○白須賀
分科員 自民党の
白須賀貴樹でございます。
本日は、
塩崎大臣に胸をおかりさせていただいて質問させていただきます。
与党の議員は、どちらかというと、
大臣と政策で話す時間というのはなかなか少ないと私はいつも思っておりまして、質問時間は野党の
皆様方に大体
委員会でもお渡ししておりますし、また、部会等には
大臣が出席することはできません。そういった意味で、きょうは、私の思っていることを
大臣にぶつけていきたいなと思っております。
その前に、
塩崎大臣に、前、飛行機の中で、高知に私が向かうときにたまたまお会いさせていただきました。私は斜め後ろに座っていたんですけれども、私は乗り物に乗るとすぐ寝てしまう性質でございますのですぐ寝てしまったんですけれども、ぱっと途中で起きると、
大臣は、ずっと何かペンで引きながら、あの飛行機の時間帯、ずっとお勉強されていたみたいでございます。本当に非常に政策通で、私の敬愛する
塩崎大臣でございます。これだけごまをすったので、よろしくお願いします。
そういう冗談はともかく、本当にきょうは、
大臣に、私の政策等も含めて、だめ出しのところはだめ出ししていただきたいと思いますし、また、さまざまな御意見、御助言をいただきたいと思います。
まず最初に、我が国の最大の問題、
課題というのは、もう
皆さん御存じのとおり、人口減少、
少子高齢化、これに尽きます。もう釈迦に説法でございますが、やはりこの国、二〇二五年には団塊の世代の
方々が
皆さん七十五歳以上になられまして、今、ざっとですけれども、六千四百万人の
方々が働いておりますが、二〇二五年には大体七百万人、二〇三〇年には九百万人の
方々がお仕事をリタイアされる。そして、二〇三〇年からは毎年毎年約百万人の
方々が亡くなられていくという人口減少
社会に加速されていきます。
その中で、
大臣のお住まいの愛媛県が二〇一二年に約百四十四万人、近くの香川県が約百万人でございます。ですから、毎年毎年、四十七都道府県の一つの香川県が一個一個消えていく、それが約二十年間続いて、約二〇五〇年には一億人以下になる。このスピード、そしてこれだけの人口減少が起きるというこの問題認識は、本当に私たち政治家はしっかりと考えなければいけないと思っておりますし、また、
大臣が一番考えられると思っております。
人口が減少していくことにはどういうことが起きてくるのかというと、やはり、当たり前ですけれども、労働力が減ってくるし、税収も落ちるし、
消費活動も落ちる。さまざまな問題が出てくる中で、そしてまた、今我が国の働いてくださっている
方々で今のGDPを支え、税収を支え、そしてさまざまな労働をしていかなければいけない。二〇三〇年には約五千五百万人ぐらいになってしまう。そのことを考えますと、私は、やはりこれから多様な働き方、この
日本人がどうやって働いていくべきか、そのことに本当に真摯に取り組まなければいけないと思っております。
特に、今のアベノミクスで、いわゆる金融政策によって、私たちはそれなりの景気浮上というものは体験しております。しかし、これはあくまでカンフル剤の一種でありまして、本来やるべきことは、このときにしっかりと先を見据えた構造
改革、それをしていかなければいけない。
その構造
改革の中で、私の持論でございますが、やらなければいけないのは、労働法制、そして税制、
社会保障、この三つをパッケージ化してしっかりと考えていかなければいけない、そのように考えております。特に、これから我が党の政策、GDP六百兆円に向けて進むに当たり、これはどう考えても、お一人お一人の国民の
皆様方のGDPをどうやって上げていくか、また生産人口をいかにふやしていくか、これに尽きると思います。
そして、このGDPを上げるため、そして働き方を変えるため、何をしなければいけないか私はずっと考えていたんですが、やはり、最初に労働法制を考えますと、必ず壁が来るのが、税制の壁と
社会保障の壁でございます。どうやってもやはり百三万円の壁、百三十万円の壁、そしてまた労使折半の
社会保障、さまざまな問題が目の前に立ち塞がります。
