府と地方自治体が一緒に支出している公的な金額、一般
政府総支出といいますけれども、国と自治体が年間に使うこのお金の中で、
教育費が占めている割合がどれぐらいかというのをOECDが調査いたしております。その中で
日本は、一年間に使う金額の中で
教育費に使う割合が最下位、びりです。将来に対して最も明るい光をかざしていかなければいけない大人の役目が実際にできていないのが、残念ながら我が
日本であり、圧倒的に子供にお金を使わない国なんですね。
私は四年前までビジネスマンでしたので、今、
安倍総理が、企業が設備投資をすることを非常に重要だとおっしゃっています、そのとおりだと思うんです。国にとって、子供に
教育費をかけていくというのは、次元は違いますけれども、企業にとっての設備投資や
研究開発費、未来に対する投資と一緒だと思うんです。そこの投資もせずに将来の豊かな国をつくろうなんというのは、種を植えていないわけですから、何の果実もなり得るわけがないというふうに私は思っています。
基本的に、子供に対する
教育の支援をどこまでやっていくかということが
日本の将来を決めていくというふうに思っておりますので、私は、この給食費というのは、戦略的に無償化、四千四百億円、国が地方も含めて
協力をしながら、全体として国で払っていくべき金額だというふうに思っています。
こう聞くと、そんな大きな金額、できるわけないじゃないかと思われるかもしれませんけれども、例えば、今、小中学校の教科書は全部無料配付です。多分、私の娘たちは、昔、教科書が有料だった、買わなければいけなかった時代があったことさえも知らないと思います。そういうふうに給食も変えていかなきゃいけないと思うんですね。
教科書は、ちなみに
昭和三十八年から無料化の
動きが出てきています。これは、
昭和三十八年三月十三日、我が党の参議院議員柏原ヤスさんが、本
会議で当時の池田勇人総理
大臣に教科書無料配付の完全実施を迫り、決断していただきました。その日の夕刊各紙のトップ一面です。読売新聞は、三月十三日の夕刊にこう書いています。
昭和四十一年度には教科書無料配付完全実施、首相、教科書無料配付で公明柏原議員に答弁。
それから始まったことなんですね。ただ、今となっては教科書を買うなんという発想自体がおかしいんじゃないかとみんな思っているようなことが、つい五十数年前は行われていたわけです。給食も同じように将来変えていかなきゃいけないんじゃないかと思っているんです。
この無料配付は、実は、いきなり
昭和三十八年からできなくて、
政府の
対応がおくれたので、完全に小中学生全員に無料配付になったのは
昭和四十四年です。その間までは何が行われたかというと、小学校一年生から三年生まで無料配付になったんですね。四年生以降は親御さんに買っていただかなければいけない
状況が続きました。
そのときに何が起こったかというと、地方自治体にそのすき間を埋めていただくような
活動をしていただいたんですね。小学校四年生以上で急に教科書を買わなければいけなくなったということで、北海道の歌志内市という市があります、ここの市というのは、
もともとは炭鉱ですごく栄えていた町なんですが、その炭鉱が廃鉱になりまして失業者が多くなって、生活水準が残念ながら悪くなっていきました。
ここに我が党の一人の市
会議員がいまして、小学校四年生から中学校三年生まで、国ができないのであれば、その間、市で教科書を配付していこうということを掲げて、市長とともに戦いまして、
予算をかち取って、実際に、国が中学校三年生まで完全無償化するまでの間、足らない分を市で補填して配りました。
そして、このことを、同じ公明党の地方議員らは、埼玉県の所沢市、川口市、大宮市と
共有をいたしまして同じようにやって、
昭和四十四年に国が全部教科書を無料配付したときに、全ての自治体がその役目を終えて国に責任を果たしてもらったという歴史であります。
本当に今、昔は教科書を買っていたんだよと。この柏原ヤスという参議院議員は、議員になる前は小学校の先生だったんですね。
大臣も教鞭をとられていらっしゃいます。この人が小学校の先生のときに、御両親の所得が低いからということで教科書が買えないようなお子さんが、涙ながらに教科書が欲しいと訴える姿を見て、そして、少ないお小遣いの中で自分では買えないのに、恥ずかしいから私は買いたいんだというふうに先生に訴える姿を見て、その気持ちを心にとめ置いて、参議院議員になった後に、そのことを一番初めの御自分の政策に掲げて実現をいたしました。
私は、給食においても全く同じ気持ちなんです。どこかで本気で国が取り組んで、子供の未来にしっかりと支援をしていくという形で全額国がその費用を払っていく。四千四百億円というのは大変な数字です。ですから、
文部科学省の五兆円の
予算のつけかえだけでできるような数字ではないことはよくわかっています。ただ、
我が国が一年間に使う
予算から考えますと、〇・五%以下です。ほんの一%の何分の一の金額で、小学校一年生から中学校三年生までの将来に対して国は全面的に支援するというメッセージを送ることができるのであれば、
大臣御自身が、総理や官房長官、財務
大臣と交渉されて、大きく道を開くような御尽力をお願いしたいと思いますが、
大臣、いかがでしょうか。