○
奥野(総)
委員 私が伺っているのは、明らかに事実に反する事項というのと違うと思うんです。例えば、政治的に公平かどうかというのがきちんと判断できますか、あるいは、アベノミクスというのが本当にみんなに行き渡っているのがきちんと判断できますかということを言っているわけですね。アベノミクスを批判する人は当然いてもいいわけですよ。それを許容できないというのは私は問題だと言っているわけです。
先ほどの電気事業法の話にしたって、そういう立場の方のそういうコメントを取り上げちゃいけないんですか。そこを言っているわけですよ。その後に、ちゃんとニュースの中では、与野党の政争の具にされて廃案になったんだ、こういう報道もなされているわけですよね。その部分だけ取り上げて取材拒否をする。しかも、総理が明らかにかかわっているわけですね。後で、別の番組で、もういいんだ、謝罪があったからいいんだとおっしゃっておられるわけですから、総理もかかわっているわけですよ。本当にこれで
日本の報道が萎縮しないでいるんですか。
しかも、これは選挙の直前ですよ、いずれも。選挙の直前に殊さらにこういうことをやると、選挙報道を自由にできなくなるじゃないですか。まさにそれこそ意図的なやり方じゃないかということをまず指摘させていただきまして、次に移りたいと思います。(発言する者あり)また最後に戻ってきますから大丈夫です。
次は、問題の電波停止の話です。
一連の報道の萎縮についてきょうは取り上げていきますが、この電波停止という言葉が出たのは、二月八日、私と高市
大臣とのこの予算
委員会での場の議論が最初でありました。
まず、では電波停止とは何のことですかということで法律を簡単に見ていきたいと思いますが、電波法と、それから、書いていませんが放送法に規定があります。いわゆる地上波テレビ局、それからBSなども電波法の
所管になりますし、放送法の百七十四条というのは、ここには出ていませんが、ケーブルテレビなどに適用される同じ条文があるわけです。
長々と書いてありますが、
総務大臣は、放送事業者がこの法律に違反したときは、三カ月以内の期間を定めて電波の停止を命ずることができる、そこがポイントです。
総務大臣の判断で、法律違反だ、放送法違反だ、電波法違反だと判断すれば電波をとめられる、あるいはケーブルであれば送信をとめられるというのが、シンプルに読むとこの法律の規定なんですね。
非常に強大な権限、例えば審議会の諮問とかもないですし、これだけ読むと非常に強い権限が与えられるということになります。だからこそ、どういう場合が放送法違反になるのかということが大事になってくるわけです。
政府は、この放送法四条については、これは倫理規範だと言って、義務はない、責任を
政府が問うことはできないんだという解釈がずっと続けられてきましたが、今は、一九八〇年代の半ば以降は、これは法規範性があるんだという前提で行政が進められています。ここに異を唱えることもできますが、きょうは先に進みませんから、法規範性があるという
政府の解釈を前提に議論していきたいと思います。したがって、法規範性があるということになると、四条の違反も問うことができるということになります。
では、四条についてどういう規定があるかということですが、公序良俗に反しないとか、二号が政治的に公平でなければいけないとか、事実は曲げてはいけないとか、それからいろいろな角度から取り上げなきゃいけないとかということが、放送事業者が番組編集において行わなければならない義務として定められているわけであります。
そして、これは法規範であるという解釈が既にもうずっと続いてきていますから、四条違反、例えば四条二号の政治的公平性についても違反を問い得るというのが
政府の立場だと思います。
そして、四条一項二号の政治的公平性違反について、もう一度伺いますが、私が二月八日のときに問うたのは、個別の番組についても、一つ一つの番組についても政治的公平性違反を問うことができますか、そして、それが四条一項二号違反だ、政治的公平性を欠くということになったときに、電波の停止、電波法にもとって、放送法違反として電波をとめることができますかという問いを
大臣にしたわけであります。
もう一度確認しますが、こうした場合に、個別の番組について
大臣が政治的公平性を欠いていると判断したときに、この条文に基づいて電波法違反として放送をとめることができますか。改めて
大臣に伺いたいと思います。