私の持論としては、自由な労働、例えば週二日正社員、週三日正社員。また、一日八時間、週五日の四十時間の労働、これが正社員の最初の定義でございますけれども、それが週二日の正社員でもいいんじゃないか、週三日の正社員でもいいんじゃないか、一日六時間、週五の正社員だっていいじゃないか。さまざまな働き方をして、その自由な労働の仕方を考えていく。
でも、そのときに、いわゆる自由な、流動的な労働を考えますと、どうしてもやはり労働力の使い捨てみたいな話が出てしまいますので、こうなってはいけません。ですから、そのときに一緒にセットになって考えなければいけないのが、やはりしっかりと
社会保障に
責任を持たせる。つまり、人を雇ったときには、その企業は、私の持論でございますけれども、一分でも働かせたら、一円でも稼がせたら、企業はそれ相応の、応分の
社会保障の面倒を見ていく。
そして、週二日、週三日の自由な働き方。A社とB社、二日ずつ勤めたっていい、二日と三日勤めてもいい。さまざまな働き方をさせてあげることが本来の自由な労働力の分配であり、また、七十歳以上の御年配の
方々がいきなりフルで正社員で働けといっても、これは大変体力的にも厳しい方も出るでしょう。そういう
方々のことも考えれば、週三正社員という考え方だってあると思います。
また、これはちょっと言葉が悪いかもしれませんが、例えば田舎の方の町役場、村役場で、公務員の
方々が、本当に週五日間四十時間、その場に必要ですか。それとも、三日間公務員をされて二日農業をされて、トータルの所得はマイナンバーでわかる、そしてそれ相応の負担をしてもらう。さまざまな働き方も考えられます。
また、医者不足のいろいろな隔地がございます。週三日だけ東京で働いて、週一日だけでも地方で勤務をされる、こういう自由な働き方。そういった、東京だけとかじゃなくて、東京と地方であったり、地方でも、ある県とある県であったり、ある会社とある会社であったり、さまざまな自由な働き方。
そしてまた、女性においても、出産されて、例えば
子供がまだ小学生のとき、早く帰ってあげたい、そういうときには、週五時間、週六時間、それでも正社員として認めてあげよう。そして、御自分の
社会保障もしっかりと自分で払いながら、そして
子育てをすることができる。お父さんの方もそうです。
一時期育児休業とかそういう話が出ていましたが、私自身は、本当にちっちゃな零細企業で社員が三人とか四人しかいないところの会社で、本当に育児休業はとれるのかなと思っていたところもありましたので、私は、随分前の
分科会だったんですけれども、育児早退、できる限り、二時間だけでもいい、三時間だけでもいい、早く帰らせてあげる、男性の
方々を帰らせてあげる。そして、例えばこの冬の寒い時期に、お母さんが、お父さんがまだ帰ってきていなくて、
子供とお風呂に入っていて、そのときに、自分の体が冷えても先に
子供のことを拭いて、風邪を引かないようにお洋服を着せてから自分がまた体を拭いてと、これは本当にストレスになります。そのときに、二時間前に旦那さんが帰ってくれるだけで相当ストレスが緩和されます。
また、私の個人的な思いとしては、やはり家族というのは、夕方の六時、七時になったら一家団らんをしてもらって、みんなで夕食を囲んで、お父さんこういうことがあったよ、お母さんこういうことがあったよ、そういう時間も絶対に人生の中に大切だと思います。
そういった新しい、本当にワーク・ライフ・バランスというものを考えるときには、私は、どういう働き方、多様な働き方、そういったものを提唱していきたい。
そしてまた、適当なことを言わせてもらいますが、控除という考え方も私はいかがなものかなと。もちろん、百三万、百三十万の壁で、給料によって働く時間を制限されているという問題もやはりありますが、私は、税というのは、中立、公平そして簡素という原則がありますが、そこにやはり目的意識というものが必要だと思います。ですから、どちらかというと、私は控除というものはこれからなくしていくべきだと思いますし、そのかわりに、しっかりと手当によって保障していくというか、手当てをしていく。
例えば、お二人が結婚されて、夫婦手当というのはちょっとお話が変だと思いますが、結婚されてお子様が生まれたら、ちゃんと目的で、
子供を育てるための手当ですよという形でぼんと出してあげる。目的を持って出してあげて、なおかつ、そこにやはりしっかりと所得制限もかけて、しっかりと
子供たちが産み育てられ、しかも公平感があって中立がある。
そういう税制にするためには、昔ながらの控除という考え方、そういったものを考えていくのではなくて、しっかりとした、最初の本来の税制を考え、そしてまた
社会保障のことも考え、今は、二社、A社とB社で勤めていましたら、A社とB社でどちらかが、一番負担をしている方、お金を払っている方が、まず全額労使折半の分を払って、A社はもう一つのB社の方に均等割した分をちゃんと徴収する、これを民間に任せているというのはいかがなものですかね。
ですから、そういった意味で、
社会保障の
改革も、そしてまた税制の
改革も、そして働き方の
改革も、パッケージにして
皆さんで議論をして、どうやれば自由に働くことができ、そしてまた労働参画しやすい
環境をつくり、もちろん無理なく、また自分の人生の中でどういう時間の配分をするか。
また、私、最近思うんですけれども、三十年先のこともよく考えています。三十年先、
塩崎大臣は、今、六十七歳じゃなくて、六十五……(
塩崎国務大臣「そんなにいっていないよ」と呼ぶ)いっていないですか。失礼しました。三十年後、恐らく
介護、いや、失礼しました、冗談です。三十年先、私、まだちょうど七十ぐらいで、まだ働けると思います。それで、三十年前を考えました。三十年前、何をやっていたのかなと思ったら、まだ小学生なので、ファミコンばっかりやっていたんですね。
そのファミコンというのは、ちょっとこの間ウィキペディアで見たら、八ビットしかないんです。ビットというのは、二掛ける二掛ける二掛ける、二の八乗ですから。今、アイフォン6を見たら六十四ビット。二の六十四乗ですから、二を六十四回掛ける。もう天文学的に違うスピードで物事が処理されている。私も、小
学校のときの、あのドット画面の粗いゲームをやっていたときには、今みたいに、携帯で動画が配信されて、何でも調べることができて、小型のパソコンを持ち歩くなんてことは全く想像していなかった。
つまり、二十二歳で大学を卒業して、それからそのまま七十まで働かれるとしたら約五十年間。その五十年間の間に、どれだけの
技術の進歩があって、どれだけ物事が変わって、この国の形がどう変わっていくか。二十二歳のときに学んだことと七十歳のときと、どれぐらい
日本が変わっていくかということを考えると、約半世紀ですから相当な変化があります。
ですから、二十二歳から、例えば四十何歳のときに、もう一度勉強してみようとか、自分の違う仕事に移ってみよう、そのための勉強をする時間も欲しいな、さまざまなことを考えて、やはり働き方、そのときに、全部仕事をやめて私は勉強の方に行きますよなんて言っても、これはすごく勇気が要りますから、せめて週二正社員、週三正社員という形で、そして、会社の方としても、その彼がグレードアップしたり、また違う分野のところでも活躍してもらったら、会社にとってプラスになるかもしれない、また、
日本にとっても
社会的にとっても人的投資としてはプラスになります。
そういったさまざまな自由な生き方、働き方、そして学び方、さまざまなことを考えますと、今のこのままの労働法制で、本当にこの国は、五十年先、生き残ることができるのであろうか、そのことをいつも私は考えておりまして、仲間の議員、特に同期の仲間たちと絶えずディスカッションしている内容、そして、ここまでドラマチックに変えることができたら
日本というのはおもしろくなるんだろうな、そのような思いで
塩崎大臣に、今自分の思いをぶつけさせていただきました。しかし、なかなかこれは答えることが難しいと思いますので、質問に入らせていただきます。
人的資本のポテンシャルを最大限発揮するためにはどうするべきか、また、構造的な人材不足への対応について、
大臣の御見識をお伺いしたいと思います。よろしくお願いいたします。